iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2011/04

ワクワク!まんが道場

先日「名門ポケット学院2」を公開したばかりのカイロソフトから、また新しいアプリが登場しています。
ただ、もう名前からして嫌な予感がするアプリです・・・
ワクワク!まんが道場」です。

先に言ってしまうと、このアプリはユーザーの期待とカイロソフトのブランドイメージをぶち壊した、あの「ワイワイ!ゲーム販売店」と共通の点の多いアプリです。
どちらも一般携帯電話では無料で公開されていたもので、月額制のサイト「カイロパーク」の集客用体験版と言えます。
先に公開されていた「まんが 奥の細道」というゲームを無料アプリ用に「ダウングレードしたもの」で、つまりその程度の内容ですね。

ただ、ゲームシステムが破綻していた「ワイワイ!ゲーム販売店」よりはマシで、さらに現在はオープニングキャンペーンと言う事で無料で公開されています。
(セール中なら)「タダ」という事を考慮すると、試してみて損はないかも・・・?

ワクワク!まんが道場

内容は「ゲーム発展国++」を大幅に簡略化したような感じです。
修行」で画力やセンスなどの基本能力を上げ、「取材」で知識ポイントを増やします。
その後、「ジャンル」と「設定(題材)」を2つ選び、その2つの題材に貯めておいた知識ポイントを振り分けることでマンガの製作が開始されます。

後は見ているだけで良いのですが、漫画家は 24 時間働く訳ではなく、朝に起きて夜に就寝します。
マンガの制作は起きている時間だけ行われ、寝ている間は体力が回復します。
そして画面右上には「生活リズム」の設定を行えるボタンがあり、これで睡眠時間を調整できます
「余裕リズム」にすると起床時間が遅くなり、就寝時間が早くなって体力回復優先。
「過酷リズム」にするとこの逆になり、体力を削って製作を優先します。
〆切りに間に合いそうにない時の漫画家の過酷な状況を、このシステムで再現しているようですね。

最初は連載などを持っていないため、描いたマンガを出版社に投稿して売り込みをしつつ、原稿料を貰います。
これにより経験値が増えてレベルが上がり、仕事のスピードを速めたり、能力値の上限をアップする事ができます。
修行や取材にはお金が必要ですが、能力値や取材で得た知識ポイントが多くないと良いマンガは書けないので、最初は自転車操業のようになりますね。

良いマンガを何度も投稿したり持ち込んだりしていると、出版社から「連載」を貰えます。
連載が始まると毎週〆切り前にマンガを書き上げなければならなくなりますが、定期的に原稿料が得られ、コミックスも発売され、その販売数に応じた収入も得られるので、急に資金繰りがラクになります。

こうして連載マンガが人気になれば、アニメ化などのイベントでさらに収入と売上げが上がり、漫画賞などの受賞も狙えます。
最終的には、コミックスの販売数がゲームのスコアとなります。

wakuwakumanga4

良いマンガを作るのに重要なのは、能力値や知識ポイントもさることながら、制作時のジャンルの組み合わせが大切になります
例えば「ストーリー+冒険+海賊」や「4コマ+学園+ほのぼの」などの組み合わせで良作になると言った感じで、この辺はゲーム発展国のシステムに似ています。

基本的には実際のヒット作を参考に考えれば良いようで、組み合わせがバッチリなら「傑作」も期待出来ます。
組み合わせに使う「設定(題材)」は修行して能力値を上げることで新しく覚えていきます。

ワクワク!まんが道場

ここまで読むと、シミュレーションゲームとして面白いように思えます。
実際、ゲーム序盤は割と楽しめます。

ところが連載を始めた辺りから急にやることが少なくなります
コマンドが製作開始以外には「修行」と「取材」しかなく、修行は能力値がその時の上限に達したらレベルが上がるまで使わなくなるため、ほぼ「マンガが出来るのを見る」→「取材する」の繰り返しのみになります。
取材も行き先は色々ありますが、必要な資金とポイントの入手量が違うだけで、表示される絵も変わりません。

