iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2013/03

Plasma-Sky

流行りの弾幕シューティングではなく、マニアックな得点システムや派手なパワーアップもない、しかしとても遊びやすく、何度も繰り返してしまうシューティングゲームが登場しています。
Plasma-Sky」です。

縦スクロールのシューティングっぽい感じなのですが、地上の敵はおらず、背景も宇宙空間のみ。
ステージクリア制の固定画面シューティングに近く、iTunes の解説文でも「ギャラガタイプのシューティング」と説明されています。
しかしレーザーを撃つボスなどが登場し、移動も左右にしか動けない訳ではないため、ギャラガとはまた違った内容ですね。

個人で作られたゲームのようで、Android 版も公開されています。

Plasma Sky

自機の移動は俗にいう「相対移動」(指の位置に関わらず、指を動かした方向と速度で移動する)で、ショットは自動で連射されます。 ボタンはありません。

出現する敵を全滅させると LEVEL が上がり、次の敵が登場します。
敵の出現パターンと動きは LEVEL ごとに異なり、ギャラガのボーナスステージのように編隊を組んで一定のルートを通って出てくることもあれば、一斉に出て来て整列したり、そのまま通り過ぎたり、画面内をクルクルと旋回し続ける場合もあります。
バラエティーに富んだ敵の動きと、ネオンカラーのグラフィックがこのゲームの魅力ですね

敵を倒しているとパワーカプセルをポロポロ落とし、これを集めると通常ショットが強化されます。
ただ、カプセルを取らないでいるとパワーは徐々に落ちていきます。
カプセルはパワーアップのためと言うより、上げたパワーを維持するために取っていく感じです。
また、そんなに派手に強化される訳ではないので、パワーアップで勝負するようなゲームではありません

自機は耐久力制で、被弾しても1発ではやられません。
ただし残機はないので1機やられたらゲームオーバーで、硬い敵に体当たりされると一気に耐久力が尽きてしまう場合もあります。

しかし耐久力はアイテムで回復できますし、ボムアイテムを取れば被弾しても「オートボム」が発動して助かります。 難易度はそれほど高くはありません

アイテムには他に「ワイドショット」「レーザー」「シールド」などがあり、敵を体当たりで倒せる「スパイクシールド」や、カプセルを引き寄せる「マグネット」といった変わり種もありますが、どれも時間制であり、恒久的なパワーアップではありません。

Plasma Sky
※左はワイドショット、右はレーザー。 しかし使えるのは一定時間のみ。
パワーアップやアイテムが強すぎないゲームなので、それがなくなると勝てないとか、パワーダウンしたら詰むとか、そういうゲームにはなっていません。


ゲームモードには CONQUEST(コンクエスト)と HARDCORE(ハードコア)があり、コンクエストは LEVEL 80 を突破するとゲームクリアになります。
またコンティニューが可能で、スコアは 0 になりますが、やられても続ける事が可能です。

ハードコアはコンティニューがなく、エンドレスで、さらに耐久力がありません
ボムやシールドがない状態で被弾すると1発でゲームオーバーです。

ただ、このゲームは弾幕シューティングではなく、敵の弾は少ないので、そんなに「ハードコア」と言うほど難しい訳ではありません。
敵の動きがトリッキーなので、慣れないうちは中ボスに体当たりされてやられることも多いのですが、何度かやって慣れてしまうとシューティングの得意な人なら長時間続けることが出来るでしょう。

Plasma Sky
※レーザー攻撃はまともに当たると大ダメージですが、前兆がしばらく出てから発射されるので、かわすのは難しくありません。
難しいのは右のヘビのような中ボス。 動きがかなり変則的で、弧を描くように動くため軌道が読み辛いです。
テラクレスタの敵のような動きをします・・・ と言っても、解る人は少ないだろうな・・・


とにかく遊びやすいシューティングで、手軽にプレイできます
スコアシステムもシンプルで、「得点倍率」がありますが、時間と共に最大 20 倍まで勝手に増えていき、被弾するとリセットされるという形です。
倍率を上げるのに何か特別なルールとか攻略とかが必要な訳ではありません

スコアを伸ばすために危険な行為をワザとする必要はなく、コンボを稼ぐために敵の配置を暗記する必要もなく、パワーアップのために取得するアイテムを選ぶ必要もありません。

ただ、撃って、避ける。 それだけです。
そこにはシューティングがまだ万人向けのゲームであった頃の、懐かしいシューティングの楽しさがあります。

難点は、敵が後方から出現すること
iPhone のアプリは画面下に指が置かれるため、その真下が視認できず、そこから敵が出てくることは基本的にタブーなのですが、このゲームは残念ながら右下や左下からも敵が出現します。

出現前にその前兆が表示されますし、敵の出現パターンは LEVEL ごとに決まっているため、覚えてしまえば問題は無いのですが、やはりスマホで指がある位置から敵が出るのは頂けませんね。

また、外周に指置き場がない、スクリーンサイズの調整が出来ないと言った点も欠点と言えそうですが、弾幕シューティングではないのであまり画面端に追い詰められることがなく、この辺は大きな問題にはなっていません。
また iPhone 5 だと、画面下に出てくる黒い帯がいい感じの指置き場になります。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 200 円。 購入しやすい、内容に合った値段だと思います。

iOS のインディーズのシューティングゲームには Danmaku Unlimited がありますが、Danmaku がその名の通りの弾幕シューティングであるのに対し、こちらは地味ながら遊びやすく、敵弾が画面を埋め尽くすことはなく、難しいシステムもない、正反対の内容になっています。
初心者向けと言えますが、シューティング上級者でも十分楽しめる内容です

