レールの上を転がってくるボールを消していく「パズループ系」のアプリの中でも、特に完成度が高いゲームの1つ。
それが「Sparkle」です。
先日紹介した「パズループ」を元に、海外では「ZUMA」というゲームが発売されました。
この ZUMA はパズループと同じシステムを持ちますが、レールが「渦巻き状」とは限らないことと、発射台が画面中央以外の場所にも設置されているのが特徴です。
そしてこの ZUMA は欧米で大ヒットし、ユーザー投票で決まるゲーム賞も受賞しました。
この受賞、ZUMA が模倣作であるため、その点に賛否があるのですが・・・
(ユーザー投票ならしょうがないと思うけど)
ともかく、人気の ZUMA をさらに模倣して作られた iPhone / iPod touch のアプリが「Sparkle」です。
開発は Azkend などでおなじみの、秀作アプリを多く発表しているメーカー「10tons」。
ちなみに盗作疑惑で削除されてしまった StoneLoops! を作ったのもここですね。
なお、ZUMA を作ったのは先日ご紹介した ロード・オブ・ザ・リング の TD を開発した Glu、発売は Plants vs. Zombies で有名な PopCap Games なので、本家の ZUMA が iPhone で登場してもおかしくはないのですが・・・ 今のところ、その動きはありません。
パズループ系は色々と「デリケートな状態」になってますからね・・・
話がそれましたが、ゲーム内容は前述したように「パズループのレールが渦巻き状とは限らなくなったもの」です。
レールの上をボールが列になって転がって来ます。
プレイヤーは発射台から手玉を射出し、列の中に加えていきます。
そして同じ色のボールを3つ並べると消去する事ができます。
消えたボールの両側にあるボールの色が同じなら、引き寄せられくっつきます。
くっついた事で再び同じ色が3つ以上そろっていたら「連鎖」が発生。
ボールを消しきれなくなって、レールの終点までボールが来るとゲームオーバー。
基本ルールは「パズループ」とまったく同じですね。
ただステージクリアの条件は異なっていて、ボールを全て消すことではなく、ボールや列を消すことで発射台の周囲のルーン文字が点灯していき、全て点灯させてから画面内のボールを消せばクリアとなります。
このルーン文字は連鎖や一度に多くのボールを消すと多めに灯るので、連鎖などを狙う事がクリアの早道にもなっています。
Sparkle の特徴は、全体的にゲームのスピードが速いことでしょう。
他のパズループ系よりボールが速く転がり、発射台がボールを射出する間隔も短めです。
判断も速く行わなければなりませんが、スピーディーでテンポの良いゲーム展開が良いところですね。
また、アイテムが多数出現し、派手にボールを壊していくことが出来るのも特徴です。
そしてなんと言っても、グラフィックが綺麗。
10tons らしい「パーティクル」(光の粒子)が効果的に使われた美しい演出で、幻想的な雰囲気が醸し出しています。
マップ画面もあり、チェックポイントでは「アミュレット」を手に入れることができ、これを装備するとゲームが有利になります。
この辺は Azkend に似たシステムだと言えますね。
これらのグラフィックと追加システムで ZUMA とは違ったゲームにしようとしているのも伺えます。
操作性も良好で、やっていてやりにくさを感じる事はありません。
なお、発射台をタップすると先頭のボールと2つ目のボールが入れ替わります。
以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。
このトレーラーは NOKIA 版のものなのですが・・・ ゲーム自体は iPhone 版とほぼ同じです。
価格は 350 円。 クオリティーや内容を考えると妥当な価格かなと思います。
iPad 版の「Sparkle HD」も用意されていますが、こちらは 600 円とやや高めの設定。