仕事場の拡張やアシスタントを雇ったりする要素もないため、たとえマンガがアニメ化・映画化されてコミックスも 1000 万部売れようと、ずっと貧乏マンションの一室で一人で絵を描き続けるだけです。
ゲーム発展国++」のように題材ごとの熟練値がある訳ではなく、特定のジャンルのブームが起きたりすることもないため、ずっと同じジャンル・題材の組み合わせを続けていても特に問題ありません

つまり、中盤以降はかなり単調なのです・・・
カイロソフトは「まんが一本道」というアプリも作っていて、こちらは仕事場の拡張やアシスタントの雇用などもあるのですが、こちらはそれとは違いあえて簡略化されている形です。


これは「ワイワイ!ゲーム販売店」の時にも書いたのですが、このゲームを公開する意味が解りません
一般携帯電話のカイロソフトのアプリは月額制の会員サイト「カイロパーク」を通してプレイするため、このような無料の集客用アプリが用意されていたのは解ります。

しかしアプリ1つ1つを売り切りで販売する iPhone においては、そんなものを用意する必要は無い訳で、むしろ他のゲームで培った評判を落としてしまうだけの気がします
どういう意図があって、この簡易型のアプリを移植したのでしょうね・・・?

それでも無料セールのうちは、なんと言っても「タダ」ですから、文句を言うのもお門違いかも。
「ワイワイ!ゲーム販売店」よりは楽しめますし、簡易的ではあるにせよ、カイロソフトらしい経営シミュレーションゲームにはなっています。

有料ではオススメしませんし、名門ポケット学院2ゆけむり温泉郷のようなクオリティーは期待出来ませんが、最初から「簡易型なんだ」と思って試してみるのであれば悪くはない気はします。

ワクワク!まんが道場(iTunes が起動します)

Tikal (ティカル)

1999 年に「ドイツ年間ゲーム大賞」と「ドイツゲーム賞」をダブル受賞したボードゲームの名作が、遂に iPhone / iPod touch / iPad に登場しました。
Tikal」(ティカル)です。

Tikal(ティカル)というのは中米にあるマヤ文明の遺跡で、密林の中にあったため発見されたのが遅く、その全容が明らかになったのは 1950 年代になってからです。
このボードゲームはその近代の遺跡調査をテーマにしています。

オリジナルの Tikal(ティカル)が大賞を受賞した 1999 年はドイツゲーム(ボードゲームやカードゲーム)の名作が数多く登場した激戦の年で、他にもドイツゲーム賞2位の競りゲームの定番「Ra(ラー)」、4位となったロングセラーゲーム「Samurai(サムライ)」、年間ゲーム大賞候補の「Maney(マネー)」などが登場しています。
Tikal(ティカル)はこれらの作品を差し置いて2つの大賞をダブル受賞した訳で、いかに当時評価されていたかが解りますね

iOS 版を製作したのは「Ra(ラー)」や「Medici(メディチ)」を製作した実績を持つカナダのメーカー Codito。
SAGE Board Games シリーズとして iOS 用のボードゲーム(ドイツゲーム)の開発を続けているメーカーです。

tikal

Tikal(ティカル)は Carcassonne(カルカソンヌ)のようにパネルを置いてマップを作っていくシステムと、パネル上に置いたコマを動かしてポイントを稼いでいくシステムを融合させたゲームと言えます。 サイコロなどは使用しません。

プレイヤーは自分の番になったらパネルを1枚引き、ボード上に配置します。
すでに設置されているパネルに隣接していれば、どこにどんな向きで置いても構いません。

その後に10のアクションポイント、すなわち「行動力」の範囲でコマを設置したり移動させたりします
コマにはリーダー(ジープ)とワーカー(トラック)の2種類があり、キャンプ(テント)のあるマスに行動力を1使って配置出来ます。
ただしリーダーのコマは1つしか使えません。

