iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2011/10

Fruit Ninja: Puss in Boots

iPhone / iPod touch のタッチパネルを最大限に生かした、フリックゲームの決定版「Fruit Ninja」に派生バージョンが登場しました。
「シュレック」や「カンフーパンダ」などの CG アニメ映画を製作している「ドリームワークス アニメーション」の新作「Puss in Boots」(長ぐつをはいたネコ)とのタイアップ作
Fruit Ninja: Puss in Boots」です。

3D 映画「Puss in Boots」は日本ではまだ公開日未定(2012年予定)なのですが、アメリカでは11月4日に封切られるため、そのプロモーションとして開発されたもののようです。
ちなみに主人公の「長ぐつをはいたネコ」は「シュレック」に登場するキャラクターで、つまり映画自体もシュレックの派生作品と言えます。

ゲームは Fruit Ninja にステージクリア型のモードを追加した形で、今までとは一風変わったステージが多数用意されており、本家をやり込んだ人でも新鮮な気持ちでプレイ出来ます。
ただし本編にあった「時間制限モード」(ZEN モード)や、アイテムが出現する「アーケードモード」、オンライン対戦の「マルチプレイヤーモード」はありません。

ちなみにオリジナルの Fruit Ninja は Android 版も登場していますが、動作速度がかなり本体の性能に左右されるようで、最新機種でないと重くてまともに楽しめないようです。
そんなに重くなるようなゲームには思えないのですが・・・ 「サクサク感」がウリの内容なので、ここが失われると辛いようですね・・・

Fruit Ninja: Puss in Boots

ルールは単純明快。 次々出てくるフルーツをフリックで斬り、爆弾は斬らないようにする。
爆弾を斬るかフルーツを3つ落としてしまうとアウトです。

操作性が非常に良く、バシュッ!ザシュッ!とフルーツを斬りまくれる爽快感とスピード感があって、「シンプルな楽しさ」があるゲームです。
指を左右に振ることで連続で斬る事も出来ますが、一直線の斬り方で3つ以上のフルーツをまとめて斬るとコンボボーナスを得られます
爆弾を斬ると一発でアウトなのでむやみに斬りまくるのは危険で、慎重に、かつ素早く斬っていく必要があります。

「Fruit Ninja: Puss in Boots」のゲームモードは2つ。 通常のモード(DESPERADO)と、ステージクリア型の「BANDITO」です。
今作のメインとなる BANDITO は3つの ACT とファイナルステージで構成されていて、各 ACT で4つのステージがランダムに現れます。 つまり 3x4+1 ステージ。

各ステージの内容はバラエティーに富んでいて、「棚の上を転がってくるフルーツを斬る」「壁でフルーツが跳ね返る」「巨大フルーツが登場」「飛び交う爆弾を避けながら斬る」「フォーメーションを組んだ爆弾とフルーツが飛んでくる」など非常に豊富。
1回や2回のゲームではすべて体験できないほどの数があり、プレイごとに違う展開になるので繰り返し遊ぶ事が出来ます。

ミスするとライフが1つ減り、そのステージは即座に終了。 3ミスでゲームオーバー。
ACT 3 をクリアするとボス(?)のようなものを斬りまくるラストステージとなり、その後に得点が集計されオールクリアとなります。
1つのステージは10~20 秒ほどで終わるため、オールクリアまで進んでも5分ほどしかかかりません
このサクサク感も Fruit Ninja の良いところですね。

Fruit Ninja: Puss in Boots

Fruit Ninja: Puss in Boots

相変わらずの面白さで、やはりベースが良いとアレンジしても楽しめます。
ただ、それでも強いて難点を挙げると、各ステージの出現がランダムで、それによって得られる点数も大きく変わるため、ハイスコアを狙えるかどうかが運次第なこと。
スコアが低めになるステージばかり出ると、どうやっても高いスコアは望めません。

また派生バージョンだからか条件を満たすことで得られる壁紙や剣の種類が少なめで、全体的なボリュームは本家には劣ります。
まあこの辺は敢えてこのぐらいにして、バランスを取っているのかもしれません。

そして最大の難点は、これはこのアプリが悪い訳ではないのですが・・・
iOS5 からの新機能として、画面の上部を下にスライドすると「通知センター」が表示されるようになりましたが、このゲームは縦に斬る時に上から下になぞることがあるので、思わぬ形でこの通知センターが表示されてしまう場合があること。
1回だけでは「つまみ」が出るだけで表示されないのですが、2回連続で上から下に斬ると通知センターが表示されてしまいすっごく邪魔です。 しかし通知センターの表示はアプリ側からは OFF に出来ません・・・

斬るときに下から斬るようにしたり、つまみが出たら警戒するようにすれば良いのですが、逆に言うと警戒しておかないと通知センターがゲームの邪魔をする仕様になっていると言えます。
これは今後、他のゲームでも問題になってくるかもしれませんね・・・

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 85 円。 ショートゲームなのでこのぐらいが妥当だと思いますが、いずれにせよ安いです
短時間で終わる、気軽に楽しめるゲームが好きな方にはかなりオススメですね。

優秀なメーカーやゲームにこうしたタイアップが付くことは、今後増えていくのかもしれません。
日本の場合、こうしたタイアップやプロモーション用のアプリはもっと簡素なものが多いのですが・・・ 先日の「ワイルド・スピード MEGA MAX」もそうであったように、欧米の映画は規模が違う印象です。

Fruit Ninja: Puss in Boots (iTunes が起動します)
Fruit Ninja: Puss in Boots HD (iPad 用。こちらは 170 円)

