ローラースケートで町中を走行し、警察の追っ手をまきながら、町中にグラフィティ(ラクガキ)を描きまくる、ヒップホップ系のアクションゲーム「ジェット セット ラジオ」(JET SET RADIO)。
海外で数々のゲーム賞を受賞したこの作品が、先日 iOS に移植されました。
「ジェットセットラジオ JET SET RADIO」です。
正確には海外用に拡張されたバージョンアップ版「デ・ラ・ジェットセットラジオ」を、iOS に合わせて高解像度&ワイド画面に対応させたものです。
ヒップホップでストリート系のグラフィック& BGM を持つ独特なゲームで、トゥーンレンダリング(3D グラフィックをイラスト調で表現する技法)の先駆けでもあった作品です。
ただ、操作が非常に難しく、最初はなかなかうまく走行することができません。
その操作に慣れ、うまく乗りこなせるようになり、それから町中を疾走するのが楽しいゲームですが、そのためには相応の修練が必要になり、慣れない間は失敗とリトライを繰り返すことになります。
ゲーム性としては、モトクロスバイクを修練して乗りこなす Touchgrind BMX に似ていて、かなり忍耐力が必要なゲームです。
よって完全なゲーマー向けであり、万人にオススメできるゲームではありません。
ファンの多いゲームですが、私はこのゲームに特に思い入れはないため、いわゆる「思い出補正」はありません。
ファンから見ると辛口の評価になっていると思いますが、その点は予めご了解下さい。
仮想スティックと4つのボタンでローラーブレード(インラインスケート)を履いた主人公を操作します。
ボタンは「加速」「ジャンプ」「グラフィティ(ラクガキ)」「カメラ(視点)」の4つで、加速ジャンプで手すりの上などに乗ることで、その上を滑走する「トリック」を決めることが出来ます。
視点は画面のドラッグで動かせますが、カメラボタンを押すと進行方向に向き直ります。
ジャンプボタンは長押しで大ジャンプになります。
ゲームの目的はフィールド内の矢印で示された場所にグラフィティを描くことですが、そのためにはスプレー缶を集めなければなりません。
スプレー缶の多くは手すりや屋根の上など、トリックを駆使しないと行けないような場所に置かれていることが多いです。
スプレー缶を取って矢印の前でボタンを押せば、グラフィティを描き始めます。
しかしある程度描くと警察が出動し、プレイヤーを追いかけ回します。
よって以後は警察の追っ手から逃げ回りながら、クリアを目指さなければなりません。
ステージが進むと機動隊が出動し、パラシュートで軍隊が降下してきて、挙げ句の果てには攻撃ヘリがミサイルを撃ってきます。
取り締まりは超過激で、基本的には「おバカ」系の雰囲気ですね。
キャラクターも総じてコミカルです。
※民家の壁を突き破り、家族の団らんをぶち壊しながら疾走する!
トンでもないコースが多いですが、このおバカな感じがまた良いです。
ステージマップはポーズ画面で確認可能です。
※胸に「ケーサツ」と書いてある警察部隊や、銃を乱射しながら追い回す刑事、子供に誘導ミサイルを発射する攻撃ヘリなどが登場。
攻撃ヘリはジャンプしてグラフィティを描くことで撃退できます。 グラフィティおそるべし。
しかし冒頭で述べたように、そう簡単に走り回ることはできません。
ゲーム開始時には基本の走り方を教えてくれる「チュートリアル」になるのですが、そのチュートリアルのクリアさえ初心者には困難で、何度もリトライを繰り返すハメになります。
開始直後からプレイヤーには「修練」が要求されます。
チュートリアルを何とかクリアしても、ステージ1のクリアがまた難しい。
前述したようにスプレー缶は手すりや屋根の上など取り辛い場所にあるので、それらを警察から逃げ回りながら集めるのが難しく、さらにマップ構成とグラフィティの場所も把握しなければなりません。
おまけに時間制限があって、モタモタしてるとタイムオーバー。
難易度が高いゲームでも、思い通りに操作できて、それで難しいならまだ納得できますが、このゲームは「操作自体がすごくムズイ」ので、高難度に思い通りに動けない煩わしさが加わってストレス貯まりまくり。
もうハッキリ断言してしまいますが、「マゾゲー」です。
ぶっちゃけ私は、2面で心が折れそうになりました。
グラフィックや全体のセンスは確かに秀逸で、ゲーム展開もユニーク、さらに欧米では Touchgrind BMX のような、モトクロスやスケボーを何度もリトライを繰り返しながら乗りこなすゲームは人気が高いので、それらに加えて広いステージを走り回れるこのゲームの評価が非常に高いのは、確かに納得できます。
ただ、私は「操作に慣れること自体がゲームになっているもの」は好みではなく、Touchgrind BMX もあまり好きではなかったので、このゲームも好みではないですね。
このゲームについては、ファミ通App に掲載されていたレビューの以下の言葉が、その内容をとても良く表していると思います。
「初めて自転車をうまく乗りこなせた時の爽快感を覚えているか?」
「楽しみたいという気持ちとノリが大事」
つまり、そういうゲームですね。 ちょっと人を選ぶ内容だと思います。
※ステージ2には工事中の高架道路があり、そこにあるクレーン車の上を走って反対側に飛び移らなければならないシーンがあります。
パッと見では解り辛く、こうしたクリア手段を探すことがまずは必要。
ステージ1はトラックの荷台を使って屋根に飛び移ります。
※逃げるライバルチームを追いかけ、その背中にグラフィティを描く追跡ステージ。
それでなくても難しいのに、ターゲットが高速で逃げ回るという・・・ まだ操作しやすければ、ストレスも貯まらないのですが・・・
価格は 450 円。 かつての話題作がフルバージョンでこの値段で楽しめるのですから、コストパフォーマンスは高いと思います。
ボリュームも十分ですね。
しかしとても一般向けとは言えない内容で、そこいらのライトゲーマーだとチュートリアルで挫折しかねません。
完全なヘビーユーザー向けのゲームであり、あまりスマホに向いたゲームではない気がします。
良くも悪くも家庭用ゲーム機からの移植であり、そして「ファン向け」のゲームですね。
このアプリは先に欧米で登場し、日本では発売されるかどうかが微妙で、さらに熱烈なファンが多かったため、発売前の話題性が非常に高かったのですが、発売後はあまり話題になっていません。
それはこのゲーム性のためだと思います。
やり込めば楽しめるゲームである事は確かなので、相応に忍耐力のある方にはオススメできます。
って、こんな言い方じゃ、誰もやりたいとは思わないだろうけど・・・
・ジェットセットラジオ JET SET RADIO (iTunes が起動します)
2013/01
インベーダーらしいサウンドとゲーム内容に、現代風のグラフィックやパワーアップなどを追加したアプリが登場しています。
「Space Inversion 2.」です。
インベーダーの亜種は公式/非公式を問わず結構あるのですが、このゲームは「インベーダーらしさ」と「今やっても面白いゲーム性」の双方を高いレベルで両立しています。
あまりにもインベーダーらし過ぎて、タイトーに怒られて消されてしまいそうな勢いなのですが、連射や貫通ビームなどのパワーアップ、ボーナスステージの追加などでオリジナリティーも加えられています。
開発したのはイギリスの小メーカーのようです。

