美しい 3D グラフィックで表現されたフィールドで、投石機から弾を撃ち出し、襲来してくる敵を倒したり、敵の城砦を破壊したりする砲撃ゲームが登場しています。
「Siegecraft」です。
開発元は 3D で描かれたフィールドを探検するゲーム Aralon や、グラフィックの質が話題になった Gears などを開発した技術力のあるメーカー「Crescent Moon Games」。
さらに 3D ゲームエンジン「Unity」を使ったゲームの表彰「ベストグラフィック賞」で、最終選考に残ったゲームとして、海外では相応に期待されていたアプリです。
ゲームの内容は「自分で弾を撃つタワーディフェンス」という感じでしょうか。
ゲームシステムとしては「3D にした Angry Birds」とも言えますが、Angry Birds のように建物がリアルに壊れていくような表現はありません。
建物を狙うステージもあるのですが、進行してくる敵を撃退するケースの方が多いですね。
投石機をドラッグして後ろに引き、その後に離すと引いた方向と強さに応じて砲弾が飛んでいきます。
ステージ内に設置されている赤い岩を撃つと、広範囲にダメージを与えられる火炎弾も放てるようになります。
また投石機とは別に、真っ直ぐ飛ぶ矢を発射するカタパルトが設置されているステージもあります。
ステージごとに目標が異なり、敵をすべて倒すとクリアになるステージもあれば、敵が進行してくる橋を破壊するステージ、敵の城砦に進攻する味方を援護するステージなど、種類は多彩です。
ステージによって失敗条件も異なり、敵が迫ってくる場合は接近されて投石機が破壊されると敗北。 城を守るステージは城の中にある王冠が持ち去られると敗北です。
3D グラフィックで描かれたフィールドはポーズ中に好きな視点から見回すことが可能で、リアルと言うより「精巧なジオラマを眺めている」と言った感じですね。
ステージをクリアする事でコインを得ることができ、それを使って投石機やカタパルトをパワーアップさせることもできます。
しかしこのゲーム、ぶっちゃけ良いと思える点はグラフィックのみ。
それ以外の点で評価できるところがありません・・・
まず操作性が今ひとつ。
投石機は「後ろに引いてから離す」という操作で弾を撃ち出しますが、投石機が画面の下部にある事が多いので、下にドラッグした時に指が画面の端に達してしまい、それ以上引けなくなるというケースが頻発します。
さらに精密な方向調整が必要なゲームですが、かなり細かい指の動きが要求されるため、狙いを付け辛く感じます。
この2つが相まって、常に操作し辛い印象を受けますね。
コインでパワーアップできる要素も装填時間の短縮と耐久力のアップのみで、あまり目立った変化ではなく、パワーアップの種類も少なく、弾を複数発射できる強化もありますが、追加課金しないと購入できないレベルです。
しかしこれらの難点は些細なものです。
このゲームの致命的で、最大の難点は・・・ 「やってることが面白くない」。
1つか2つの砲台から、単発の弾を1発ずつ撃ち出して、敵を1体1体倒したり、建物の耐久力を少しずつ減らしていく・・・
その地味なゲーム性は、爽快感もなければ破壊の面白さもないのです。
シューティングゲームや投射系ゲーム、タワーディフェンスの面白さとは何でしょうか?