しかし iPhone / iPod touch 版、iPad 版ともに無料体験版も公開されているので、まずはそちらで試してみるのもいいでしょう。
今あるパズループ系のゲームの中では、価格とクオリティーの双方を考えると、これが一番オススメかなと思います。
・Sparkle the Game(iTunes が起動します)
・Sparkle the Game Lite(iTunes が起動します)
・Sparkle HD(iTunes が起動します)
・Sparkle HD Lite(iTunes が起動します)
2010/11
それを iPhone アプリ化した Coin Dozer シリーズにまたまた新作が登場しています。
「Cookie Dozer - Thanksgiving」です。
先日 Coin Dozer のハロウィーン版 が出ていたので、Cookie Dozer の別バージョンは出ないのかなぁ、と思っていたら・・・
クッキーは「感謝祭(Thanksgiving)」の方に持ってくるとは。
こうやってこのシリーズは、季節イベントに合わせたバージョンを今後も出していくのでしょうか。
うまいやり方だし、ユーザーも新バージョンを次々楽しめるから嬉しいし、良い方法かもしれませんね。
内容は今までとほとんど変わらないのですが、何度やっても楽しめるアプリです。
ちなみに Thanksgiving(感謝祭・収穫祭)とは北米の祝日で、秋の収穫に感謝しつつ、七面鳥を食べる日として知られています。
画面の上部をタップすると手持ちのクッキーを落とします。
クッキーは前後している壁により「物理シミュレート」された動きで前に押し出され、手前の穴に落ちたクッキーは自分のものとなります。
サイドに落ちた場合はガター(アウト)です。
クッキーの他に多くの景品があり、これを集める事でゲームが有利になる特典を得られる要素もあります。
クッキーはなくなると一定時間経たないと補充されませんので、時間をかけて少しずつ進めていくタイプのゲームと言えます。
まあ、この辺の基本はこれまでの Coin Dozer や Cookie Dozer と同様です。
ただ、今回はちょっと変化した部分も見られます。
まずなんと言っても違うのは・・・ クッキーが丸くない。 葉っぱ型です。
おかげで動きが不規則で、今までとはちょっと違う感覚です。
クッキーのサイズ自体も Cookie Dozer の時より一回り小さいので、難易度は上がっている印象ですね。
また、クッキーを落とす上部が平らになり、広くなりました。
これによってクッキーを落としやすくなり、実際プレイしやすくなった印象があるのですが・・・
しかしこれが罠でもあり、端の方にも落とせると言う事は、「ガター(両サイド)の近くに落とせてしまう」と言う事でもあります。
そのため不用意に落としているとサイドに落ちまくります。
どういう形で落とすか考えないといけませんね。
さらに、まとめて5つのクッキーを落とせるようになりました。
落とす場所が広くなったための対応だと思われ、壁が出ている時に一気に落とす方法もやりやすくなりました。
ただ、まとめて4つや5つ落としまくっていると、あっという間にクッキーが尽きてしまうので、これも気を付ける必要があります。
私はサイドに壁が出た時以外は、これまで通り中央に固めて3つ落としていますが、まとめて落とした方がスペシャルクッキーは出やすいので難しいところです。
まあ、プレイスタイルが広がったのかな、という気もしますね。
今回から Game Center に対応し、「ランキング」も用意されました。
ゲーム中に「七面鳥の丸焼き」が出てきて、これを落とした数で順位や実績が付けられます。
七面鳥の丸焼き自体はゲームが有利になる効果はないのですが・・・ これが言わば「スコア」になっているようですね。
今までと大きく違う訳ではないのですが、相変わらず遊べます。
なんと言っても無料ですから、これまで通りオススメできるアプリですね。
ちょっとずつゲームに変化が出て来ているのも、今後が楽しみになる兆しと言えます。