方向ボタンで左右に移動、ショットボタンで弾を撃つ、インベーダースタイルの固定画面シューティングゲームです。
まあ、見たまんまですね。
ゲームの特徴は、二連射が可能なことと、ある程度敵を倒すと画面外から援軍が出てくること。
そしてパワーアップアイテムが出現すること。
パワーアップにはラピッド(連射力アップ)、レーザー(貫通)、ダブル(二発同時発射)、シールド(無敵)があり、一定時間だけ効果が得られます。
また、数ステージごとに隕石地帯を抜けていく「メテオストーム」と、UFO が大量に横切っていく「ソーサーアタック」のボーナスステージが出現します。
ただしボーナスステージでも、やられると普通にミスになってしまいます。
他に細かい点で言うと、UFO の得点は固定、敵が一番下まで来ても1ミスで済む、ステージ開始時に出現演出がある、などがオリジナルと違います。
基本的にはオマージュ作ですが、連射で一気に倒していけることと、画面外から次々やってくる敵の援軍のおかげで、オリジナルにはない爽快感やスピード感があり、今やっても通用する楽しさがあります。
その一方で、インベーダー独特のショット音と撃墜音のおかげで、インベーダーっぽさも十分ですね。

※2つのボーナスステージ、メテオストームとソーサーアタック。
メテオストームは固定画面ではなく縦スクロールになります。 ソーサーアタックはボーナス面らしいステージですが、敵が攻撃してくるのでちゃんと回避しないとやられます。
このゲームには4つのゲームモードと5つのグラフィックスタイルが用意されています。
ここまでの説明はメインとなる「アーケードモード」のもので、他に攻撃が単発でパワーアップやボーナスステージがない「クラシックモード」、攻撃が常に3連射ですがパワーアップやボーナスステージはない「メガターボモード」、2つのボーナスステージのみをプレイする「ボーナスモード」があります。
一部のモードは課金しないと利用できません。
ただ、やってて一番面白いのは「アーケードモード」なので、他はおまけと言った感じでしょうか。
グラフィックスタイルには、敵がネオンのように光るものや、書き込みが細かいもの、ラクガキ風のものなどが存在します。

※モードメニューとグラフィックスタイルの一覧。
2番目が Neon、3番目が Tech、4番目が Doodle。 Retro+ はキャラはデフォルトで、背景の書き込みだけ細かくなったバージョンです。
価格ですが、このアプリには複数のバージョンがあり、それぞれ使えるモードと値段が異なります。
無料版の「Space Inversion 2 FREE」はタダでプレイできますが、モードはアーケード、スタイルは Retro(通常)のみ。
170 円の課金で全モード / 全スタイルが選べるようになります。
有料版の「Space Inversion 2.」は 85 円で、モードはアーケードとクラシック、スタイルは Retro と Neon が選べます。
85 円の追加課金で全モード / 全スタイルが選べるようになります。
「Space Inversion 2 HD」は iPad 専用版で 170 円、全モード解禁は 85 円です。
前述したように一番楽しいのは「アーケード」であり、スタイルは見た目が変わるだけなので、無料版でも良い印象です。
楽しんでいる人で、メーカーを支援したい方や、ちょっと変わった外観でプレイしたい方は、課金してみる感じでしょうか。
シンプルなゲームですが、手軽に遊べて良いですね。
コストパフォーマンスに優れたアプリだと思います。
・Space Inversion 2. (iPhone / iPod touch 有料版)
・Space Inversion 2 FREE (iPhone / iPod touch 無料版)
・Space Inversion 2 HD (iPad 専用版)
そこで今回は iPad 部門の表彰作である、ミステリアスな箱の謎を解いていく 3D のアドベンチャーゲームをご紹介いたします。
「The Room」です。
開発したのは Fireproof Games というイギリスのメーカーで、自社発売はこの作品が初めてのようですが、以前から大手メーカーの下請けを行っていたところのようです。
名前は「ルーム」ですが、部屋はあまり関係なく、中央にデンと置かれた箱を色々いじって、そこに隠されているしかけを作動させていく内容です。
「ポリスノーツ」の時限爆弾の解体や、同じく爆弾を解体する「鈴木爆発」が、美しい 3D グラフィックのミステリーアドベンチャー風になったもの、と言えば解る人には解るでしょうか・・・
って、こんな説明じゃ解る人は少ないだろうな・・・

タップ、スライド、ピンチ操作などで、中央に置かれている箱の謎を解いていきます。
画面スライドして視点を回転させ、ダブルタップでズーム、ピンチ操作でズームアウトし、それら一連の操作に合わせて 3D グラフィックの箱が非常に滑らかに動きます。
書き込みの細密さはかなりのもので、iPad で拡大表示してもまったく粗が見えません。
つまみを動かしたり、ハンドルを回したりする操作は、実際にその部分を指でスライドしたり、グルグル回して行います。
タッチパネルを活用した操作感と、それに合わせて作動する装置のリアルな動きが、実際に箱をいじっているかのような臨場感を出しています。
メッセージがすべて英語なので、登場する手紙などを読むのは日本人には困難ですが、タップやスライドで解いていける内容なので、ノーヒントでもいじりまくっていれば何とかなりますし、ストーリーはあって無きが如しなので気にしなくて構いません。
冒頭のチュートリアルが解りやすいので、操作で悩むことはないはずです。
※現在は日本語版が公開されています。

