iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2013/02

Kingdom Rush

豆粒のようにちっこいキャラがチマチマと戦う様子がユニークな、世界的に人気のある Flash のタワーディフェンスが iOS に移植されています。
Kingdom Rush」です。

このゲームは新作という訳ではなく、一昨年(2011年)の年末に発売されていました。
ただ、その時点では iPad 版の Kingdom Rush HD しかなかったので、当方での紹介は iPhone 版が発売されてからにする予定でした。
ところが iPhone / iPod touch 版がいつまで経っても出て来ず、去年(2012)の夏にようやく登場したのですが、紹介するタイミングを逸してしまい、そのまま今まで取り上げる事なく終わっていました・・・

それにぶっちゃけ、このゲームは Flash からの移植なので、以下のサイトで Flash 版のオリジナルをタダで好きなだけプレイできます
内容は iOS 版と大差ありません。
http://armorgames.com/play/12141/kingdom-rush

ただ、スマホやタブレットでプレイできた方が遊びやすいし、内容や戦略性は他の有名 TD(タワーディフェンス)に勝るとも劣らないものがあります。
キャラがちっちゃいので派手さはないのですが、育成要素があり、やり込み要素も豊富ですね。

なお、発売元は Siege Hero なども販売している Armor Games で、開発は IRONHIDE というウルグアイの小メーカーです。

Kingdom Rush

道に沿って進攻してくる敵の軍団を、道の周囲に攻撃施設(タワー)を作って迎撃する、ルート固定型のタワーディフェンスです。

最大の特徴はタワーの中に道の上で敵を待ち構える「戦士」が出てくるものがあることで、敵がやってくると接近戦を行いつつ、その進行を足止めします。
敵の耐久力が総じて高めなので、「戦士で足止めして弓や魔法で攻撃する」という戦法が非常に重要になりますね。
戦士をどこで待機させるかも設定できるので、それもゲームのポイントになります。

タワーの種類は、敵を足止めする「戦士」、連射の効く「弓兵」、単発だが威力の高い「魔法使い」、範囲攻撃が可能な「大砲」の4種類のみ。
タワーディフェンスとしてはかなり少なめですが、ステージが進むとアップグレードアップした時に2つのタイプに進化させることができます

例えば弓兵だと3度目のアップグレードで、さらに連射力が上がる「レンジャー」か、連射力は落ちるが威力と射程が上がる「ライフル兵」のどちらかにパワーアップさせられます。
加えて、レンジャーなら「毒矢」と「ツタ絡ませ攻撃」を、ライフル兵なら「狙撃」と「ショットガン」の特技を習得でき、さらにその特技も3段階に強化していく事ができます。

このため基本のタワーの数は少なめですが、強化バリエーションの数は相応にあり、何をどこに置いて、どう強化するかの戦略性は十分あります。
またタワー以外に、指定した場所に隕石を落とす「攻撃魔法」と、任意の場所に戦士を出現させる「傭兵」を、一定時間ごとに使用できます。

ステージのしかけもユニークで、複数の道から敵が進行してくるのはもちろん、入ると別の場所から出てくるトンネルや魔法陣、ガイコツが生産されてくる墓地などがあり、ステージによってはボスモンスターも登場します。

Kingdom Rush
※雪原ステージのボス、巨大イエティ登場! 周囲のタワーを凍らせてしまう特殊攻撃を使います。
凍らされたらすぐ連打して解凍しましょう!
モンスターの種類も結構多く、高い防御力や範囲攻撃を持つ中ボス的な敵も存在します。


Kingdom Rush
※敵の城での戦い。 敵のボスがしゃべりまくります。 セリフが出てくるタワーディフェンスって珍しいですね。
左下に見えているのが墓地で、そこからも敵がどんどん出て来ます。
後半になるとガイコツを召還するネクロマンサーや、飛び道具しか効かない飛行する敵も登場します。


ステージをクリアすると、評価に応じて最高3つの「★」を得られ、さらに「ジェム」という通貨を得られます。

」はユニットの強化に使うことができ、例えば戦士だと「体力アップ」「防御アップ」「やられた後の復活速度アップ」などを獲得できます。

ジェム」はオリジナル(Flash 版)にはなかった要素で、ダイナマイトや氷結爆弾、一時的なライフアップなどの使い捨てアイテムを購入できます
ジェムは課金通貨でもあるので、課金要素を導入するために追加されたものだと思いますが、なくても普通に戦えるうえにジェムも十分手に入るので、課金の必要はありません。
初心者救済だと思っておけば良いでしょうか。

各ステージは EASYNORMAL の難易度を選択可能で、さらにクリア後は攻撃が激しくライフが1しかない HEROIC CHALLENGE(ヒロイック チャレンジ)と、特定条件下で 1 Wave だけの短期決戦を行う IRON CHALLENGE(アイアン チャレンジ)に挑戦できます。
ステージ数も相応に多いので、やり込み要素は豊富ですね

また、ある程度ステージが進むと「ヒーローユニット」の配置も可能になります。
ヒーローユニットはオリジナルにもあった要素ですが、iOS 版は上位ヒーローは課金しないとアンロック出来ません。
ただ、無課金でもステージが進めば3人まで増えます。

Kingdom Rush
※パワーアップはクリア評価の「★」で購入。 だから評価が低いとあまり強化できません。
EASY でも NORMAL でも得られる評価は変わらないので、まずは EASY でプレイしてパワーアップするのを優先した方が良いですね。
クリア後にプレイできるヒロイックチャレンジやアイアンチャレンジもクリアすれば★を1つ貰えます。


Kingdom Rush
※こちらは使用するヒーローの選択。 ヒーローがいる点や、戦士で足止めして戦う点、タワーの設置場所が決まっている点などは、Defender Chronicles に似ていますね。
でも Defender Chronicles と違い、ヒーローの育成要素や装備はありません。
ヒーローも戦っているとレベルが上がりますが、ステージクリア後に1に戻ります。


Kingdom Rush
※ステージマップ。 メインストーリーが終わっても、さらに追加ステージが登場します。
と言うか、むしろそこからが本番。 EASY でも超難しい「エリートステージ」が各所に現れます。
対抗できない時は最高評価を得られていないステージや、ヒロイック/アイアンチャレンジをプレイして、★を貯めてパワーアップしましょう。
使い捨てアイテムを活用して突破する手もありますが・・・


価格は iPhone / iPod touch 版が 85 円、iPad 用の Kingdom Rush HD が 250 円
iPhone 版の発売が遅れたのは、キャラがちっこいので iPhone の小さな画面では見辛いからかと思っていたのですが、少しズームできるし、思ったほどやり辛くはありません。