Cookie Dozer や Coin Dozer が好きだった人なら、今回も落としておいて間違いはありませんね。
・Cookie Dozer - Thanksgiving(iTunes が起動します)
「Sentinel 3: Homeworld」です。
先日、「しばらくパズループ系のゲームを紹介します」と書いたのですが・・・ ここに来て注目のゲームがいくつかリリースされたので、先にこちらを取り上げたいと思います。
Sentinel は突如侵攻してきたエイリアン軍団と戦う SF のタワーディフェンス(防衛型リアルタイム・シミュレーション)で、非常に細かく書き込まれた綺麗なグラフィックと、道の途中に敵の進攻を防ぐ「バリケード(防壁)」があるのが特徴です。
Sentinel 1 は火星、2 は地球が舞台でしたが、今回はエイリアン側の母星が戦場。
前作・前々作は 攻略ページを作成しています ので、詳細はそちらをご覧下さい。
グラフィックは相変わらずの高クオリティー。
高解像度の Retina ディスプレイに対応しているため、iPhone 4 だとますます綺麗ですし、iPad で拡大表示しても違和感ありません。
ゲームは基本的に Sentinel 2 を改良して追加要素を加えたもの、と言った感じです。
敵は道に沿って進行してくる「ルート固定型」で、ルート上に何ヶ所かの「バリケード」があり、その周囲が防衛拠点となります。
敵はバリケードまで来るとバリケードを壊し始めますが、完全に破壊されるまで敵をそこで足止めすることが出来ます。
しかし破壊されると以後は普通に通過されるため、後方のバリケードに新たに防衛拠点を築かなければなりません。
このバリケード周囲の攻防がゲームのポイントとなります。
他にも Sentinel 独特のシステムである、ドローン(UFO)で資源を採掘してお金を稼ぐと言った要素もそのままです。
タワーもその多くが前作・前々作と共通していて、攻略なども前作のものをそのまま使えますから、これまでのセンチネルシリーズをプレイしてきた方なら迷うことなくゲームを始めることが出来るでしょう。
また、今回は序盤ステージがかなり簡単になっており、タワーも少しずつ増えていく形になったので、初心者の方でも遊びやすくなっています。
今作の大きな変更点は、「司令官が搭乗するロボット兵器の登場」です。
今回は始めからバリケードの前に「二足歩行のロボット」が配置されていて、周囲のタワーの能力をアップさせる「指揮効果」を持ち、さらに敵が来たら射撃と格闘で戦闘を行います。
この指揮官ロボはステージクリアで経験値を得て「レベルアップ」する事ができ、任意の能力をパワーアップさせられます。
さらにレベルが上がるとバリケードの修理や特殊攻撃などの特技も覚える事が可能です。
これにより、センチネルにも「育成要素」が追加されました。
ステージクリアによって資金も得ることができ、新しいタワーのスロットや母船からの支援攻撃のスロットは、この資金を使って追加していく形になります。
細かいゲームバランスの調整やタワーの一部変更、母船からの支援攻撃の追加/変更なども加えられていますが、「MAX レベルにした時の効果が大きいため、タワーは基本的に最大までアップグレードして使う」といった辺りは同様です。
iPhone AC の Sentinel のページも近日修正しようと思いますが、ほぼ前作の攻略がそのまま使えるので、うまく進めない方は 前作(Sentinel 2)の攻略 を参考にしてみて下さい。
以下は Youtube で公開された公式トレーラーです。
メインのゲームモード「キャンペーン」には 20 のステージが用意されています。
中には「マップが同じで敵の出現パターンが違う」というものもありますが、マップは最初から 14 用意されているため、センチネルシリーズでは最多と言えますね。
他にハイスコアを競う「エンドレスモード」と、使用できるタワーやロボットの能力が固定されている「クラシックモード」があり、それぞれ難易度・モード・ステージごとに OpenFeint や GameCenter のランキングが付けられます。