【お知らせ】 ファミ通App 寄稿記事 (2011/10 中旬)

先々週あたりから、ファミ通App さんの方に記事を寄稿するようになりました。

この「iPhone AC 番外レポート」は主に新作のレビューを中心にしていますが、ファミ通App さんの方に寄稿させて貰っている記事は「定番や名作」をメインにしています。
最近 iPhone ユーザーになった方だと、そちらの方が記事としては役に立つかもしれませんね。

ここ2週間の程の間に公開された寄稿記事は以下の通りです。

・iPhoneのタワーディフェンスのパイオニア『Fieldrunners
http://app.famitsu.com/20111012_1134/

・シンプルながら美しい頭脳派タワーディフェンス『geoDefense
http://app.famitsu.com/20111013_1126/

・第一次世界大戦の空中戦を描くフライトシミュレーション『Sky Gamblers: Rise Of Glory』(新作)
http://app.famitsu.com/20111014_1102/

・物理シミュレートパズルの系譜『Crush the Castle』『Angry Birds』『Siege Hero』『Sprinkle
http://app.famitsu.com/20111017_1064/

・ユーザーへの配慮とニーズにとことん応えたトランプアプリ『大富豪しよっ!
http://app.famitsu.com/20111018_1030/

・簡単、お手軽、でも手強い 美しき光のおはじき『ORBITAL
http://app.famitsu.com/20111021_538/

Sky Gamblers だけは新作、かつ紹介と言うより解説メインの記事になっていますが、他は定番アプリや名作アプリの紹介となっています。

今見ると文章の言い回しがおかしい部分もあるし、こうしたメディア記事だと「です・ます調」の口調はヘンな気もするのですが・・・
まだこうしたライター的な記事に慣れていないので、その点はご了承を・・・

(ブログや自サイトだと少々おかしくても後でいくらでも修正できるのですが、寄稿だと後で修正できないのでそこに難しさを感じています。 世のライターさんは、その辺ちゃんと気を付けてるんでしょうね・・・)

なお、以下のゲームは iPhone AC 本家側に攻略ページを用意しています。
Fieldrunners geoDefense Angry Birds Siege Hero ORBITAL

と言う訳で、当ブログや iPhone AC ともども、寄稿記事もよろしくお願いいたします。<(_ _)>

財閥タウンズV

※攻略は こちら に掲載しています。

モバイルの開発シミュレーションゲームの世界的定番メーカー「カイロソフト」。
そのカイロソフトの新作、現代の街の開発と運営を行う都市開発ゲームが登場しています。
財閥タウンズV」です。

9月に「大江戸タウンズ」を公開してまだ1ヶ月ほどしか経っていませんが、早くも新作の登場です。
双方に「タウンズ」と付いている事から解るように、両者は同じシリーズと言え、非常に似通ったシステムを持っています。
ですから最初にやった時は「ああ、単なる大江戸タウンズの現代版か」と思いました。
プレイしても当初は全く新鮮さが感じられず、グラフィックを差し替えただけのバージョンに感じたのですが・・・

ところがしばらくやってみると、実は全然違う
基本システムは確かに同じなのですが、ゲームバランスのベクトルが「大江戸タウンズ」とは正反対を向いているのです。

「大江戸タウンズ」はシステムを簡略化し、難易度も下げ、誰でも楽しめるようにした「カイロソフトの初心者向けゲーム」と言った感じでした。
しかし「財閥タウンズV」はシステムが多様化し、難易度も高く、しっかりとした計画と攻略を持ってプレイしないと資金難と行き詰まりに直行します。

つまり財閥タウンズVは、「カイロソフトのゲームに慣れている人向け」と言った感じなのです
ですから色々なゲームをプレイしてきた自分にとっては、この財閥タウンズVの方が面白く感じますね。

なお、財閥タウンズVは一般の携帯電話では今年3月末に登場しました。
iPhone 版は ゆけむり温泉郷 から続く、タッチパネルに最適化された操作スタイルを踏襲しています。
このゲームの前作は「財閥タウンズ2」で、「2 の後がいきなり V なの?」と思うかもしれませんが、この V は「ふぁいぶ」ではなく「ぶい」のようです。

zaibatu

ゲームの基本システムは「ゆけむり温泉郷」や「名門ポケット学院」のような、建物をマップ内の任意の場所に配置して開発を行っていく「施設配置型」です。
 「大江戸タウンズ」と同じように住人はマップ内に自宅を持っていて、そこと職場(オフィス)、及び各商店を往復しながら生活を行います。

住民には「所持金」があり、これを使って店舗などで買い物をします。
お店の売上げはそのままプレイヤーの資金になりますが、住民はお金を使い尽くすと「仕事」をするまで所持金が回復しません
この辺りの基本システムは大江戸タウンズと全く一緒ですね。

大江戸タウンズと違うのは、まず複数の施設を組み合わせることで発生する「専門街」の成立範囲と効果範囲が、共に縮小していること
大江戸タウンズは特定の施設を近くに集めることで発生する「横丁」を作りまくることで評価(石高)や収益を増大させることが出来ました。
判定範囲と効果範囲が広かったため、各施設に複数の横丁の効果をいくつも重ねがけする事ができ、それによって街の評価をどんどん高め、住民の流入を促す事が出来ました。
だから難しい事は考えずに、組み合わせに必要な建物をどんどん建てていけば良かったのです。