このゲームの解説文には「通勤通学中や待ち時間、会社の窓際でヒマしている時に、その時間を潰すのに最適です」と書かれていて、そうした空き時間に遊べるものを目指して作られているようです。
弾幕シューやケイブシューも良いのですが、こういうシューティングも手軽で良いですね。

シューティングゲームは嫌いじゃないけど、最近のものは難しくてちょっと・・・ という人にも勧められるアプリです。

Plasma-Sky (iTunes が起動します)

FINAL FANTASY V

※本家 iPhone AC でスマホ版 FF5 の攻略ページを公開しています。
http://iphoneac.com/FF5.html

すでに FF1~4 までが発売され、iOS の定番 RPG シリーズになりつつある「ファイナルファンタジー」。
昨年末に iOS 版 FF4 が公開された時、そのプロモーションビデオで FF5 の開発も告知され、ユーザーの大きな注目を集めていたのですが、その iOS 版 FF5 が 4 の発売からまだ3ヶ月しか経っていない先日、早くも公開されました。
FINAL FANTASY V」です。

スマホ用の FF1FF2 は PSP 版を、FF3FF4 は DS 版をベースにしているのですが、今回の FF5 は GBA(ゲームボーイアドバンス)版をベースとしています
よって従来作と比べると古い機種からの移植となるのですが、そのためか iOS 版 FF5 はグラフィックを一新
昔ながらの 2D グラフィックではありますが、スマホの解像度に合わせた背景やモンスター、キャラクターが新たに書き起こされています。

サウンドや演出などもスマホ用にブラッシュアップされていて、もうほとんど「作り直し」に近い状態であり、移植と言うよりは「リメイク」ですね

デフォルメされたキャラクターのドット絵は静止画で見るとチープに見え、そのため公開前は批判もあったのですが、実際に見てみると思ったより綺麗で、キャラクターの仕草も豊富なためチープさは感じません。
好き嫌いや違和感はあると思いますが、これはこれでアリだと思います。

FINAL FANTASY V ファイナルファンタジー5

FF5 は FF3 にあった自由に職業(ジョブ)を変更できる「ジョブチェンジシステム」を、さらに進化させています
各職業の特性を「アビリティ」というスキルにして、他のジョブにも付加できるようにしたことで、プレイヤーはキャラクターを状況に合わせてカスタマイズ出来るようになりました。

例えば、白魔道士で戦いを続けてレベルを上げると、「白魔法 Lv3」といったアビリティを習得できます。
その後にシーフに転職して、「白魔法 Lv3」を付加すると、Lv3 までの白魔法を使えるシーフになります。

アビリティの中には「剣装備」や「二刀流」などの補助スキルもあり、例えば白魔道士に「剣装備」を付ければ剣を振り回す白魔道士になって、ステータスの「力」も補填されます。

FF3 のように「ジョブチェンジするとしばらく弱くなる」といった制約もなく、プレイヤーは敵に合わせていつでも自由にジョブとアビリティを変更できます
「ボスが雷に弱いから、そこだけメンバーを黒魔術師にしてサンダーを連発する」といったこともデメリットなしで行えます。

敵を倒せば経験値と ABP(アビリティポイント)が手に入り、ABP が貯まることでそのジョブの新しいアビリティを習得していきます。
キャラの強さはアビリティ次第であるため、FF シリーズでもっとも「レベルが重視されない RPG」でもあります。

その後の FF シリーズに継承されていくアビリティのシステムを形作った作品と言えますね。

FINAL FANTASY V ファイナルファンタジー5
※ジョブチェンジはいつでも制約なく行えます。 敵の技を覚えられる「青魔道士」と「ラーニング」も、この FF5 で初めて登場しました。
そのジョブで覚えられるアビリティを全て習得すると「マスター」となり、それ以上ジョブレベルは上がらなくなるため、自然と各キャラは色々なジョブに移り変わっていくことになります。
アビリティは一部の例外を除き、1つしか付加できません。 よって iOS 版の FF シリーズだと、FF4 のデカントアビリティの方がカスタマイズ性は高いかも・・・


前述したように iOS 版 FF5 は GBA 版を元にしているので、GBA で加えられた「追加ダンジョン」「追加ジョブ」が存在するようです。
また、画面のレイアウトが一新され、バトル時のコマンドボタンも右側に表示されるようになり、操作性が向上しました。

加えて文字フォントがさらに見やすいものになっており、高解像度に合わせてアビリティ名や攻撃名、ジョブ名などは漢字で表示されるようになっています。
全体的にスッキリとしたスマートなインターフェイスになっていて、本当に「スマホ向けに進化した FF」になりましたね

そして iOS 版 FF5 の大きな利点は、オートバトルが追加され、戦闘を自動で進行させられること
しかも iOS 版 FF4 とは違い、iOS 版 FFL のようにオートバトル中は戦闘が2倍速で進みます
おかげでゲームがすごくテンポ良く進み、経験値稼ぎや APB 稼ぎもラクに行えます。
戦闘があまり面倒にならないので、非常に快適です。

もちろん従来の FF と同じく随時オートセーブが行われており、ピンチになってもアプリを落としてタスクからも消し、再起動して「再開」を選ぶことで、直前の状態に戻ることが出来ます。
ゲームオーバーになった時も「再開」で復帰できるため、ストレスなくプレイ出来ますね。

FINAL FANTASY V ファイナルファンタジー5
※沈没船ダンジョンのワンシーン。全体にモヤがかかっていて、水中にはラスタスクロール(うねるような表現)が加えられています。
他に魔法や特殊攻撃のエフェクトも綺麗になっていて、最新のスマホに合わせた演出の強化が行われています。
移動に関してもオリジナルと違いナナメに動くことが可能で、仮想スティックに最適化されています。