非常にそつなくまとめられた、完成度の高いタワーディフェンスです
やり応え、難易度、遊びやすさ、面白さ、すべて高水準で、目立った難点もありませんね。
キャラの小ささが人によっては気に入らないかもしれませんが、私的には小さなキャラがゴチャゴチャ戦ってるゲームは好きなので、むしろ好印象です。

FIeldrunners と比べると、キャラの小ささもあってハデさがないので、やや玄人向きな印象は否めませんが、タワーディフェンス好きなら必携と言っても良いでしょう。

まあ、パソコンを普段から使っている人だと Flash のオリジナル版 で事足りるような気もしなくもないですが、ともあれゲームは面白くてオススメです。

Kingdom Rush (iTunes が起動します)
Kingdom Rush HD (iPad 専用版です)

Stone Age: The Board Game (ストーンエイジ)

専門家によって選出されるボードゲームの表彰「ドイツ年間ゲーム大賞」で 2008 年度の大賞ノミネート作となり(ちなみに大賞はケルト)、愛好家の投票によって決まる「ドイツゲーム賞」では2位となった、石器時代の人類の営みをテーマにしたドイツゲーム(ボードゲーム)の iPhone アプリ版が登場しています。
Stone Age: The Board Game」(ストーンエイジ)です。

このゲームは Caylus(ケイラス)のような、労働者を派遣して物資を調達し、それを使って建物の建築などを行って勝利点を稼ぐという内容です。
ただ、ルールが旧来のものより簡略化されていて、遊びやすくなっています

また、ダイスを振って収穫量を決めるので、ある程度サイコロ運にも左右されます。
よってケイラスよりも戦略性は低いのですが、そのぶんルールは解りやすくなっていますね。
1プレイにかかる時間は 30 分前後と、ケイラスと同じぐらい長めです。

開発したのは Campfire Creations というアメリカの新興の小メーカーで、ボードゲーム好きが集まって作られた会社のようなので、今後もドイツゲームのアプリを発売してくれるかもしれません。

Stone Age: The Board Game ストーンエイジ

ゲームが始まると各プレイヤーが順番に、各施設に村の住民をドラッグで配置していきます。
配置場所は「村の施設」「物資の収穫場」「大工小屋」「船着場」の4つに分かれています。

1回のフェイズ(自分の順番)で住民を配置できるのは1ヶ所のみ。
また収穫場を除き、他のプレイヤーが配置した施設には住民を置けません。
つまり施設の利用は早い者勝ちです
配置すると次の人の番になり、全員が手持ちの住民を全て配置し終えるまで繰り返します。

各施設の概要は以下の様になっています。

Stone Age: The Board Game ストーンエイジ

村の施設」では人口が増えたり、麦や道具を手に入れる事ができます
それぞれ最大 10 で、人口が増えれば配置できる住人の数が増えるので、生産力の拡大になります。

ただしターン終了後、人口の数だけ「食料」が減ります
食料が足りない場合は物資で補いますが、物資もない場合は勝利点が大幅に減らされます。
「麦」を持っていればその数だけ必要な食料が軽減されるので、麦と人口はバランス良く増やしていった方がゲームはラクになりますね。
麦は恒久的な食料で、使ってもなくなることはありません。

収穫場」では、ターン終了後(収穫フェイズ)に配置した住民の数だけサイコロを振って、出た目に応じて物資を獲得できます
物資と収穫場には「食料」「木材」「粘土」「石材」「金塊」の5つがありますが、食料は出た目の合計÷2、木材は÷3、粘土は÷4、石材は÷5、金塊は÷6しか入手できません。 端数切り捨てです。
つまり上位のものほど入手し辛くなり、多くの住民を派遣しないと手に入らない可能性もあります。

ただ村で手に入る「道具」があれば、その分だけサイコロの目をプラスできます
道具も麦と同じく恒久的なアイテムで、使っても次のターンになれば使用できる数は復活します。

Stone Age: The Board Game ストーンエイジ
※食料以外の収穫場には、全プレイヤー合わせて7人までしか住民を配置できません。
よって満員になると、他の人はそこに配置することはできなくなります。
なお、ここで説明しているのは4人プレイ時のもので、人数が少ないとややルールが変わります。
3人プレイだと(食料以外の)同じ収穫場に住民を配置できるのはプレイヤー2人まで。
2人プレイだと同じ収穫場に配置できるのはプレイヤー1人のみ、さらに村の施設は2ヶ所までしか使えません。


食料以外の物資は、大工で建物を建てたり、船着場で交易に使用します。
大工小屋」は4つあり、それぞれ看板に必要となる物資が書かれています。
茶色は木材、ピンクは粘土、灰色は石材、黄色は金塊を表わします。

必要な資材を持っていれば、それを消費して建物を建てられます。
ただ、建物と言っても「内部的に建てたことになった」という感じで、ケイラスサンファンみたいにそれが何らかの効果を持つ訳ではありません。
建てると勝利点が得られるので、「資材を勝利点に変換する施設」と言っても良いかもしれません。

4色の丸いマークが看板に書かれている場合は、どんな資材を使っても構いません。
ただし「3種類の資材が合計4つ必要」みたいな条件があります。
建設で得られる勝利点は使った資材に応じており、木材は3点、粘土は4点、石材は5点、金塊は6点です。

Stone Age: The Board Game ストーンエイジ

船着場」には4隻の船があって、下から順に物資が1つ、2つ、3つ、4つ必要です。
ただ、食料以外はどんな物資を使っても構いません。 よって入手しやすい木材を出した方がお得ですね。

船には2つの荷物が積まれていますが、左は物資、右は「専門職」か「文化」です

専門職」には「シャーマン」「農民」「道具屋」「建築家」の4人がいて、ゲーム終了時にシャーマンは人口を、農民は麦を、道具屋は道具を、建築家は建物の建築数を勝利点にします。
例えば、麦を5つ持っていて、農民がいれば勝利点 +5 ですね。
専門職がたくさんいればボーナスは倍増するので、もしシャーマンが5人いて人口が 10 になっていれば、ゲーム終了時に勝利点は +50 されます。

文化」は8種類あって、ゲーム終了時に集めた種類の2乗、勝利点が増えます
3種類集まっていれば 3x3 で 9 点、5種類あれば 5x5 で 25 点ですね。

船には物資の代わりに変わったものが積まれている事もあり、以下のような効果があります。

Stone Age: The Board Game ストーンエイジ

ゲームは大工小屋の残り建築数がなくなるか、船着場の交易船が全部なくなることで終了します。
通常、交易船がなくなることは滅多になく、大工の建築数が尽きることで終了します。