※第一章でやや解りにくいのは、この足のスイッチを押すしかけ。
手紙がヒントだと思うのですが、英文なので・・・ でも、このぐらいの謎はまだ簡単な方ですね。
チュートリアルは簡単な英語なので解ると思いますが、注意点は以下の通りです。
・最初は机の上の手紙をダブルタップで拡大して下さい。
・eyepiece と言うのは「接眼レンズ」のことで、右にあるレンズアイコンをタップすると使用します。
・拡大した状態からはピンチアウト操作で抜けます。
・小物入れの中のメッセージを見た後は、足に付いている FIRE のボタンを押します。(上画像)
なお、メタルプレートは社名のラベルに使用します。

※接眼鏡にレンズをはめた後、レンズアイコンをタップすると・・・
このレンズは2章以後も多用します。
「しかけを解いたけど何もないな」「解読するヒントがないな」と思った時は、まずこのレンズを使用して、隠された情報がないかチェックしてみましょう。
ただ、ヒントメッセージが英文なのは、日本人にとっては敷居が高い点ですね。
このゲームは謎をなかなか解明できず、しばらく悩んでいると、?マークのヒントボタンが現れます。
これを押すとチェックすべき場所のヒントが与えられ、それでも悩んでいると更に詳しいヒントが表示されます。
このような段階的なヒントによって、プレイヤーが行き詰まりにくいようになっているのですが、しかしそのヒントが英文ですから日本人にとっては理解し辛い。
英語が読めなくてもプレイできる内容ではありますが、The Lost City ほど文字情報が排除されている訳ではありません。
※改めてになりますが、現在は日本語化されています。
ただ、色々悩みながらいじり回すのが楽しいゲームだと思いますし、解法を掲載しているサイトもあります。
英文もそこそこの英語力があれば理解できる範囲なので、「英語が解らないとどうしようもない」というレベルではありません。

※第二章はこの六角形の箱の謎を解く。
大きく3段階に分かれていて、ステージ1とは比べものにならないほどしかけが満載です。
このゲームはここからが本番。 意外なところが開いたり、予想外なところにヒントが付いてたりするので、箱をよーく眺めてみましょう。
例えば、柱とか、足とか・・・

※これは結構解除が進んでいる状態。 いろんな所がいろんな事になってます。
どうしても解らない時は、いたるところをダブルタップしまくってみるのも手。 何か隠されている場所ならズームが行われます。
「装置を作動させたけど、そこから読み取るべきものが解らない」という時は、レンズの出番です。

※このしかけは正直、英文のヒントが読めないと解除は困難。
「本体の傾き」を利用します。 寝転がってやってると、どうやっても対処できない。
似たしかけが他にもあるので注意。