しかし財閥タウンズVは、その「専門街」の効果がかなり縮小しています。
専門街の数が減少し、序盤に使えるものもほとんどなく、範囲が狭くなったためたくさん重ねがけすることも困難です。
つまり専門街「だけ」に頼った攻略は出来なくなったので、普通に各店舗の能力や住民の動線などを考えた街作りを行う必要があり、同じようなゲームシステムなのに攻略は全く違うものが必要になります

また住民の「転職」に能力値が関係するようになり、さらに住民が職業を極めることで「研究ポイントの上限がアップする」という仕様が加わったため、住民の活用がより重要になっています
住民のことはあまり気にせず、建物をたくさん作って施設の評価(石高)をアップさせれば良かった大江戸タウンズとは、この点も大きく違います。

さらに全体の資金繰りが厳しくなったため、建物を作りまくって赤字の店舗を出しまくっていると、すぐに経営が立ち行かなくなります。
商品単価や能力アップ効果の良い建物を選んで、必要数だけ建てていくようにしないと、あっという間に借金地獄に陥ります。

しかし建物を建てないと評価(地価)は高まらないので住民がやって来ません。
この点のバランス取りが難しいところで、カイロソフトのゲームの多くは資金繰りが易しくなっているのですが、このゲームは違うので同じように考えないようにしましょう。

財閥タウンズV
※今回の専門街は 3x3 のマスの中に納めていないといけない。 またゲーム序盤でも作れる専門街は「ケーキ屋」「八百屋」「花屋/魚屋」で構成される「地元街」だけだ。
しかしこの地元街、関わっている店舗すべてが利用者の能力を減少させる場合がある。
よって序盤に地元街を活用する場合、収益と地価は上がるけど、住民の能力上昇はかなり鈍る。 ここも今回の難しい点の1つ。

財閥タウンズV
※大江戸タウンと違って住民の特性も結構影響する。 新しい職業が見つかったら転職成功率の高い住民を転職させて、職業をマスターさせていこう。
これを行わないと研究ポイントが足りなくて、店舗の種類を増やせない。
店舗は職業の発見のために「オフィス」の周囲に並べていきたいところだが、オフィスは維持費が高いのでヘタに増やすと赤字を招く。 ここがまた難しいところ。

私はシステムが簡略化されていた「大江戸タウンズ」は物足りなく感じたので、この財閥タウンズVの試行錯誤が必要な展開の方が好みです。
しかしその分、取っ付き辛いゲームになっている事も確かで、自由な街作りは行いにくくなっています。
横丁を大量に重ねて石高を上げまくり「俺スゲーー!」するような派手なプレイも難しいですね
だから大江戸タウンズと財閥タウンズでどちらかが良いかは一概には言えず、好みの問題でしょう。

定価は 450 円。 相変わらず値段以上にハマれるゲームです
カイロソフトのファンの方、開発シミュレーションゲームが好きな方には、文句なくオススメですね。
しかし今回はテキトーにやっていると財政破綻するので、まだ「大江戸タウンズ」をやっていないのなら、そちらから試した方が良いかもしれません。

ただ、今回はゲームをクリアしていなくても育てた店舗レベルなどを引き継げるので、ここはプレイしやすくなっている点です。

最初は「同じようなゲームを1ヶ月という短い期間で連発してくるとは・・・」と思いましたが、やってみると「このゲームをリリースするために、先に大江戸タウンズを公開したのかな?」とも思えます。

財閥タウンズV (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

今回もゲームの基本的な攻略を掲載しておきたいと思います。
ただ今回は結構「攻略要素」の多いゲームなので、本格的な解説やデータ公開は本家の iPhone AC の方に 攻略ページ を作って行おうと思います。
とりあえずここでは、序盤のコツを書いておきます。

・今回は収入が少ないので無計画に店舗を作りまくったらすぐ赤字です。 投資金の回収が伴わない過剰な出店は赤字経営の元ですのでご注意を。
・今回は建物や施設の種類で地価の基本値が変わると言うことはありません。 テレビ局でもラーメン屋でも同じ場所に作れば基本値は同じです。 地価は周囲の施設と専門街、アイテムによって増加します。
・「ケーキ屋」「お花屋」「八百屋」「魚屋」「ゲームセンター」は序盤に作れる店舗ですが、利用者の能力値を減少させる場合があるので注意して下さい。 「ファーストフード」「おもちゃ屋」も若干の減少があります。 そして「パチンコ屋」は収益は大きいですが、全能力に減少があるデメリットの大きい店舗です。「動物園」にも減少修正があります。

・専門街は 3x3 マスの範囲に必要な施設3つを含めていると発生し、その影響は関係する施設の周囲1マスに及びます。 ただし公園や自然環境からは効果範囲が発生しません。
・複数の専門街の効果を重ねる事は可能ですが、全く同じ専門街の効果は重複しません。
財閥タウンズV

・オフィスの周囲に様々な店舗を配置することで、新しい職業を発見出来ます。 この「周囲」はオフィスから半径2マスのようです。 よってオフィスを中心に商店街を作っていく形になりますが、オフィスの経費「月20万円」は結構厳しい出費で、各所にオフィスを作っていくと破産の要因になります。
財閥タウンズV

・オフィスは地価が 300 を越えると高層化して経費が下がります。 専門街が多数作れるようにならないと無理ですが、後半はオフィスの周囲に専門街を重ねられる配置を考慮してみましょう。
・都市の規模が拡大すると新しい施設を研究することが出来るようになりますが、特定の職業の住人が登場することでも新施設が出てくることがあります。 例えば以下の様な形です。
(料理人で寿司屋、ウェイターでカフェ、植木職人で大仏や神社、学者で病院、プログラマーでゲーム会社、スポーツ選手で野球場など)
・新しい施設の研究に必要な費用・研究ポイントは、後から研究するものほど多くなります。 よって必要量の多いものを先に研究しておいた方が消費ポイントは少なくてすみます。 研究が大変なものを後に残すと、より大変になっていくので注意して下さい。