それはシューティングゲームなら、連射や強力な攻撃で敵と戦う爽快感やスピード感、スリルでしょう。
Angry Birds のような投射系ゲームなら、物理シミュレートによって崩れていく「崩壊」の面白さでしょう。
タワーディフェンスや RTS(リアルタイム戦術シミュレーション)なら、多くの敵と味方が同時に戦う多対多戦闘や、適材適所でユニットを使用する戦略性でしょう。
しかし Siegecraft には、これらのものが何一つありません。 グラフィックが綺麗と言うだけです。
しかもそのグラフィックもあくまで「フィールドの美しさ」であり、多数の弾が飛び交ったり、爆発や崩壊が起こるなどの演出的なグラフィックの凄さはほとんどありません。
だからスクリーンショットやムービーでは見栄えがするけど、やってみたら地味。
それがこのゲームの印象ですね。
以下は海外のサイト GameTrail により Youtube で公開されている公式ゲームトレーラーです。
定価は 250 円ですが、現在(2011/10)は公開セールで 85 円で公開されています。
セール中なら・・・ まあ、悪くはないと思います。
ただ、iTunes のスクリーンショットを見るとすごく面白そうに見えますが、ゲーム性にはそれほど期待しない方が良いですね。
グラフィックとサウンドは良いし、クソゲーと言うほどのゲームではないですが、佳作と言った印象は拭えません。
少なくとも見た目や前評判ほどのゲームではなかったなというのが本音です。
「どうすればプレイヤーは面白いと感じるのか」という基本的な部分が、コンセプトに入っていなかった、という感じでしょうか・・・
やっぱグラフィックだけじゃダメだよなぁ・・・ 当たり前だけど。
・Siegecraft (iTunes が起動します)
2011/10
2011/10/16 の無料アプリレポート。
今回は「マミのドキドキ ティロ・フィナーレ」「黒ひげキャッチ危機一髪」「THE・土下座」をご紹介します。
iPhone / iPod touch / iPad には優秀な無料アプリも数多く存在します。
しかし大半の無料アプリは有料のものに比べると、簡素で内容に乏しく、記事を1つ使って紹介するまでもないものが多いです。
以前、ランキング上位の無料アプリを集中して取り上げたことがありましたが、ぶっちゃけ「徒労感」が否めませんでした。
おまけに無料アプリのランキングは変動が激しく、すぐに入れ替わります。
と言う訳で、上位にあるけど詳細に解説するほどでもないと判断した無料アプリは、こうしてまとめてご紹介していこうと思います。
ただ、まったく何も見所がないアプリがランキング上位に入る訳もないので、大抵は「1発ネタ」だったり、「何か惹き付ける部分」があったり、「無料にしては悪くないもの」だったりする場合が多いですね。
● マミのドキドキ ティロ・フィナーレ
色々と話題になったアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」に登場するキャラクター「巴マミ」が活躍するショートゲーム。 販売はバンダイナムコ、開発はニトロプラスというメーカー。
私は原作を知らないのですが、とりあえずマミさんが「頭を食べられた人」というのだけは知ってます。
ペーパークラフト調のグラフィックとサウンドは非常に良い雰囲気がありますね。
ゲームは仮想パッドで射撃方向を指定し、ボタン押しっぱなしで銃を撃ち続けるという固定画面のシューティングゲーム。 台座の上のみジャンプで飛び移ることが出来ます。
周囲から出てくる敵を倒しながら、画面下の半円状のバリアの中にいるキャラクターを守ります。
敵を倒しているとマジックゲージが増え、パワーアップや敵全滅などの魔法が使えます。
しかしハッキリ言ってゲーム性に乏しいです。 なにせ「やられることがない」。
主人公が敵にぶつかっても少し点数が減るだけでダメージはなく、画面下のキャラクターもよほどヘタしない限り HP が尽きることはありません。
台座を壊されて落下してもしばらくすると復帰するし、ボスに至っては攻撃も何もしてきません。 頭に噛み付く事もなし。
※ボスが攻撃してこないのは単なるバグだったようです。 現在は修正されています。
でもこれでも iTunes で「難しい」とか言っている人もいるので、あまりゲームをしない一般の人向けの無料ゲームとしては、これでも良いのかなぁ・・・
子供向け(と言うか幼児向け)だと、このぐらいの難易度の方が良い気もするし、頭をかじられたらファンが激怒しそうだし・・・
まあゲームじゃなくてファンアイテムですね。 ゲームとして楽しみたい人がやるものじゃないです。
一応エンドレスモードもありますが、前述したように「やられないゲーム」なので、実質「一定時間経過」で終了です。 エンドレスじゃねぇ。