やや批判というか、好き嫌いがあるのは、キャラクターのデザインですね・・・
子供向けにデフォルメされたような、可愛らしい感じのデザインには賛否があります。

実際にゲーム画面で見ると、滑らかに動くしアクションも大きく、イベント画面での表情も豊富です。
だからプレイした感じでは悪く思わないのですが、ただ旧来の FF ファンとしては「コレジャナイ」感もあるんですよね・・・

この辺は言葉で説明しても解りにくいと思うので、実際に見て頂ければと思います。

FINAL FANTASY V ファイナルファンタジー5
※左から iOS 版の FF1、FF2、FF5。 FF1 と FF2 は PSP 版がベースです。
余談ですが、私は iOS 版(PSP 版)の FF1 と FF2 は、グラフィックが美しくなりサウンドや演出も改善され、追加要素も豊富に用意されており、十分に素晴らしいリメイクだと思っています。


他の 2D の iOS 版 FF と比べると、絵のタッチが大幅に変わっています。
そして私的には、FF1FF2 の絵の方がしっくり来るんだよなぁ・・・
FF5 はソーシャルゲームである「ファイナルファンタジーブリゲイド」っぽい感じでしょうか。

フィールド画面のグラフィックについては、一部で「RPG ツクール」という意見があるようですが、私的にはそこまで酷いとは思えません。
十分に綺麗なドットグラフィックと言って良いでしょう。
元が GBA であることを考えると尚更ですね。

各所で違和感が大きいと言われているのは、ゲーム中のドットキャラと、会話時に表示される天野喜孝さんのイラストが違いすぎること。

FINAL FANTASY V ファイナルファンタジー5

髪型、髪の色、アクセサリ、衣服など、何もかもが違うという・・・

私的には「天野さんのイラスト=ファイナルファンタジー」というイメージが強いので、このイラストが出てくることは嬉しいのですが、でもそういうイメージがない人だと「別人だろコレ」ってなりますよねぇ。

ただ、改めてになりますが、静止画で見るとイマイチに見える画面も、実際のゲーム画面で見るとそんなに悪くありません

FINAL FANTASY V ファイナルファンタジー5
※画像が先行公開された時、「RPG ツクールだ」「ひどすぎる」と言われてしまった町の画面。
ただ実際に iPhone / iPad で見ると、解像度が高くて鮮やかに表示されるためか、言われるほどツクールっぽい感じは受けません。
画像を縮小すると高解像度が高解像度でなくなるので、その辺に影響があるのでしょうか。
ただ、よく見るとマスの区切りが滑らかでなかったりするので、やはり SFC 時代後期のドットグラフィックと比べると、落ちるのは確かです。
ポリゴンの時代になったことで、当時のドットグラフィック技術はロストテクノロジーになったのかもしれないですね・・・


価格は 1800 円。 名作として知られる FF5 がスマホに完全に最適化されて蘇ったのですから、この価格でもお得だと言って良いでしょう。

2D のままであるため「初期の FF らしさ」がそのまま残っていますし、ストレスなく遊べるよう改良されているので、間違いなくこれまでのスマホ版 FF の中では一番遊びやすいです
3D 化された時の「変化っぷり」も新鮮で良いのですが、やはり昔ながらのゲーマーとしては、FF は 2D の方がしっくり来るなぁと思いますね。

今回は難易度も適度なので、万人向けのゲームと言えます。
これまで以上にオススメできるファイナルファンタジーですね。

FINAL FANTASY V (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

真・女神転生 if...

※このアプリは公開終了しています。

コアなファンを持つ曰く付きの RPG シリーズ「女神転生」(メガテン)。
iOS ではすでに 真・女神転生真・女神転生 II が発売されていますが、シリーズの外伝作品となる真メガテン3作目も先日公開されました。
真・女神転生 if...」です。

iOS の 真・女神転生 と 真・女神転生 II は GBA(ゲームボーイアドバンス)版を「そのまんま」ベタ移植した、エミュレーター(他のハードのプログラムを動かすソフトウェア)と言っても良いものでしたが、今回の if... は GBA 版が存在しないため、PS(プレステ)版からの移植となっています。

まあ移植と言っても、今回も実質エミュレーターであり、iOS に合わせて最適化されている部分などはなく、良くも悪くも PS 版「そのまんま」ですが。

真・女神転生 if

if... は冒頭でも述べたように、外伝というか、番外編的な扱いです。
宗教やイデオロギーの対立を扱ったヘビーなストーリーの 真1真2 とは違い、舞台は学校の中で、登場人物は学生や教師ばかりです。

良くある「学園モノ」になっているため、世界観や物語のスケールが小さくなっているのは否めません
ただ、女神転生の原典である小説は学生のカップルの話なので、そこに原点回帰したとも言えます。
また、身近なストーリーになったことからこれはこれで人気はあったようで、その後に学園を中心にした「ペルソナ」シリーズに繋がっていくことになります。

ゲームは 3D 視点のダンジョンを進む RPG です。
交渉によって敵を「仲魔」に出来るのが特徴で、仲魔を合体させてより強力な仲魔を作り出すなど、メガテンをパイオニアとする仲間モンスターや合体のシステムは健在です

モンスターは「悪魔」と呼ばれ、すべて神話・宗教・都市伝説などを元とし、天使や神なども悪魔に含む点や、主人公とパートナーの2人をメインキャラとする点、「悪魔召還プログラム」を使ってコンピューターを通して悪魔を召還する点などは、従来のメガテンの設定を踏襲しています。