= 専門街一覧(登場が早い順) =

地元街 : ケーキ屋、八百屋、花屋/魚屋
ランチ街 : カフェ、お弁当屋、パン屋
子供街 : おもちゃ屋、公園、ゲームショップ
温泉街 : 旅館、森林・岩、湖
観光地 : 森林、山(坂)、旅館/シティホテル
グルメ街 : すし屋、ラーメン店、居酒屋
歓楽街 : パチンコ店、ゲームセンター、ボーリング場
学生街 : 専門学校、牛丼店、ファミレス
知識街 : ブックストア、専門学校、美術館
アキバ街 : 家電量販店、アニメショップ、ゲームショップ
自然街 : 牧場、公園、森林・湖
シリコンバレー街 : パソコンショップ、ケータイショップ、ゲーム会社
ビジネス街 : オフィス、オフィス、シティホテル (地価/価格+35%)
ハッカー街 : ピザ屋、ファーストフード、警備会社 (地価は+5%のみ)
アニマル街 : 動物園、ペットショップ、牧場
ロックンロール街 : レコードショップ、レンタルビデオ、ライブ会場 (地価は+5%のみ)
健康街 : 病院、スポーツジム、銭湯/旅館
オシャレ街 : ブティック、美術館、ドラッグストア
文化街 : 宝石店、美術館、映画館
ハリウッド街 : テーマパーク、ブティック、映画館
デートスポット : テーマパーク、動物園、映画/ゲーセン (地価+45%)
スポーツ街 : スタジアム、野球場、スポーツジム
古都ノ街 : 大仏様、三重塔、神社

※専門街はまだありますが、15年以内で活用できるのはこのぐらいです。
※店舗データ、職業データ、専門街データなどはまだ収集中です・・・ 完成したら 攻略ページ で公開予定。

Descend RPG

古典的な 3D ダンジョン RPG を、レトロ風のゲームシステムはそのままに、グラフィックだけ新しくアレンジしたゲームが登場しています。
Descend RPG」です。

開発したのはオーストラリアの方のようで、ほぼ個人作成のゲームのようですが、滑らかにスクロールするリアルなダンジョンは最初に見た時は「おおっ」と思えますね。

しかし評価の難しいゲームで、見た目はダンジョン探索ゲームの名作「ダンジョンマスター」を模していますが、ダンジョンマスターのようなリアルタイム制ではないので、それを期待しているとガッカリになると思います。
またマップがなく、キャラクターもあまり強くないため慎重に進む必要があり、ヘタをするとすぐにハマります。
よって近年の親切な RPG しか知らない方にもオススメできません。
ただシステムさえ解れば、相応に楽しめるゲームですね。

なお、このゲームの初期バージョンはすぐに食料が尽きて飢え死にしまくる最悪の「餓死ゲー」だったのですが、さすがにプレイヤーから批判されまくったためか、現在はアップデートで食料が増え、満腹度の減りも遅くなり、まともに遊べるようになっています。

Descend RPG

若い男女2人連れのリア充冒険者が、謎のダンジョンを進んで行きます。
ストーリーは全文英語なので日本人が見てもよく解らないのですが、ひたすらダンジョンの深部を目指せばよいので、メッセージが解らなくてもゲーム的にはあまり問題ありません

移動はボタンで行い、バッグのボタンで持ち物を使用、キャラクターの顔をタップするとステータスの確認を行えます。 操作性は良好です
キャラクターの下のバーグラフは赤が HP青が MP (マナ)、緑が満腹度黄色が経験値を表します。
満腹度は冒険中に徐々に減っていき、尽きると HP が減り始め、最後には餓死してしまいます。 よってそうなる前にダンジョンの中で食料を見つけ、食べて回復しなければなりません。
経験値は最大になるとレベルアップし、その際に HP と MP も回復します。

注意すべきなのは焚き火のボタンで、これを押すとその場で「キャンプ」を行い、HP と MP が全快します。
しかし満腹度が大きく減少するため、使いまくると餓死する危険があります
食料はダンジョンの中に限られた数しかないので、無駄なキャンプは野垂れ死に直結します。
ボタンを押すだけで簡単に行えるので、ついつい試してしまいたくなりますが、必要な時以外は押さないようにして下さい。

キャンプは「安全な場所」でしか行えません。
最初の階はほぼ全域が安全な場所なのでどこでも実行出来るのですが、2階以降は使える場所が限られています。

敵に遭遇すると戦闘になります。 戦闘はターン制で、ダンジョンの移動や敵の動きが滑らかなので、思わずリアルタイムの戦闘なのかと思いがちですが、実際にはこちらが行動しないと相手の番にはなりません。
剣ボタンで攻撃、盾ボタンでガードで、剣ボタンの横には「敵が誰を狙っているか」を示すマークが表示されます
よって狙われていない方が攻撃し、狙われている方はガードする、と言うのが基本ですね。
これを知らずに2人でガンガン叩いていると、攻撃を受けた時に大ダメージを受けるので気を付けて下さい。
ただ相手が攻撃と同時に狙いを変えてくる場合もあるので、ターゲットマークは絶対ではありません。
あと少しで倒せる時は2人で一気に攻撃した方が良いこともあります。