置いたコマはパネル上を移動させる事が出来ますが、道の上には「敷石」があり、その数だけアクションポイントを消費します
そしてコマを遺跡のあるマスに移動させると、その遺跡の所有権を得られます。
ただしその遺跡に複数のプレイヤーのコマがある場合は、コマの数がもっとも多い人だけが所有権を得ることになります
リーダーは普通のコマ3つ分になり、コマの数が同じ場合は誰も所有権は得られません。

tikal2

遺跡とは別に財宝(Treasure)があるマスもあり、アクションポイント3を使って宝物を1つ発掘出来ます。
発掘は早い者勝ちで、宝には8種類あり、同じものをたくさん持っているほど点数が高くなります
アクションポイント3で他プレイヤーの宝と交換する事も可能ですが、2つ以上持っている宝は交換対象には出来ません。

tikal3

他に、アクションポイントを使用する事で以下の行動も行えます。

所有権を得ている遺跡の調査(アクションポイント2で遺跡の価値を1上げる。上限あり)
遺跡のガード(アクションポイント5で遺跡の所有権を固定する。そのマスにいる自分のコマは全て消える。2ヶ所まで)
キャンプの設置(何もないマスに設置して、そこからコマを出せるようになる。アクションポイント5が必要。2ヶ所まで)

1ターンに使えるアクションポイントは10までですが、アクションポイントの範囲内で自由に行動することが出来る訳ですね。

各プレイヤーの得点は随時増えていく訳ではありません。
誰かが「火山」のタイルを引くと、そこからの1巡は集計ターンとなります。
この1巡の間はターン開始時にパネルを設置しません。
そしてターンの終了時に所有している神殿の価値と財宝の数に応じて、得点が加算されます。

ボード上のマスが全てタイルで埋まった時も集計ターンとなり、それが終わった時点で得点がトップの人が勝者となります。

tikal4

さすがは「ドイツ年間ゲーム大賞」と「ドイツゲーム賞」をダブル受賞したゲームだけあり、戦略性の高いゲームに仕上がっています。

ただ、「行動力制」(アクションポイント制)というのが良くも悪くもゲームを複雑にしていて、他のドイツゲームよりルールが解りにくいのが難点です。
状況に合わせて解説文が頻繁に表示されるのですが、英文なので日本人だと理解は困難。
ランダム要素が少ない分、意外な展開と言うのが起こりにくく、やや淡々と進行するのも難点でしょうか。

行動力制のために1ターンにかかる時間が長めで、ゲームのテンポが悪いのもティカルの難点のようですが、オプションでゲームの進行速度を調整できるので、コンピューターの動作を早くできるのはこのアプリの利点です。

逆にこのアプリの難点は、コンピューターがあまり強くないこと
AI は6種類用意されていて、それぞれ性格が異なるようですが、最高ランクの King でもそれほど強くなく、同じ場所を行ったり来たりさせるなど意味不明な行動を取ることもあります。
操作性もコマをタップし辛いなど、気になる点が見られます。

グラフィックは綺麗で、BGM やサウンドも悪くないのですが、全体的に淡々としているので、もうちょっと演出が欲しかった気もしますね。


価格は 600 円とやや高めではありますが、ドイツゲームのアプリとしては標準的な価格です。
この手のゲームの初期価格は 600 円が相場になっている印象ですね。
iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応したユニバーサルアプリでもあります。

とりあえず、ドイツゲーム(ボードゲーム)のファンなら抑えておくべきアプリでしょう。
もちろんティカルをやったことがある方にもお勧めです。

ただ、個人的には「1999年のドイツゲーム賞ダブル受賞作」という実績の割には、思ったほどではなかったかな・・・ という印象です。
私的には 1999 年の作品の中では、Ra(ラー)Samurai(サムライ)の方が好きですね。
まあこの辺は好みの問題でしょうけどね。 ゲーム性もそれぞれ異なりますし。

有名なドイツゲームがまた1つ iPhone や iPad でプレイ出来るようになったのは、ファンとしては嬉しい事です。

Tikal (iTunes が起動します)

Burn the Rope

iPhone / iPod touch 本体を回転させて、ロープを炎で燃やしていく。
そんな iPhone ならではの、全く新しいユニークなパズルゲームが登場しています。
Burn the Rope」です。

※現在はバージョンアップした別アプリ「Burn the Rope Worlds HD」に変わっています。

開発したのはカナダのゲームスタジオで、欧米ではかなり評価されているアプリです。
日本ではまだレビューも少なく、いまいち人気になっていないのですが、ゲームのクオリティー、パズルの面白さ、そしてユニークなアイデアなど、どれを取っても高水準です。
私的にも定番になり得るパズルゲームの1つだと思います。