残り建築数は大工小屋ごとに違うので、1つの小屋が集中的に使われると早期に終了します。
よって終了のタイミングはゲームごとに変わります。

最後に全ての勝利点の計算を行い、もっとも点数が高かった人が勝利です。
なお、余った食料以外の物資は1つ1点になります。

Stone Age: The Board Game ストーンエイジ
※船の数字は自分が取った交易船の数で、残り数ではありません。
交易船の残り数の表示はその周囲にあるタイマーのような部分です。


ゲームの概要は以上です。
「この建物にはこんな効果が」とか、「このカードのスキルはこういう風に・・・」みたいな複雑なルールがないので、基本ルールだけ覚えれば遊べるようになっています

それでいて勝利のための方法が複数あり、建物をひたすら建築するのも良いし、交易船を取りまくって文化を集めるのも良いし、特定の専門職を集めて必要なアイテムを貯め込む手もあります。
ある程度狙いを決めてプレイする方が良いので、その点はボードゲームらしい戦略があると言えますね。

難点は、やはり ケイラスサンファン をやった後だと、やや簡易的に思えること。
特に建築を行っても建物がボード上に現れず、建築数と勝利点が増えるだけなので、「町作りをしている」みたいな楽しさはないですね。

また、施設の利用が早い者勝ちとは言え、明確な妨害や競走のようなものは少ないので、ゲームとしては対戦というより「徒競走型」です。
にも関わらず最後まで誰が勝っているか解りにくいルールなので、ちょっと競走感が乏しい印象があります。

以下は Youtube で公開されているレビュー動画です。



価格は 450 円。 ドイツゲームのアプリとしては標準的な価格ですね。

ドイツゲームのアプリには珍しく、現在は iPhone / iPod touch 版しか発売されていないのですが、書き込みが細かいので iPad で2倍に表示にしても粗く見えません。
よって iPad 版がなくても問題はない印象です。

プレイ時間が長めなので手軽さはありませんが、さすが「ドイツゲーム賞」で2位になっただけあり、ルールが解れば楽しめるゲームです。
あまり複雑ではなく、人にルールを説明しやすいゲームなので、対戦しやすいのも良い点でしょうか。

対戦は本体を交互に使うものと、Game Center のフレンドと対戦するもの、ランダムマッチングによるオンライン対戦の3つが用意されています。
ただしオンライン対戦はリアルタイムではなく、時間無制限で一手ずつ進めていくメール形式の対戦なので、遊びやすいとは言えません。

ドイツゲーム / ボードゲームが好きな方なら、見逃せないアプリと言えます
iOS のドイツゲームアプリの中では、中の上と言ったところでしょうか。

Stone Age: The Board Game (iTunes が起動します)

METAL SLUG 2 / METAL SLUG X

NEOGEO(ネオジオ)で人気のミリタリーアクション「メタルスラッグ」シリーズ。
iOS では 2012 年の7月に METAL SLUG 3 が、12月に METAL SLUG 1 が発売されていて、どちらも人気作となっていますが、先日2作目も公開されました。
METAL SLUG 2」です。

3と1があったのだから、2の発売は既定路線と言えますね。
ただ、メタルスラッグシリーズの2作目には「METAL SLUG 2」と、そのマイナーチェンジバージョンである「METAL SLUG X」があって、敵の配置は異なりますが地形やストーリーは共通しているため、2 ではなく X が選ばれるか、もしくは双方がカップリングされるのではないかと思っていました。
しかし普通に 2 のみで発売されたため、順番に1つずつ出していく方針のようですね。

※2012年3月7日、「METAL SLUG X」も iOS で公開されました。
ただ、METAL SLUG X は前述の通り 2 のマイナーチェンジバージョンであるため、ここでは一緒に紹介いたします。

もっとも人気が高いメタルスラッグはこの 1~3 と X であり、ストーリー的にもこの3つ+1がセットと言えるので、これでメタルスラッグの中心部分は一通りそろったことになります。
発売は SNK プレイモアですが、開発は今回もフランスのレトロゲーム専門メーカー DotEmu です。

METAL SLUG 2 メタルスラッグ2

操作は仮想スティックと、ジャンプ、射撃、手榴弾の3ボタン。
銃を撃ちまくって敵を倒しながら進む、横スクロールのジャンプアクションです。
ゲームの基本部分は メタルスラッグ1メタルスラッグ3 と変わりません。

いわゆるスーパーマリオ型のゲームですが、敵をバリバリ撃ちまくりながら進む、戦闘重視の内容です。
派手な演出、多彩なステージ構成、ユニークなグラフィックデザインなど、ドットグラフィックゲームの最高峰と言われる作品ですね。

iOS 版メタルスラッグ3のアップデート以降に導入された、ボタン押しっぱなしでの連射機能や、iPhone / iPod touch でもプレイしやすくなるウィンドウモードなどもそのまま盛り込まれています。

相変わらず難易度は高く、敵の攻撃が激しいにも関わらず主人公は1発食らったら即死するため、慣れないうちは完全に「死にゲー」ですが、今回も メタルスラッグ1 と同様にコンティニューが 20 回もあるので、慣れてくれば普通にオールクリアすることができるでしょう。

難易度もゲーム開始時に EASY、NORMAL、HARD、VERYHARD から選べ、EASY だと敵の耐久力はかなり下がります

3ほどではありませんが、戦車の「メタルスラッグ」以外にも様々な乗り物が登場します。
主人公も1は2人でしたが、2は女性2人を加えた計4人になっています。
(ただし見た目の変化であり、キャラごとの性能差はありません)

※なお、X は 2 に武器を追加し、敵の配置を変更したバージョンです。
背景と BGM の一部修正、延々と点稼ぎができる方法の修正なども行われています。


METAL SLUG 2 メタルスラッグ2
※2から加えられた、2面のボス戦で使用する乗り物「スラグノイド」。
他にも飛行機やラクダなどが登場します。 メタルスラッグ(戦車)は今回、3面以降にならないと登場しません。(X なら1面から登場します)
相変わらずドットグラフィックの書き込みはハンパじゃないですね。


METAL SLUG 2 メタルスラッグ2
※新主人公のエリ。 女性主人公ですが性能は他と変わりません。
主人公はゲームオーバー時に変更することが可能です。


METAL SLUG 2 メタルスラッグ2
※ iPhone 5 で Windows モードにした状態。 画面は小さくなりますが、ボタンやスティックを外枠に出せるので、プレイ時に指が邪魔になりません。 ボタンの位置はキーコンフィグで自由に変更可能。
ビデオオプションの「ビデオフィルタリング」を OFF にするとドットがクッキリとした表示になるので、シャープな画像の方が好きな方はそちらを選びましょう。


iOS 版メタルスラッグ3の初期の頃は、iPhone ではプレイし辛いとか、ナナメ撃ちが難しいとか、操作面で難点があったのですが、それらはすでに解消されているため、今となっては目立った問題はありません