もっとバリバリ撃ちまくれて、敵がドカドカ出て来て、ちゃんとダメージを受けるゲームだと面白くなりそうだけど、そもそもそう言う方向を目指してるアプリじゃないんだろうな。
ただ、このアプリで1つだけ特筆しておきたい点があります。
それはゲーム開始前の以下の画面。
どんなに解説文で説明しても、対応端末をチェックせずにアプリを買って「動かねー! ★1」とか言うダメレビューを付ける人が後を絶ちません。
無料アプリやキャラもののアプリだとますますこういう人が増えるので、先手を打ってこの警告文を入れたのだと思います。
解説文に見ずに買う人や、知識がない人も多いので、こういう警告文を付けておくのは良いことだと思います。 この点は他のアプリも見習って良いのではないでしょうか。
● 黒ひげキャッチ危機一発
おもちゃ「黒ひげ危機一髪」をモチーフにしたミニゲーム的アプリ。
販売はタカラ、開発はナチュラルスタイルという小メーカー。 雰囲気としては「バカゲー」です。
ラクガキのような「黒ひげ危機一髪」に剣を刺していき、そこが当たりだと黒ひげが飛んでいきます。
黒ひげが飛んだら iPhone / iPod touch 本体を上に掲げ、そのまま本体を動かして黒ひげが落ちてくる位置に手を合わせてキャッチします。(つまり傾きセンサーやジャイロセンサーが使われています)
キャッチできると色々な「お宝」が貰えて、後はその繰り返しです。
剣は 30 秒で1本増えていく時間制。 使い切ったらしばらく待たなくてはなりません。
お宝コレクションはタップすると説明文が出るのですが、絵のタッチがラクガキ風なのに説明文がやたら本格的なのが逆におバカっぽくていいです。
たまに「世界剣」というアイテムが手に入り、これで超巨大な「世界黒ひげ」に剣を指すことが出来ます。
このモードはソーシャル要素になっており、大勢のプレイヤーと共に剣を指していき、黒ひげを飛ばしたプレイヤーはツイッターやフェイスブックのアカウントで讃えられます。
シンプルなミニゲームであり、ゲームとして楽しいとか言うものではないのですが、ソーシャルゲームが好きな人には良いかもしれません。
無料アプリとしては、悪くないと思いますね。
・THE・土下座
ジャンピング土下座をするシンプルなバカゲー。 無料だから許されるレベルのアプリ。
でもこういうのが出てくる事も、自由に公開できるスマホの無料アプリの良い点ではありますね。
まず方向を決める角度ゲージがグルグル回るので、ジャンプしたい角度で画面をタップ。
次にパワー(誠意)メーターが上下するので、ジャンプしたい強さで画面をタップ。
すると主人公はその角度と強さでジャンプし着地時に土下座します。
と言っても手と足の動きが物理シミュレート的にフニャフニャしていて、あまり土下座には見えません。
またメーターの動きは速いので、狙ったところに止めるのは難しいです。
地面の赤い部分に頭が落ちればパワーメーターに応じたスコアが入り、赤い部分から遠いと0点。
上司にぶつかると大幅減点で、3回やって合計のスコアを競う単純なゲームです。
高得点だと土下座回数が増加します。
無料アプリらしい無料アプリですね。 おバカが好きな方は、ちょこっと試してみてもいいかも。
「beat gather」です。
このような「ユーザーが所持している曲を使って『音ゲー』をやる」というゲームは結構昔からあり、iPhone にも他にいくつか存在します。
しかしそれらのほとんどは(少なくとも私がやった限りでは)満足のいくものではありませんでした。
曲を解析して自動で譜面が作られる機能があっても、その譜面は音ゲーとして楽しめるものではない場合が多く、ユーザーが譜面を作れる機能があっても、作った本人しか遊べないものばかりだったからです。
しかしこの beat gather は結構まともな譜面が自動生成されるため、普通に音ゲーとして楽しめます。
無料で公開されているため、もしかすると自動生成に自信がないのかもしれませんが、私が見た同タイプのゲームの中では一番遊べるものだと思いますね。
アプリ自体に内蔵されている曲は、チュートリアルで使用される1曲のみです。
それ以外は iPod の曲を読み込んで、それを解析して譜面を自動生成するか、譜面を自作するか、誰かが作成した譜面をダウンロードしてプレイを行います。
譜面の自動生成は曲の長さにもよりますが、10 秒から 20 秒ほどで終わります。
この手の自動生成はテンポが一定の曲でないとメチャクチャになる場合が多いのですが、このアプリは意外にラップ系の曲を読み込んでも割と遊べる譜面にしてくれます。
テンポをチェックしつつボーカルを優先し、あまりムリのない譜面を作成している印象ですね。
明らかにズレズレで、目押しのみでプレイしないとやってられないような譜面が作られることはまずないです。
ゲームは画面上部から丸印が流れてきて、それが画面下のラインに重なった時にタップするという、ビートマニアやポップンミュージックのスタイルです。