Burn the Rope

画面にロープで作られた図形が表示され、その一点をタップすると火が付きます。
火はロープを伝って「上方向」へと燃えていきます

火は下には進めないので、プレイヤーは炎がロープを全て燃やせるよう、本体を回転させて燃やしたいロープが炎の上側になるように向きを変えていきます。
よってプレイ中は画面をクルクルと回転させ続ける事になります。
まさに iPhone / iPod touch だから出来るゲームと言えますね。
画面をタップし続けると、炎のスピードが若干上がります。

炎の上側にロープがない場合、炎は徐々に小さくなって消えてしまいます。
火は一度しか付ける事ができないので、全ての火が消えてクリア条件を満たしていない場合はミスとなります。
ロープを燃やしていくと画面上部の達成率ゲージが増えていき、このゲージが一定量を超えるとクリアとなり、達成率に応じて 金・銀・銅 のメダルが貰えます。

Burn the Rope

どこから火を付けてどのように燃やしていくかが重要で、思わぬ所に燃え移ってロープが途切れてしまい、全て燃やせなくなる事もあります。

またロープの上に虫がいる場合もあり、赤い虫を燃やすと火が赤色に、青い虫を燃やすと火が青色に変わり、赤いロープは赤い炎で、青いロープは青い炎でなければ燃やすことが出来ません
よって複数の色のロープがある場合、どこで色を変えてどのようなルートで燃やしていくかも考慮しなければなりません。

ステージが進むと爆発する虫や、一方に火が付くともう一方が発火する虫、燃やすと蜘蛛の糸が伸びてルートが作られる虫なども登場し、文字通り「一筋縄」ではいかなくなります。
ただ、それほど難しいパズルゲームではなく、最高評価(金メダル)でのクリアを目指すと難易度は高くなりますが、単にクリアして行くだけならそれほど苦労しません。
1ステージにかかる時間もそんなに長くなく、ゲームはテンポ良く進みます
よってパズルが得意でない方でも楽しめる内容ですね。

Burn the Rope

ステージ数は 100 以上、さらにアップデートでどんどん追加されています。
割とサクサク進めるゲームなので、集中してやると早くクリア出来てしまうと思いますが、ユーザー投稿による新しいステージが毎日1つずつ公開されている Puzzle of the Day と言うモードも用意されています。

難点は、本体をクルクル回さないといけないので、外では恥ずかしくてプレイ出来ない事でしょう。
ここはゲーム性を考えると仕方がないところですね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



通勤通学中にやるゲームとしては向きませんが・・・ 完成度が高く、秀逸なアイデアのアプリです。
定価も 230 円で、安めの値段だと言えますね。 (iPad 版は 600 円です)
16 ステージのみですが、無料体験版も公開されています。

iPhone / iPod touch らしいゲームなので、人に見せるゲームとしても向いているかも。
かなりオススメ出来るアプリの1つです。

Burn the Rope Worlds HD (iTunes が起動します)

PAC-CHAIN

パックマンを題材にした、スピードが必要なブロック消去型のパズルゲームが昨年登場していました。
PAC-CHAIN」です。
パックマン30周年の記念作品の1つのようですね。

ブロックがせり上がって来るタイプのパズルゲームと、古典的なパズルゲームの「さめがめ」を組み合わせたような内容で、よってあまりオリジナリティーがないゲームなのかと思ったら、実はそうでもなく・・・
「パックマンによるモンスター(ブロック)の消去」とスピーディーなゲーム展開によって、意外とこれまでとは違うタイプのゲームに仕上がっています。

PAC-CHAIN

モンスターが下から徐々にせり上がって来て、2匹以上同じ色が繋がっているモンスターをタップすると消去できます。
モンスターは一度に消す数が多いほど得点が高くなります。
せり上がって来ること以外は、「さめがめ」と同じゲームシステムですね。