強いて難点を言うと、画面の書き込みが細かすぎて、最初にマップを見た時にどこが道かよく解らない場合があることでしょうか。
また、開始直後に準備時間がないので、「マップの道やタワー設置場所を確認してたら、敵がもう来てた」という事があったりします。
まあ、道の形は一度やれば解りますし、タワーの設置は一時停止中にも行えるので、すぐポーズして配置すれば良いだけですけどね。
これと言って大きな欠点はないと言っても良いでしょう。
価格は 450 円。 やや高めかもしれませんが、このクオリティーを考えると決して高すぎる価格ではないと思います。
基本システムは Sentinel 2 と変わっていませんが、最新作だけあってよりプレイしやすくなり、全体的な作り込みやボリュームなどが向上しています。
Sentinel はタワーディフェンスの中でも、「好き嫌い」がハッキリしているゲームだと思いますが、だんだんと万人向けになっている気がしますし、グラフィックのクオリティーもトップクラスです。
タワーディフェンスが好きなら一押し出来るアプリですね。
・Sentinel 3: Homeworld(iTunes が起動します)
それが「パズループ」です。
このパズループ系のアプリ、iPhone / iPod touch では大ヒットしていた StoneLoops! of Jurassica が盗作疑惑で消去されて以後、なんだかタブーになった感じで新作も出なくなり、敬遠されている印象なのですが・・・
とても面白いゲームだし、秀作も多く、現在そのオリジナル版と言える「パズループ」がセール中なので、関連アプリを続けてご紹介しようと思います。
iPhone / iPod touch 版のパズループはハドソンが開発・販売しています。
以前はアーケードゲーム(ゲームセンターのゲーム)だったので、見たことがある方も多いはず。
まあ、アーケード版はそんなにヒットした印象ではありませんでしたが・・・
渦巻きのようなレールの上を、カラフルなボールが連なって進んできます。
自機は常に渦巻きの中央にいて、ここから手玉のボールを列の中に打ち込む事が出来ます。
そして同じ色のボールを3つ以上並べると消去する事ができます。
消去されたボールの両側の色が同じなら自動的に吸い寄せられてくっつき、これにより同じ色のボールが3つ以上並べば「連鎖」が発生、さらに消えていきます。
ボールを消しきれず、渦巻きの中心まで到達してしまうとゲームオーバー。
その前にボールをすべて消去できればステージクリアとなります。
基本的にレールは渦巻き型ですが、ステージによっては角張った形になっているなど若干の変化があり、さらに手玉を打ち込めないトンネルなどが配置されている事もあります。
さらにレールの周囲を「おじゃまキャラ」が移動していて、手玉が当たると弾かれてしまいます。
元がアーケードゲームだったためか難易度はなかなか高く、他の同系統のゲームが総じて易しめなのに対し、このゲームは明らかに難しいです。
ただ、このぐらいの難しさの方がやり甲斐があるし、挑戦意欲が湧いてくる程度の難易度なので、むしろこちらの方が楽しめますね。
「おじゃまキャラ」も本当に邪魔ですが、「パズループは本来このぐらいの難易度だったんだなぁ」なんて思います。
ステージは 1-1 から 5-5 まで。 2-1 や 3-1 まで進めれば、次回はそこからスタートできます。
クリアがなく延々と続く「エンドレスモード」も用意されています。
以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。
アプリ自体の難点は特に見当たりません。
iTunes のレビューでは「操作性が悪い」という意見が多いのですが、タップした場所にボールを撃ち込む事が出来ますし、ドラッグで位置を微調整してから指を離して発射ということも出来ますから、操作性の悪さはまったく感じませんでした。
古いバージョンだと問題があったのでしょうか・・・?
