iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2013/05

Stickman Tennis

簡単操作で思い通りの球を打ち返すことが出来る、非常に遊びやすいテニスゲームが登場しています。
Stickman Tennis」です。

キャラクターが棒人間なので、パッと見はショボそうなのですが、滑らかな動きと優れた操作性、リアルな効果音と音声で、シンプルな見た目とは裏腹にスピード感のある本格的なテニスを楽しめます
すでに世界的な人気作になっているようで、一度やってみればそれが頷ける作品ですね。

開発したのはオーストリアの少人数のメーカーで、ここは Line RunnerStick Stunt Biker など、過去にも棒人間が主人公の人気作を公開しているメーカーです。
ちなみに Android 版も公開されています。

Stickman Tennis

画面左にスティック、右に3つのボタンがありますが、スティックは移動に使うのではありません。
初期設定(Arcade)の場合、キャラクターは自動で移動します

スティックはボールを打つ方向を指示するためのもので、左上に入れながら打てば相手コートの左奧を、右下に入れながら打てば相手のコートの右手前を狙います。

3つのボタンで打球の打ち分けを行え、普通に速い球を打つドライブ(トップスピン)、低い弾道で遅めの球を打つスライス、高く打ち上げるロブを使うことが出来ます。
また、少し長めにドライブボタンを押してから離すと強い打球を打ち返せます。

ボタンを押す(離す)タイミングはかなり曖昧でも OK です
タイミングが良いと Good、早いと Too early 、遅いと Too late と表示されますが、多少早かったり遅かったりしても問題なく打ち返せます。
もちろん Good の方が打球が強くなり、タイミングが悪すぎるとネットにかかったりしますが、それでも移動が自動なことと相まって、初めてのプレイでも軽快にラリーを続けられます

ただ、この条件は相手も同じ。 ですから単に打ち返しているだけではなかなか点は入りません。
スティックを使って左右に揺さぶったり、ネット近くで手前に落とすなどして、うまく相手のスキを突く必要があります。
こうした打ち分けを簡単に行えるのがこのゲームの良い点ですね。

Stickman Tennis
※ちょっと解りにくいですが、前に出て来た相手に対し、後方にロブを返しているところ。
打球は自動で追ってくれるので、打ち返しに専念できるため、こうしたテクニックも駆使しやすいです。


ゲームに臨場感を与えているのが音声で、強い打球を撃った時の「うっ!」というかけ声や、点が入った時のスピーカーっぽいアナウンス、フォルトやアウトの時の線審の叫び声などが、すごくテニスらしいリアルな声です。
試合にもスピード感があり、やってみるとチープな印象は受けません

ゲームモードにはメインとなる「play TOUR」と、好きな設定で1戦だけ行う「quick GAME」があり、ツアーは3勝で優勝になる試合を勝ち抜いていきます。
優勝することで上位の試合がアンロックされ、ワールドランキングが上がっていき、これを1位にするのが当面の目標になります。

Stickman Tennis
※ツアーモードの試合選択画面。 コートの外観と相手選手の能力値が表示されています。
オプション画面で試合形式の選択も可能で、以下のような設定になります。
・Three short sets, start at 4:4 = 3セットマッチ。どのマッチも4対4の状態から始まる。
・Three full sets = 3セットをフルゲーム行う。
・One short last set, starts at 4:4 = 互いが1セットずつ取っていて、最終セットの4対4の状態から始まる。
なお、ゲームモードを Pro にすると方向スティックで自由に動けるようになりますが、さすがに難しいのでお勧めしません。


価格は 85 円。 気軽に試せる値段ですね。

特に欠点の見当たらない、文句の付け所がないゲームです
白熱した試合を手軽に行えるし、誰でも簡単に遊べる難易度と操作性だし、見た目や雰囲気もクールだし、1ゲームにあまり時間がかからないので遊びやすいし、コストパフォーマンスも良いです。

あまりにもそつなくまとまっているので、あまり書くことがありません・・・
ショートゲームと言えるので、ボリュームはそんなに期待すべきではありませんが、スマホで遊ぶスポーツゲームとしては非常に高い完成度と言えるのではないでしょうか。
万人にオススメできるゲームですね。

Stickman Tennis (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

Atlantis: Pearls of the Deep (アトランティス:深海の真珠)

海外で高く評価されていて、Apple が選出した 2012 年の「ベスト・マッチ3ゲーム」にも選ばれていた、上からポトポトと玉を落とし、同じ色を3つそろえて消していく物理シミュレートパズルゲーム。
それが「Atlantis: Pearls of the Deep」です。
日本の iTunes のアプリ名は「アトランティス:深海の真珠」に変わっています。

ゲーム内容は「パズルボブル」と、iPhone 初期に人気だった上から玉を落とす「Peggle」というゲームを足して、物理要素を強くした感じでしょうか。
神秘的な雰囲気があり、サウンドのクオリティーも高いゲームです。

日本で「マッチ3ゲーム」というと、パズドラズーキーパービジュエルドのようなパネルスライド型のゲームを思い浮かべるので、このゲームをマッチ3と言われても違和感があるのですが、海外ではパズルボブル型でもパズループ型でも、「色を3つそろえれば消える」というゲームは全部マッチ3ゲームに含むようですね。

Atlantis Pearls of the Deep アトランティス:深海の真珠

画面を押したまま指を横にスライドさせると、画面上部にある玉(パール)が左右に動きます。
指を離すとその位置に玉が落下し、物理法則に従って転がり、同じ色が3つ以上接すると消滅します

パズルボブルのように慎重に狙いを付ける必要がなく、ズーキーパーやパズループのように急ぐ必要もないので、手軽に遊べるのが良いですね。

目的は貝殻が入った光る玉(パール)をすべて消すこと。
ゲームオーバーはありませんが、画面右下に「一定時間内にクリアする」「パールを全て消す」「落としたパール○個以内でクリアする」などの条件が表示されていて、これを満たすとクリア評価が高まります。