※第三章はスタートと、何をどこに置けば良いのかが解り辛い・・・
最初はメーカーのエンブレムを確認し、写真はレンズの前に、クリスタルは黄色の凹みに、装置はレーザーの上部に設置します。 時間制のしかけも登場するので注意。
ゲーム自体はシンプルなので、レビューで語るべき部分はあまりありませんが、グラフィックの質と雰囲気が非常に素晴らしく、細かい部分まで作り込まれていて、Apple に表彰されるだけあるクオリティーですね。
定価は 450 円だったようですが、ずっと 170 円での販売が続けられています。
セールの表記がないため、おそらく値下げされたのだと思われます。
※現在はアプリ本体は無料、フルバージョンにするのに 120 円の課金が必要になっています。
対応機種は iPad 2 以上、及び iPhone 4S か iPod touch 第5世代以上です。
iTunes のレビューには対応外の機種で購入して、「動かない。★1」とか言ってるものが散見されますが、ちゃんと説明文を見て、対応機種を確認してから購入するようにしましょう。
簡易アドベンチャーゲームとしてはトップクラスの内容です。
ゲーム後半の演出も良いので、この手のゲームが嫌いでない人にはかなりオススメできるアプリですね。
・The Room (iTunes が起動します)。
※現在は続編の The Room Two、The Room Three も公開されています。
昨年末、Apple が選出する 2012 年度のアプリの表彰「AppStore BEST of 2012」が発表されました。
その詳細は後日お届けしたいと思いますが、その表彰で「今年のベスト iPhone ゲーム」に選ばれた作品を今回はご紹介したいと思います。
「レイマン ジャングル ラン」です。
このゲームは以前から欧米で高い評価を受けていたのですが、よくある横スクロールのジャンプアクションかと思っていて、スルーしていました。
しかし BEST GAME に選ばれたのでやってみると・・・ 確かにコレは、選ばれるだけあるゲームですね。
Canabalt や Monster Dash のような自動で走り続ける「ランゲーム」ですが、エンドレスではなくステージクリア制で、コースが大きく変化したり、壁を走って登ったり、空を飛んだり、ソニック・ザ・ヘッジホッグのような多彩なアクションを見せてくれます。 しかもソニックよりも手軽に。
ねじ巻きナイトにも似ていますが、それより遊びやすくスピーディーで、真横視点の 2D ランニングゲームとしては決定版と言っても良いでしょう。
販売は PC ゲームで有名なフランスの Ubisoft 、開発は同じくフランスの Pastagames というメーカーです。
Pastagames は Pix'n Love Rush の開発元でもあります。
前述したように主人公は自動で走り続けます。
画面をタップするとジャンプしますが、操作はそれだけ。
ステージによっては押しっぱなしで飛行したり、ジャンプとパンチの2つのボタンを使いますが、基本的には画面を押すだけの「ワンキーゲーム」(ボタン1つのゲーム)です。
しかしこのシンプルな操作でアクロバチックなアクションを次々と繰り出せます。
ロープを飛び移ったり、壁を蹴って三角飛びをしたり、様々なアクションをかなり思い通りに出す事が出来ます。
左右の壁に連続で飛び移り、どんどん昇って行くシーンがありますが、これもタイミング良くボタンを押しているだけで次々に飛び移ってくれます。
ワンキーだけでここまで自在なアクションを行えるのは、操作に対する反応やステージの作り方などが、かなり入念に作り込まれているからだと思います。
難易度も全体的に抑えられていて前半のステージには敵も現れません。
ミスを誘うような作り方ではなく、「気持ちよく走り抜けられること」を重視した設計になっています。