Descend RPG
※ゲーム開始時にはサイコロを振って能力値を決められます。 チェックボタンを押すと一方のステータスを固定できるので、これを使って出来るだけ +3 が多い状態でゲームをスタートしましょう。
なお、能力値は2レベルごとに1つプラスすることが出来ます。

Descend RPG
※矢印の先のマークが「相手が狙っている側」を示しています。 ただ攻撃寸前で変えてきたりするので過信は禁物。 逃げるコマンドはないので、死にそうな時は無難に薬を使いましょう。
全滅するとその場から再スタート出来ますが、経験値が 0 になり、体力や満腹度も低い状態からになります。
食糧も尽きていて回復がおぼつかない場合は・・・ 再スタートしかなくなります。

Descend RPG
※よ~く見ると棺の上に小さな鍵が。 こういうのを見逃さないように。
ゲームは基本的にダンジョンを探索して鍵を見つけ、鍵のかかったドアを開けて奧に進んで行く形になります。
ちなみのこの小さな鍵は宝箱の鍵で、ドアの鍵はもうちょっと大きめ。
また「鍵開け」のスキルがあれば鍵がなくても宝箱を空けられる場合があります。
宝箱は空けて中身を取ったらフタをタップして閉めないと、その場から離れられないので注意。

ダンジョンの壁には松明がかかっていて、部屋にはテーブルやイスがあり、棚も並んでいます。
光源や影なども綺麗で、それらが滑らかにスクロールする様子はなかなか見応えがあります
シビアなゲーム展開も慣れないうちは不親切に感じますが、レトロスタイルの RPG らしいと言えますね。

ただ、これは難点という訳ではなく、勝手な思い違いなのですが・・・
このいかにも「ダンジョンマスター」っぽいインターフェイスを見ると、ダンジョンマスターとは全く違うのが気になります・・・

「ダンジョンマスター」はリアルタイム制のゲームで、モンスターの姿を遠くから確認でき、こちらに来る前に物を投げて攻撃する事も出来ました。
また戦闘中に逃げると、そのモンスターはダメージを受けた状態で再びダンジョン内を徘徊します。
キャンプをする時もドアを閉め、安全を確保してから休まないと寝込みを襲われる危険がありました。
また置いたアイテムがその場に残ったため、物を持てなくなったらダンジョンの一部を「物置き場」にして、そこに食料やアイテムを貯めておくことが出来ました。

このダンジョンマスターのヒットにより、しばらく欧米の 3D ダンジョン RPG は、このようなリアルタイム制が主流になりました。
だから海外の掲示板でもこのゲームを見て、「リアルタイム制じゃねーのかよ!」「なんでこの画面で戦闘が JRPG なんだよ!」みたいな意見が多く出ています。
ここは私も正直・・・ そう思います。

だからと言って、それで面白くないという訳ではないのですが、「期待してたのと違う」という感じを受けた人は私を含め多いようですね・・・

以下は TouchGameplay により Youtube で公開されているプレイ動画です。



価格は 350 円。 楽しめる人なら値段相応と言えるでしょうか。
「楽しめる人なら」というのは、難易度の高さやゲームシステム、さらにマニアックな「3D ダンジョン型 RPG」というジャンルのため、楽しめる人が限られていると思うからです。
この手のジャンルがダメな人だと、まったく楽しめないでしょうね。

私自身は結構好きなゲームで、「マップがねーよ」「食料たりねー」とか言いつつも、結構やってたりします。
ただ人に勧められるかと言うと、「う~ん」という感じでしょうか。

この手のレトロな RPG が好きな方が、過剰な期待を持たずにプレイする分には、悪くはないと思います。

Descend RPG (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

井戸はお金 2 Gold を 1 EXP に変えるもので、余ったお金は基本的にこの井戸でしか使いません。
・2人が死んだら経験値 0 で再開ですが、1人だけが死んだ場合はクリスタルがある場所で 50 Gold で復活させることができます。 よって 50 Gold は手元に残しておいた方が無難です。
・スキルや魔法はスクロール(巻物)を使用して習得しますが、習得後に一度「キャンプ」を実行しないと使えるようになりません。 しかしキャンプは空腹度が大きく減るため連続使用は禁物です。 計画的にキャンプの実行を行うようにしましょう。
・魔法で閉じられている通路は、対応した魔法を使うことで開きます。 例えば2階の風のシャッターは、風の魔法を使えば開きます。

以下はマップです。 1階(と言うか寺院)は1ヶ所しか敵が出ないので、2階と3階を表記しています。
序盤の参考にして頂ければと思います。

S : スタート地点 ・G : ゴール地点(次の階へ)
茶マス : 扉 ・赤マス : 鍵がかかった扉 ・紫マス : しかけ扉
水色ゾーン : キャンプ可能ポイント ・D : しかけ/スイッチ
: 井戸(お金を経験値に) ・C : 復活のクリスタル
×印 : 罠。早く通らないとダメージ ・!印 : ボス戦
K : 鍵 ・F : 食料 ・$ : お金 ・B : 本(情報)
T : 宝箱 ・P : 薬 ・W : 武器 ・A : 防具等 ・M : 巻物
★と☆ : ワープゾーン。黒い方から白い方へ

=2階=

Descend RPG 2F

=3階=

Descend RPG 3F

=4階=

Descend RPG 4F

=5階=

descend5f

Army Wars Defense 2

道の両端に互いの陣地があり、共に兵士を出し合って相手の陣地の破壊を目指す、俗に言う「一本道 RTS」(ラインウォー、綱引き型 RTS)でありながら、その道の幅が「広い」という特徴のゲームが登場しています。
Army Wars Defense 2」です。