以前は有料アプリなのに広告が表示されていたようで、それも批判対象になっていますが、現行バージョンは広告は表示されません。
このアプリの大きな問題は、アプリの内容ではなく価格設定でしょう。
当初は 900 円という「パズループがその値段で売れる訳ねーだろ」と思うような強気の高額設定でした。
その後に値下がりしましたがそれでも 600 円で、似たアプリが 115 円とかで売られている中、どう考えても割高です。
ただ、最近のハドソンはセールをすることが多く、115 円で売られることも多くなっていて、その値段ならオススメできますね。
よってここでは「セール狙いのアプリ」として勧めたいと思います。
無料版もあり3面しか遊べませんが、このゲームの面白さは十分体験できるので、セール以外の時はまずそちらで試してみるのがいいでしょう。
ちなみにエンドレスモードのみプレイ出来る 230 円の「パズループ Endless」もありますが、そんな中途半端なのを買うなら通常版をお勧めいたします。
・パズループ(ハドソンの消滅に伴い公開停止)
それは 1943 や 1941 などシリーズ化され、カプコンの定番シリーズとなっていました。
そして先日、その 19○○ シリーズの iPhone / iPod touch アプリが登場しました。
「1942 -FIRST STRIKE-」です。
いや、正確には・・・ 「以前から販売されていました」。
実はこのアプリ、欧米では半年ほど前から公開されていたのです。
日本で公開されていなかったのは、これがカプコンのヨーロッパ支社で作られたものだからのようで、つまり日本のカプコン本社はノータッチの模様です。
先に言ってしまいます。
このアプリは日本で言うところの「1942 シリーズ」ではありません。
海外開発のため本家の 1942 らしさはほとんどなく、ゲーム内容は完全に「向こうで作られたゲーム」です。
「海外の別メーカーで作られたオリジナルのシューティング」だと思った方が良いでしょう。
オーソドックスなスタイルの縦スクロールシューティングです。
自機は耐久力制+残機制で、ボムもあり。
武器は通常弾(パワーアップで貫通弾)、機銃弾、拡散弾(3WAY、4WAY)が用意されていますが、パワーアップは2段階しかなく、そんなに強化されません。
この点は初代 1942 や 1943 らしいとは言えます。
自機は 19○○ シリーズのメイン機「P-38 ライトニング」の他に、イギリスの名機「モスキート」、日本の幻の戦闘機「震電」の3機。
各機体は移動速度や攻撃力・防御力が異なりますが、能力はステージ開始前に所持資金でパワーアップできるため、最終的にはどの機体も同じような能力になります。 初期能力と見た目が違うだけですね。
操作は指の少し上に自機が移動するタイプですが、自機の速度には上限があるため、指を動かしたのと同じ速さでは動きません。
指を後から追従してくるような動きになるため、ややゆったりとした慣性が働いているような動きになり、最近のシューティングに慣れていると違和感を感じます。
指の上に位置するという性質上、画面の最下部にも行けませんし、「やや古い iPhone のシューティング」という感じの操作と言えますね。
私的には、それほど悪い操作性ではないと思います。
しかし画面下からも敵が出てくることが多い上に、その敵が指で隠れて見えない事が多く、海外製の縦シューにありがちな「イマイチ配慮がない内容」であるとは言えます・・・
以下は海外サイト The GameTrail による、Youtube で公開されたゲームトレーラーです。
基本的には「普通の縦シュー」で、あまり特筆する点はありません。
そんなに悪い点はありませんが、良いと思う点もありません。
背景はそれなりに綺麗ですが、演出はもの足りず、戦車や軍船を倒しても残骸なしで消えてしまいます。 敵の種類も少なめです。
これが登場したのが2年前なら、定番シューティングになり得たでしょう。
そんな感じの内容ですね。
今となっては「佳作」に過ぎず、海外での評判も芳しくありませんでした。