ただ、ラインが傾いて全体がナナメや縦になったり、ラインが上の方にあがって下から丸印が出て来たりする場合もあります。
またフリックを行う矢印や、長押しする長いマークも出現します。
しかし「リズムに合わせてタップする」という基本は変わりませんし、Jubeat のように反射神経が必要なほど素早くタッチする必要もないので、難易度は高くありません。
また判定がかなり甘く、多少ずれていても Perfect や Great の判定になります。
判定が甘いのは「自動譜面」や「ユーザー作成譜面」でどうしてもズレが生じる事が多いため、その対応なのかもしれません。
iPod の曲を使うため、プレイヤーはその曲を良く知っている訳ですから、この点も難易度が低く感じる理由かもしれませんね。
※最初は曲のスロットは1つしかありません。 曲をプレイするごとに右下の「BG Point」が貯まっていき、5で2枠、15 で3枠になります。
ただ、正直この枠は少なく、ここが不満点と言えますね。
難易度は4つから選べますが、Medium をクリアしないと Hard は選べず、Hard を A 以上でクリアしないと Extreme は出現しません。
ユーザーによる譜面の作成は、流れている曲に合わせて好きなようにライン上をタップすると、それに沿った譜面が記録されていく形です。
このため簡単に作成していくことが出来ますが、逆に細かい調整は利きません。
ただ「巻き戻しボタン」が用意されているため、これを使って任意の地点からやり直す事が出来ます。
作成時には失敗したり気に入らなかった時に、何度も巻き戻しながら作る形になるでしょう。
でも、割と簡単に作成することが出来ますね。
作成した譜面はネットワークを通して公開することが出来ます。
曲を選択した後に「ユビフ検索」を選べば、同じ曲の譜面を誰かが作成して公開している場合、それをダウンロードして遊ぶ事が出来ます。
まだアプリが公開された直後なので、アップロードされているユビフの数は少ないのですが、今後徐々に増えていき、将来的には様々な人が作った譜面で遊べるようになるでしょう。
無料アプリなのでユーザーは多くなるでしょうから、譜面作成者も増えると思われます。
※ユビフの作成はライン上をタップして行います。 実際のゲーム時にはこの譜面に難易度に応じたラインや丸印の移動、速度変化などのアレンジが加えられます。
作成する時は画面上部の「巻き戻しボタン」をフル活用しましょう。
誰もが考えるけど、実現は難しい「譜面自動生成型音楽ゲーム」。
beat gather がその理想だとはまだ言えませんが、しかしさすが音ゲーメーカーの第一人者コナミ。
誰でも楽しめる遊びやすい難易度とゲームシステム、譜面作成機能と公開機能を併せ持つ、現時点で一番理想に近いアプリだと思います。
iPhone は「電話付き iPod」でもありますから、こうしたタイプの音楽ゲームが登場するのは嬉しいですね。
実験的なアプリであるためか、ユニバーサルアプリ(iPhone / iPad 両対応)ではなく、システムや機能も簡易的です。
しかし定番アプリとして大ヒットし、それに伴いアップデートが行われ、今後さらに発展していく可能性が見えるアプリでもあります。
それが現実になる事を期待したいですね。
・beat gather (iTunes が起動します)
ひょんなきっかけから、ゲーム情報誌「ファミ通」のウェブサイト「ファミ通.com」の派生ページである、スマートフォンの情報ポータルサイト「ファミ通App」さんに記事を寄稿させて頂くことになりました。
すでに記事が公開され始めており、今のところタワーディフェンス「Fieldrunners」と「geoDefense」の紹介記事と、新作のフライトシューティング「Sky Gamblers: Rise Of Glory」の紹介&解説記事を掲載して貰っています。
普段の書式やレイアウトと違うため、まだ文章に不慣れな点もありますが、より面白いゲームを紹介していけるようがんばっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
なお、ファミ通App さんに寄稿する記事は基本的に、オススメできる名作や定番アプリの紹介にしていくつもりです。
新作アプリについては他のライターさんも扱われるでしょうし、新作のレビューはこの「iPhone AC 番外レポート」で行っていますしね。
(Sky Gamblers: Rise Of Glory の記事のように、たまに新作も寄稿するとは思いますが・・・)
ちょうど新規の iPhone ユーザーが増えていて、定番・名作のアプリを知りたいと思っている方が多くなっているでしょうから、そう言う人への案内になればとも思っています。