このゲームはその名の通り、「Army Wars Defense」の続編です。
ただ前作はそれほどヒットした訳ではないので、ご存じない方も多いでしょう。
開発は韓国の小メーカーだと思われます。

前作は私的にはなかなか楽しめる一本道 RTS だと思っていたのですが、「ゲームの戦術が解りにくい」「序盤が簡単過ぎて面白さがなかなか解らない」という難点もありました。
そのためか今作はゲームの基本システムはそのままで、バランスやインターフェイスを改良しているという、マイナーチェンジ的な続編になっています。

なお、タイトル画面には可愛い女の子が描かれていますが、これはゲームとは全く無関係です。念のため。
まあゲーム中の兵士のドットグラフィックは可愛らしい感じではありますね。

Army Wars Defense 2

画面下の兵士のアイコンを任意の場所にドラッグすると、その位置の左端から兵士が出撃し、まっすぐ右に向かって進んで行きます。
兵士にはそれぞれ射程範囲があり、その範囲に敵が入ると自動で攻撃を行います
出撃した兵士はひたすら直進して行くのみで、命令を出すことは一切出来ません。
死ぬ端から送り込んでいく形で、まさに「使い捨て」ですね。

このゲームは道幅が広く、好きな場所(好きな横軸)に兵士を配置出来ます。
こうした道が広い一本道 RTS の多くは、道がいくつかのラインに分かれていることが多いのですが、このゲームは分かれていません。
「幅の広い一本の道」があるのみで、配置位置はドット単位で調整可能です

兵士にはそれぞれ「長射程だけど横幅は狭い」「横幅は広いけど射程が短い」などの特徴があります。
よって、「長射程だけど横幅が狭い敵は、軸をズラして兵士を配置し横から撃つ」「横幅が広いけど短射程の敵は、長射程キャラで狙撃する」と言った戦術が有効になります。
まずはこの点の把握が重要になりますね。

Army Wars Defense 2
※Sniper(スナイパー)は長射程、Ranger(レンジャー)は横に広い。 こうした射程が極端なキャラをうまく活用するのがポイント。
Riffleman(ライフルマン)は弱いがバランスが取れていて安い。 Swat(スワット)は対装甲用。

道の端に到達した兵士は敵陣への攻撃を行い、陣地の耐久力が減っていきます。
ただ陣地も反撃するし、そう簡単には壊れません。 敵陣を破壊すれば勝利、逆に壊されると敗北です。

兵士は資金(Fund)を消費して出撃させますが、Fund は「Fund 最大量アップ」「Cool Down(再出撃時間)減少」にも使用でき、このタイミングも重要になります。
また「スキル」を習得することで、資金を使って陣地の回復や空爆の要請も行えます。
Fund は敵を倒したり、一定時間経つごとに得られます。

またステージクリアすることで Gold が得られ、これを使って新しいユニットのアンロックや既存ユニットのアップグレードが行えます。
ユニットの種類は非常に豊富で 30 種類以上。 車両や回復ユニットなど様々です。
選べる軍隊が2つあり、共通ユニットが 23 種類、固有ユニットが5種類が存在するため、実際に使えるのは 28 種類です。

ゲームにはそのうちの8つを選んで出撃しますが、内部的に被害数が蓄積されていて、それが一定数を超えるとそのユニットはしばらく使えなくなります。
この使えなくなる時間は「現実の時間」で、ユニットごとに「10分経過するまで使用不可」と言った状態になります。
この状態は Bucks というもので強制的に回復させることも出来るのですが、Bucks をまとめて入手するには追加課金が必要になります。
つまりここはフリーミアム(課金型)になっていると言えます。

無理やりフリーミアム要素が付け足されているのは難点と言えますが・・・
複数のユニットを入れ替えて使っていけばそんなに困ることはないし、無理に課金が必要な程ではありません
色々なユニットを活用するためのゲーム性と考えれば、まあ納得は出来ますね。

Army Wars Defense 2
※被害が大きくなったユニットは「補給待ち」状態になる。 ただ実時間の経過なので、アップグレードをしている間に回復したりするし、時間が長くても1ステージ休ませればその間に復帰できる事が多く、それほど深刻ではない。 また Bucks (お札)はステージクリアでもある程度入手出来る。

Army Wars Defense 2
※能力値の把握し、どれをどう使って行くかがゲームのポイント。
高額なユニットほど再出撃時間が長く、しかもコストパフォーマンスが下がる。 よって低価格ユニットと高額ユニットをバランス良く用意して使い分けることが必要。
また対人ユニットと対甲ユニット、車両ユニットに分かれるので、その使い分けも大切。

前作は序盤がかなり簡単で、テキトーに出撃させていても問題なく勝ち進むことができ、そのため逆に「兵士を出すだけのつまらないゲーム」に思われがちでした。
そのためか今回はステージ2からいきなり敵車両が登場し、難易度が上がっています。

よって慣れていない人だといきなり苦戦してしまう可能性がありますが、クリア済みのステージを再度プレイして Gold を稼ぐことも出来るので、行き詰まる事はないでしょう。
幸いステージ1は簡単です。

また今回の追加要素として、Bluetooth による対戦プレイや、Game Center を通したオンライン対戦にも対応しています。
ただ Game Center を通しての対戦は人が少なく、なかなか成り立ちませんね。