真・女神転生 if
※今回は学園が舞台なので、「花子さん」などの学校の怪談を元にしたような敵や、「ゾンビちゃん」のような生徒がゾンビ化した敵も出て来ます。
敵のボスは中二病化した天才いじめられっ子で、真1・真2でスケールを大きくし過ぎたためか、今作はあえて小さなストーリーにまとめた印象も受けます。


今作の大きな特徴は「ガーディアンシステム」。
ガーディアンとは守護霊とか守護天使とか言われるものです。

主人公が死ぬとメガテンおなじみの「お花畑と三途の川」が出てくるのですが、今作はそこで「ガーディアン」が憑き、その力によって復活します。
つまり死んでもゲームオーバーになりません
ダンジョンの入口から再スタートできますし、1度死なないとガーディアンは憑きません。
パートナーも同様に、死ぬとその場でガーディアンが憑きます。

ガーディアンも通常の悪魔と同様にステータスや魔法などを持っており、主人公のステータスがガーディアンのステータスより低ければプラス修正が、高ければマイナス修正が加わります
例えば、力が高くて知恵が低い主人公に、力が低くて知恵が高いガーディアンが憑くと、力は下がりますが知恵は増えます。

さらにパートナーの場合、ガーディアンが覚えている魔法を習得するので、ガーディアンの存在がより重要になります。
(つまりパートナーは1度死んでガーディアンを憑けないと魔法を覚えられません。 主人公は魔法を覚えないのでステータス修正しか影響はありません)

ガーディアンは敵を倒すと増える「ガーディアンポイント」によって、何が憑くかが決まります。
ポイントが高いと上位のものが憑きますが、低いのに死ぬとランクダウンし、死にまくると最低ランクのものになってしまうので、死んでも復活できるからといって死にまくっているとダメなガーディアンになってしまいます。

他に、銃を撃つと弾を消費するようになった(ノーマル時)、パーティーの属性(ロウ、ニュートラル、カオス)は召還している悪魔の種類で決まる(ゲーム進行では変化しない)、パートナーはゲーム序盤に3人+1から選ぶことができストーリーも変わる、といった点が前作との違いです。

真・女神転生 if
※ゲームは学校からスタートしますが、ここから本編に入るまでの手順が解りにくい。
まずパートナーを「ユミ」「チャーリー」「レイコ」から選び、2階と3階の各教室を回って情報を収集。 2階の隅でディスクも手に入れておきましょう。
その後、1階の保健室で傷薬を貰い、各部室と売店(STORE)で装備を一通り手に入れると、1階の廊下で戦闘になります。
戦闘後「悪魔召還プログラム」を貰ったら、3階の 2-H の教室で先生からコンピューターを貰えます。
そして3階の廊下でハザマと話したら、3階の北西の部屋に入って「ヒーホー君」を仲魔にしましょう。
その後、1階の奧から体育館へ行きボスを倒します。 体育館の手前の廊下でピクシーが出た場合、TALK で特別な会話が発生し、そのまま仲魔に出来ます。
体育館のボスを倒してリングを手に入れたら、1階の LABO に入って大月教授と戦闘。
勝利すれば3階の隅の扉から各ダンジョンへのゲートに行くことが出来ます。


真・女神転生 if
※シリーズおなじみの三途の渡し守「カロン」。 でも今作はこのまま渡らず、ガーディアンの出現によって引き返します。
ガーディアンポイントはガーディアンが憑いた後に主人公やパートナーのステータスを表示して、さらにボタンを押すことで確認できます。
ちなみに三途の川は日本の仏教の伝承ですが、カロンはギリシャ神話の冥界の渡し守です。


そして iOS 版 真・女神転生 if の特徴ですが・・・
まず、ダンジョンのスクロールが非常に滑らかです。 本当に「ぬるぬる」スクロールします。

GBA 版がベースの 真1、真2 は 2D のゲームでしたから、スクロールも疑似立体だったのですが、今回は PS 版が元ですからダンジョンは 3D 表示であり、ポリゴングラフィックでのスクロールになっています
おかげで移動や旋回する様子がリアルで、動いている方向も解りやすいですね。
他にも攻撃や魔法、ダンジョンのトラップなどで、オリジナル(SFC 版)にはなかった演出が加えられています

またコンフィグの項目が詳細で、移動速度の設定、オートバトル設定(通常攻撃のみか前回の行動を繰り返すか)、オートリカバー設定(COMP の RECOVER での自動回復でアイテムを使うかどうか)などが可能です。

欠点は、まず表示が全体的にボヤけていること
iOS 版の 真1、真2 は GBA 版のドットを拡大表示している感じでしたが、それほどボヤけている印象は受けませんでした。
しかし今回は解像度の拡大率が中途半端なのか、明らかにボヤけています。
加えて if は文字フォントが独特なので、それと相まって文字や数字が読み辛い

また、GBA は元から携帯ゲーム機ですから小さな画面でも見やすい表示で作られていましたが、今回は PS 版がベースなので、小さい画面でのプレイは想定されていないレイアウトであり、情報表示が一回り小さくなっています。
マップもドットがぼやけているおかげで判別し辛い部分が多いですね。

そして 真・女神転生 if 自体の欠点として、ゲームが非常に解りにくい
完全に 真1真2 経験者向けに作られているので、基本システムに関する(ゲーム内での)説明はほとんどないし、ゲームのキモとなるガーディアンシステムについても明確な解説がないから、パートナーがいつまで経っても魔法を使えないなんてことになりかねません。