またファミ通さんのサイトはアクセスがあるので、「iPhone にはこんな面白いアプリがあるんだぜ!」みたいなのをアピールするチャンスだとも思っています。
寄稿した記事の情報は、たまにこのブログでもお知らせしようと思います。
と言う訳で、このブログや本家 iPhone AC 共々、記事の方もよろしくお願いいたします。<(_ _)>
・スマートフォン 情報ポータルサイト ファミ通 App
http://www.famitsu.com/app/
他にも MMS(メッセージ)でキーボードを隠せるとか、変換候補を探しやすくなったとか、写真の切り取り(トリミング)が出来るようになったとか、細かい変更点はありますが、これらはあくまでマイナーチェンジ。
新機能と言えるのは iCloud の部分に集約されています。
でも、じゃあ iCloud って何なのかというと、ぶっちゃけ解りにくいです。
各所で賞賛やアピールされまくっていますが、実際にどう活用するのか理解し辛い上に、その説明がほとんどない。
と言う訳で、ここでは基本的な使い方と、独断と偏見での「感想」を書いておきたいと思います。
【 iCloud の諸機能 】
・アプリやブックの自動同期機能
iTunes で購入したアプリや書籍などが、iCloud を通して自動的に iPhone や iPad に同期・インストールされる便利そうな機能。
しかしなかなか同期されない場合もあり、買ったものをすぐに試したい時は、やっぱり自分でパソコンに繋げて同期した方が早いです。
また複数デバイスでの同期は iPhone や iPad を複数持っている人でないと活用できませんね。
※アプリの同期は「設定」の「Store」で自動的ダウンロードをオンにしておかないと実行されません。 初期設定ではオフになっています。
オンにすればパソコンの iTunes で購入したアプリが、パソコンに繋げなくても自動的に(数分後に)デバイス側でダウンロードされていることを確認しました。
ただし、デバイスによってはうまく行きません。 うちの環境では iPhone でうまくいくのに iPad は全く同期されません。 この点の詳細はまだ不明です。
ブックは iBooks や Newsstand という本棚アプリで購入/閲覧できるものが対象ですが、英語の本や新聞しかないので日本人には意味なし。
さらに音楽が同期できる iTunes in the Cloud という機能もありますが、各国の著作権問題のためアメリカでしか機能しないので意味なし。
さらにアメリカでも CD から取り込んだ楽曲は有料プランに加入しないと同期してくれないという不便仕様。
・バックアップの自動化と iCloud への保存
今までパソコンに接続した時に行われていたバックアップが、使っていない時(ロック中、Wi-Fi 接続あり、電源に接続中)に、通信を通じて自動的に行われるようになる機能。
またバックアップ先を iCloud にする事ができ、パソコンが動いてなくてもバックアップが行われます。
しかしバックアップ先を iCloud にしようとするとエラーが表示される場合が多いです。 この時はパソコンにデバイスを接続してから設定の変更を行って下さい。
※バックアップに必要な容量が多い場合もエラーが出てしまいます。 必要容量は「設定」>「iCloud」>「ストレージとバックアップ」>「ストレージを管理」>(デバイス名を選択) で、「次回作成時のサイズ」のところで確認できます。
ここでアプリごとの必要容量と、そのアプリをバックアップに含めるかどうかの設定も出来るので、電子書籍などの影響で容量が多いアプリは個別に「オフ」にすることも可能です。
ただそういう場合は、ムリに iCloud にバックアップしなくても良いとは思うけど・・・
iPhone ゲーマー最大の注目点だった「ゲームのセーブデータの保存」は、それに対応したゲームアプリでないと行われません。
今あるゲームのデータはそれがアップデートで対応してくれない限り、アプリを削除したらやはりゲームデータごと消えてしまいます・・・
・アプリ内書類データの同期
メモ系アプリや書類リーダー系アプリなどの書類データが、iCloud を通じて同期される機能。
しかしこれも「iCloud に対応しているアプリのみ」という条件付き。
ただ、リーダー系アプリの定番 GoodReader などはすでに対応が行われています。
これに対応すればどんなアプリも Evernote のようになる? 今後に期待できる機能ではあります。
なお、iCloud を使った書類の同期を基本とした Apple 製の「iWork」というアプリシリーズがあって、プレゼンテーション用の Keynote、書類作成用の Pages、表計算用の Numbers の3つが用意されています。
要するに Office で言うところの「パワーポイント」「ワード」「エクセル」ですね。 1つ 800 円。