メタスラ2はある方法でスコアを延々と稼げるので、スコアランキングに問題がありますが・・・
(しかも iOS 版はクレジットが 20 あって、コンティニューしてもスコアを引き継ぐので、ますます不毛なことに・・・ スコアを気にしなければ問題ないけど)

ストーリーは2の終盤の展開が3に繋がっているので、改めて1からやってみると流れが解るはず。
なお、ゲーム終了後にリプレイを保存することも可能です。

以下は AppSpy により Youtube で公開されているプレイ動画です。



価格は 350 円。 発売当初、METAL SLUG 3 は 600 円、METAL SLUG 1 は 170 円で販売されていたのですが、現在は全シリーズ 350 円に統一されているようです。
(その後、Apple の価格改定で 400 円になっています)

METAL SLUG 1 が発売されてから約2ヶ月でのスピード移植です。
ぶっちゃけ中身はエミュレーターだと思いますが、発売元が SNK の権利を引き継ぐ SNK プレイモアですし、だったら NEOGEO の他のゲームも移植可能なはず。

操作面についてはこのメタルスラッグシリーズでノウハウが出来たと思うので、色々な 100 メガショックのゲームが出てくることも期待したいですね。

METAL SLUG 2 (iTunes が起動します)
METAL SLUG X (2 のマイナーチェンジバージョン)

Dream of Pixels

まさに「逆テトリス」。
上から降ってくるテトリスブロックを積み重ねていくのではなく、上から迫ってくるブロックの塊をテトリス型に削り取っていく、センスの良い雰囲気のゲームが登場しています。
Dream of Pixels」です。

2011 年末に登場した iPhone の新しいテトリスは、ワンタッチでブロックをサクサクと置いていける新たな操作スタイルを導入して世界中で絶賛されましたが、この Dream of Pixels もそれを参考にしたような、タップでサクサクとブロックを「削っていける」操作性になっており、とても快適に遊ぶことができます。

アンビエントのような穏やかな BGM と、淡いパステル調のグラフィックによって iPhone にマッチしたオシャレな雰囲気を醸し出しており、ゲームモードも複数用意されている、なかなか完成度の高いアプリです。

Dream of Pixels

上からブロックの塊が迫って来て、左上にテトリス型のブロックの形が表示されます。
迫ってくるブロックの一部をタップすると、その部分が表示されているテトリスブロックの形に削り取られます
タップで簡単に削れますが、押しっぱなしにして指をスライドさせることで、向きや場所の変更をすることもできます。
ブロックが画面下に到達しないよう、ひたすら迫ってくるブロックを削っていくゲームですね。

常に綺麗な形に削り取れるとは限らないので、ブロックが残ってしまう場合もあります。
しかし横のラインのブロックを全て消すと、その間が詰められて、その下にあるブロックが上に引き戻されます
小さな孤立したブロックができても、間のラインを綺麗に消せば本体のブロックと合体させることが可能です。
複数のラインを同時に全て消すとボーナスが入り、テトリスと同じく4ライン同時消しがもっとも高得点になります。

また、ブロックの塊の中に白く塗られた部分(スペシャルピース)が出て来ます。
この白く塗られた部分を、その形通りに削るとスペシャルボーナスを得られます
このゲームはテトリスのような複数ラインの同時消しよりも、白く塗られた部分をうまく削る方がハイスコア狙いには重要です。

ただ、やってみると解りますが、白い部分を形通りに削るには周囲をすき間なく消しつつ、スペシャルピースの形に合ったブロックが出てくるのを待つ必要があり、ヘタをするとブロックがボコボコになってしまう原因になります。
しかしその辺がこのゲームの面白さでもありますね。

一番下までブロックが到達すると、画面が徐々に白くなっていき、そのままゲームオーバーになります。
しかし完全に真っ白になる前にラインを消してブロックを引き戻せば、ギリギリ助かります
うまくやれば終わりそうで終わらない状態を続けることができるので、この瀬戸際の攻防も面白いところでしょうか。

Dream of Pixels
※終わりそうになるとサーッと画面が白くなっていくのですが、急いで対処すれば復帰できます。
小さな孤立したブロックが大量にできても、うまく展開すれば十分に処理していけます。
孤立部分が大きければ、そこだけ削るということも可能です。


以上の説明は、メインのゲームモードである「CLASSIC」のものです。
これとは別に、全く異なるルールの「PUZZLE」というモードがあり、こちらはステージクリア制になっています。

PUZZLE ではステージごとに異なる様々な形のブロックの塊が登場し、それを特定の順番で出てくるテトリスブロックの形に削っていきます。
全部削れればクリア、削れなければミスですが、いつでもアンドゥ(一手戻る)が可能なので、削っては戻すのを繰り返しながら考えることができます。

様々な模様が描かれたステージが 100 も用意されており、難易度もそれほど高くないので、サクサクとクリアして行くことができます。
これもこれで楽しめるモードですね。

他に、高難度のモード「PRO」、最初から孤立したブロックが大量にある状態でスタートし、全ての孤立ブロックを処理するまでの時間を競う「NIGHTMARE」、ブロックの中にすき間がある状態で出てくる「SHATTERED DREAM」の計5つのモードがあります。
また、解りやすいチュートリアルも用意されています。

Dream of Pixels
※パズルモードのブロックには色が付いていて、ステージごとに名前も付けられています。
右のステージのように、どっかで見たような別のゲームのキャラクターも・・・
矢印ボタンでいくらでもアンドゥできるので、ストレスなくプレイできます。


Dream of Pixels
※左はゲームモードの選択画面。 最初は CLASSIC 以外はロックされていますが、普通にやっていれば「PUZZLE」と「PRO」はすぐにアンロックされるはず。
「NIGHTMARE」は CLASSIC か PRO で、孤立したブロックを大きなブロックに合体させるのを計 100 回行えばアンロックされます。
「SHATTERED DREAM」はスペシャルピース(白い部分)を形通りに削るボーナスを計 42 回獲得する必要があります。
右の画像は NIGHTMARE をプレイ中の画面。 このモードは高難度、かつタイマーがあるので、耐えた時間を競うものだと思いがちですが、実際には孤立ブロックを全て処理すれば「クリア」になるので、そこまでの時間を競うゲームです。


価格は 250 円。 ショートゲームという感じなので、それで 250 円というのはやや高く感じる人も多いと思いますが、雰囲気や演出が良くてゲームモードも豊富、パズルモードのステージ数も多いので、それを考えると高すぎない値段かなと思います。

私的には、2011年末に新バージョンのテトリスを見た時のようなアイデア性を感じました。
これはこれで新しいテトリスの遊び方ではないかと思います。
NEXT(次に出てくるブロックの表示)がないのがテトリス型のゲームとしては気になりましたが、パズルモードでは NEXT 表示があるので、メインモードにないのはその方が良いと判断されたからかもしれません。