演出もスピーディーでカッコ良く、巨大なツルが伸びてきて道や壁が出来るなど、しかけも豊富。
グラフィックも美しく、非常に完成度の高いゲームですね。
とにかくやっていて楽しい作品です。
※ロープにぶら下がってターザンジャンプをしているシーン。 他にもツルに掴まって飛び移るシーンなどがあります。
これらのシーンでのジャンプのタイミング判定は甘めで、ベストなジャンプをしやすくなっているようです。
多くのしかけがトラップではなく、格好いいアクションを決めるために存在しているような作り方です。
※こんな縦穴も三角飛びでどんどん上に昇っていけます。
また「壁走り」が出来るステージなら普通に走って登ることも可能で、ソニックのようにグルっと一回転する地形も存在します。
「ワンキーになって遊びやすくなったソニック・ザ・ヘッジホッグ」という印象も受けますね。
「ジャンプ」「とぶ」「かべはしり」など、そのまんまな名前のワールドが5つ存在し、各ワールドに9+1のステージが用意されています。
よってステージ数は(2013/1時点で)全 50 ステージ。
前述したように難易度が高くないので、単にクリアして行くだけならサクサクと進むため、9x5 ステージあってもそんなに長続きする訳ではありませんが、このサクサク感もゲームのウリだと思います。
また、各ステージに存在するコインのようなアイテムを全て集めると「がいこつの歯」を入手でき、これを同じワールドで5つ集めると高難度の「ゾンビのくに」がアンロックされます。
このパーフェクトクリアを目指す場合は、かなり難易度は上がります。
ただ、パーフェクトも「難しすぎる」という程ではなく、この点のバランスも良いですね。 リトライも素早く行うことが出来ます。
※ワールド選択画面。 「とぶ」のワールド以後は、ずっとボタン押しっぱなしで滑空することが出来ます。
5つ目のワールドはダウンロードコンテンツですが、無料で公開されています。
課金はありますが、現時点(2013/1)では主人公の見た目を変更するもののみです。
※各ワールドの 10 番目のステージはパーフェクトを5つ取らないとアンロックされない「ゾンビのくに」。
ここだけはかなり高難度!
これを出現させてクリアするのがやり込み要素と言えますね。
価格は 360 円。クオリティーとボリュームを考えると悪くない値段だと思います。
iPhone と iPad の双方に対応しているユニバーサルアプリです。
あくまでスマホアプリな内容であり、ソニック・ザ・ヘッジホッグ のようなゲームソフト的なボリュームはありませんが、この遊びやすさは特筆ものです。
手軽でスピーディー、やっていて楽しいアクションを見ていると、「ソニック・ザ・ヘッジホッグは、本当はこういうのがやりたかったんだろうなぁ・・・」と感じてしまいます。
決してソニックが悪い訳じゃないけど。
AppStore の表彰はアメリカの Apple が行っているものなので、日本の一般ユーザーの視点で見るとちょっとズレてたりするのですが、このゲームの受賞は納得できますね。
・レイマン ジャングル ラン (iTunes が起動します)
さて、2013 年は皆さんご存じの通り、ネコ年です。 「ミー年」なので。
と言う訳で、にゃんこが日本制服を目指すゲームを今年最初のレビューにしたいと思います。
「にゃんこ大戦争」です。
開発元はモバイルゲームの老舗 PONOS で、「パズルプリズム」や「Mr.AahH!!」などのメーカーとして知られていますが、一本道 RTS の秀作「Ballistik Wars」を開発したところでもあります。
この にゃんこ大戦争 は Ballistik Wars の流れを汲むゲームと言え、派手さは薄れていますが、テンポ良く遊べるゲーム性やラクガキ風のグラフィックはそのままです。
ただゲームの雰囲気は、2ちゃんねるの AA(アスキーアート)のようなシュールなキャラが登場する 2ch 系のおバカゲーに変わっています。