評価に従って、各ステージで最大3つの「★」を獲得できます。
これは上位ステージのアンロックやパワーアップの獲得に必要になります。

ステージが進むと歯車や回転床などのユニークなしかけも登場するようになり、落とす場所を工夫しないとクリア出来ないステージも出て来ます。

Atlantis Pearls of the Deep アトランティス:深海の真珠
※曲線の部分にボールを落とすと、その面に従ってボールが転がっていきます。
物理シミュレートのゲームらしく、ボールが予想外の反射や転がり方をする場合もありますが、それもこのゲームの面白さと言えるでしょう。


Atlantis Pearls of the Deep アトランティス:深海の真珠
※これはたまに出てくる「探しものステージ」。 画面左上に表示されているものを見つけ、タップして集めます。
ちょっと神秘的な雰囲気や、適度な難易度のステージが淡々と続く点、こうした探しものステージが挿入される点などは、Azkend を思い出させますね。

じっくり楽しめる完成度の高い物理パズルゲームで、海外でいくつかの表彰を受けただけあって、ゲーム自体は面白いです
メッセージも日本語化されていて、チュートリアルも解りやすいので、プレイ方法で悩むことはないでしょう。
しかし残念なのは、課金回りのシステム。

このゲームは1つの「エピソード」に 15 のステージがあるのですが、最初にプレイできるのは1つめのエピソードのみで、2つ目のエピソードをアンロックするにはクリア評価の「★」を 25 集める必要があります。
これはまあ、問題ないのですが・・・

3つ目のエピソードをプレイするには★が 50 、4つ目は★ 100 が必要になります。
★は使ったらなくなり、1つのエピソードを全部パーフェクトクリアしても手に入る★は 45 個なので、つまり上位のエピソードに進むには課金が必須になります。
クリア済みのステージを再度プレイしても★を稼ぐことは出来ません。

禅モード」という、クリアする度に★を貰えるモードもあるのですが、クリアごとに得られる★は1つだけで、しかも1日★10個までという制限付き
おまけに爆発や電撃などの効果を発するアイテムパールも、★ 20 とか 30 とかを使ってアンロックしないと登場しません。

そしてこんな状況なのに、ステージ中に何度も使い捨てのアイテムパールを★5つで買うのを勧められます。
もちろんこれを買ってしまうと、ますますステージのアンロックやパワーアップが遠退きます。
(しかも1つのステージで得られる★は最大3つなので元は取れない)
これではこのアイテムパールの購入表示が、卑劣な罠のように思えて来ます
さらにステージ開始ごとに他のアプリの広告が繰り返し表示され、せっかくの雰囲気が台無しです。

アプリ自体は無料で、課金をすれば広告は表示されなくなります
250 円の課金をして、さらに少し★を稼げば4つ目のエピソードまでアンロックすることが出来るので、最初からそのぐらいの価格のアプリなんだと思った方が良いかもしれませんね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



PC 版は約 $7 で売られていたようですが、それを iPhone / Android に合わせて基本無料+追加課金型のフリーミアムにしたため、妙に課金演出が鬱陶しいゲームになってしまった印象です。
もちろんメーカーも収益をあげないといけないので、どこかで課金演出は必要なのですが、これじゃあ勧めに従ってアイテムを買って★がなくなり、行き詰まってしまう人が続出でしょうね。

ゲームは素晴らしいのに、無理に課金仕様にして面白さが損なわれた Real Racing 3ダーククエスト4のような印象を受けます。
ただ、このゲームはソーシャル型の課金システムではないので、そこまでの出費は必要ないのですが・・・

ゲーム自体は遊びやすい、落ち着いてプレイできる物理パズルゲームです
無料のままでは体験版、250 円か 250+85 円の課金が前提で、ゲーム中に勧められるアイテムは絶対購入しない、というのを踏まえておけば、勧められるゲームです。

アトランティス:深海の真珠 (iTunes が起動します)

Downhill Supreme

スピード感とサクサク感を重視した、気持ちよくプレイできるモトクロスゲームが登場し、ヨーロッパを中心にスマッシュヒットしています。
Downhill Supreme」です。

※現在、初期版の Downhill Supreme が公開終了となり「Downhill Supreme 2」に入れ替わっています。
ゲーム内容に大差はないようです。


真横視点のバランス型モトクロスゲームは特にヨーロッパで人気で、過去に取り上げた「Moto X Mayhem」や「Bike Baron」などが特に有名です。
ただ、それらのゲームは難コースをリトライを繰り返して突破していく「リトライ型」「マゾゲー型」の内容であり、またミスった時の派手なコケっぷりが楽しい「おバカゲー」と言えました。

しかし今回の Downhill Supreme は操作やルールは共通しているものの、「起伏のあるコースをいかに高速で走り抜けるか」が重視されているスピード型のゲームになっています。
難易度も低めで、このタイプの洋ゲーらしからぬサクサク感があり、一方でコケっぷりはあえて派手にしていないようで、今までとは方向性が違うゲームになっています。

Downhill Supreme

画面右側をタップして自転車を漕ぎ、左側をタップするとブレーキ。 姿勢制御は本体を傾けて行います。
(スティック操作に変更することも可能です)

起伏のあるコースを進み、ジャンプした時は着地地点の角度と車体の角度をうまく合わせることで、スムーズな着地を行えます。
コケないようにゴールできればステージクリアですね。

この辺りの操作とルールは、既存のモトクロスゲームと変わりません。
このゲームが違うのは前述したように「スピード重視」なことで、ゴールしても遅すぎると失敗になります
逆に速くゴールできると評価が高くなるため、いかにスピードを落とさずに走るかがポイントになります。

コースはどれも高速で走れるレイアウトになっていて、かなりスピードを出すことができます
この手のゲームは奇抜なコースがウリである場合が多かったのですが、このゲームはそうした部分は少なく、気持ちよく走れるように作られています。

もちろん難しい部分もありますが、途中にチェックポイントが用意されていますし、上位のステージになってもそれほど極端な高難度にはなりません。
サクサククリアしていけるので、これもゲームのテンポの良さに繋がっていますね。