ルールが解りやすく、センスが良くて、操作も簡単なので、万人にオススメできるアプリです
短時間で手軽に遊べるので、通勤 / 通学用のゲームとしても勧められますね。
知名度が低いようですが、私的にはもっと話題になっても良いゲームだと思います。

Dream of Pixels (iTunes が起動します)

モンスターハンター マッシヴハンティング

巨大なモンスターを「狩る」という、2000 年代最大のヒットシリーズとなったアクション RPG「モンスターハンター」。
各ゲーム機の売上げを牽引するほどのキラータイトルであり、近年の代表的なゲームの1つです。

そんなモンスターハンターシリーズのスマホ版最新作の発表が行われたのが昨年の9月、「東京ゲームショウ2012」の会場です。

しかし、それは「ソーシャルゲーム」。
この時点でファンからは大ブーイングが起こった訳ですが、それでもモンハンらしいアクションバトルの再現が謳われ、完全なネイティブアプリ(スマホ専用アプリ)として作られていることもあって、期待する声も少なからず上がっていました。

しかし先日、満を持して公開された「モンスターハンター マッシヴハンティング」(Massive Hunting、以下モンハンMH)の内容は、先行して販売されている「モンスターハンター Dynamic Hunting」(以下モンハンDH)の焼き直しであり、モンハンDH にソーシャル要素を付け足しただけのもので、新作を待っていたファンの期待を完膚無きまでにぶち壊すものとなっていました。

さらに GREE の未成年者への高額課金問題や顧客対応問題などが発覚し、グリーのモラルが再び問われているこのタイミングで、そのグリーから公開された「グリーモンハン」だったこともあり、ユーザーの悲鳴が巻き起こっています。
モンスターハンターがこんなに見え見えのシビレ罠になったことは、ゲーム史に残る事件だと言えるでしょう。


・・・と言う、例のテンプレオープニングでお送りする「名作がソシャゲになっちゃった」シリーズ第五弾
今宵の犠牲者は大定番の狩猟ゲーム「モンスターハンター」でございます。

前回の Wizardry の記事を書いた後、「もう当分このシリーズの記事は書かないだろう」と思っていたのに、いやはや続々と出てくるもんですねぇ・・・ しかも今度はモンハンかよ・・・

ただ内容としては、このゲームは既存のソーシャルゲームとは全く異なります。
と言うか正確には、ソーシャルゲームではないです。 「普通のゲームにソーシャル要素が含まれたもの」ですね。
よってゲーマーやモンスターハンターのファンの方が普通に楽しめる内容となっています。

しかし作り方としては完全に「モンハン DH にソーシャル要素を盛り込んだ」という形なので、その意味では「既存のゲームがソーシャル化したもの」とも言えます。

モンスターハンター マッシヴハンティング モンハンMH

前述したようにドリランドやロワイヤルのような本流のソーシャルゲームではないので、「ただボタンをポチポチ押して達成度を高めていく」みたいなシステムではありません。

クエスト(討伐モンスター)を選択すると「スタミナ」が減少し、フィールドマップに移動します。
フィールドマップと言っても地図が出て、移動先を押すと調査結果が出てくるだけの簡易的なもので、ザコモンスターが出ても戦闘は自動で行われます。
調査できる場所は6~8ヶ所程度で、延々と調査を繰り返すようなものではありません

調査によってボスが発見できたら、そのまま戦闘シーンに移行します。
戦闘はモンハンらしいアクションバトルになっており、タップで攻撃、左右のボタンで回避、画面下のボタンでガードします。
こう言うと Infinity Blade みたいに聞こえますが、攻撃や回避は自由に行え、ドラッグで好きなように移動することができます。
ゲームとしては、かなりモンハンらしい立ち回りで戦うことができますね。

と言うか、戦闘シーンはまんま「モンハンDH」です。
フリック操作がなくなっていて、回避とフリック攻撃(一閃)がボタンになっていますが、基本システムの違いはそのぐらい。
だから悪く言えば変わり映えしないのですが、良く言えば「普通のゲーム」であるモンハン DH の面白さそのままです。

モンスターハンター マッシヴハンティング モンハンMH
※敵の攻撃前には、攻撃してくる方向が光る演出があります。 それが出たらすぐ反対方向の回避ボタンを押しましょう。
片手剣や大剣、ランスはガードも可能ですが、赤く光る攻撃はガードできないので注意。 この辺の基本はモンハン DH と全く同じですね。
慣れてきたら敵の動きをよく見て、攻撃が来るタイミングを予測しましょう。 例えばこのカニ(ザザミ)は、爪で攻撃する前にはその爪を後ろに引く動作をします。
フリック攻撃はフリック操作ではなくなったので「一閃」という名前に改められていますが、性質はあまり変わりません。


モンスターハンター マッシブハンティング モンハンMH
※DANGER 攻撃を全て回避すると自動的に反撃してチャンス到来!
このババコンガの DANGER 攻撃は「左、右、左、右」と交互に4度回避すれば OK で、これはモンハン DH の時と変わりません。
他のモンスターの DANGER 攻撃なども、少なくとも前半に出てくるものは攻撃のパターンやタイミングなど全て、モンハン DH と同じでした。
よって各モンスターの攻略については モンハン DH の攻略ページ をそのまま参考にできます。


モンスターハンター マッシブハンティング モンハンMH
※フィールド画面はこんな感じ。 タップで調査していくだけで、それほど広くありません。
調査によって素材や戦闘支援アイテムを入手できますが、調査するごとに制限時間も減少していきます。
タイムに余裕がないゲームなので、場合によってはボスがいそうな場所に直行した方が良いこともあります。


ソーシャルゲーム化しているため、難易度は大幅に下げられていて、序盤のモンスターはただ連打しているだけでも倒せます。
もちろん徐々に強くなっていきますが、モンスターの攻撃頻度、攻撃速度、攻撃力、すべてオリジナルより低く、しかも毎回「回復薬」を 10 個所持しているので、初期にダメージを受け過ぎてやられることは(少なくともモンハン経験者なら)まずありません。

しかしある程度ゲームが進むと、武器を生産して強化しないと時間が足りなくなって倒せなくなります
制限時間は結構厳しいので、常に攻撃し続けていても武器が弱いと倒しきる前にタイムオーバーです。
このゲームは課金ガチャがレア装備を入手するものなので、ここでソーシャルゲーム的なバランスを取っているものと思われます。