一本道の両端にある基地から兵士を出し合い、相手側の基地を破壊すれば勝利になる RTS(リアルタイム制の戦術シミュレーションゲーム、リアルタイム・ストラテジー)です。
出撃させた兵士は勝手に前進を続け、敵と遭遇すると自動で戦います。
よってプレイヤーがやることは兵士の生産のみであり、ゲームシステムは簡略化されていますが、どのタイミングでどの兵士を出すかがゲームのポイントになります。
また生産ボタンだけでなく、お金を使って資金の増加速度を早めるボタンと、一定時間ごとに射程内の敵を一掃する「にゃんこ砲」の発射ボタンもあります。
よって基本戦略は、最低限のユニットで敵の進軍を阻みつつ、まずは収入の増加を優先し、ある程度敵を引き付けてからにゃんこ砲で一掃、それから反撃を開始する形になります。
ユニット(兵士)には、安価で量産が効くものや、敵の攻撃を阻む盾役、範囲攻撃を持つもの、射程や速度に勝るものなど、固有の特徴を持ったものが存在します。
どれも見た目はシュールというか、キモイというか・・・ 2ch 風ですね。
序盤は深く考えずにユニットを量産していても勝てるのですが、ゲーム中盤に差しかかると相手も急に大量のユニットを出したり、大型で範囲攻撃を持つユニットなどを出撃させたりします。
その段階になると、敵の大群に範囲攻撃で対抗したり、相手の範囲攻撃ユニットを長射程のユニットで射程外から叩くと言った戦略が必要になります。

※ にゃんこ砲発射! 見た目はナウシカの巨神兵ビームっぽいです。
防衛兵器ですが、射程を伸ばせば狭いステージなら敵基地まで届くので、十分攻撃手段にもなります。
どんどんパワーアップさせていきましょう。
なお、ゲーム画面はピンチ操作でズームアウト可能です。