Downhill Supreme
※コケっぷりはこの手のゲームとしてはアッサリしています。 タイヤがちぎれてポンポン飛んでいくとか、そういうことはありません。
あまり大ジャンプし過ぎると着地の衝撃に耐えられないなど、現実的な挙動が重視されています。


Downhill Supreme
※フィニッシュするとタイムに応じて評価の★が与えられるのですが、遅すぎるとやり直しです。
そこまでタイムはシビアではありませんが、「ゴールしても遅いとダメ」ってところに、このゲームらしさがありますね。


ステージクリアすると、たまにパーツを獲得でき、自転車のカスタマイズが可能です。
と言ってもカスタマイズによって変わるのは見た目だけで、それによってパワーアップしたり、能力が変化するということはありません。

ただ、このゲームは様々な有名自転車メーカーとタイアップしており、登場するバイクパーツは全て実在するもののようです。
シンプルな見た目とは裏腹に、この辺にはリアリティーがあるようで、この点も自転車が盛んなヨーロッパで人気になっている理由のようですね。

ステージは現在3エリア、計 48 コースあるのですが、サクサク進むため集中してやると短時間で終わってしまいます
ただ、スピード感・サクサク感がこのゲームの良い点ですから、これはこれでいいと思います。
ステージは今後のアップデートで増えていくことが告知されています。

Downhill Supreme
※私は自転車は詳しくないので解りませんが、買ったら数十万円するような高級品がそろっている模様。
パーツは4つに分かれていて、それぞれ個別に設定可能です。 ただ、変わるのはあくまで見た目だけですが。


価格は 120 円。 内容的にも価格的にも手頃ですね。

あくまでシンプルなショートゲームであり、ボリュームがあるゲームではありませんが、高難度にしてクリアに必要な時間を稼いでいるようなゲームよりは、こんな風にテンポ良く遊べる方が好みです。

安価で手軽に楽しめるアプリが欲しい方にオススメです。

Downhill Supreme 2(iTunes が起動します)

※現在は  Downhill Supreme 2 に変わっています。

王国の道具屋さん2 / 再建! ボロボロ神社

スマホには「ゆけ!勇者」を始めとする「放置型 RPG」がいくつか登場していますが、神さまを呼んで参拝客を増やし、ボロボロの神社を再建する「放置型経営シミュレーションゲーム」が登場しています。
再建! ボロボロ神社」です。

このアプリは昨年公開された「王国の道具屋さん2」というゲームのシステムをそのまま踏襲しています。
内容に共通した部分が多いため、今回はこの2つを合わせて取り上げたいと思います。

どちらも「放置型ゲーム」であるため、やるべきことはあまりありません。
「たまごっち」のように最低限のお世話をしながら、少しずつ成長していく過程を楽しむものです。
ただ、そのような手軽なシステムだからこそ、スマホで遊ぶにはマッチしていると言えますね。

comecomecat

双方とも、まずは「探索」に出かけて、アイテムの調達をしてこなければなりません。
と言っても難しいものではなく、行き先を選択したら、あとはほぼ自動です。
ゆけ!勇者」のような放置型 RPG に近く、冒険の過程が表示されますが、終了まで時間はかかりません。

「王国の道具屋さん2」の場合は、出発前に傭兵を雇う必要がありますが、戦略や編成などを考えなければならないものではありません。
もし途中で負けて帰ることになっても、体力が残っていれば続きから再開できます。

「再建!ボロボロ神社」の場合は、戦闘自体がありません。
一本道をテクテク歩いて行くシーンがありますが、アイテムを拾い集めていくのみで、ゲームとしてはよりシンプルになっています。

探索に必要な体力は時間が経過しなければ回復しませんが、商品の販売などにも時間がかかるため、そんなに急いで探索を繰り返す必要はありません。

comecomecat2
※探索シーンのインターフェイスは「放置型 RPG」っぽいですが、待ち時間はなくサクサク進みます。
ここで消費する体力は、初期状態だと1分で1ポイント回復します。
道具屋さんの傭兵は、新しいダンジョンをクリアするごとに連れて行ける人数が増えていきます。


アイテムを取ってきたら、「王国の道具屋さん2」の場合はそれがそのまま「商品」になります
お店の机に置いておけば、店に立ち寄ったお客さんが買ってくれて、それによって売上・所持金がアップし、売上が一定量になるとお店がレベルアップします。

「再建!ボロボロ神社」の場合は、取ってきたアイテムを素材にして「神さま」を召喚します
この時のアイテムの組み合わせによって様々な神さまを呼び出すことができ、その数は 100 以上。
色々な神さまを見つけるのも、ボロボロ神社の楽しみと言えるでしょう。

神さまを呼べるアイテムの組み合わせは、冒険で手に入る「理の書」を見ればヒントが貰えます。
神さまを呼ぶと参拝客が訪れ、お賽銭を入れてくれます。
このお賽銭がそのまま収益となり、さらに神さまの経験値として蓄積され、一定量になると神さまと神社がレベルアップします。

「王国の道具屋さん2」の場合は商品を一定量売ると、「ボロボロ神社」の場合は神さまのレベルが最大(Lv5)になると、その商品や神さまに応じたボーナスを獲得できます
ボーナスには集客アップや探索時のスタミナアップなどがあり、その効果は累積されていくため、より多くのボーナスを得ることが商店や神社の発展に繋がります。

comecomecat3
※ボロボロ神社は参拝客アップやお賽銭アップなど、欲しいボーナスの神さまを優先してレベルアップさせましょう。
また、上位の神さまはレベルアップが遅いので、まずはレアリティの低い神さまのボーナスから狙いましょう。
道具屋さんの場合は「じい」をタップしてお金を払うことで、商品を置く机を広げていくことが出来ます。
神社の場合は装飾品を設置したり、お賽銭箱を大きくしたり、同時に呼べる神さまの数を増やしたり出来ますが、これらはレベルがある程度上がらないと実行できません。


基本的には、商品を並べたり、神さまを召喚したら、あとはお客さんが来るのを待つだけです
タップして呼び込みを行うことも出来ますが、無理に画面を見ている必要はなく、アプリを落としておいても構いません。
再び起動した時、経過した時間に応じて、商品が売れたりお賽銭が貯まっています。
なめこ」などと同じですね。