しかし4匹以上繋がったモンスターを消すと「チェイン」がスタート
一定時間の間、モンスターがせり上がってこなくなり、さらに下にあるブロックが消えてもモンスターが落ちなくなります。
そしてこの間にモンスターを連続で消していくとチェインボーナスが入り、よりスコアがアップします。

一番上までモンスターが到達してしまうとゲームオーバーになりますが、一度に多くのモンスターを多数のチェインで消すほど得点が高くなるので、ワザとモンスターをたくさん出して一気に消すのがハイスコアのコツとなります。
画面右下にある矢印ボタンを押すとモンスターを早く出す事が出来るので、序盤はこれを使って高得点を狙いましょう。

またチェイン中はモンスターがせり上がってこないため、ゲーム後半になってモンスターの出るスピードが速くなっても、チェインを連発すれば時間的な余裕ができます。 これも攻略のポイントですね。


そしてこのゲーム一番の特徴は画面をなぞることで操作できる「パックマン」がいることでしょう。
パックマンはパワーエサを食べることで一定時間、モンスターを食べて消すことが出来ます。
消し辛い場所のモンスターをまとめて消去することが出来るため、うまく色をそろえられない状況でも打開することが出来ます。
また、連続でパワー餌を取ってモンスターを食べ続ければ、スコアもどんどん上がっていきます。

パックマンはフルーツなどを食べてスコアを稼ぐのにも使用します。
また、青色の「壁ブロック」は3つ並べると周りのモンスターを巻き込んで消滅するので、壁ブロックに挟まっているモンスターを優先して食べる、などの使い方も必要になります。
パックマン&パワーエサはある意味「色を無視してブロックを消していける」という「さめがめ」のルールを覆す存在なので、ここが他の同種のゲームにはない特徴だと言えますね。

PAC-CHAIN

全体として、他の「さめがめ」系のゲームとは違いスピード感や爽快感のある内容になっています。
1回のプレイ時間も短めで、ダラダラ続きにくいのも良いところ。
また、2分間でのハイスコアを競う「スクランブル」モードも用意されています。

やや難点なのは、パックマンの操作が少しやり辛いところ
画面をフリックした方向に動くのですが、細かい操作は少し難しいですね。
でも、最悪と言う程の操作性ではありません。

ただ、パックマンを操作している時に画面右下の「モンスターせり上げボタン」に触れてしまう事があるのは気になりました。
パワーエサを使用中にこのボタンに触れてしまうと効果が解除されてしまうので、パックマン操作時は出来るだけ画面の上の方に指を置くのを心がけた方が良いでしょう。

以下は海外の情報サイト GameTrail により Youtube で公開されているプレイムービーです。



もう1つの難点は、価格でしょうか。
定価で 350 円と、高すぎる程ではないのですが・・・ ショートゲームに近い内容なので、ちょっと割高感はあります。
115 円なら文句なくお勧めなんですけどね・・・

でもゲーム自体は結構秀作だと思います。
去年のナムコのアプリはイマイチなものも多く、さらに「さめがめのアレンジ」というゲームシステムだったので、ずっと食わず嫌いしていてあまり期待していなかったのですが・・・
PAC'N-JUMP が良かったのでちょっと試してみたところ、予想外に遊べる内容でした

この手のブロック消去型パズルが好きな方なら、なかなか楽しめるアプリです。

PAC-CHAIN for iPhone(iTunes が起動します)
PAC-CHAIN(iPad 版。 価格は iPhone 版と同じです)

おまけ更新 : djay for iPhone & iPod touch

え~、これはメインの更新ではなくオマケ記事(?)です。

少し前から「djay for iPhone & iPod touch」という DJ 用アプリの 115 円セールが行われていて、iTunes のアプリランキングでもずっと上位に位置し続けています。

このアプリは曲を読み込むと中央に仮想のレコードがセットされ、これをこすってスクラッチしたり、ミキシング(音色)や速度の調整をしたり、その曲を録音したり、さらに2つの曲を読み込んで同時に鳴らす事などが可能です。
普通に音楽プレイヤーとしても優れていますね。

djay

で、再生速度を自在に調整できるって事は・・・
あの有名な「一青窈の速度を20%遅くすると平井堅になる」(もしくはその逆)の技が出来るじゃないか。

と言う訳でやってみたところ、なかなか良い感じに「一青窈⇔平井堅」が出来ました。
初期状態では速度(BPM)の調整は±10%までしか行えませんが、この調整幅はオプションの Settings にある Speed Slider で変更できます
しかもミキシングできるから音色の微調整が可能で、さらにそれを録音も出来ます。

