名前はそのまま「クレイジータクシー Crazy Taxi」です。
元は 1999 年に登場したアーケードゲーム(ゲームセンターのゲーム)で、そのハチャメチャっぷりと軽快なゲーム性、慣れると長時間プレイし続けられる内容で人気になった作品です。
ただ、上級プレイヤーがやると本当に延々と続くため、アーケードゲームとしてはインカム(売上)的に問題があり、一方で初心者がやると1分程度でアッサリ終了してしまうため、熱烈なファンが多い反面、プレイヤーは決して多くなかった印象があります。
いかにもセガらしい「おバカゲー」であり、何度も繰り返しながらストイックにハイスコアを目指す、アーケードゲームらしいアーケードゲームでもありますね。
iOS 版のクレイジータクシーは PS2 やゲームキューブ、ドリームキャストなどで発売されたコンシュマー版(家庭用ゲーム機版)の移植のようで、そのためコンシュマー版のみのオリジナルの町や、ミニゲームなどが導入されています。
時間制のレースゲームですが、コースを周回するタイプではありません。
お客の近くで車を停めて、お客が乗り込んだら矢印で示された方向にある目的地に向かいます。
時間内に目的地に着ければ、ぶつかろうが吹っ飛ぼうが、公園を走ろうが線路を走ろうが、お構いなしです。
壁や他の車にぶつかっても車体がダメージを受けることはなく、ほとんどの減速せずに爆走することができます。
ただ、元がアーケードゲームですから制限時間はかなり厳しく、少しでも迷ったり、お客が見つからなかったり、ヘンなところにぶつかって建て直しに手間取ったりすると、みるみるタイムは減っていきます。
最初のうちはすぐに終わってしまうので、まずは操作に慣れることと、マップや客の位置を覚えることが必要になりますね。
iOS 版はボタンとティルト(本体の傾き)による操作を選択可能です。
また、前進(D)とブレーキ&後退(R)のボタンがあって、D や R をダブルタップするとその方向にダッシュします。
前方ダッシュ後にそのまま D ボタンを押しっぱなしにすると「リミッターカット」と呼ばれる加速を行います。
時間との戦いになるゲームなので、ダッシュの活用は必須です。
ドリフトは方向ボタンをダブルタップしてそのまま押し続けると行えるようになっており、ブレーキは必要ありません。 ティルト操作の場合は「ドリフトボタン」が用意されています。
また、止まった状態から D ボタンで加速しつつ同時にドリフトを行うと、その場で「クイックターン」します。
乗せたお客の目的地が後方だったという場合も多いので、ターンも必須のテクニックです。
※お客を乗せると時間回復、早く届けるとさらにボーナスタイムを獲得できます。
到着が早いとハイタッチ、遅いと怒って車体を蹴る(そして足を痛める)など、やたらハイテンションな客のリアクションも面白いですね。
もし時間をオーバーすると、お客はその場で降りてしまいます。 高速疾走中でも平気で飛び降ります。
客を降ろした後、次の客を素早く乗せるのが非常に重要なので、目的地が見えたら周囲の客の位置も把握するようにしましょう。
お客はなぜかスリリングさを求めており、危険行為をするとチップが貰えます。
ジャンプやドリフトの他、他の車にかすることで「クレイジータッチ」のボーナスを獲得でき、しかも連続して獲得するほどチップの倍率が上がっていきます。
ただし車や壁にぶつかるとチップの倍率はリセットされてしまうため、ハイスコアを狙う場合は危険行為をしつつも事故らないように進行する必要があります。
マップは2種類用意されており、1つは路面電車と坂道がある「アーケード」のマップ。
こちらは走りやすいよう、割とシンプルなレイアウトになっています。
もう1つは地下鉄が走っていて、やや複雑な構造になっている「オリジナル」のマップです。
ゲームモードはアーケードモードの他に、3分 / 5分 / 10分 でのハイスコアを競うタイムトライアルモードが用意されています。
慣れてないうちはすぐ終わってしまうゲームですが、このモードなら初心者でも長時間走れますね。
※坂、海、路面電車のサンフランシスコ的なアーケードマップ。
坂では大ジャンプが可能で、派手な走りをするとお客が立ち上がって喜びます。
余談ですが、アメリカは路面電車もクレイジー路面電車で、ワーワーキャーキャー悲鳴が起こるぐらい乱暴な運転なのですが、それでもみんな割と楽しんでたり。
なのである意味、このゲームは非常にアメリカらしいのかも。
※コースアウトして海に転落! でも大丈夫。 何事もなかったかのように水中を疾走しますw
跳ね橋でジャンプとか、地下鉄を通って階段でジャンプして、ビルの上に着地するとそこにお客がいるとか、色々なところが「おバカ」です。
面白いゲームではあるのですが、良くも悪くもこのゲームは「アーケードゲーム」であり、1回1回のプレイのハイスコアを競うのみの内容で、車を買い換えるとか、成長要素があるとか、ストーリーモードがあるとか、そういったものは一切ありません。
また、スコアを出すにはマップの構造を記憶し、客の位置や目的地の場所、移動ルートなどを実際のタクシー運転手のように覚えなければならず、プレイを通して少しずつ把握していく必要があります。
ハッキリ言ってしまうと、このゲームは「覚えゲー」であり、一通り記憶してからが本当の勝負です。
よってオリジナルのファン以外の人だと、楽しめるところまで行かないかもしれません。
とりあえず、マップは公式サイトのマップページで確認できるので、目を通しておきましょう。
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
価格は 450 円。 クオリティーを考えると妥当なところでしょうか。
操作やゲームモードの説明が乏しいので、iTunes の説明文は一通り読んでおいた方が良いでしょう。
オリジナルの軽快な BGM は遜色なく再現されています。
基本的には、オリジナルのファン向けのアプリだと思います。
家庭用ゲームとしては、地道にスコアを伸ばしていく事に喜びを見いだせる人でないと、ちょっと辛いかな・・・?
正直、私はそこまでクレイジータクシーが好きだった訳ではないので、「うぉお、クレイジータクシーが出来るぜぇ!」みたいな感じではありません。
でもクレイジータクシーがそのままの形で iPhone で遊べると言うのはファンにはたまらない事であり、時代の流れを感じますね。
・クレイジータクシー Crazy Taxi (iTunes が起動、iPhone / iPad 両対応)