まあ一般の人には必要ないです。
・メール/連絡帳/カレンダーの同期
これらの中身を iCloud を通して、各デバイスやパソコンと同期して利用することが出来ます。
パソコンでこれらを確認/利用するにはどうすれば良いのかというと、以下の iCloud のページにアクセスして下さい。
https://www.icloud.com/
初回アクセス時には Apple ID の認証が行われるので、ID とパスワードを入力してサインインしましょう。
サインインしたら・・・ 画面にでっかくアイコンが表示されるので、あとはクリックしてみれば解ります。
もちろんパソコン上から変更した内容は、自動的に iPhone 側にも反映されます。
・iPhone を探す
「iPhone 落とした! ガッデム!」という時でも、慌てず騒がず上記の iCloud ページの「iPhone を探す」のアイコンをタップし、パスワードを入力すれば、GPS を利用して iPhone の位置がたちどころに Google Map 上に表示されます。
その画面からメッセージ/サウンドの送信や、リモートロック(暗証番号ロック)、リモートワイプ(
この機能があると安心感がありますね。
(なお、「iPhoneを探す」という無料アプリもありますが、そのアプリを入れた iPhone を落としたんじゃ利用出来ない罠)
・フォトストリーム
撮影した写真やスクリーンショットを、自動的に各デバイスやパソコン間で共有する機能です。
パソコンで見る場合は「iCloud コントロールパネル」というものをインストールしておく必要があります。
これは Windows PC の場合、Apple の こちら のページで公開されています。
インストールしたら起動してサインインし、フォトストリームに使うフォルダを設定すれば、そのフォルダに iPhone や iPad で撮影した画像が自動的に転送されてきます。
(Windows 7 か Vista の場合、初期設定だと C ドライブの ユーザー>(ユーザー名)>マイ ピクチャ>Photo Strream の中です)
だいたい撮影してから 20 秒ほどで送られて来ます。
この機能は私のように iPhone の画像を使ってサイトやブログの更新をしている者にとってはメチャメチャ便利です。
フォトストリーム上の画像はパソコンへはコピーされますが、各デバイスからはネットを通しての閲覧となります。(デバイス内へ任意にコピーする事も可能です)
フォトストリーム上の画像は 30 日間経つと自動的に消去されていきます。
iCloud の諸機能については、こんなところですね。
現時点では、ゲームのセーブデータの保存はアプリ側の対応待ち、書類データの同期もアプリ側次第と、「今後に期待できるけど、今の時点では活用できない」という機能が多いです。
今のところは「将来性が導入された」という形でしかありません。
iCloud が本領を発揮するには、まだしばらくかかる印象ですね。
個人的にはフォトストリームが更新に凄く便利だから、そこが嬉しいけど。
iOS5 になってからの新しい操作などは、もっと検証してから iPhone AC のページの方に追記していく予定です。
しかし当初続発していた「不明なエラー(3200)」は Apple のサーバー側の問題だったようで、現在はすでに解消されています。
ですがアップデートが正常に進んでも、バックアップ中に「エラー(5000)」が出て進行しなかったり、「App を復元中…」で止まったり、音楽やビデオがすべて消えてしまうと言った症状が多発しています。
まず、バックアップエラーである「エラー(5000)」は、バックアップをアンチウィルスソフトが邪魔している場合に発生するケースが多いようです。
この場合、アンチウィルスソフトを一時的に止めるか、iTunes を監視の「例外」に設定する事で解消されます。
「App を復元中...」で止まってしまうのは、アプリが多い場合、仕様です。 ここは待つしかありません。
(うちの場合、アプリが多かったので2時間経っても終わりませんでした。そのままほっといて家を出て、帰ったら終わってました・・・)
iTunes の緑色のバーが動いていれば内部では作業は進行しているので、そのままにして下さい。
ただ問題は、iOS5 から「iTunes と同期中でも iPhone (iPod touch / iPad)を使えるようになった」ため、一見すると iTunes と iPhone が同期していないように見え、そのため「iPhone が使える=同期が行われていない=iTunes が止まっている」と勘違いしてしまう人が多いことです。
iOS5 以降、iPhone が「同期中」になっていなくても iTunes が作業中なら、バックグラウンドで同期は続いていますので、iPhone を外したりしないようにして下さい!