※アザラシやカバなど大型の敵の多くは範囲攻撃を持っていて、安価なユニットの量産だけで押し込もうとすると被害が増すばかりになります。
壁役で防ぎつつ、手足の(射程の)長い「キモネコ」などを使って、離れた位置から殴れるようにしましょう。
範囲攻撃を持つ「ネコノトリ」も優先して強化したいユニットです。
序盤はサクサク進むのでユニットの特性を軽視してしまいがちですが、中盤からはそれを考慮した戦い方をしないと辛くなります。
ステージは九州の長崎県からスタートして、日本全国47都道府県を1つずつ巡っていく形になっています。
基地の形はその県の名物や特産品を模したものになっていて、それを見るのも楽しみの1つですね。
ステージクリア時に各県の「お宝」を入手できる事があり、各地域のお宝をすべて集めると収入アップや耐久力増加などの特殊効果を獲得することが出来ます。
クリア時には経験値も得られ、それを使ってユニットのパワーアップや収入の増加、にゃんこ砲の強化などを行うことが出来ます。
手強いステージに遭遇しても、前のステージに戻って経験値を稼いでくる事が可能なので、行き詰まることはないでしょう。
また、この経験値稼ぎのついでに「お宝探し」をすることも出来ます。

※ステージマップは日本地図。 この方が架空のマップより楽しめますね。
県ごとに用意されているお宝には「粗悪」「普通」「最高」の3種類があり、地域のお宝を全て集めた時に上位のものが含まれているほど、その効果がアップします。
いずれある程度の経験値稼ぎが必要になるので、お宝集めはその段階になってから行えば良いでしょう。

※課金通貨の「ネコ缶」を使って、様々なお助け効果を得られる「神さま」。
見た目が・・・ なんというか・・・ とってもミケランジェロ。
ソーシャルゲーム的なシステムが含まれており、プレイするごとにポイント(統率力)を消費し、それがなくなるとしばらく待たないとプレイできなくなります。
また、課金通貨で特殊ユニットを購入したり、お助けアイテムを購入したり、やられた時に復活する要素もあります。
ただ、ポイントの回復は割と早いので(1分1ポイント)、それほど遊び辛い印象はありませんし、課金ユニットも必須なものではありません。
基本ユニットもゲームの進行に合わせて増えていき、一通りの種類が用意されているので、課金は必須ではない印象です。
Ballistik Wars は当初は本体無料で、広告で収益を得る形になっていましたが、ゲーム中にもデカデカと表示される広告が邪魔でした。
また難易度がかなり高く、前のステージに戻って経験を稼いでくることも出来なかったので、途中で行き詰まって投げ出した人も多く出ました。
今回はそうした問題点を改善した内容になっており、万人向けの非常に遊びやすいゲームになっています。
私的には Ballistik Wars の攻略し甲斐のある難易度も好きだったのですが、これはこれでサクサクとテンポ良く進めるので、やっていて楽しいですね。
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
いわゆる「フリーミアム」であり、本体は無料です。
課金要素はありますが、前述したように必須なものではありません。
また、連続ログインによってある程度の課金通貨は得られます。
2011 年に Ballistik Wars や Army of Darkness Defense、Paladog! などの良作が格安 or 無料で次々と登場したためか、ぜんぜん新作が出てこなかった一本道 RTS ですが、久々に現れた秀作です。
PONOS らしい遊びやすさや、クオリティーの高い BGM も健在。
ゲーマーからライトユーザーまで幅広くオススメできるアプリですね。
・にゃんこ大戦争 (iTunes 起動、iPhone / iPad 共用です)
昨年は iPhone AC 、及び当ブログ iPhone AC 番外レポート をご覧頂き、本当にありがとうございました。
iPhone 5 や iPad mini 、新型の iPod touch & iPad の登場によって、ますます発展を続ける iOS。
今後も話題作や隠れた秀作など、数多くの iOS のゲームレビューを「本音で」「直球で」「時に毒舌で」お届けして参りたいと思っております。
どうか今年も1年、よろしくお願いいたします。<(_ _)>