装備の「生産」は必要素材とサブ素材を集めて行いますが、必要素材は1つしかなく、サブ素材は「いくつかの候補の中のどれかがあれば OK」という形になっています。
生産の条件は甘く、手軽に新装備を作れるようになっていますね。
と言うか、前述したようにレア武器はガチャから出るものなので、ノーマル品の生産は重要視されていない印象です。

強化」は素材を費やして武器の性能を高めるものですが、これはソーシャルゲームの「合成によるレベルアップ」に相当します
だからどんな素材でも OK で、生産や強化にはあまりモンハンらしさはありません。
ここはソーシャルゲーム用に簡易化されていると言えます。

モンスターハンター マッシヴハンティング モンハンMH
※メニュー画面はこんな感じ。 完全にネイティブアプリで、動作や演出は良いですね。
全体的にモンハンらしいグラフィックとサウンドで統一されており、グリーの簡易的なゲームではなく、ちゃんとモンハンの雰囲気を維持しています。


モンスターハンター マッシヴハンティング モンハンMH
※強化は必要アイテムの条件はなく、いらない武器や素材を何でも利用できます。
コモンカードやノーマルカードを、レアカードに合成しまくってレベルを上げる感じだと思えば良いでしょう。


全体としては、モンハンDH のゲーム性を損なわない形でソーシャルゲーム化していると言えます。
ほぼモンハン DH と同じように遊ぶことができるのですが・・・

でも、だったら「これに課金するぐらいなら、モンハン DH やった方がいいんじゃね?」って話ですよね。

このゲームの課金ガチャに 300 円費やすんだったら、そのお金でモンハン DH を 500 円で買った方が、もうお金を払わなくて良いし、今後の課金の心配をする必要もないし、スタミナの回復待ちをする必要もないし、通信状況を気にする必要もないし、メニュー画面などで通信待ちをする必要もないし、お金を払わなくても武器は集まるし、何もかも良い訳です。

じゃあモンハン MH の利点ってなんだ? と考えると、「とりあえずタダでできる」「今後のイベントや拡張に期待できる」ということになります。
それはそれでソーシャルゲームらしい利点と言えますが、少なくともモンハン DH 未経験者がモンハン MH に課金するんだったら、DH を買う方を強く勧めます

正直このゲームには、Infinity Blade をソーシャルゲーム化したは良いものの、ゲーム部分は Infinity Blade と変わり映えせず、「これに課金するぐらいならオリジナル買うわ!」と言われて誰にも見向きされず、全く鳴かず飛ばずのままこの2月での運営終了が発表されてしまった、モバゲーの Infinity Blade Cross のイメージが見え隠れします。

それにこれは 真・三國無双 SLASH の時にも感じたのですが、「ガチャが装備」だと収集意欲があまり湧かないんですよね。
モンハンと言えば装備集めも楽しみなので、三國無双よりはまだ良い気がしますが、でもこれでガチャをする人はソーシャルゲームとしては少なめな気はするかなぁ・・・

ただ、それでもなにせ「モンハン」ですから、公開と同時に大注目されていて、アクセス過多でサーバーがパンクするほどの状態になっており、多少の問題点はカバー出来るほどのユーザーは確保できるのかもしれません。

また、このゲームの損益的な成否に関わらず、GREE にとっては「モンハンの圧倒的な知名度でグリー会員を増やせる」という利点があり、カプコンにとっては「ソーシャルゲームユーザーにモンハンを知らしめることができる」という利点があるため、1つのプロモーションとしては「堅い」のかもしれません。

モンスターハンター マッシブハンティング モンハンMH
※強い武器はガチャでゲット! ・・・モンハンユーザーはこの時点で離れそうな気も。
無課金のノーマル武器だけでどの程度まで戦えるのか解りませんが、最終的には敵が強いか弱いかではなく、制限時間内に倒せるかどうかになってくるので、テクニックだけでカバーするのは厳しくなる印象です。
あと個人的に、85 円で 81 ポイントと少し入手ポイントが低めとか、85 円の課金の上はいきなり 1000 円で 300 円とかの微課金がし辛いとか、その辺のグリーのセコイやり方も好きになれません。


と言う訳でモンハンMH(さらに略すと MHMH?)、ソーシャル化はともかく、「タダで遊べるモンハンDH」としては価値があると思います。
ゲーム部分はちゃんとアクションゲームであって、俗に言う「ポチポチゲー」ではありません。

ただ前述したようにモンハン DH 未プレイの人は、これに課金するんならそのお金でモンハン DH を買った方が間違いなく良いし、「もうモンハン DH は飽きた」という人だと、内容が変わらないのでやっぱりオススメできません。

勧められるのは DH の経験者で、さらに今後もモンハン DH を継続してやっていきたい人ですね。 (あとはゲームアプリに1円も払いたくない人)
ヒットすれば新しいモンスターや武器が追加されていくでしょうから、今後の拡張に期待できるアプリではあります。
あとは、昨今問題続発のグリーのモンハンであることを許容できる人でしょうか。

モンスターハンター マッシヴハンティング (iTunes が起動します)

MONOPOLY Millionaire (モノポリー ミリオネア)

世界的な大定番ボードゲーム「モノポリー」(MONOPOLY)
そのモノポリーの派生バージョンが、2012 年に発売されていました。
MONOPOLY Millionaire」(モノポリー ミリオネア)です。

これは世界中に多数存在する、地名や見た目を変えただけの「ご当地モノポリー」や「キャラ物モノポリー」ではなく、ゲームのルール自体に大幅な改変を加えている、本当の意味での別バージョンです
販売元もモノポリーの正式な権利を持つ、アメリカの玩具メーカー「ハスブロ社」です。

このモノポリーミリオネアの iOS 版が、昨年末にすでに公開されていました。
名前はそのまま「MONOPOLY Millionaire」です。

内容としては、家庭用ボードゲームとしては時間がかかり過ぎるモノポリーを大幅に短縮化したもので、カード運の要素が強かったり、独占(モノポリー)がまともに発生していない状態でもアッサリ終わるなど、ちょっと物足りない点もあるのですが、オリジナルほどダラダラ続かず、手軽に短時間でプレイできます。
スマホやタブレットではこちらの方が向いているかもしれませんね。

なお、iTunes レビューの評価が非常に低いのですが、これはほとんど「英語だから★1」というものばかりです。
まともなレビューはほとんどなく、確かに日本語には(現時点では)対応していませんが、ゲームはそこまで劣悪な訳ではないのでご安心下さい。

ただ、iTunes のアプリ説明文が日本語で、スクリーンショットにも日本語の宣伝文句が書かれているため、それで勘違いしてしまう人が多いようです。
EA のアプリには他にもこういうものがありますが、紛らわしいので「英語版です」と明記して欲しいですね。