「王国の道具屋さん2」の場合、アイテムがそのまま商品なので、定期的に補充や在庫の確保を行う必要がありますが、それでも商品を置いたら放置するの繰り返しで構いません。
「再建!ボロボロ神社」の場合は、その時に必要な神さまを呼ぶためのアイテムがあれば、それ以上のアイテムは要らないので、さらにやるべきことは少なめです。

ただ、繰り返し ON/OFF を繰り返す放置型のゲームは、あまりやるべきことが多いとだんだん面倒になってくるので、あえてシンプルにしているのでしょうね。

その時々にやれることは少ないですが、売上が伸びてレベルが上がるのに従い、新しい探索地点が増え、それによって新アイテムが登場し、それに伴うイベントの発生や新たな神さまの登場などが起こります。
ゲームの進展に従って収入もどんどん増えていき、ちゃんと経営 SLG らしい「発展させている」という感じがあって、思わずゲームを続けてしまいます。

ゲームはいつまでもダラダラ続くようなものではなく、プレイ時間にもよりますが、数日のプレイで目標を達成できるようになっています。
このぐらいの方が遊びやすくて良いと思います。

「再建!ボロボロ神社」には多数の神さまがいるので、やり込もうと思えばさらに続けられますし、ソーシャルゲームのように「課金しないとクリア困難」「お金を使わないと展開が遅すぎる」という事もありません。

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※左は大量に集まったお賽銭を指でなぞって一気に回収しているところ。
お賽銭が噴水のように吹き上がって回収されていくのは気持ちが良いです。
右はアイテムの組み合わせが違うと出てくる「ハズレの神」が、ごく希に突然変異する「黄金の神」。
この神さまはごく短時間で帰ってしまいますが、その間に投下されるお賽銭の量がものすごいので、出て来たらすぐに配置し、お札があるなら祭りを連発して、一気に荒稼ぎしましょう。


アプリ価格はどちらも無料。 課金要素はありますが、課金しなくてもゲームは問題なく進められます。
画面下には広告があり、その近くにボタンがあるため、若干「誤タップ狙い」な感じもありますが、そこまで煩わしくはないし、85 円の課金で消すことも出来ます。

スーパーファミコン風のグラフィックとサウンドも、人によっては古くさく感じるかも知れませんが、ホノボノとした感じで良いですね
演出的には、やはり「道具屋さん2」より、1年後発である「ボロボロ神社」の方が優れています。

ちょっとヘンな表現ですが、「安心して遊べるゲーム」です。
個人作成のアプリのようですが、良い意味での個人作成らしさがありますね。
ガッツリ遊ぶものではありませんが、気楽に楽しむ放置型ゲームとして、オススメできるアプリです。

王国の道具屋さん2 (iTunes が起動します)
再建! ボロボロ神社 (iTunes が起動します)

Gravity Guy / Gravity Guy 2

海外では定番と言っても良い知名度で、日本でも相応に知られている、重力を反転させるランニング系のワンキーショートゲーム「Gravity Guy」。
それに先日、前作とは全く違う内容の続編が登場しました。
Gravity Guy 2」です。

今作は床をタップで昇降させ、それによって主人公を間接的に操作するゲームになっています。
「真横視点のショートゲーム」「主人公が自動で走り続ける」「ワンキー(画面タップ)のみの簡単操作」という点では前作と共通していますが、見た目やゲームシステムが大きく変わっているため、前作をイメージして2をプレイすると戸惑うかもしれません。

当サイトではまだ前作の Gravity Guy も紹介していなかったので、今回は1と2を合わせて取り上げたいと思います。
なお、Gravity Guy はどちらかと言うと Android の方で有名ですが、2はまだ iOS 版しか公開されていません。

まずは Gravity Guy (1)の方から。

Gravity Guy

主人公が自動で走り続け、画面をタップすると重力が上下に反転します
普段は主人公は床を走っていて、下に何もなければ落下しますが、上下反転させると天井を走るようになり、「上に向かって落ちる」ようになります。

これを使って障害物を飛び越えたり、床や天井にうまく着地して、上下に落ちないように進み続けます
後方からは追っ手が迫ってきて、壁やブロックにぶつかるなどして追い付かれてしまうとミスになります。

しばらく進むとチェックポイントがあり、ここを通過すればミスってもそこから再開できます。
最後のゴール以外にはステージクリアはなく、ただひたすらラストに向かって走り続けます。

タイプとしては海外のアクションゲームに良くある「マゾ系」「リトライ系」の内容で、初見クリアはまず無理な難解なコースを、ひたすらリトライを繰り返しながら少しずつ進んでいく形です。
よってイライラしやすいゲームであるのは否めませんが、チェックポイントが小まめにあることと、操作がシンプルでルールが解りやすいため、マゾ系のゲームでありながら、意外にライトユーザーからも支持されているようです。

価格が 85 円と安く、以前は無料セールも頻繁に行われていて、無料版も公開されています。
この辺もアプリにお金を使わないライトユーザーのウケが良い理由でしょうね。
ただゲーム後半になると、課金アイテムを使わないと突破が困難な、かなり辛いシーンも出て来ます。

私的には、オススメという程ではないですが、重力反転のシステムが面白く、スピード感もあって最初は楽しめるので、無料版はやってみて損はないと思います


続いて、先日公開された「Gravity Guy 2」について。

こちらは前述したように、Gravity Guy とは全然違う内容になっています。 重力の上下反転はありません。
画面を押しっぱなしにすると床がせり上がっていき、離すと下降していきます。
床をせり上げることで主人公をジャンプさせることができ、これで障害物や穴をかわしていきます

Gravity Guy 2

Gravity Guy(1)とは違い、ゴールやチェックポイントはなく、どこまで進んだかを競うショートゲームらしい内容です。

主人公を上下に浮遊させて障害物をかわしていく形なので、どちらかと言うと Gravity Guy よりも Jetpack Joyride に似ているのですが、これらのゲームよりもスクロールが遅く、運やコースの暗記より、テクニックが重視される内容になっています。