他にスコアを競える「エンドレスモード」も用意されていますが、オンライン対戦やエンドレスはプレイするごとに「プレイ回数」が減っていき、これは1回あたり1時間が経過しないと回復しません
ここも中途半端なフリーミアム要素になっている部分です。
また兵士のグラフィックは可愛らしい感じですが、血を吹き出して倒れたりするやや残酷な表現があるのも難点でしょうか。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 85 円と安く、値段を考えるとお得なゲームです。
実は現在(2011/10)、2が発売されたからか前作が無料で公開されているのですが・・・
前作より2の方がバランスが取れているし、表示が解りやすくユニットも増えているので、今さら1はオススメし辛いですね。
2からやった方が面白さが理解できると思います。

ボリュームは十分にあり、スピード感と相応の戦略性も備わっていて、秀作の一本道 RTS の1つだと思います。
この手のゲームが好きな方にはオススメできるアプリですね。

Army Wars Defense 2 (iTunes が起動します)

空気読み。

いかなる状況でも空気が読める人間になるために、一人で黙々と空気を読み続ける画期的な KY 防止用「空気読めてる度」診断ゲーム。 要するに「バカゲー」。
それが「空気読み。」です。

元は一般携帯電話(ガラケー)用のアプリだったのですが、大人気になったため DS のネット配信用ソフトになり、続編まで開発されたヒット作です。
そして先日、ついにスマートフォン(iPhone & Android)版も登場しました。

ぱっと見は個人作成のシンプルなバカゲーに見えますが、G-mode というモバイルゲームメーカーが作ったれっきとしたメーカー製のゲームです。
シリーズの開発にはマトリックス(DS 版 FF3 の開発元)や MGS (遠藤雅伸氏の会社、モバイル&ゲームスタジオ)なども協力しているという、割と有名どころが関わっているゲームですね。
iPhone 版は DS 版の移植のようです。

空気読み。

ゲームは1問が数秒で終わる「空気を読むための問題」を、次々と解いていく内容です。
その数はなんと 100 問! あえてジャンル分けすると「ミニゲーム集」になるでしょうか。

解き方は主に赤いマークの人物を操作するのですが、具体的にどう動かすのか、そしてどうやれば正解なのかは、画面を見て瞬間的に「空気を読んで」判断しなければなりません。
そのため「空気を読むゲーム」と言うよりは、瞬間判断力や瞬間推理力が試されるゲームです。

「一瞬で解法と操作方法を判断するミニゲームを繰り返す」という内容は、DS の人気ゲーム「メイド・イン・ワリオ」にもよく似ていますね。

ただ、このゲームは「解法が1つ」とは限りません
問題によっては複数の行動を取れる場合もあり、なにを行ったかで内部的に異なる評価が付けられます。
このアプリは正確には「ゲーム」ではなく「診断」なので、成功や失敗などの判定はなく、最終的に表示される総合評価を見て、その結果を競ったり、見て楽しむという感じの内容です。
ただ5問ごとに「空気読めてる度」を示すコメントが表示されるので、それが KY かどうかの目安になりますね。

空気読み。

100 問を一通りクリアすると、「読まない。」というモードが選べるようになります。
これはワザと KY な行動を繰り返し、「ボケる」のが目的となる「空気読み。」の逆のモードで、問題は一緒ですがそれぞれにボケ用のアクションや解法が用意されています。

好きな問題を選んでプレイできる「チャプターモード」、隠れた解答を探す「隠しのリスト」なども用意されていて、何度もプレイ出来るようにしているのが伺えます。

ただ100 問を一気にプレイするゲームで、問題はその 100 問しか用意されていないので、1度やってしまうと2度目以降は知った問題しか出なくなり、新鮮さがなくなります
より高い評価を目指したり、ボケモードや隠しリストを探す楽しみもありますが、あまり長く楽しめるゲームではないのが難点でしょうか。

空気読み。

空気読み。

定価は 350 円なのですが、発売セール中で 85 円になっており、しかもセール期間などの表記がありません。
もしかすると「ずっとセール」というやつかもしれません。(一時期 350 円に戻りました)
いずれにせよ 85 円なら気軽に試せますし、値段以上に遊べるアプリですね。

私的にはこういう「マジメなバカゲー」は好きなので、かなり楽しめました。
1問が数秒で終わるためサクサク進みますし、雰囲気や演出も良く、見た目からは想像できませんがサウンドも良いです。
単なるバカアプリではなく、「ちゃんと作られているソフト」ですね。

人を選ぶアプリかもしれませんが、おバカが好きな人、ネタアプリが嫌いでない人にはオススメです。
人に見せるアプリとしても優れていて、個人的にはかなり気に入っています。

空気読み。 (iTunes が起動します)

要塞包囲

タワーディフェンスや一本道 RTS のような簡略化されたスタイルではなく、本来の RTS (リアルタイム・ストラテジー)形式の本格的な城砦防衛ゲームが登場しています。
要塞包囲」(Fortress Under Siege)です。

開発したのは 欧陸戦争 / 世界の覇者1945 を開発した中国のメーカー EASY TECH。
RTS と言ってもこちらから攻める必要はないので、城壁の上に弓兵を並べて対抗すれば良く、ゲーム展開としてはタワーディフェンスに似ています。
しかしその城壁を好きなように作る事ができ、自分の思うがままの城を作って防衛できるのは、他のディフェンス系のゲームとは異なっていますね。
防衛メインの Age of Empire(エイジ・オブ・エンパイア)、と言えば解る人には解るでしょうか。