MONOPOLY Millionaire モノポリー ミリオネア

「モノポリー」は狭いコースを何周もしながら、土地(マス)を購入し、そこに止まった他のプレイヤーから料金を徴収しつつ、資産を蓄えていくボードゲームです。
同じ色の土地を独占(モノポリー)すると、その土地に家やホテルを建てられるようになり、それによって他のプレイヤーから徴収できる料金が大幅に高まります。

この辺りのモノポリーの基本ルールはご存じの方が多いと思うので、ここでは改めて説明しません。
オリジナルのモノポリーをご存じない方は、詳細解説をしている こちらのページ をご覧下さい。
「億万長者ゲーム」や「いただきストリート」など、多くのボードゲームの原型にもなっています。

そして、この「モノポリー ミリオネア」が原作と違う点は、以下の通りです。

・鉄道会社、電力/水道会社、所得税、物品税のマスがない
一辺が2マス少ない7マス(角を含めると9マス)で構成されている
・全ての土地のマスの上に「フォーチューンカード」が置かれている
・カードの内容は全て一新されている
・周回した時やカードの効果によってコマがグレードアップする
・勝利条件が「他プレイヤーが破産」から「一定の金額を稼ぐこと」になった

他にも土地名が変わった、共同募金カードの呼び名がライフスタイルカードになった、などの細かい違いがあります。
家やホテルの建設、刑務所、取引交渉、オークションなどに関するルールは変わっていません。

マスの数が少なくなったおかげで、オリジナルより早く周回することが出来ます
また物品税や所得税のマスがないため、ゲーム序盤の不意の出費は少なめです。

コマのアップグレード」はスタート地点(GO のマス)で $50 で実行でき、周回ボーナスが増えたり、お金が貰えるカードの金額が増えたりします。
また見た目も変化し、例えば飛行機なら「紙飛行機→小型機→旅客機」と変わっていきます。

特に大きな変更点は「フォーチューンカード」と「勝利条件の変化」でしょう。
フォーチューンカードはそれぞれの土地に1枚ずつ置かれていて、最初に止まった人が引けるもので、「家を1件無料で建てられる」「お金が貰える」といったものの他に、「その土地と次の空いた土地を両方購入できる」という強力なものも存在します。
ただし、「その土地の購入が強制的にオークションになる」というマイナスカードも存在します。

勝利条件は「一定の金額を所持すること」になったので、家を一軒も建てず、ただ周回しているだけでも運が良ければ勝利できてしまいます。
あっけなく終わるのでモノポリーのダイナミックな展開が薄れていて、ちょっとどうかと思うのですが、逆に誰も破産せずに延々と続くこともありません。

勝利条件は $1000 と $2000 が選べて、初期設定は $1000 なのですが、これだと土地の独占や家の建築がほとんどゲームに影響しないまま、何の盛り上がりもなく終わったりするので、私的には $2000 でのプレイを推奨します。
$2000 でもオリジナルと比べたらはるかに早く終わります。

MONOPOLY Millionaire モノポリー ミリオネア
※ゲームボードの全体図。 オリジナルより一回り狭いです。
土地の所有者はボードの外周に置かれている四角いブロックで表されています。
ダイヤモンドのマークは物品税ではなく、オリジナルの共同募金に相当するカードマスです。
コマの移動の演出はなかなか凝っていて、コンピューター/プレイヤーを問わずタップで演出をカットすることも出来ます。


MONOPOLY Millionaire モノポリー ミリオネア
※土地独占(モノポリー)後の家建設シーン。
今作は収支バランスも変化していて、家がなくても他のプレイヤーが止まれば相応の料金を徴収できます。
ただ、家の建設額はオリジナルの半分になっていて、無料で家を貰えるカードもあるので、建設時の負担も減っています。
今回はあくまで「お金を貯めること」が目標で、「資産を高めること」が目標ではないので、建設して現金が減ると勝利から一時的に遠ざかります。


MONOPOLY Millionaire モノポリー ミリオネア
※コマがアップグレードすると見た目も変わります。
このチャンスカードは2つサイコロを振って運が良ければお金が貰えるものですが、キックボード(グレード1)だとゾロ目、スクーター(グレード2)だと8~12、ハーレー(グレード3)だと5~12で成功となり、コマのグレードが高いほど成功率が高まります。
周回ボーナスはグレードによって $150、$200、$250 と上がっていきます。


ちゃんとモノポリーしていて、それでいて早期にケリが付くので、スマホでやるには良いですね。
3D で表現されたボードはリアルだし、コマの動きもユニークで見ていて楽しいです。

ただ、私的には「フォーチューンカード」が強すぎて、カード運に左右されすぎるゲームになっている印象も否めません。
フォーチューンカードの中には保持しておいて好きな時に使えるカードがあるのですが、その中に他プレイヤーの(まだ未独占の)土地を1つ奪う「SLY DEAL」(悪徳取引)と、土地の交換を無理やり成立させる「FORCED DEAL」(強行取引)のカードがあり、これがあまりに強すぎます
モノポリーを知っている人なら、このカードの有無がどれだけ影響するか説明しなくても解るでしょう。
これらを拒否する「JUST SAY NO!」というカードもあるのですが、このカードが得られるかどうかも運次第です。

空いている土地を連続で買うフォーチューンカードも、それで一気に独占、及び独占にリーチできるので強力で、これらが引けなかった場合はかなり無理な展開になります。
さらに勝利条件が初期設定のまま $1000 だと、短時間であっさり終わるので、もはや対処のしようがありません。
$2000 ならまだ逆転の余地がありますが、それでもカード運が強すぎることは否めず、フォーチューンカードが各土地に一枚ずつ配置されているルール上、序盤に土地に止まれない展開になるとオリジナルにも増して辛いことになってしまいます

ゲームが早く進むため、これらのカードで独占が早期に起こるようにしないと独占(モノポリー)のルールが意味を無くしてしまうのは解るのですが、でもちょっと早急すぎる解決策かなぁ、という気がしてしまいますね。

MONOPOLY Millionaire モノポリー ミリオネア
※保持可能なフォーチューンカードはこの4種類。 このうち SLY DEAL がチートすぎる。
高額な土地を取られたらそれだけで大損害で、ゲームから脱落しかねない。
FORCED DEAL もいらない土地と欲しい土地を交換してしまえるので、ほぼ同じような効果を持つ。


以下は Youtube で公開されている AppSpy.com によるゲーム動画です。



価格は 250 円。 この値段なら悪くないアプリだと思います。
iPad 版は 450 円とやや高めですが、iPad ならそれをゲームボードにして、複数のプレイヤーで楽しむことも出来るでしょう。