ゲームの難易度やしかけも今の基準で考えると不条理なレベルで、いきなり最初のダンジョンで、初期状態のパーティーではどうあがいても勝てないような編成の敵が出て来ます。
ガーディアンシステムがあるため「とりあえず序盤で1度死んで貰おう」ということなのかもしれませんが、ちょっと厳し過ぎる印象ですね。

ただ、そんな内容だからか、iOS 版(PS 版)の if には EASY モードがあって、これにすると受けるダメージが 20 %減り、ガーディアンポイントや剣の熟練度も上がりやすくなります。
「交渉で銃を外しても自動的に再装備してくれる」「銃の弾数の消費がなくなる」といった遊びやすくする再調整も行われているので、初心者・経験者を問わず、iOS 版はイージーモードでプレイするのをお勧めします。

そして iOS 版 if の最大の特徴と言っても良いのは、オートセーブになっていること。
携帯電話のアプリなのでオートセーブがないと困る訳ですが、そのおかげでピンチに陥っても、アプリを落としてタスクからも消去し、再起動して CONTINUE を選ぶことで、iOS 版の FF シリーズのように直前の状態から再開できます
コレのおかげで、高難度のゲームですがプレイしやすくなっていますね。

真・女神転生 if
※真・女神転生1、真・女神転生2のセーブデータがあると貰える特典は、3つ目のダンジョン「怠惰界」の3階にある「鑑定屋」に行かないと受け取れません。
貰える特典は真1が主人公とパートナーの全能力+2、真2が仲間の全能力+1、そして両方あると全種類の「香」を2つずつ貰えます。
この「全種類の香2つずつ」というのは PS 版にはなかった特典なので、iOS 版オリジナルという事になります。
なお、怠惰界の3階には「穴掘り」している人に話しかけた後、月齢が1周するまでうろつき、再び話しかけるというのを何度も繰り返さないといけない非常に面倒なイベントがあるのですが、EASY モードだと月齢が 1/4 周で穴掘りが進むようになっています。


真・女神転生 if
※ iOS版(PS 版)は1つ目のダンジョンをクリアした後、学校の3階北西の部屋に新月か満月の時に入ると、メガテンおなじみの「魔人アリス」が現れます。
ここで「お願い」を聞いてあげると、キャラクターが死亡扱いとなり、ガーディアンの付け替えが行われます。
つまりガーディアンを付け替えたい時に、ワザと死ぬ手間が省けます。


価格は 1200 円。 ほとんどエミューレーターに近いものであるため、相変わらず高く感じるのですが・・・
ただ、内容は PS 版のソフトそのままなので、ボリュームなどは十分ですね。

私的にはエミュレーターに近い移植であることについて微妙な思いがしますし、あくまで「経験者向け」であって原作を知らない方には勧められないのですが、当時のままのゲームを iPhone や iPod touch で楽しめるというのは、メガテニスト(メガテンファン)には嬉しいことではありますね。

また SFC 版ではなく PS 版であるため、背景などは SFC 版より綺麗になっていて、演出などにも細かい違いがたくさんあるので、SFC 版しか知らない方だと改めて楽しめるかもしれません。

真・女神転生 if... (iTunes が起動します)

アホ毛ちゃんばら

アホの子がアホの子特有の特徴である「アホ毛」で殴りあう、文字通りの「アホゲー」が登場しています。
アホ毛ちゃんばら」です。

公開したのは下請けのゲーム開発会社として有名な「M2」というメーカーで、アーケードゲームや旧作の移植・リメイクなどを多く手がけているところです。
M2 の移植やアレンジはユーザーの評価が高く、その会社がある日「Project A.C.」なる謎のカウントダウンページを公開したため、「何かのアーケードゲームが移植されるのでは?」「エースコンバットじゃない?」「アーマードコアか?」などと噂になっていました。(現在はカウントダウンは終了しています)
当サイトも iPhone『AC』 なので、個人的に気になっていたのですが・・・

まさかの「アホ毛」「ちゃんばら」の略でした・・・

ともあれ、M2 のスマホ参入第一作であるため、テーマやノリはともかくとして、相応に気合いを感じる作りになっています。
ミニゲーム的な内容ですが、ゲームらしいゲームであり、演出や BGM などもユニークかつレベルが高いですね。

アホ毛ちゃんばら

ボタンやレバーはありません
画面をタップすると「アホ毛」を伸ばして攻撃し、連打すると三連続攻撃を行います。
押しっぱなしにすると「タメ」を行い、その後に離すと強力なタメ攻撃を繰り出します。
指を上から下にスライドすると回避を行い、そのまま指を押しっぱなしにすることで回避状態を継続します。

ただし、攻撃もタメも回避も「スタミナ」を消費します
スタミナは何もせずにいると回復していきますが、なくなるとバテてしばらく行動不能になります。

相手もこちらの攻撃を回避するので、むやみに攻撃してかわされるとスタミナが尽きてピンチになります。
また、空振るとアホ毛が地面に突き刺さり、しばらく抜けなくなります。 この抜けなくなる時間は強力な攻撃ほど(タメ時間が長いほど)長くなります。
よって相手の攻撃を回避してから反撃するのが良いのですが、回避にもスタミナを使うので、無駄な回避ばかりするとやはりスタミナが尽きてしまいます。

相手の動きや「タメ」を見ながら、的確に回避しつつ、スキを狙っていくのが基本戦略ですね。
相手の攻撃の回避に成功すると、スタミナは少し回復します。

相手にもスタミナがあって、無駄な攻撃や回避を繰り返すとそのうちバテます。
バテたり大技を空ぶって動けなくなっているところに一撃加えるとピヨるので、この時はタメ攻撃のチャンスになります。

