と言っても、オススメの意味で紹介するのではなく、むしろ「警告のため」の紹介です。
1つは農園拡張ゲーム「Smurfs' Village」。
もう1つは海賊ソーシャルゲーム「Lil' Pirates」。
どちらも「モバゲー」で見たようなゲームで、公開しているのは「Capcom Mobile」というアメリカのメーカーです。
日本のカプコンとは別に動いているようで、どちらも日本向けのゲームではありません。
しかし無料だしモバゲー似のソーシャルゲームなので、日本でもダウンロード数はかなり多いようですね。
Lil' Pirates に至っては、iTunes のオススメゲームにもなっていますが・・・
しかし、双方とも「取扱注意」のゲームです。
ゲームを有利に進めるためには課金が必要になる、つまり「タダより高いものはない」系のゲームなのでご注意下さい。
まずは Smurfs' Village から。
肌が青い欧米で人気の子供向けキャラクター「スマーフ」を使った、簡易的な農園ソーシャルゲームです。
家を建ててスマーフの人数を増やし、畑を作って農作物を育てることで、収入と経験値を得ることができます。
ただし作物が育つには、実時間の経過が必要です。
作物は自動で換金される訳ではなく、育った後でタップして収穫しなければなりません。
パン屋や薬屋などの施設も存在し、ここでは簡単な「ミニゲーム」をする事で、スマーフへのプレゼントを入手する事が出来ます。
経験値を稼ぐ事でレベルが上がり、さらに上位の建物や農作物が登場。
もちろん建物や農作物を作るには資金も必要です。
家の建築には2時間かかり、ミニゲームも2時間に1回しか出来ません。作物は種類によって数十秒で出来るものから、1日かかるものまで様々ですが、基本的には育つのに長い時間がかかります。
たまごっちのようなゲームですから、農作物を植えたらゲームを終了し、しばらく後に再開してみると育っている、という感じですね。
ずっと起動しておく必要はなく、育ったタイミングで iPhone にメッセージが表示される機能もあります。
「内政だけのブラウザゲーム」と言っても良いかもしれませんが、そこはさすがに iPhone 用のアプリ、たくさんのスマーフたちが村で活動している様子が表現され、ガラケーやブラウザゲームよりも見た目が綺麗です。
ただ、子供やライトユーザー向けですから、システムはとてもシンプルです。
ソーシャルゲームですから他のプレイヤーからプレゼントを貰ったり、他のプレイヤーの村に訪問したりすることも出来ます。
ただしそのためには Facebook のアカウントを登録し、連動させなければなりません。
そして、いわゆる「モバゲー型のソーシャルゲーム」ですから・・・ 当然、追加課金が存在します。
このゲームの追加課金は「赤い実」で、これを購入して使用する事で農作物を瞬時に成長させたり、建築をすぐ終わらせたり、特殊な施設や装飾を作ったりすることが出来ます。
続いて、海賊ソーシャルゲーム「Lil' Pirates」について。
これはもう、モバゲーの「海賊トレジャー」のクローンですね。
もちろん iPhone 用に作られているので、画面はずっと綺麗です。
マップ画面があって、手下を派遣するとそこからお金と経験値を獲得してきてくれます。
そのお金を使って船を装飾したり、手下に色々な服を着せたりすることが出来ます。
でもゲームとしてはこれだけです。
ちょっとしたミニゲームもありますが、本当におまけ程度のもので、海賊らしく他の船と戦闘することも出来るのですが、コンピューターの船との対戦です。 しかもほとんど見るだけ。 (さらにまず負けない)
お宝を集める要素や、宝島に宝を埋めるなどの要素もあるのですが(埋めて放置しておくとなぜか上位の宝物にアップグレードする)、内容は本当にシンプルです。
船を飾る楽しみがメインのゲームと言えますが、やはり子供やライトユーザー向けだからか、帆船らしいのは最初の船だけで、他は子供のおもちゃやデコ電みたいな船ばかりです。
まあ、そういう層をターゲットにしているのでしょうから、間違ってはいませんが。
このゲームもソーシャルゲームなので、Facebook や GameCenter のフレンド機能を使って他の人と交流したり、相手の船を見に行ったり、プレゼントの交換が出来たりします。
GameCenter のフレンド機能も使えるのが Smurfs' Village より優れている点でしょうか。
なお、追加課金で「金貨」を購入できるようになっており、これを使うと仕事をすぐに完了させたり、金貨でしか買えない装飾を購入したり出来ます。
さて、ゲームの概要についてはこんなところですが、ここで「警告」しておきたいのが・・・ 課金システムです。
前述したように Smurfs' Village は「赤い実」、Lil' Pirates は「金貨」を追加課金で購入できます。
恐ろしいのはこの追加課金が 230 円から、なんと 11500 円のものまで用意されている事です。
このゲームは見て解るように子供やライトユーザー向けです。 そして無料です。
無料だからかダウンロード数やレビューの数も非常に多いです。
しかし子供がこれに手を出して、よく考えずに追加課金してしまったら・・・ 大変な事になります!