モノポリーらしさはあるのですが、私的にはルール設定が極端な気もします。
オリジナルのモノポリーはカードをあえて弱くして、その影響を最小限に抑え、運ではなく戦略や交渉を重視したゲームデザインだったと思いますからね。
この一回り小さいボードで、強すぎるカードを是正して、「1人が破産したら終わり」というルールを追加すれば、ファイナルアンサーだと思うのですが・・・

いずれにせよ、モノポリーが好きな人なら、試してみて損のないアプリだと思います。

MONOPOLY Millionaire (iPhone / iPod touch 版)
MONOPOLY Millionaire for iPad (iPad 専用版)

Little Inferno

物を燃やす」。
ただそれだけの、ゲームなのかどうかも微妙な内容でありながら、その非常にリアルな燃えっぷりが病み付きになる、シュールで独特な世界観のアプリが登場しています。
Little Inferno」です。

このゲームは世界中で絶賛された、奇妙な生物を繋げて構造体を作る物理シミュレートパズル「World of Goo」の開発者 Kyle Gabler 氏が手がけたアプリで、その「奇才っぷり」が如何なく発揮されています。

こういう「デザイナーの芸術性」が前面に出すぎたゲームは面白くない場合が多いのですが、このアプリは誰もが潜在的に持っている「物を燃やす楽しさ」を刺激してくれる内容で、ただ燃やすだけなのに延々と続けてしまいます。
ある種の「破壊欲求」を満たすアプリと言えるでしょうか。

このアプリは現時点では iPad 2 以上専用で、iPhone / iPod touch 版はまだないのですが、かなり特徴的な内容なので、今回ご紹介しておこうと思います。

※現在は iPhone / iPod touch 版も公開されています。
それに伴い、従来の iPad 版(両用版)は Little Inferno HD に改名されました。


ちなみに、このゲームは Wii U のダウンロードショップ(eショップ)でも販売されており、地味に Wii U のローンチタイトル(本体と同時発売のソフト)でもあったりします。

Little Inferno

コインでアイテムカタログから燃やすアイテムを購入し、それを暖炉に入れて火を点ける。
そして炎上する様子を眺める

ただそれだけですが、燃える様子がとにかくリアルで、燃え広がる炎、パチパチという音、黒く焦げていく物体、そして消し炭になって崩壊していく様子などが、3D グラフィックと物理シミュレートによって再現されています。

アイテムは多種多様で、燃えやすい木のオモチャやぬいぐるみ、激しい炎を上げる電池、燃えにくいがなかなか火が消えないガラスや電化製品など、非常に豊富。
さらにユニークな特徴を持ったアイテムも多く、火が付くとジリジリと鳴る目覚まし時計、花が咲く植物のタネ、パンが飛び出すトースター、ポップコーンになるトウモロコシ、消火が行われる火災報知器などがあります。
1つ1つのアイテムが作り込まれており、単に燃えるだけではない点がこのアプリの面白さですね。

アイテムを燃やすとコイン(Bucks)やチケット(Stamp)が飛び出してきます。
このコインをタップして集める事で、さらに新しいアイテムを購入することができます。
基本的にアイテムを燃やして得られるコインは、そのアイテムの購入額より多いので、燃やせば燃やすほどコインも貯まっていくことになります

アイテムは購入してもすぐ届く訳ではありませんが、チケットを使うことでその時間を短縮できます。
こう言うとソーシャルゲームみたいに思われるかもしれませんが、待ち時間は数秒から数分程度で、カタログからアイテムを選んでいるうちに経過するため、それほど待つことはありませんし、短縮チケットも豊富に手に入ります。

Little Inferno
※アイテムカタログは全7冊。 1冊に 20 のアイテムがあるので、合計 140!
新しいアイテムを買うと次のアイテムが追加されていくので、どんどん新アイテムが出てきて飽きません。
中には重力を持つ「小さな月」や、雪を降らせて周囲を凍らせる「雪雲」、大爆発を起こす「ミニ核爆弾」とかも・・・


Little Inferno
※どんどん燃やしてどんどん稼ぐ。 アイテムは4つずつしか発注できませんが、ゲームが進むと発注数もコインで拡張できるようになります。
配置したアイテムはドラッグで自由に動かすことができ、ガラス製だと叩きつけるとコナゴナに割れます。
燃えカスもドラッグで崩したり、放り投げたりできます。


ゲームの目標は「コンボ」を発見していくことです。
これは特定のアイテムを同時に燃やすと成立するもので、例えばドライアイスとコーヒーで「アイスコーヒーコンボ」、消化器と火災報知器で「消火コンボ」、スシとニンジャで「ジャパニーズコンボ」などが発生します。

未購入のアイテムを買うと新しいアイテムが登場しますが、カタログのアイテムを全て購入した後は、新しいカタログを買わなければなりません。
しかし新しいカタログを買うにはコインだけでなく一定のコンボ達成数が必要で、そのためアイテム燃やしながらコンボを探していく必要があります。

達成していなくてもコンボ名だけは確認できるので、そこから組み合わせを推測するのがゲーム性になっていると言えますね。
ただ、メッセージは英語なので、日本人だとちょっと理解し辛いのが難ですが。

Little Inferno
※ World of Goo コンボ成立のシーン。 他にも「植物+ゾンビ」とか、どこかで聞いたようなコンボが。
たまに手紙が来てストーリー(?)が語られるのですが、その手紙も読んだら燃やせます。
たくさんのアイテムをまとめて燃やした方がコンボが発生しやすいので、アイテムを買えるだけ買ってから火を点けましょう。


Little Inferno
※コンボ確認画面。 コンボが見つからなくなったら一通りチェックしましょう。
エンディングの条件はコンボの全発見ではなく、カタログを全部そろえて、全てのアイテムを燃やすこと。
全てのアイテムを燃やしてしばらくすると、特殊な組み合わせを知らせる手紙が来ます。
その通りにアイテムを燃やすと・・・


価格は 360 円。 値段分の価値のあるアプリだと思います。
海外ではかなり賞賛されており、2013 年の IGF(インデペンデント・ゲーム・フェスティバル、個人や中小メーカーのゲームの表彰)でも多数の部門にノミネートされていて、大賞の有力候補となっています。

およそ4時間ほどで終わるので、ボリュームとしてはそれほどある訳ではありませんが、サクサク遊べる内容ですし、ちょうど良いぐらいでエンディングになるので、これで良いと思います。
やや難点なのは、最後のシーンが英語が読めないとよく解らないことでしょうか。

雰囲気も内容も異質な、「奇才の作品」という言葉が相応しい、それでいて何も考えずに気軽に楽しめるアプリです。

Little Inferno (iPhone / iPod touch 版、360 円)
Little Inferno HD (iPad 対応のユニバーサルアプリ版、600 円)


以下は Youtube で公開されているゲームトレーラーです。

 iPhone AC

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iPhone AC
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