Gravity Guy のようなアイデア性を感じず、高速スクロールもないため、初見はかなり地味に思えるのですが、「ゲームとしては」こちらの方が面白いですね。
ミスった時も、それが自分自身の失敗による納得のいくミスであることが多いので、このタイプのゲームとしては「運ゲー」っぽさは低めです。

ゲーム中に得たコインでパワーアップを購入することができ、パワーアップ効果をアップグレードしたり、新しいキャラクターを購入することも可能です。
ただ、パワーアップの大半はコインの入手量を増やすもので、しかしそれを使っても購入費を取り戻すことは難しいため、ほとんど意味がありません

ゲームが有利になるパワーアップは1度復活できる REVIVE(1UP)ぐらいしかなく、新キャラクターの特技もほとんどがコインの入手量を少し増やす程度のものなので、残念ながら Temple Run のような「パワーアップしていく楽しさ」はありません

Gravity Guy 2
※パワーアップは出発前に購入する形ですが、復活とブースト以外はコインの入手量を増やすもので、しかし購入費が高すぎてほとんど赤字になってしまいます。
キャラは NEON のみレベルアップで得られますが、他はコインで購入しないと使えません。
ゲームがまともに有利になるキャラは復活が2回になるコイン 100,000 枚のキャラのみで、しかし高額なので課金しないと購入は辛いです。
パワーアップのアップグレードに関しては、3つの条件を満たしてレベルアップすることで、コインで購入しなくても MAX まで上げていく事が可能です。


価格は 85 円。 前述したように Gravity Guy ほどの初見のインパクトがなく、操作感も独特でやや慣れが必要なため、初見で書かれることが多い iTunes レビューでは不利なゲームだと思いますが、慣れればマゾゲー化していく Gravity Guy より楽しめると思います。

ただ、初めてでもすぐに楽しめた Gravity Guy の良かった点がなくなっている気がするし、コースが1は固定、2はランダムという根本的な違いがあるので、どちらが好きか好みは分かれるかも。

価格の安さを考えれば、ショートゲームが好きな方には相応にオススメできます。
「A級」という訳ではないけど、良作と言えるアプリですね。

Gravity Guy (iTunes が起動します)
Gravity Guy FREE! (Gravity Guy 1 の無料版です)

Gravity Guy 2 (iTunes が起動します)

プロ野球ソーシャルゲーム2種(ドリームナイン SUPER STARS、プロ野球チームをつくろう!)

本日は今話題のプロ野球をテーマにした「スマホ用のソーシャルゲーム」を2つまとめてご紹介しようと思います。

1つはコナミの「プロ野球ドリームナイン SUPER STARS」。
グリー / モバゲーで運営されていたガラケー用のソーシャルゲーム「ドリームナイン」をスマホ用に作り直したもので、「ドリナイ」の名前は踏襲していますが、グラフィックや内容は一新されています
運営もグリーやモバゲーから切り離され、コナミが独自に行っています。

もう1つはセガの「プロ野球チームをつくろう!」。
家庭用ゲーム機で人気となった同名の野球チーム運営シミュレーションゲームを、スマホ用のソーシャルゲームにアレンジしたものです。
すなわち「名作がソシャゲになっちゃった」シリーズ

この2つは同じ「日本のプロ野球を題材にした、大手ゲームメーカーによる、日本プロ野球機構公認のソーシャルゲーム」でありながら、そのコンセプトは全く正反対です。

「プロ野球ドリームナイン SUPER STARS」(以下 ドリナイSS)は、従来の「ポチポチ型ソーシャルゲーム」から離れた、変わったタイプのソーシャルゲーム
一方の「プロ野球チームをつくろう!」(以下 やきゅつく)は、従来の「ポチポチゲー」のシステムをそのまま踏襲した、旧来のタイプのソーシャルゲームです。

コナミやドリナイの方が「グリー/モバゲー型」のイメージが強いのに、意外にもこの2作についてはセガの方がグリモバ型。
ただじゃあドリナイはゲームとしての要素が強くなったのかというと、そんなことはなく・・・ むしろ逆。

どう言うことなのか? まず ドリナイSS の方からご紹介したいと思います。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS

このゲームはヘンな表現ですが、「ポチポチゲー」から「ポチポチ」を抜いたものです。

「試合」のボタンを押して対戦相手を選択すると、スタミナを消費して試合シーンになります。
試合シーンは自動で進み、最後に勝敗が表示され、出場選手が成長します。
試合ポイントがなくなったら、しばらく回復を待たなければなりません。

以上。

こう言うと「はぁ? なんだそりゃ? それってゲームなのか?」と思うかもしれません。

しかしスマホらしい優れた演出と、コナミらしい豊富な選手のデータ、リアルでかっこいい選手フィギュアなど、「プロ野球選手のカードを集めるアプリ」として見ると、非常に完成されたものになっています

試合のシーンで野球をやっているところは出て来ませんが、作戦やコンボが発動するシーンなどはスマホらしい綺麗なグラフィックになっていて、進行のテンポやサウンドも良いです
選手フィギュア(カード)の背景にはメラメラと燃えているエフェクトなどがあり、ショボいガラケーのソーシャルとは見た目が大きく違いますね。
基本的に見ていることしか出来ないゲームですが、見ていて楽しい演出になっています。

ゲームの目的は自動マッチングの「リーグ戦」で好成績を収め、上位のリーグに勝ち進んでいくことですが、このリーグ戦は一定時間ごとに自動で進行し、プレイヤーができるのは結果を見ることのみ。
この辺も非常にシンプルに作られています。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS
※試合のシーンでは選手が持っているスキルの「作戦」が発動し、特定の組み合わせで発生する「コンボ」が表示された後、点数が付けられていきます。 これを3回繰り返します。
コンボは「繋がる下位打線」「疾風迅雷」など選手の能力によって発動するものと、「1983年会」「メジャーの記憶」などの特定の選手を集めることで発生するものの2種類があります。
コンボの種類はかなり多く、野球に詳しい人なら思わずニヤッとしてしまうものも多いようですね。