途中で外したらアプリが完全に復旧されなくなる恐れがあります。
「音楽や画像が全部消えた」と言うトラブルもこの勘違いが主な原因のようで、「App を復元中…」が終了すると、今度は「音楽とビデオを復元中…」になります。
これが終わらないと iPhone / iPod touch / iPad の音楽は元に戻りません。
「App を復元中…」があまりにも時間がかかるので、そこで「トラブったんだ」と勘違いして iPhone を抜いてしまった場合、この「音楽とビデオを復元中…」に移行しないので、音楽・ビデオ・写真は消えてしまいます。
ただし、iOS5 導入以前の iPhone(iPod touch / iPad)のバックアップが正常に行われている場合、iPhone を接続して左側のリストの iPhone 本体を右クリックし、「バックアップから復元」を選ぶと、(復元に成功すれば)音楽・アプリ・連絡先などの各データは元の状態に戻る模様です。
なんらかのデータが消えたという人は、この「バックアップからの復元」を試してみましょう。
※ 23:00 追記
iOS5 に更新した後、「iCloud にバックアップを作成」を選択しようとするとエラーが出て実行できない問題が生じる場合があります。
この時はそのデバイスをパソコンに USB で接続し、その接続した状態で「iCloud バックアップ」を ON にして下さい。
(もしくは iTunes のデバイスの「概要」の「バックアップ」で、「iCloud にバックアップを作成」にチェックを入れて適用して下さい)
これで正常に iCloud へのバックアップに切り替えられます。
本日未明、Apple より iOS の最新バージョン「iOS5」が公開されました。
iTunes を最新バージョン(10.5)にしておけば、iPhone や iPod touch 、iPad を接続した時に iOS5 へのアップデートを行うかどうかのウィンドウが表示されます。
しかしこの iOS5 のアップデートを実行しても、「iPhone(及び iPod touch / iPad) "○○" を復元できませんでした。 不明なエラーが発生しました(3200)」と表示され、正常にアップデートが行えない場合があります。
この症状は現在多発しており、お手持ちの本体固有の問題ではありません。
他の国でも error 3200 でアップデートできない問題が話題になっており、日本固有の問題という訳でもありません。
当方で試したところ、iPhone 4、iPad(1)、共に同様のエラーでアップデート不可能でした。
各地で報告が上がっているため、iOS5 側の問題であり、近いうちに修正されるものと思われます。
とりあえず Apple の報告と対処待ちですね。
お手持ちの本体が悪い訳ではないので、慌てずに続報と復旧を待つようにしましょう。
※ 6:50 追記
何度も試していると成功した、という報告がチラホラあるようです。
しかし何度やってもダメという報告も多数で、「単にサーバー混雑じゃないか」みたいな説もあります。
いずれにせよ、アップデートを1回試すのにもかなり時間がかかるので、ハッキリするまで待った方が良さそうですね。
※ 18:00 追記
エラー 3200 は Apple 側のサーバーの問題だったようで、午前中にほぼ復旧した模様です。