アホ毛ちゃんばら
※上の画像の手順が基本的な攻略。 バテている時やアホ毛が地面に刺さっている時を狙えば一発でピヨらせることが出来ますが、スタミナがあるなら三連打してより大きなダメージを狙うのも手。
ピヨりからの回復時間は強い敵ほど短くなるので、回復が速い相手の時はあまり欲張らない方が無難です。
なお、回避からの反撃狙いだけだとボス戦でタイムオーバーになりやすく、クリアタイムも遅くなるので、スタミナがある時は適度に攻撃を行った方が良いです。


アホ毛ちゃんばら
※敵ごとに固有の行動パターンが存在します。 例えば左画像の「あほげ・ちゃいな」はこちらの行動を模倣する特性があります。
殴るとこちらも殴られるので、相手が行動するまで動かないようにしましょう。
右の画像はボスが特殊攻撃を出そうとしているシーン。 ボスの目は通常の大技の場合は青く、特殊攻撃の場合は赤く光るので、これで飛んで来る攻撃の予測が可能です。


シンプルながらテクニックが必要になるゲームで、初めてやると最初のステージのクリアも難しいかもしれません。
ただ、コツが解るとどんどん進めるようになるゲームで、タメ攻撃を当てた時の「バチーン!」という感じも気持ちいいですね。
テンポ良く進むため、慣れるとなかなか爽快感のあるゲームです

全5ステージ+ラスボス戦の計6ステージで、後半ステージのボスはなかなか手強いです。
アクションゲームが苦手な人だとかなり辛いかもしれません。
ただ、課金で使い捨てのパワーアップアイテムを購入できるので、どうしてもクリア出来ない人はこれを利用するのも手かも。
課金アイテムはクリアに必須という訳ではないので、その点はご安心下さい。

ただ若干気になるのは、課金アイテムを使って出した結果も Game Center のランキング(タイムアタック)に反映されること。
これだと課金するほど有利になるランキングになってしまうのは否めませんね・・・
まあアイテムには装備数の制限があるし、そんなに極端に強い訳ではないのですが。

アホ毛ちゃんばら
※ボスを倒すと、なぜか敵のアホ毛を引き抜くシーンに。 iTunes のレビューに「引き抜けない」という意見が見られますが、別に1回で引き抜く必要はありません。 何度も繰り返し上にフリックしていればそのうち抜けます。
右はストーリーをコンプリートした後にプレイできるエンドレスモード「天国への階段」。 ザコをバシバシ倒せるのは良いのですが、慣れるといつまで経っても終わらないのが難点・・・

アホ毛ちゃんばら
※左はアイテムショップ。 ショップのアイテムは課金でないと購入できません。
また、ステージ中に拾えるアイテムと競合するため、アイテムスロットが1枠の場合、持っていったアイテムを最後のボスで使いたい場合は、途中のアイテムは全部無視しなければなりません・・・
右はコレクション要素である「アホ毛学習帳」。 解説画面のアホ毛は引っ張るとビヨンビヨン伸びますw


アプリ本体は無料ですが、無料の状態ではステージ1しかプレイできません
ステージ2以降をアンロックするには 250 円の課金が必要です。
冒頭でも述べたようにミニゲーム的な内容ではありますが、クオリティーは高いので、250 円というのは悪くない値段だと思います。

見た目がいかにもシンプルそうで、テーマがモロにおバカなので、ゲーマーだと見向きもしなさそうなアプリですが、実はどちらかと言うとゲーマー向けの内容で、ゲームメーカーがきちんと作ったアプリです
逆にライトユーザーにとっては、アクション性が強いため、ちょっと難しいかもしれません。
ただ(少なくとも前半ステージは)誰でも楽しめる万人向けのゲームだと思います。

あんまり期待してなかったのですが、予想外に面白いです
もうちょっと長期的に楽しめる要素が欲しかった気もしますが、私的にはかなりオススメですね。

アホ毛ちゃんばら (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式の予告動画です。



※追記
以下の URL で「アホ毛ちゃんばら」のサウンドトラックが「投げ銭方式」で公開されているとの事です。
http://m2sound.bandcamp.com/
「Buy Now」をクリックすると購入価格を聞かれますが 0 にすればタダでダウンロード可能です。
(金額を入力した場合はクレジットカード情報が必要になります)

NightSky

勝手にお送りしていた「黒い主人公のアプリ」シリーズも、四回目となる今回で最後です。
今回取り上げるのは黒いボールを転がしてゴールに導いていく、グラデーションとシルエットのグラフィックが美しいアクションパズルゲーム。
NightSky」です。

元々はパソコンでダウンロード販売されていたゲームで、2011年度のインディーズゲーム(個人や小メーカーのゲーム)の表彰「IGF 2011」でオーディオ部門のノミネート作になっています。
綺麗な曲が流れたりする訳ではないのですが、自然環境音や効果音が非常にリアルで、さらに時折ちょっとだけ流れる BGM が雰囲気を出しており、そうした全体的な芸術性が評価されたのだと思われます。

雰囲気重視のゲームですが、遊びやすいアクションゲームで、ステージやしかけも豊富に用意されています。

nightsky

プレイヤーが動かすのは黒いボールです。
画面を左右にスライドするとその方向に加速し、指を早く動かすほどボールは大きく加速します。
また、画面を押しっぱなしにするとブレーキをかけ、その場に留まります。

ボールや画面に存在する物体は物理シミュレートされており、重力に従って落下し、重さやバランスによって傾いたり転がったりします。

スタートは画面左端で、右に向かって進んでいき、何画面か進むとシーンが変わります。
ミスった時(落下した時)や、身動きが取れなくなって画面を二本指でダブルタップした時は、シーンの変わり目から再スタートとなります。