プロ野球ドリームナイン SUPER STARS
※試合の後に選手が成長。 合成で作戦レベルを上げる要素もありますが、能力アップは基本的に自動です。
スタメンに入れる選手はコスト内に収める必要がありますが、「育成枠」はコスト無関係に入れる事ができ、ここの選手も試合で成長します。
右の画像は選手カード。 前年度の成績と、その選手の評論が掲載されており、この辺はさすがコナミといったところ。
ちなみに右のカードは「金台」と呼ばれている、レアリティは低いながら台座が金色のカード。
このタイプのカードはレアリティの割に能力が高く、成長力があります。


結局のところ、「ミリオンアーサー」とか(ソーシャルの)「アイドルマスター」とか言うものは、カード集めがメインな訳で、それを考えるとカード以外の部分はこれぐらいシンプルでも成り立つのかな、とも思えます。
選手の成長はほぼ自動ですが、成長速度は相応に速いので、意外とカードが強くなっていく楽しみもあります。

私的には、これは「ソーシャルゲームが行き着いた姿」という印象を受けています。
ボタンを「ポチポチ」押すだけの行為にゲーム性なんてなかったのだから、実はそこはオミット(除外)しても良い部分だったのかもしれずパチンコが手打ち式からハンドル式になり、しかけが羽モノがスロットに変わっていったように、元々ゲーム性の少ない「ソーシャルゲーム」も、こうなっていくのが自然な流れなのかもしれません。

もう1つ特筆したいのは、このアプリで実際のプロ野球の情報も確認できること
私は家族がプロ野球好きのため、よくネットで試合結果や順位などを調べてくれと言われるのですが、今はもっぱらこのアプリで調べています。

ソーシャルゲームだけあって通信のレスポンスが速いので、起動してボタンを押すだけで試合結果や途中経過を簡単に確認でき、選手成績や野球関連のニュースも閲覧できます。

※現在は、実際のプロ野球の情報機能は削除されてしまいました。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS
※個人的にすごく便利に使わせて貰っているプロ野球情報。 選手成績には上位選手のカードが表示されるのでビジュアル的にも良いです。
おまけ機能と言うよりは、メイン機能ですね。


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一方、セガの「プロ野球チームをつくろう!」(やきゅつく)の方は・・・
冒頭でも述べたように、ドリナイSS とは正反対の「ポチポチゲー」です。

「ミッション」を選択すると試合の「視察」に向かい、ボタンを押すごとに試合が1回ずつ進み、「行動力」が減って、選手カードが1枚貰えます。
試合が終わったらボーナスが貰えて次の試合へ。
行動力がなくなったらしばらく待たないと回復しません。

たまに視察を続けていると「ライバル球団」が出現し、試合を行えます。
試合は自動で進行し、結果に応じてライバル球団に「ダメージ」を与えられます。
何度も試合をしてダメージを与え続け、その球団の HP をなくしたら撃破でき、ボーナスが貰えます。
強力な球団はフレンドと協力して倒せます。

プロ野球チームをつくろう

ここまで説明すれば、このゲームがいかに「グリー / モバゲースタイルの従来型のポチポチソーシャルゲーム」かが解るでしょう。
乱入してくるライバル球団の HP を減らして撃破とか、あまりのこじつけっぷりに思わず笑いました。
「自分が知っていた『やきゅつく』はどこへ行ったんだ」と。

オリジナルの「さかつく」や「やきゅつく」は施設建設やスタジアム整備などもゲームの大きなポイントになっていましたが、それを再現している「ホームタウン画面」というものは一応あります。

しかし町を発展させる方法は「試合を○回行う」とか、「合成を○回行う」「ライバル球団を○回倒す」などの条件を満たすと勝手に行われるもので、自分で施設を建設したりする要素は一切ありません。

プロ野球チームをつくろう
※左はミッション進行画面。 ボタンをポチポチするごとに行動力が減って試合が進みます。
イラスト調のグラフィックは味があって良いのですが、全体的にガラケーのインターフェイスですね。
右はライバル球団との試合画面。 結果はすぐに表示され、敵にダメージを与えられますが・・・ なんだよ「ダメージ」ってw


プロ野球チームをつくろう
※左はホーム画面。 最初見た時は「おおっ」と思ったけど、何のことはない、ただの達成項目の確認画面。
稼いだお金でスタジアムとか練習施設とかを自分で作るのが「やきゅつく」じゃなかったのか・・・?
右の画像は「選手ガチャ」の画面ですが、見ての通りグリー/モバゲーな感じ。


ゲームの目標は自動マッチングで進行するリーグ戦で勝利し、上のリーグに進んでいくことで、この点は ドリナイSS と変わりません。

他プレイヤーとの試合時には少し詳細な試合シーンが流れ、ちゃんと野球をやっているカットも表示されます
ここは ドリナイSS よりも野球ゲームらしいのですが、演出の綺麗さや派手さなどは ドリナイSS より劣ります。

グリー / モバゲーのポチポチ型ソーシャルゲームが好きな人もいるでしょうから、これはこれで楽しめる人もいると思いますが、今回の個人的な軍配は、セガよりコナミに上げたいと思います

ともあれ、ソーシャルゲームも本格的にスマホに移行しつつあるのが伺えますね。
ガラケーでは依然としてグリーとモバゲーが強いですが、スマホにおいてはグリー/モバゲーに利用料を払ってまで、その下で運営する必要はなくなりつつあります。

今のソーシャルゲームは「ポチポチ型」と「パズドラ型」に分かれていますが、ドリナイSS を見ていると「ポチポチ型」も今後変わっていくのかな、という気がしてきます。

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Battle of the Bulge

アナログゲーム」や「ウォーゲーム」と呼ばれる、ボードゲームの戦術シミュレーションゲームを再現したアプリは iOS にはいくつかありますが、第二次世界大戦の「バルジの戦い」(アルデンヌ攻勢)をテーマにしたクオリティの高いアプリが登場しています。
Battle of the Bulge」です。

このゲームは iPad 専用ではありますがボードゲームをテーマにしたアプリとしては演出に優れ、史実の映像を交えたオープニングなどもあり、かなり作り込まれています。
内容がウォーボードゲームなので、ドイツゲームと違って万人向けという訳ではありませんが、戦略 / 戦術 SLG が好きな人なら楽しめる作品ですね。