要塞包囲

ゲームは建設フェイズ戦闘フェイズの繰り返しで進行します。
まずは建設フェイズとなり、手持ちの資金で城壁や兵士、攻撃塔などを並べて城砦を作ります。

どのステージも最初からカッコイイ感じの城砦が作られているのですが、このゲームはそれにこだわる必要はありません。
配置されている城壁や兵士は Sell のコマンドで購入費と同じ価格で売却が可能で、自由に作り替えても構いません
※アップデートで、売却時に得られるお金は設置費用の 80 %になりました。

と言うか、最初の状態のままだと守りきるのは難しいので、手持ちのお金で兵士を増やし、お金が足りなくなったら余分なパーツを売って換金し、必要な設備を作って守りを固めましょう。
主力は城壁の上に配置した「弓兵」です。

城砦の建設と兵士の配置が終わったら、Start のボタンを押して戦闘フェイズに移行します。
戦闘フェイズでは前方から敵部隊が陣形を組んで現れ、城砦へと突撃してきます。
兵士は自動で戦闘を行いますが、移動命令を出すことも可能で、この点はタワーディフェンスや一本道の RTS とは違う点ですね。
ただし城壁の上にいる弓兵は、城壁の範囲しか動けません。
多数の兵士が入り乱れ、弓矢が飛び交う戦闘は RTS らしい派手さがあります

ほとんどの敵を撃退すると勝利となり、倒した敵に応じた資金が貰え、再び建設フェイズに戻ります。
戦闘後の建設フェイズでは Repair でダメージを受けた設備の修理も行えます。
そして再び戦いに移り、この繰り返しを1つのステージで5回行います。
五波目の攻撃で敵の将軍が登場し、これを撃退するとステージクリアとなります。

もし敗れてしまっても、その戦闘で得た資金の大半を入手したまま、戦闘開始直前に戻ります。
つまり負けてもお金が増えるので、それで防衛体制を強化して再戦していれば、いずれは勝つことが出来ますね。
追加課金で資金を増やすことも出来ますが、ムリに課金が必要なゲームバランスではありません

ステージクリアするとまとまった資金が手に入り、これで新ユニットや設備のアンロック、さらに既存の兵士のアップグレードが行えます。
ただし資金はそのまま次のステージの防衛費になるので、使いすぎにはご注意を。

要塞包囲
※敵はちゃんと陣形を組んで進軍してきます。 魚鱗、鋒矢、方円、雁行など既存の陣形も見られる点が、なんとなく中国っぽいです。
1ヶ所でも城壁に穴が空いているとそこを目指して移動してくるので、守りは隙間なく固めるようにしましょう。

要塞包囲
※火計もあり。 事前にアスファルト(と言うかタール)をその場所に設置しておく必要があります。
他に踏んだ敵にダメージを与える使い捨ての罠が存在します。

ゲームとしての難点は特に見当たりません。
iTunes にはバグって進めなくなったという報告がありますが、私はその症状には遭っていません。
「課金しないと楽しめない」と言っている人もいますが、その人は施設の売却や負けてもお金が貰える事を知らない人でしょう。

ただ、これは「難点」という訳ではないのですが、この初期配置の売却が「う~ん」と思ってしまう点でしょうか・・・
せっかく地形に合わせた初期配置の城砦があるのですから、どうせならそれを生かして戦えるようなシステムにした方が面白かった気がします。
初期配置を売却しても設置費と同じ金額が手に入るのでぶっちゃけ全部撤去して、面白みのない勝つことだけを考えた城砦に全部作り替えても全く問題ない訳で、「それはどうだろう」と思ってしまいます。

※現在は売却額が設置費の 80 %になったので、初期配置も活用した方が良くなっており、バランスが調整されています。(ただしその影響で初期バージョンより難易度が上がっています)

しかし、この「思うように城砦を作り替えられる」という自由度こそがこのアプリの良い点でもあるので、そこを難点と言うことは出来ませんから、難しいところですね。

もうちょっと何とかして欲しいと思ったのは接近戦ユニットでしょうか。
単独で使ってもハッキリ言って弱く、集団で使えばそこそこ強いですが、それを集団になるほど配置するのであれば攻撃塔やら弓兵やらを配置した方が有用です。
(さらにユニットをまとめて選択することが出来ないので、集団で進軍するのは難しい)
ゲーム中盤になると遠距離から攻撃してくる投石機などが出てくるので、それに対抗するために騎兵などが必要になるのですが、そのぐらいしか有効な使い道はないですね。
一応、接近戦ユニットを進軍させて敵の旗持ち兵やテントなどを破壊すると資金が貰えるのですが、ムリに狙うほどではありません。

fortressundersiege4
※初期配置のお城はなかなかカッコ良く作られているが・・・ ほとんど作り替えてしまった方が強い。 接近戦ユニットも換金して弓兵にした方が有効。 しかしそれも味気ないのが本音・・・
なお、建設時に右側のユニット/設備一覧が邪魔な時は、矢印で示している三角のボタンを押して下さい。 一覧部分が引っ込みます。

価格は 170 円。 現在(2011/10)は発売セール中で半額ですが、いずれにせよ安いですね。
メッセージも全文日本語化されており、言い回しが妙な部分もありますが、意味が解らない個所はありません。
ボリュームも相応にあり、ちゃんと RTS としてもディフェンスゲームとしても楽しめる内容で、それでいて RTS そのものよりは取っ付きやすいシステムです。

戦略/戦術系のゲームが好きな方には、かなりオススメ出来ますね。

要塞包囲 (iTunes が起動します)
要塞包囲 for iPad (iPad 専用版、価格は同じです)

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