全世界で 7500 万ダウンロードを突破し、後にコピーゲームがいくつも登場、「テンプルラン系」と呼ばれる新しいジャンルを創始してしまった、スマホの大定番タイトルの1つです。
その Temple Run にオマージュではない、正当な続編が登場しました。
「Temple Run 2」です。
グラフィックがパワーアップしてコースに起伏ができ、ロープにつかまって滑り降りたり、トロッコに乗って疾走するなどの冒険映画風のシーンが新たに追加された一方で、ゲーム自体は大きく変わっておらず、プレイ感覚は以前のままです。
あまりにも正当進化すぎて、「もうちょっと目新しい部分が欲しかったかな」というのもあるのですが、ショートゲームとしてすでに完成されていたため、無理に新要素を追加して複雑化するのを避けたのかもしれません。
いつものように何の脈絡もなく、モンスターに追われる主人公が神殿から飛び出してきて、そのままゲームが始まります。
主人公は勝手に走り続け、上にフリックするとジャンプし、下フリックするとスライディングします。
これらを使って前方から来る障害物をひたすらかわし続け、曲がり角やT字路になったら曲がる方向にフリックします。
フリックの反応はかなり良く、若干遅れ気味でも成功にしてくれるなど、気持ちよくプレイできる操作感になっています。
ジャンプ中でも下にフリックすれば着地直後にスライディングしてくれるなど、思い通りの動きが可能で、ここが Temple Run の最大のポイントでもありますね。
回避が遅れて障害物にぶつかったり、穴に落ちたり、曲がり角で曲がれなかったりするとミスになります。
またジャンプのタイミングが悪いとつまづく場合があり、後ろからモンスターが迫って来ます。 連続でつまづいてモンスターに追い付かれてもミスです。
本体を傾けることで少し左右に動くことも可能で、これを使って道に落ちているコインを拾い集めておくと、ゲーム終了後にパワーアップを購入することができます。
ゲーム中に障害物を防ぐ「シールド」や、コインを引き付ける「マグネット」などのアイテムが出現する事もあり、パワーアップの多くはこのアイテムの効果を強化するものになっています。
ここまでの要素は、前作 Temple Run とまったく同じです。
※今回の舞台は高山地帯にある遺跡。 屋根瓦の建物がありますが、チベット的なイメージなんでしょうか?
右は今回のキャラクター強化(アビリティー)の画面。
今回のマグネットの強化には「効果中の取得コインの量が倍増する」というものはないので、マグネットを無理に優先する必要はありません。
一番上のコインバリューを優先してコイン入手量を増やしたら、後は取りやすいものを取っていけば良い印象です。
「スコア倍率を増やす」というパワーアップもあるので、本格的なスコアアタックはそれを高めてからになりそうですね。
そして、今回からの新要素ですが・・・
まず、「道」に起伏や蛇行ができました。
前作は真っ直ぐな道だけで構成されていましたが、今回は滑らかな上り坂や下り坂があり、さらに左右にゆるやかに曲がっている道もあります。
これらによって自然な道になり、見た目は大きく向上しています。
もちろんグラフィックもかなり綺麗になりました。
ただ、これらの見た目の変化はゲームにも影響を及ぼしていて、上り坂だと向こう側が見え辛く、さらに上り坂の途中でジャンプすると高度が低くなり、坂の上のアイテムを取れなかったりします。
見た目が綺麗になった影響で曲がり角がやや区別し辛くなり、特にT字路は慣れないとそのまま直進してしまいやすいです。
よって慣れないうちは前より難しくなった印象を受けるでしょう。
ただ、新しいパワーアップゲージのシステムと、「ジェム」による復活によって、難易度は前より下がっています。
道に落ちているコインを拾っていくと画面左上のゲージが増えていき、最大になると画面をダブルタップすることでパワーアップを発動できます。
パワーアップにはシールドやマグネットなどがあり、ゲーム開始前に選択する事が可能で、その種類はレベルアップや新キャラクターのアンロックで徐々に増えていきます。
また、ミスしても「ジェム」があればその場で復活が可能です。