ただ、海外版は「操作性が悪い、当たり判定デカ過ぎ」など散々な言われようだったのですが、私がやった限りではこれらの問題点は感じなかったので、日本発売の前に日本向けに調整が行われているかもしれません。
しかし 1942 シリーズらしさは背景や舞台設定だけで、カプコンの 19○○ の名を冠しているシューティングとしてみるとガッカリする事になります。
海外製のオリジナルシューティングとしてみると・・・ まあまあと言ったところでしょうか。
ステージ開始前にちょっとした 3D ムービーがでたり、ボス前に登場演出などが入ったりするのですが、ゲーム自体の演出がアレなので、そっちに力を入れるんならゲームをもうちょっと・・・ とか思ってしまいます。
価格は 350 円ですが、今となってはこの値段でこのクオリティーでは高く感じてしまいますね。
「ケイブシュー」とまで行かなくても、AirAttack や Super Laser のような秀作シューティングが 115 円で売られているのですから、どうしても割高に思ってしまいます・・・
言われているほど悪くないと思いますが、「1942 の名を冠したカプコンのアプリ」である事が、酷評や期待外れに繋がったのもありそうです。
どうもカプコンは、日本で作ったものと、アメリカやヨーロッパの支社で作ったものの差が大きいように感じます。
この辺はセガもそうなのですが、海外支社製のものは日本の本社の物とは別の、「外注版」や「別メーカー版」だと考えた方が無難でしょうね。
・1942 -FIRST STRIKE-(iTunes が起動します)
2001年(日本では2002年)に映画化され、三部作という長編ながら世界中で大ヒットとなった作品です。
その映画版ロード・オブ・ザ・リングを元にしたタワーディフェンスが iPhone / iPod touch と iPad で登場しています。
「The Lord of the Rings: Middle-earth Defense」です。
もちろんちゃんと公式ライセンスを取っている作品。
映画で活躍した人間のファイターやハーフリングたち、老ウィザードやドワーフ、エルフなどがタワーディフェンスのユニットとなって活躍します。
公開しているのは Glu という会社ですが、ここはロンドンでモバイルアプリの販売やマーケティングを行っている、俗に言う「パブリッシャー」です。
アプリの開発元は別にあると思うのですが詳細は不明で、Glu は他の開発会社を取り込んだりしているようなので、一応 Glu 内部の作成という形なのかもしれません。
資金を使ってユニットを配置し、Wave ごとに次々とやって来る敵を迎撃していく、割と一般的なシステムのタワーディフェンスです。
「ロード・オブ・ザ・リング」は RPG の世界観の元なのですが、このゲームに経験値やレベルアップなどの成長要素は残念ながらありません。
ただ、お金を使ってユニットの能力をアップグレードすることは可能です。
タワーディフェンスには敵の通る道が決まっている「ルート固定型」と、敵の通る道が決まっておらず障害物をかわしながら進む「オープンフィールド型」がありますが、このゲームはその中間的な性質を持ちます。
どのステージも入り組んでいて、ある程度敵の通り道は決まっているのですが、その中に障害物となる「柵」などを配置できます。
するとそれに合わせて敵の通り道が、迂回したルートに変更されます。
どこに障害物を置くと、敵のルートがどう変化するのかが画面に表示されるのも特徴ですね。
つまり、「だだっ広いマップじゃないけど、敵の進行路はプレイヤーがある程度コントロールできる」というシステムになっています。
まさに固定ルートとオープンフィールドの中間です。
障害物には周辺の敵にダメージを与えたり、スピードを下げたりする「罠」もあって、これらをどう使うかもポイントと言えます。
ユニットの配置場所は候補地が決まっているので、それも考慮に入れる必要があります。