※2013年10月のアップデートで iPhone / iPod touch にも対応しました。
また、文章の日本語化も行われています。


開発したのはアメリカの新興メーカーですが、連合軍でも枢軸軍でもプレイ可能になっています。
むしろドイツが行った作戦ですから、ドイツ側がメインと言えますね。

Battle of the Bulge

簡単に史実の「バルジの戦い」について説明すると・・・ この戦いはドイツが戦争末期に行った、最後の反攻作戦です。
第二次世界大戦でドイツは当初こそ「オレツエー」していたものの、イギリスに苦戦してソ連も倒しきれず、アメリカが参戦してからは周囲からフルボッコ。
ヘタリアが頼りにならず、東西から追い詰められ、いよいよドイツの本国がヤバくなったところで行ったのが、この反撃です。

「機甲師団では突破不可能」と言われていた、その割には突破されまくっている「アルデンヌの森」を突破して、連合軍に奇襲をしかけ、その向こうにある「ミューズ川」を渡り、敵に占領された港を奪還しようとした作戦でしたが、連合軍の援軍が殺到してきて数日で止められ、手前の第二目標「バストーニュ」さえ押さえられず、偽装作戦「なんちゃってアメリカ軍」もすぐにバレて、最後はガス欠と空爆と数の暴力でボコボコにされました。

このゲームは、このアルデンヌにおける一連の状況をそのままボード上で再現する形で進行します
つまり普通にやると、ドイツフルボッコです。

ゲームの基本システムは「ターン制の戦術シミュレーションゲーム」です。
マップは不定形のマスで区切られていて、配置されたユニットを自分のターンに動かし、敵がいなければ土地を占領、敵がいたら戦闘になるという形式ですね。

ただちょっと変わっているのは、自分のターンに全てのユニットを動かせる訳ではなく、また1つだけしか動かせない訳でもなく、1つの土地にいるユニットをまとめて動かせること。
1つの土地には最大3つのユニットを置くことができるので、そこに3つのユニットがあるなら3つとも動かせ、1つしかなければその1つしか動かせません

移動先はユニットごとにバラバラでも構いません。
動かしたらそのユニットは「行動終了」となり、さらに自分のターンも終わります。
双方がターンを終えるごとに「時間」が経過し、日没になるか、双方とも動かすユニットがなくなってパスすると、その日は終了。
次の日になるとユニットは全て行動できるようになり、以後はこの繰り返しです。

ユニットは強くて速い「戦車」、弱くて遅い「歩兵」、弱いけど速い「自動車化歩兵」の3種類があり、さらに部隊マークが付いたエリート部隊が存在します。
戦車や自動車は道に沿って2~3マス動け、さらに戦車は敵を撃破すると追加移動が可能です。

ただ重要なルールとして「補給路」があります。
ドイツはマップ右端、アメリカはマップ左・上・下の外周と繋がっていない土地には、補給が届きません。

補給は毎日最初のターンに行われますが、補給を得られない土地の部隊は「補給不足」マークが付きます。
補給不足だと移動が行えなくなり、攻撃された時の反撃はできますが、命中率が低下、さらに相手の命中率がアップします
さらに補給不足の状態が2日続くと Isolated (孤立無援)となり、反撃不可、さらに回避力も大幅低下します。

Battle of the Bulge
※補給状態を色分けするマップにしたところ。 赤い土地の連合軍は補給を得られない状態。
この状態で翌朝になると「補給不足」のマークが付きます。 翌朝になるまではまだ元気なので注意。
交戦地域は縞模様ですが、ここは防御側の補給路が優先されます。
連合軍は上下の外周からも補給路が繋がりますが、ドイツは繋がりません。 ズルい。


Battle of the Bulge
※赤い矢印の部隊は「孤立無援」の状態。 こうなった部隊はモロくなって容易に倒せるのですが・・・
敵は孤立した部隊を救出しようとするので、それを逆手にとって待ち伏せる手も。
黄色の矢印は「ガス欠」アイコン。 これは日数が経過すると、ドイツの機甲部隊に「ランダムで」付きます。
付いたら動けないので、進軍はあきらめるしかないですね・・・


同じ土地に敵と味方のユニットが双方いると戦闘になります。
戦闘前には、関係する地形効果や補助効果、さらに結果予想が表示されます

移動の決定や戦闘の開始は右上にある「Commit」のボタンを押しますが、左上には「Undo」のボタンがあって、これでいつでもやり直しが可能です。
移動して戦闘予想を確認し、ヤバそうだったら Undo でやめる、という事も可能です。

Commit(命令)すると戦闘ウィンドウが開いてドンパチが始まります。
撃ち合う効果音が流れ、被弾した障害物やユニットには穴が開き、破壊されると爆発が生じます。
この辺の演出はボードゲームアプリの割にはなかなか凝っていて、ちゃんとゲームらしいですね。

Battle of the Bulge
※戦闘予想画面。 一番下に受けるダメージの予想が表示されていて、もっとも確率が高いものは太字で表記されます。
以下は予想画面に書かれているアイコンの意味です。
奇襲:ドイツ軍の初日のみ発生。命中+10%。
砲撃:ドイツ軍のマップ右端付近の戦闘で発生。命中+10%。
エリート:エリート戦車が攻撃側にいると命中+10%。
無補給:相手が無補給状態なら命中+10%。
孤立:相手が孤立状態なら命中+20%。
平地:平地の戦闘は双方が命中+10%。
装甲:相手に戦車が含まれていると命中-10%。
敵エリート:エリート歩兵が防御側に含まれていると攻撃側の命中-10%。
渡河:相手が渡河してきた場合は防御側の命中+10%。
空爆:連合軍の23日目以降から発生し命中+10%。
防御側は林と家が1回、森とトーチカが2回、ダメージを肩代わりします。
基本の命中率は戦車40%、歩兵30%です。


