その iPhone / iPod touch 版が「デッドライジング・モバイル」です。
「デッドライジング」は欧米で好評を博した自由度の高いサバイバルゲームですが、発売されたのが XBOX のみだったため日本での知名度は低く、さらに iPhone / iPod touch 版が発売されたのは大作ラッシュだった昨年末(2010年12月)だったため、他の有名ゲームの影に隠れてしまいました。
正直、私もほとんど注目していなかったゲームです。
しかし先日、その「デッドライジング・モバイル」に大型アップデートが行われ、さらに記念の期間限定セールも行われた事で、現在ゲームアプリランキングの首位になっています。
まず先に、難点から言ってしまいますが・・・
正直、昨今の iPhone / iPod touch アプリとしては、グラフィックはショボく感じます。
カプコンの 3D 視点のゲームは「デビル・メイ・クライ4」や「バイオハザード・マーセナリーズ」を見ても解るようにグラフィックがイマイチで、このゲームも似たレベルです。
約2年前のゲームである iPhone 版「バイオハザード4」と同じレベルと言え、おかげで軽く動作するのですが、今となっては見劣りするのは否めません。
ゲーム中の看板などは遠目から見るとリアルなのですが、キャラクターの動きやアクションもそんなに滑らかではなく、そのため最初にやった時はガッカリな印象を受けました。
しかし、しばらくやり続けてみると・・・ これが結構面白い。
まず、ゾンビの数が非常に多い! そして弱い。
この手の iPhone のゲームとしては間違いなく最多と言える大量のゾンビが出現し、それをバッタバッタと倒しまくる事が出来ます。
要するに「無双系」のゲームであり、バイオハザードなどとは全然異なります。
またマップ内には様々な武器があり、ナイフやバットはもちろん、その辺にあるベンチやゴミ箱、さらにフライパンや芝刈り機まで武器になります。
ショッピングカートを押しながらゾンビを次々跳ね飛ばすとか、ゾンビの頭にバケツをかぶせて殴るとか、その様子はまさに「バカゲー」。
ゾンビが大量に出てくるホラーサバイバルなのに、常に「おバカ」な雰囲気が漂っているところがこのゲームの良い点ですね。
ゲーム中には様々なクエストを受けられ、それをクリアすることで「PP」と呼ばれるポイントが貯まり、一定量溜まるとレベルがアップします。
クエストには「ゾンビを倒せ」とか「鍵を探して扉を開けろ」などのマトモなものもあれば、「お菓子をとってきて」「トイレの掃除道具がなくなったんだけど」みたいなおバカなものまで様々で、真剣になりきれていないところがいいですね。
BGM も実際のショッピングモールで流れているような穏やかな店内放送的な音楽で、状況と完全にミスマッチなのが逆に面白いです。
ゾンビを一定数倒すとボスキャラである「マッドゾンビ」がモール内に出現、これを計 15 体倒す事でゲームクリアとなるのですが、基本的にはショッピングモール内を自由に散策するのがメインで、無理にマッドゾンビを追わなくても構いません。
なお、マッドゾンビはかなり強いため、素手やナイフで立ち向かうのは自殺行為です。
ショッピングモール内にはマシンガンやショットガン、チェーンソーなどの強力な武器もあるため、これらで対抗するのが無難ですね。
銃器はカウンターや棚の裏など、ちょっと見にくい所に落ちていたりするので、よく探してみましょう。
何がどこにあるのか把握する事が攻略の第一歩でしょうか。
また面白いシステムとして、Twitter か Facebook のアカウントを登録する事で、やられた時に救助要請を出したり、逆に救助を求めている人の救出に向かったりする事が出来ます。
普通はやられるとアイテムと「PP(経験値)」を失ってしまうのですが、救助されればペナルティーを受けずに復帰でき、救出した方は PP を獲得する事が出来ます。
ただこのシステム、救出時に Twitter にその「つぶやき」が流されてしまうようで、そのため連続で救出しているとツイッタースパムのようになってしまいます。
オプション設定で送信するメッセージの調整もできるのですが、救出メッセージはこの調整に関わらず問答無用で送信されてしまうようで、これが嫌な人は利用出来ません・・・
捨てアカウントを使って利用する手もありますが・・・ ここは非常に不便なので、何とかして欲しい所ですね。
(そんな訳で一時、このメッセージを連発されまくって、しかも気付くのが遅れてスパムのようになってしまいました。 フォローして頂いている皆さん、ごめんなさい <(_ _)> )
ゲームの感じとしては、解る人にしか解らない説明ですが、「龍が如く」の連続バトルシーンによく似ています。
自由に行動出来るため犯罪行為が出来る訳ではありませんが、「ギャングスター」のような「クライムゲーム」(犯罪なども可能な自由度の高いゲーム)に似た感じがありますね。
ゲームシステムにおいての難点は・・・ 一度取った体力回復アイテムの復帰が遅いこと。
マップ内には様々なアイテムがあり、中にはメロンやヨーグルト、大根などの食べ物もあります。
受けたダメージはこれを使って回復するのですが、1度取るとどうやら(現実時間の)1日が経過しないと復活しないようです。
ゾンビも希に食べ物を落としますが、アテに出来るほどではありません。
つまり、体力がなくなってピンチに陥り、食べ物も見つからない場合、もっとプレイしたくてもその日は終わるしかありません。(もしくは PP が減るのを承知で死ぬか)
クエストも1日に提示される数が限られていて、つまりアクションゲームでありながら、「何日もかけて少しずつ進めていく」というソーシャルゲーム的な要素が含まれています。
Twitter や Facebook のアカウントと連動した機能があるのもソーシャル的なものを目指した結果だと思われます。
オリジナルのデッドライジングは「救出ヘリが来るまでの間、何をしてもいい」という特殊なゲームシステムでした。
このゲームにもそうした、他のゲームとは違う特殊な要素を盛り込みたかったのかもしれません。
しかしこのゲームはアクションゲームなので、「強制的にゲームを中断させられる」この仕様は、ちょっと邪魔に感じてしまうのも確かですね。
もう1つの大きな難点は、読み込みが頻繁で、かつやや長めなこと。
まあここは仕方がないところでしょうか・・・ でもこの読み込みの多さ・長さは、iPhone のアプリではちょっと珍しいですね。
以下は海外の情報サイト AppSpy により公開されているプレイムービーです。
定価は当初は 800 円だったのですが、その後 450 円に下がったようで、現在(2011/7/2まで)は 115 円セールが行われています。
450 円として考えると、価格としては妥当なところでしょうか。
グラフィックのクオリティーが低めで、ゾンビが出てくるゲームなので好き嫌いもあると思いますが、内容が良いのでゲームとしては個人的にオススメ出来ます。
自由度の高いゲームが好きな方や、「おバカ」が好きな方には、特にお勧めできますね。
大量のゾンビを倒しまくる爽快感もありますし、続けているとどんどん面白くなってくるゲームです。
・デッドライジング・モバイル (iTunes が起動します)