ユニットを設置する資金と、障害物や罠を設置する資材は別になっていて、資材はそれほど手に入らないため、障害物の配置を変えて敵を行ったり来たりさせる「ジャグリング」はあまり出来ません。
もう1つの特徴は、原作のストーリーに沿っているため、各ステージで使用できるユニットが決まっていると言う事。
また、ユニットが物語の登場人物なので、何人も配置できません。
そのため1つ1つのユニットの配置場所が大事になる反面、多数の弾が飛び交うような派手な展開にはならず、タワーディフェンスとしてはやや地味と言えますね。
ただ、ストーリーモードの他に出撃するキャラクターを自分で選べる「チャレンジモード」もあります。
チャレンジモードは1ステージが長く、味方ユニットが多めで、敵の出現パターンもストーリーとは異なっているため、ゲームとしてはこちらの方が楽しめるかもしれません。
なお、ユニットは「近接攻撃ユニット」と「遠距離攻撃ユニット」に分かれており、ファイターやドワーフは近くの敵に突っ込んで行き殴るという、最近あまり見ない「殴り系タワーディフェンス」となっています。
そのため戦闘の様子は エレメンタルモンスターTD に近いものがありますね。
以下は海外サイト The GameTrail で公開された、Youtube のゲームトレーラーです。
しかしこのゲーム、あのロード・オブ・ザ・リングの公式ライセンスアプリとしては・・・ ちょっと残念な部分もいくつかあります。
まず一番気になるのが、フレームレート(描画速度)の低さ。
ハッキリ言って、表示が「ガクガク」なのです。 常にコマ送りを見ているような感じ。
その「コマ送りっぷり」は敵が多いとさらに悪化します。
敵も味方も少ないのにここまでガクガクなのは、キャラクターがフル 3D グラフィックで表現されているためだと思いますが・・・
単に、開発元の技術力が低いだけの気も。
旧機種でも動かせることを想定しているのかもしれませんが、それなら CPU に余裕がある時はもっと滑らかにして欲しいものです・・・
スクリーンショットで見た時の綺麗さと、動いている物を見た時のガクガクさに「ギャップ」を感じてしまうのは否めませんね。
さらに、映画「ロード・オブ・ザ・リング」をせっかく使っているのに、映画の名場面などがあまり表現されていません。
ムービーなどがないのはもちろん、ボスのような敵もほとんどいないため、どのステージも「普通にザコを迎撃して終わり」なのです。
例えば映画のワンシーン、魔術師ガンダルフが一本橋の上で悪魔と対峙する場面なども、単に会話だけで終わります。
せっかくの「ロード・オブ・ザ・リング」らしさや、名場面での盛り上がりなどがまるでなし。
ストーリー表示や会話も英語だから日本人だと解り辛いし・・・
と言う訳で「The Lord of the Rings: Middle-earth Defense」。
タワーディフェンスとして相応に楽しむ事はできるけど、佳作と言った印象ですね。
価格は iPhone 版が 800 円、iPod touch 版が 1200 円と高額なので、この価格ではとてもオススメは出来ません。
ロード・オブ・ザ・リングの大ファンで、ファンアイテムとして購入される方や、各場面を脳内補完できる方にのみお勧めします。
ただ、全く面白くない訳ではないので、タワーディフェンスが好きな方なら買って後悔するという程でもないでしょう。
できればセールを狙いたいゲームですが、ライセンス料とかもあるだろうから、厳しいだろうなぁ・・・
・The Lord of the Rings(公開終了)
iPhone / iPod touch の傾きセンサーを使って擬似的にバイオリンを演奏するミュージックアプリ。
それが「String Trio - 弦楽3重奏」です。
このアプリはゲームではなく、演奏を楽しむ「ミュージックアプリ」です。
よって基本的にゲームを取り上げるこのブログの趣旨には合っていないのですが・・・
しかし、あえて言いたいと思います。 このアプリは「音ゲー(音楽ゲーム)」です。
しかも「音ゲーの理想」に非常に近いアプリと言えます!