他にも山下達郎⇔竹内まりやになるとか、島谷ひとみをスローにするとイケメンボイスになるとか、長渕剛を早めてスネ夫にするとか、色々遊べます。

このアプリの定価は iPhone / iPod touch だと 1200 円、iPad 版は 2300 円とかなり高額なので、さすがに音楽をやっている人以外にはお勧め出来ないのですが、今は iPhone / iPod touch 版のみ 115 円なのでお得です。
色々試してると結構面白いので、セール中のみオススメです。

※現在は「djay 2」の公開に伴い、初代の djay は「djay LE」に改名され、無料となっています。

djay LE - The DJ App for iPhone (iTunes 起動。無料)
djay 2 for iPhone (iPhone / iPod touch 版。170 円)
djay 2 (iPad 専用版。850 円)

NBA JAM by EA SPORTS

アメリカで大人気の2対2のバスケットボールゲーム「NBA Jam」。
NBA の全 30 チーム+ドリームチームがほぼ実名で登場する定番のバスケゲームで、元はアーケードのゲームであり、最新作は XBOX や PS3、さらに Wii でも発売されています。
その NBA Jam の iPhone / iPod touch 版が公開されています。
NBA JAM by EA SPORTS」です。

リアル系のバスケではなく、派手な神業が次々と連発されるゲーム向けにアレンジされた内容ですが、簡単な操作で気持ちよく大技を決められるため、やっていて気持ちの良いゲームになっています。
テンポ良くスピーディーに展開し、スポーツゲームなのにルールもシンプルなので、バスケを知らなくても楽しめる良作ですね。

NBA JAM by EA SPORTS

画面左下の仮想スティックと、シュート・パス・ダッシュの3つのボタンで操作します。
シュートはゴールから遠い時は「ジャンプして頂点でボタンを放す」という操作になりますが、ゴールに近い時は押すだけで華麗なダンクを決めるため、タイミングなどはあまり考えなくても良くなります。
ダッシュは移動スピードが上がり、そこからシュートボタンに指をスライドさせることでダッシュジャンプからのシュートが行えます。
ディフェンス時はパスボタンがスティール(ボールを奪う)、シュートボタンはブロック(ジャンプ)になります。

3ボタンというと操作が難しそうですが、やってみると非常に簡単で、日本語で操作説明をしてくれるチュートリアルも用意されているので悩む事はないでしょう。

とにかく手軽な操作でバリバリ神業が連発されるゲームで、走ってゴール近くでシュートボタンを押すだけで距離に応じた派手なダンクが決まります。
さらに一回転ダンクやジャンプからのレイアップシュートをしたり、相手もアリウープ(空中でパスキャッチ)からのバックダンクを決めるなど、見ているだけでも面白い試合が展開されます。
プレイヤーも味方にパスしてからゴール下に走り込んでシュートすることでアリウープダンクを決めることが可能で、この辺の大技を狙って決められる操作性はなかなか素晴らしいです。
ボールを持っている時に本体を振る事で、ターンして相手をかわす動きをすることも可能です。

一方で、単に攻めていれば良いだけの大雑把なゲームではなく、ディフェンスも非常に重要です。
相手の前に出てシュートをブロックし、こぼれ球を拾うのが大切で、うまくブロックできればダンクも防げます。
相手が足を止めている時はスティール(ボールを奪う)も狙え、うまく決まって反撃出来た時は気持ちが良いですね。

華麗なスティールやアリウープなどを決めるとボールが燃えることがあり、そのままダンクをするとゴールを飛び越えるぐらいの特大ジャンプからファイアーダンクを決めたりします。
さらに衝撃映像でおなじみの(?)ゴールのガラスが粉々になるシーンもあり、あり得ない演出も魅力の1つですね。