ステージのしかけが豊富で、新しいものが次々と現れるのが特徴で、乗ると動く台車、車輪が付いた車、プロペラが付いたグライダー、回る風車や歯車、ピンボールのフリッパーなど、シーンが変わるたびに目新しいものが出て来ます。

上下にフリックすることで重力が反転するステージや、加速できず慣性だけで進むステージなど、操作方法が変化するステージも存在し、これらにより飽きが来ない作りになっていますね。

何画面か進むとエリアクリアとなり、次のエリアに進めますが、完全にクリアしていなくても次に進める場合もあります。

NightSky
※車輪の付いたカゴ(?)に入って進んでいるシーン。 車輪の回転方向の違いにより、フリックした方とは逆に進むので、それを考慮した操作が必要です。
画像では解りませんが、このシーンは風が吹いていて、風の音が鳴っています。 他にも波の音や雨の音など、自然音が豊富です。


NightSky
※1つのエリアに 13 のシーンがあり、1つのシーンは2~4画面ほどで構成されています。
シーン選択画面に★マークが書かれている場合、そのシーンのどこかに★が隠されています。
★を取るとマークが☆になり、次のシーンにワープできます。


難易度は適度で、ゲーム前半はかなりサクサク進めます
薄暗い静かな雰囲気が特徴ですが、意外とテンポの良いゲームでもありますね。

中盤からはかなり難しいしかけが出てくるので、サクサク感はなくなりますが、逆にパズル性やアクション性が高まり、ゲームとしてやり応えのあるものになってきます。

難点は慣性の働くボールの操作が独特で、うまく動かせない時にイライラしてしまうこと
シビアなタイミングを要求される場面もあるので、それと操作し辛さが重なると辛いですね・・・
ただ、そこまで難しいゲームではないため、「マゾゲー」という程ではありません。
難しい場面も、ちょっとした工夫でラクにクリア出来ることもあります。

以下は Youtube で公開されている、公式のトレーラーです。



価格は 450 円。 正直、内容を考えるとやや高く感じます。
元は約 1000 円で売られていた PC 用ゲームなので、それを考えると安いのですが、iOS アプリでこの価格ではちょっと辛い印象。

ただ、雰囲気の良さとゲーム性を両立しているアプリで、ルールも解りやすく、内容は悪くありません。
静かな夜に少しずつやるのが良いゲームだと思いますが、通勤・通学時にやるゲームとしても良さそうです。

超オススメという程ではありませんが、良作と言って良いゲームですね。

NightSky (iTunes 起動、iPhone / iPad 両対応)

Blue Moon (ブルームーン、Star Sky)

今回のアプリは取り上げるかどうか悩みました・・・ 面白い訳じゃないし、そもそもゲームじゃないし。
ただ、iTunes のランキングで妙に上位になってるので、やっぱり取り上げといた方が良いんだろうなぁ・・・

月灯りの道をただ歩くだけの、幻想的な雰囲気のアプリ。
Blue Moon (ブルームーン)」です。

このアプリ、新作という訳ではありません。
2011 年末、今から1年以上前に出た「Star Sky」というアプリの名称を変えたものです
実際、アイコン名や起動時のタイトル名は Star Sky のままになっていて、以前と何も変わっていないようです。
なぜ今頃になって名前を変えて、しかもランキングの上位になっているのか、よく解らないアプリですね・・・

前述したようにこのアプリはゲームではなく「環境アプリ」であり、雰囲気を楽しむためのものです。

Blue Moon ブルームーン Star Sky

画面を押しっぱなしにすると、男が歩いていきます。 二本指で押すと早歩きします。
離すと止まります。

以 上 。

ゲーム性は皆無ですね・・・

特定の場所で立ち止まると、何かの演出が発生します
例えば、バラの前で立ち止まるとバラを摘み、バラを持って女性の前で立ち止まるとそれをプレゼントします。
そうしたアクションを見つけていく、それだけの内容です。

看板や家など、いかにも何かが起こりそうな場面もありますが、何もない草原や森の真ん中で立ち止まらないと発生しないような、解りにくい演出もあります。
立ち止まった時、反応がある場所なら白い光のようなものが出るので、それが目印になります。

最終的に、イベントで男がいなくなるか、一定距離を進むと終了。 後戻りは出来ません。
見つかったイベントが最後に表示され、1回のプレイはそんなに長くありません。

Blue Moon ブルームーン Star Sky

雰囲気が良く、効果音も美しいのですが、何かのストーリーがある訳ではなく、イベントもそんなに多い訳ではありません。
演出に関しても、ちょっとしたものに過ぎません。
技術的・ゲーム的には見るべきところはなく、本当に「雰囲気を味わうのみ」です。

ただ、このゲームはそんなアプリだからこそランキングの上位になっているのかもしれません。
手軽に短時間で、難しい操作もなく、ただ歩いていくだけで雰囲気を楽しめるので、それがゲームをやらないユーザーには良いのかもしれませんね。

また、これは勝手な推測ですが、このアプリは女性に評価されているのではないかと思います。
「月灯りと星空の下、男女が二人っきりで薄暗い草原を歩いて行く」というシチュエーションは、非常にロマンチックで、女性ウケが良さそうな気がします。

私的には、雰囲気狙いのアプリとしてもイベントが少なすぎて、物足りない印象しか受けないのですが、それはゲーマー的な考えであって、私のようなタイプの人間が評価すべきではないのかもしれません・・・

価格は 85 円。 私としては「有料アプリのレベルじゃない」というのが本音ですが、しかし価格は安いし、確かに雰囲気は良いので、それを味わいたい人なら悪くないのかも。