登場したのは去年(2009年)の年末のようなので、かなり前からあるアプリなのですが、最近曲が追加されて価格も下がったためか iTunes のランキングで急に上位になっています。
iPhone を左右交互に振ったり傾けたりすることで、バイオリンの疑似演奏が可能です。
傾きの大きさで音の強弱を付けることでき、本体を少し傾ければ小さめの音が、大きく傾ければ大きな音が出ます。
プレイ前に右上にある「LOAD」のボタンを押すことで曲を選択でき、再生を開始すると画面左にバーが現れ、上から下へと流れていきます。
(演奏中に画面右のスライドバーを下まで下げると曲中断、Rewind は曲の最初に戻り、Play は演奏再開です)
上から流れてくるバーが画面下のラインに重なった時に iPhone を横に振るか左右に傾けると、曲に合わせた音階の音が鳴ります。
ここまで言うとビートマニアのような「音ゲー(音楽ゲーム)」に似た印象を持つと思いますが、このアプリが違う点は「プレイヤーのタイミングに合わせて、プレイヤーのテンポで、プレイヤーの好みの強弱で、曲を奏でることが出来る」ということ。
音ゲーのようにタイミングが合っていなくてもミスになることなく、音を鳴らさなくても再生は待機状態になります。
そして音が出されると同時に再生が再開され、演奏のタイミングが全体的に早かったり遅かったりした時は、それに合わせたテンポに速度が調整されます。
傾きセンサーの強弱で音の大きさを調整できるため、例えば少し傾けてから徐々に傾きを大きくしていくと、最初は小さい音で徐々に大きくなる音を鳴らす、なんて演奏を行う事も可能です。
つまりこのアプリは「自分でアレンジして演奏を楽しむ事が出来る」訳です。
以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。
上記の動画では実際のバイオリンを弾くように iPhone を左右に振っていますが、これだと音の強弱が付け辛くアレンジがし辛いので、私は「傾き」をメインにしてプレイしています。
ただ、慣れないうちは左右に振る操作の方が演奏はしやすいと思います。
ただしこのアプリは「自分で好みのアレンジ演奏を行う事が出来る」のが楽しいものなので、曲をアレンジして演奏するという事に楽しさを見いだせない方や、そもそも自分のスタイルで演奏するという考えがない人だと、まったく楽しめないと思います。
よって人を選ぶアプリであり、万人が楽しめるというものではありませんので、その点はご了承下さい。
私は昔、少し「キーボード」をやっていた事があります。
昔のキーボードはオルガンのように音の強弱を付けることが出来なかったのですが、最近はタッチセンサーという機能が付いていて、ピアノのように強く叩くと大きな音が、弱く叩くと小さな音が出るものが(安いものでなければ)一般的になっています。
音の強弱が付けられないと自分のスタイルの演奏が出来ないため、アレンジ演奏が全く出来ないコナミのビーマニシリーズを始めとする「音ゲー」は個人的にその点で不満でした。
ゲームである以上「スコア」を付けなければならないので、プレイヤーのアレンジをゲームに反映させ辛いというのは確かにあるのですが、しかし音の強弱ぐらいは付けさせてくれてもいいだろうと言うのは昔から思っていたのです。(技術的に十分可能だったはずなので)
そのため String Trio の「音の強弱もテンポも自在にコントロールできるシステム」は、私的には画期的でした。
これが最初に「音ゲーの理想」と表現した理由です。
音楽をやっている人でなくても、簡単に「自分のスタイルの演奏」というものを体験できるのが、このアプリの良い点ですね。
ゲームではないのでスコアもステージクリアの要素もこのアプリにはありませんが、自分で思う通りの演奏が出来たかどうかは自分でしか判断出来ないので、それはそれで良いのかな、と思います。
ただ、思い通りに演奏できたデータをリプレイしたり、記録したりする機能は欲しかったかなぁ・・・ というのも本音です。
誰にでもオススメできるアプリではないのですが、疑似演奏を体験してみたい、アレンジ演奏をしてみたい、と思っている方にはオススメのアプリです。
楽器をやったことがない人でも、楽器をやることの楽しさを味わうことが出来るのではないでしょうか。
価格は 85 円と安いので、気楽に試せると思います。
・String Trio - 弦楽3重奏(iTunes が起動します)
・String Trio Lite(無料体験版、2曲のみです)
・String Trio Season(クリスマス曲バージョン)