それでなくてもこのゲームは海外のゲームですから「英語」です。
日本人だと課金に関する注意事項などが解り辛いです。
加えて iPhone / iPod touch アプリの追加課金はボタン1つで簡単に行えます。(パスワードの入力は必要ですが)
これは便利である反面、さらに危険性を増していると言えます。
※2011/9に「リル パイレーツ」も日本語版が公開されました。
※どちらも現在は非公開です。
最近、子供がグリーやモバゲーで課金しまくって親の元に高額請求が届き、ビックリするという事件が数多く起こっていますが、海外でもこうしたソーシャルゲームが問題視されています。
そして実際にこのゲームを見ると、「そりゃ問題になるよなぁ」と思わずにはいられません。
最大の原因は親の監督不行届だとは思いますが、アプリ自体もそういう方向に誘引する内容ですからね。
もちろんこの手のソーシャルゲームが「完全に悪だ」と言ってる訳ではなく、ちゃんとした大人が正常な認識を持って課金する分には問題ないと思います。
ソーシャル要素と成長要素があり、シンプルで誰でも遊べ、継続して楽しめるこの手のゲームの面白さはちゃんと備わっています。
ただ、iTunes のレビューと半端じゃない評価数、そしてゲームの内容を確認すると、さすがに不安を感じずにはいられません。
※ iPhone / iPod touch / iPad 本体の「設定」で、「一般」の「機能制限」の中に、「App内での購入」という項目があります。
パスコードを設定後、この項目を「オフ」にすると、アプリ内購入が出来ないようにする事が可能です。
お子さんがいて不安な方は、この項目を変更しておくのをお勧めします。
私的には、この手のゲームを iTunes Store で「無料」として売っているのもどうかと思います。
グリーが CM で「無料です」と言って行政指導を受けたのと同じようなものじゃないのかと。
無料と有料の他に「追加課金型」みたいな表示も必要な気がします。
と言う訳で、Smurfs' Village と Lil' Pirates 。
その iPhone を子供(及びゲームや追加課金の事をよく知らない人)も使うのなら、絶対に手を出さないよう気を付けて下さい。
ソーシャルゲームとしては、Facebook アカウントを登録するというのがネックです。
実名登録の Facebook は日本での利用率は低いですからね。
そしてこの手のゲームでソーシャル性が低いと、魅力は半減でしょうから。
ただ、こうしたゲームが iPhone でも増えてきている、そして欧米でも流行していると言うのは、注目の事実かも知れません。
ゲームとして見ると、何度も言うように非常にシンプルなため、私的には物足りなさしかありません。
ただ、普段ゲームをしない人をターゲットにする場合、出来るだけ解りやすく作る必要がありますし、時間経過型のゲームでやることが多すぎると面倒になるので、このぐらいのシンプルさが必要なのでしょう。
良くも悪くもそういう内容、ということですね。
・Smurfs' Village(iTunes が起動します)
・Lil' Pirates(公開終了)