NBA JAM by EA SPORTS

Retina ディスプレイにも対応していて、iPhone 4 や新型 iPod touch、高解像度な iPad だと選手の顔や表情も細かく描かれているのが解ります
私は NBA には詳しくないので誰がどんな人かは解らないのですが、シュートシーンなどでは顔が大きめに表示され、はっきりと表情が見て取れます。
このグラフィックのレベルはかなり高く、実況も入っているため、中継を見ているかのようなリアル感もあります。

試合は1ピリオドが2~3分の4ピリオド、だいたい10分ほどで終わります。
もうちょっと短くても良いかな? とも思いますが、長すぎない程度で気軽に楽しめるぐらいの時間ですね。

育成要素のような物はありませんが、「クラシックキャンペーン」という全チームに勝ち越すのを目標とするモードがあり、これがメインと言えるでしょう。
このモードを進めるとマスコットキャラや過去の名選手などもアンロックされます。

マルチプレイにも対応していますが、WiFi や Bluetooth での接続のみで、オンラインには対応していません。
以下は海外の情報サイト GameTrail により  Youtube で公開されているプレイムービーです。



定価は 600 円とやや高めですが、ゲームの完成度は高く、値段分のクオリティーはあります。
※最近はずっと 85 円で販売されています。

特に難点と思える部分はなく、EA のゲームは日本語の翻訳がおかしいことが多いのですが、このゲームの翻訳はしっかりしています。
私的にはオススメ出来るゲームですね。

ただ、育成要素のないスポーツゲームで、かつバスケ(NBA)ですから、日本ではややマイナーなジャンルであることは否めません
ハイスコアを競うという要素もないし、定価では買い辛い人が多いでしょうね・・・

しかし意外に万人向けの面白いゲームであることは確かで、セールで安くなっている時は狙い目です。
無料体験版も公開されているので、そちらでまず試してみるのも良いでしょう。
EA SPORTS のゲームは日本ではマイナーなジャンルのものが多いのですが、やはりクオリティーは高いですね。

NBA JAM by EA SPORTS(iTunes が起動します)
NBA JAM by EA SPORTS Lite(無料体験版です)
NBA JAM by EA SPORTS™ for iPad (iPad 版。450 円)

Superbrothers: Sword & Sworcery EP (スキタイのムスメ)

※iOS9 で発生していたメッセージの英語化問題は、2016/7 のアップデートで修正されました。

アメリカで開催されるインディーズゲームの表彰(IGF 2010)で、2010 年度のデザイン部門を受賞した作品です。
その時点ではまだ開発中で、「開発中のゲームが受賞するのはどうなんだ」とも思っていたのですが、そのゲームが表彰から1年以上の時を経て、ようやく公開されました。
Superbrothers: Sword & Sworcery EP」 です。

※現在は日本語化され、アプリ名も「スキタイのムスメ:音響的冒剣劇」になっています。
iPhone 版は「マイクロバージョン」と表記されています。

海外ではかなり話題になっていたアプリで、先月に iPad 版が、そして先日ようやく iPhone 版も公開されました。

iPad 版の名称は「スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(ユニバーサルバージョン)」で、こちらは iPhone でもプレイ出来るユニバーサルアプリになっています。 定価は 500 円
iPhone 専用版はマイクロバージョン300 円です。

ゲーム内容は謎を解きながら進んで行く「アドベンチャーゲーム」になります。
「ソード&ソーサリー」という名前から RPG を連想しますが、ぜんぜん RPG ではないのでご注意下さい
アクション要素もあまりなく、雰囲気を楽しみながら淡々と進行していく内容です。

Superbrothers: Sword & Sworcery EP

悩む人も多いと思うので、先に「ゲームの始め方」を説明しておこうと思います。

このゲーム、起動するとタイトルとレコードのような円盤が出てくるのですが、ゲームが始まりません。
中央にあるレコードをドラッグすると回転を速めたり止めたりできますが、何も起こりません。

左下に「ROTATE?」(回転?)と横向きに書かれていますが、この文字に合わせて本体を横向きにして下さい
すると再生ボタンのようなものが現れ、それを押すとゲームが始まります。
つまりゲームを始める前のタイトル画面で、いきなり「謎解き」が必要になります。