戦ってみると解りますが、このゲームは防御側が大幅に有利です
防御側は攻撃を受け止めてくれる木や建物を利用できるため、ダメージを軽減できます。
さらにマスの間に川が流れている場合、攻撃側は1ユニットしか渡ることができず、戦闘でもマイナス修正が付きます。
(マスの間に川があるかどうかは、画面を押しっぱなしにすると判別しやすくなります)

しかしドイツ軍は進攻側ですから攻めない訳にはいかず、これが枢軸側の難易度を大幅に上げています
逆に連合軍は時間が経つほど援軍がどんどんやってきて有利になり、さらに時間の経過に伴って「ドイツの燃料不足」「連合軍の空爆開始」などの有利なイベントが起きるため、防衛戦をしていれば状況はどんどん好転していきます。

よってドイツをメインにして作られているゲームですが、慣れないうちは連合でやった方が良いかもしれませんね。

Battle of the Bulge
※一日終了するごとに作戦の説明やレポートなどが表示されます。
この時の BGM が電波の入りの悪いラジオの曲になっていて、すごく雰囲気があって良いです。
上記の画像は、ドイツ軍が砲撃支援を受けられる範囲を示しています。
上にあるバーグラフのようなものは、左側のラインが勝利点の下限値、右側のラインが勝利点の上限値、中央のラインは勝利点の現在値。
上限と下限は日ごとに変化し、下限以下になると敗北、上限以上になると勝利です。
勝利点は画面左上の Undo ボタンの下に書いてあります。


Battle of the Bulge
※こちらは援軍到着のお知らせ。 到着場所が敵に占領されている場合、別の場所に迂回し、到着が遅れます。
また 20 日以降は回復を少しだけ行えます。 ダメージを受けているユニットをタップして、右上の Commit を押して下さい。
回復対象が歩兵か車両かは日ごとに違います。
ドイツはちょっとしか回復できませんが、連合軍は多めに回復できます。 ドイツ辛すぎ。


ゲームのシナリオは5つ用意されていますが、メインとなるのはゲーム名でもある「Battle of the Bulge」です。
このシナリオはマップ左上の「ミューズ川」の先にある水色のエリアに、4日以内(19日の日没まで)に部隊を進入させると、その時点で勝利になります。
それが達成できなかった場合は、普通に勝利点での勝利を目指します。

勝利点は敵を撃破すると増加、やられると減少、さらに VP と書かれた都市を占領していると日没ごとに増えていきます。
勝利点は敗北条件にもなっていて、下限値以下になると敗北です。
しかも下限値は 22 日になるまでどんどん増えていくので、ただ守っているだけでは負けてしまいます。

超えると勝利になる上限値もどんどん増えていきますが、24 日からは戦いが辛くなるためか下がっていきます。
最終日は 28 日で、この日の終了時に勝利点 25 以上なら勝利、24 以下だと敗北です。

ドイツ軍の最初の勝利条件である「ミューズ川の渡河」は、ボードゲームらしい勝利条件ではありますが、方法さえ解ってしまえば簡単に達成できてしまいます。
数日で終わってしまいますし、まともな戦闘が起こらないのでゲームとしてはつまらないです。
戦術シミュレーションゲームとしては、正面から戦って勝利点で勝つのを目指したいですね。

シナリオは他に、3日でミューズ川に隣接するのを目指す「Race to the Meuse」、勝利条件が勝利点のみで必ず最終日までゲームをする「Bitter End」、初期ユニットの配置がシャッフルされる「Luck of the Draw」、史実の 21 日目の状態からスタートする「The Endgame」があります。

なお、勝敗が決してもゲームはそのまま続ける事が可能です。
しかし負けた後にそのまま続けて逆転勝利しても、Game Center の実績は獲得できません。

Battle of the Bulge
※左上の太い水色で書いている部分が「ミューズ川」。 ここを4日以内に超えるには、戦車部隊をほぼノンストップで走らせないといけません。
でもだからこそ、超える方法は限られている訳で、それを見つけるのはそんなに難しくはないはず・・・


価格は 850 円と高め。 ただボードゲームアプリとしてはクオリティーは高いです。
シナリオの一部は 350 円の追加課金が必要なのでご注意下さい。
まあメインシナリオの Battle of the Bulge だけでも、そう簡単には勝てないので問題はないでしょう。

※2015 年時点では Apple の価格改定の影響で 1200 円です。

細かいルールが多く、システムがやや複雑で、ゲームも非常に難しいため、万人に勧められるゲームではありません
特にドイツ軍はそれでなくても多勢に無勢になっていくのに、攻めないといけないわ、回復が少ないわ、ガス欠が起こるわ、空爆は受けるわで、史実の悲惨な状況そのままの厳しさがあります。
でも、だからこそやり応えがあるし、何度もチャレンジしようという気になれますね

かなり硬派なシミュレーションゲームなので、人を選ぶ内容ですが、私的には好きなゲームです。

Battle of the Bulge (iTunes が起動)


【 ちょこっと攻略 】

ゲームのスケジュールを乗せておくので、プレイされる方は参考にして下さい。

12月16日:ドイツ軍が奇襲。 最初の3ターンはずっとドイツのターン。 ただし機甲師団はその間は動けない。 連合軍の歩兵はこの日は動けない。
12月17日~19日:1回だけ、指定の連合軍部隊の移動を妨害できる。(ニセアメリカ軍による混乱)
12月19日:この日の終わりまでに Meuse 川を渡河できないと、渡河による勝利はなくなる。
12月20日:この日から開始時にユニットの回復を行える。
12月21日:この日からドイツ軍の機甲師団が毎日1つ「ガス欠」になる。
12月22日:イギリス軍部隊(茶色)が登場。
12月23日:この日から天候回復。 連合軍に空爆支援が付く。 連合軍からターンが始まる。 連合軍は孤立無援にならない。 ドイツ軍は占領地でも車両が3マス動けない。
12月26日:この日からドイツ軍の機甲師団が毎日2つ「ガス欠」になる。
12月28日:最終日

・シリーズ2作目:Drive on Moscow(モスクワ攻略戦)
・シリーズ3作目:Desert Fox(エルアラメインの戦い)

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