ジェムはいわゆる「課金通貨」なのですが、慣れればゲーム中に1~2個、運が良ければ3個以上拾えます。
復活に必要なジェムは最初は1つで、次は2つ、次は4つ、次は8つと増えていくのですが、アビリティー(Save Me)の強化で必要量を軽減できますし、平均して1~2度は復活できることになりますね。
コインの入手量も前より多くなっていて、かなり頻繁に、しかも連続して出て来ます。
よって大量のコインを拾い集めていく爽快感が増していて、アビリティーの強化も行いやすくなっています。
※左はダウンしたシーン。 でも「Save Me!」のボタンを押せばジェムを消費して復活。
道の向こうには拾えるジェムも見えてますね。
右は「T字路」なのですが、慣れないうちはこれを曲がり角だと認識し辛いです。
8の字型のオブジェクトが目印になりますが、これが常にあるとは限らないので注意。
演出面では、「ロープで滑降するシーン」と「トロッコに乗って走るシーン」が追加されました。
このうちトロッコのシーンでは、本体を左右に傾けて進路の変更や片輪走行を行う必要があり、今までとはちょっと違う操作スタイルになっています。
また、特定の条件を満たすことで獲得できる OBJECTIVES(オブジェクティブ)は、前作は得点倍率をアップさせるものでしたが、今回は経験値を増やしてレベルアップするためのものになりました。
レベルアップすることでジェムなどのご褒美を貰うことができ、さらに一定レベルになると新しいパワーアップを利用できるようになります。
目立った欠点はなく、一部に「重い」と言う意見もありますが、私が iPhone 5 と iPhone 4 でプレイした限りではそうした症状は感じられませんでした。
曲がった直後や穴の手前など、絶対取れないような時にアイテムが出てくるのがやや気になりますが、それ以外で特に気になる点はありませんね。
ただ、復活に使う「ジェム」を課金購入できるため、スコアランキングで重課金者が明らかに有利なのは難点と言えるでしょうか。
※ロープとトロッコのシーン。 冒険家がトロッコに乗って走るのは、もう世界のお約束ですね。
ロープのシーンは大量のコインが並んでいて、まとめて回収できるので気持ちが良いです。
トロッコは慣れるまで結構難しいです。 右側にコインがあって、直後の右のレールが壊れているという場合があり、コインにつられて右に傾くと脱線してゲームオーバーです。
コインよりも回避を優先して動くことが大切。
※左の画像はパワーアップ(ゲージを消費して使用するパワーアップ)の選択画面。
レベルアップで増えますが、選べるのはどれか1つ。 コインを稼ぐならマグネット、距離を稼ぐならブーストでしょうか。
右はそのレベルを上げる「オブジェクティブ」の画面。
「○○m Collecting no coins」は、「○○メートル、コインを取らずに走る」という意味なので、狙ってプレイしないと獲得できません。
「Unlock a 2nd powerup」は、「2つ目のパワーアップをアンロックする」のではなく、「リストの2番目のパワーアップをアンロックする」という意味なので、紛らわしいので注意。
アプリの本体は無料。 ジェムやコインの課金購入はありますが、必須なものではありません。
もし長く遊ぶのであれば、450 円の課金でコインの入手量を2倍にできるので、これを利用するのも良いでしょう。
ただ、コインは課金しなくても貯めていけるレベルですし、450 円ってのは相応の値段なので、ちょっと微妙なところですね。
いずれにせよ、解りやすくて、遊びやすくて、それでいてスマートフォンらしいグラフィックも体験できる、秀作のアプリです。
ゲーム的には前作と変わり映えしないのですが、やはりテンプルランはシンプルな面白さがあって楽しいですね。
それでいてタダですし、無料のままでも問題なく遊べるゲームですから、もうやらない理由がありません。
Android 版は発売が若干遅れるようですが、スマホやタブレットを持っているなら、とりあえず落としておくべきアプリでしょう。
・Temple Run 2 (iTunes が起動します)