このタイトル画面が良くも悪くも「センスとデザイン優先」のこのゲームの特徴を表していますね。

Superbrothers: Sword & Sworcery EP

ゲームは主人公が森の中に降り立つところから始まります。
任意の場所をダブルタップするとそこに歩いていき、画面を押しっぱなしにしてもその付近を目指して進んで行きます。
何かがある場所をダブルタップすると、主人公がそこに移動した後にメッセージが表示されます。
タップすると反応するものが多く、茂みを押すとガサガサと揺れ、水面を押すと水しぶきが立ちます。

アドベンチャーゲームなので、何をどうすれば良いのかはプレイヤーが自分で解明して行かなくてはなりません。
最初は出会った農夫と犬に付いていけば良いのですが、その後は画面をあちこちタップして仕掛けを探したり、何かの変化を探しながらマップを進んでいく必要があります。

プレイヤーは剣と盾を持っていて、これで戦闘もできるのですが、戦闘モードにする方法が特殊です。
本体を縦に持ち変える」のです。
するとプレイヤーは剣を抜き、画面右下に剣ボタンが、敵がいる場合は左下に盾ボタンが現れます。
本来なら「モードごとに本体を持ち変えなければならない」というインターフェイスは非難されるべきですが、このゲームは「センスとデザインのゲーム」なので、この特殊な操作方法も演出の1つなのでしょうね。

Superbrothers: Sword & Sworcery EP

見てのようにグラフィックは非常に独特です。
全体的にレトロゲームのようなドットグラフィックになっていますが、キャラクターの動きは滑らかで、しかも仕草がかなり細かいです。
大雑把なんだか細かいんだかよく解らない、独特な絵柄ですね。
一部のオブジェクトや背景はドットではなく滑らかな絵で描かれていて、その対比も特徴的です。

そしてなんと言っても効果音のリアル。
森に入れば草木のざわめきが、滝に近づけば水しぶきが聞こえ、他にもあらゆる効果音が非常にリアルに聞こえてきます。

そのサウンドの作り込みは異様と言えるほどで、現時点の iOS アプリの中ではトップクラスでしょう。
ぜひイヤホンを付けて、サラウンドで聴いて欲しいゲームですね。
昔「サウンドノベル」というものがありましたが、このゲームは「サウンドアドベンチャー」という感じでしょうか。

Superbrothers: Sword & Sworcery EP

正直ゲームと言うより、作り込まれたサウンドと演出を見ながら、独特な世界を楽しむ環境ソフトのような印象です。

ただ日本人にとっての大きな難点は、会話や英文のメッセージの意味が解りにくいこと。
これはアドベンチャーゲームとしては致命的です。
ストーリーはもちろん、謎を解明するためのヒントすら解らないのですから・・・

※現在はアップデートで日本語化されています。 よって謎解きもしやすくなっています。

また、ゲーム自体も同じ場所を行ったり来たりしながら解法を見つけていくものであり、やや変化に乏しい印象があります。

以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。
(初期のトレーラーが削除されたので海外 Switch 版のものにしていますが、内容は同じです)



価格は最初にも述べましたが、iPad 版がユニバーサルアプリ(両対応)で 500 円
iPhone / iPod touch 版は名前に「Micro」が付いていて 300 円です。

オススメ出来るかは難しいところ。
センスとデザインを楽しむアプリであり、万人向けとは言えないからです。
私的には「センスの押し付け」を感じるアプリは好きではないのもあります。

ただ、このアプリはそのセンスとデザイン、サウンドが突出しています
だからここまで来ると「その雰囲気を見てみたい」と思える方には、むしろ勧めたくなる気持ちもありますね。
日本語化され、普通にアドベンチャーゲームとして楽しめるようになりましたから、謎解き系が好きな人には悪くありません。

暗く、独特で、幻想的な世界を彷徨いながら、目的を見つけて進んで行く・・・
謎解きは簡単ではありませんが、夜に静かな部屋でメランコリックな気分で楽しめるアプリを探している方には合っていると思います。

スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(ユニバーサルバージョン) (iPhone / iPad 共用)
スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(マイクロバージョン) (iPhone / iPod touch 専用版)

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