アップデートは意外に小まめなようで、iPhone 5 の画面サイズや新 iPad の大画面 Retina 解像度などに対応しています。
ですから「インタラクティブアプリ」を名乗るだけの、グラフィックに関する対応は行われているようです。
あえてこれ以上作り込まず、この形を「完成形」とするのが良いと考えているのでしょうね。

Blue Moon (ブルームーン) (iTunes が起動します)

余談ですが、この手のアプリだったら、私はこちらの方が好みです。

星めぐりの夜 (iTunes が起動、無料です)

Nihilumbra

勝手にお送りしている「黒い主人公のアプリ」シリーズ第二弾。
今回ご紹介するのは、昨年末に発表された Apple によるアプリの表彰「AppStore BEST of 2012」で「隠れた名作」として紹介されていた、謎の生命体が暗闇の雲から逃げながら荒廃した世界を旅する、メランコリックな雰囲気のゲーム。
Nihilumbra」です。

開発したのはスペインのメーカーで、ゲーム名の意味は「虚無(Nihil)の暗影(umbra)」という意味。
横スクロールのアクションゲームのような操作ですが、アクションよりもパズルの要素が強い内容ですね。

雰囲気重視のゲームですが、憂鬱な見た目に反してユーザーフレンドリーな設計で、ミスりやすい場所には細かく再開ポイントが設置されており、悩んでいるとヒントが表示される場面も多いです。
パズルの難易度も適度で、単なる雰囲気ゲーに終わっていない所が高評価の理由でしょう。

Nihilumbra

画面左下のスライドバーで左右に移動し、画面右下のボタンでジャンプする、いわゆるスーパーマリオ型の横スクロールゲームです。

主人公は闇の中で生まれた謎の生き物で、攻撃手段はありませんが、ゲームの途中で床や壁に「色を塗る」能力を得られます。
塗るのは色を選択後、画面を直接なぞって行います。

色にはそれぞれ特殊な効果があり、水色は氷結、はバウンド、茶色は粘着、は炎の力を持ちます。
例えば、水色の氷結の効果を床に塗ると、主人公がそこを滑ってスピードアップすることができ、さらに敵を滑らせて穴に落としたり、重い箱の下を凍らせて押しやすくしたり出来ます。
茶色の粘着効果だと、敵を遅くしたり、自分が天井や壁に張り付いたり、強風の時に床にくっついて飛ばされないように出来ます。

1つの色に様々な活用法があるのがポイントですが、さらに組み合わせて使わないと突破できないシーンも多くあります。
例えば、敵を粘着した場所に誘導してから、自分は床を凍らせてダッシュで逃げる、などですね。
アクションで切り抜けるのではなく、色をどう活用していくか考えながら進んでいく形です。

Nihilumbra
※主人公は黒い謎の存在。 薄暗くて独特なグラフィックが退廃的な世界観を醸し出しています。
ゲーム中には頻繁に英文のメッセージが表示されますが、これはどちらと言うと演出のためのもので、無理に読めなくても問題はありません。


Nihilumbra
※このシーンはまず茶色(粘着)を壁に塗っておき、床を水色(氷)にして敵を滑らせ、壁にくっつける。
その後、床に緑(バウンド)を塗ってから、壁に茶色を使って張り付き、そこから緑の上に落ちて大ジャンプし、先の高台の上に着地する。
茶色には音を立てずに歩く効果が、緑には敵弾をバウンドさせる効果が、赤には箱を燃やす効果があることも攻略のポイントです。


後半ステージになるとかなり難しい場面もありますが、大半の場面は難しすぎず簡単すぎずのバランスの良い難易度で、適度に頭を使いながら進行していくことが出来ます

さらに冒頭でも述べたように、ミスしやすい場面の直前にはチェックポイントが用意されていて、失敗してもすぐそこからリトライ出来るようになっています。
ミスった後、どこに何色を塗ればよいのかガイドが表示されるシーンもあります。

雰囲気を楽しめるよう、ほとんどストレスなく進めるようになっていて、新しい「色」を手に入れた際も、その使い方を学ぶ特殊ステージをプレイしてから本編に戻るようになっており、非常に解りやすいです。

鬱な感じのゲームでありながら、任天堂のゲームのような模範的な作り方であり、それが最大の特徴と言えますね。

Nihilumbra
※この花を取ることで、新しい「色」を得られます。 そのままその色の使い方を学ぶチュートリアルステージに移行します。
全体的に暗いシーンが多いので、こうした色の強いシーンが映えますね。
色は塗りすぎると塗れなくなってしまうので注意。 色を消すとその分だけ回収でき、チェックポイントに辿り着くと全快します。


Nihilumbra
※主人公を追いながら世界の飲み込んでいく黒い雲 Void(虚無)。
各エリアの最終ステージはこの Void から逃げながら進む強制スクロールのステージになっていて、ここはパズルよりアクション要素の方が強いです。


価格は 250 円。 内容を考えると妥当なところではないでしょうか。
iPhone / iPad 両対応のユニバーサルアプリです。

割とサクサク進むので、集中してやると早く終わるかもしれませんが、雰囲気を楽しみながら進めていく事を考えると、このぐらいの難易度やボリュームでちょうど良いと思います。

また、全ステージクリアすると高難度の Void モードが表れます。
これは最初から全ての色が使える代わりに、敵が多く出るアクション性の強くなったステージで、パズルも難しくなっています。
Void モードでクリアすると黒い雲に飲まれた世界を取り戻せるので、それが真のクリアと言えるかもしれません。

Apple に評価されるだけある、デザイン的にもゲーム的にもセンスの良いアプリですね。

Nihilumbra (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

 iPhone AC

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