「ブレイブフロンティア」です。
おそらくこの夏、もっとも勢いのあるタイトルの1つでしょう。
アクセス過多により公開されて間もなくサーバーがダウンし、1週間の緊急メンテを行うという、スタートでつまずいたゲームですが、そのクオリティーの高さから人気は衰えず盛況な状態が続いています。
その内容は RPG をそのまま簡略化して、ソーシャルゲームにしたような感じ。
こう言うと「ソーシャルゲームは元々簡略化された RPG じゃないか」と言う人もいると思いますが、私に言わせればほとんどのソーシャルゲームはやはり「ソーシャルゲーム」であって、RPG とは言えないようなものばかりです。
大半が簡易カードバトルか、ボタンを押すだけで勝つポチポチゲーですしね。
しかしこのゲームは、かなり一般の RPG に近づけている印象を受けます。
ガチャがあるし、レベルアップは合成で行うので、まだソーシャルゲームである事は間違いないのですが、一般の RPG のような戦闘シーンやシステムを持ち、それをうまく手軽に遊べるソーシャル型にアレンジしています。
開発したのは Alim(エイリム)という新興メーカー。
やや余談になりますが、このメーカーは gumi という会社の出資で今年設立されたばかりで、gumi は GREE の下で多くのガラケーブラウザ型のソーシャルゲームを開発してきた大手の SAP(ソーシャル・アプリ・プロバイダ)です。
つまり GREE 系な訳ですが、ご存じのようにグリーのブラウザ型ソーシャルゲームは急速に衰退していて、gumi も昨今は大赤字になっています。
その下からこのゲームが出て来た訳で、今後このゲームが同社の救世主になるかどうか、その点でも注目と言えそうです。
5体のキャラクターと1体の助っ人でパーティーを組み、クエストを選択して戦闘を行います。
この点はパズドラと同じスタイルですね。
戦闘シーンはファイナルファンタジーのような横から見たグラフィックで、キャラクターのデザインやアクションも良い意味で FF っぽいです。
そして本当に、FF5 などの 2D のファイナルファンタジーと比べても遜色ないグラフィックと演出、サウンドのクオリティーを持ちます。
攻撃は画面下に並んでいるキャラクターのステータス表示をタップして行います。
タップと同時にキャラが敵の方に進んでいき、攻撃を行って元の位置に戻ります。
この動きのため一見すると FF のようなリアルタイム制のバトルに見えますが、実際にはターン制であり、敵の攻撃はこちらが全員動いてから行われます。
よってあわてて操作する必要はありません。
敵をタップするとその相手を「ターゲット」でき、集中して狙うことが出来ます。
ただしこの場合、その敵を倒してもさらに攻撃を加え続けてしまいます。
ただ、倒した敵をさらに攻撃することで「オーバーキル」が発生し、アイテムが多めに出てくるため、相手が弱いときは1体ずつオーバーキルしながら倒すのも攻略になります。
(なお、敵をターゲットした後でそれを解除すると、「その敵を優先して狙いつつ、倒したら別の敵にターゲットを変える」という行動パターンになります)
前述したようにこちらの攻撃が終わらないと相手の番にならないため、ゆっくり確認しながら攻撃しても良いのですが、複数のキャラが同時に攻撃を当てると「SPARK」という効果が発生し、ダメージが増加します。
よってこれを狙うなら一斉攻撃をかけた方が良いと言えます。
複数のキャラがまとめて走っていき、1体の敵を様々なアクションでフルボッコにする様子は見ていて楽しく、既存アプリの FINAL FANTASY ALL THE BRAVEST に似た感じもありますね。
敵を倒すとクリスタル(BC、ブレイブクリスタル)が出現し、これを集めてゲージが最大になると各キャラが持っている必殺技(BB、ブレイブバースト)を発動させられます。
この必殺技も見た目が綺麗で、演出の種類も豊富、しかも派手。
複数の必殺技をまとめて発動させると画面は凄いことになります。
この辺りの演出は既存のソーシャルゲームにはなかったレベルですね。
また消費アイテムを作成して持っていくこともでき、任意に HP 回復をしたり、毒やマヒなどの治療をしたりできます。
さらにピンチのキャラが「ガード」することも可能で、操作が簡略化されていながらも、既存の RPG の一般的なコマンドは(逃げる以外)一通り行えます。
※ 複数のキャラの攻撃のタイミングがピッタリ合うと「SPARK!!」が発生してダメージが増加しますが、これを狙うには単にキャラをタップするだけではダメ。
攻撃のモーションが速いキャラと遅いキャラがいるので、遅い→速いの順でタップするのが基本です。
さらに距離も関係し、後ろ→前の順でタップする方がタイミングは合いやすくなります。
また多段攻撃するキャラがいると、そのぶん SPARK を発生させやすくなります。
その辺を気にせずに遊ぶことも出来ますが、これらを考慮すれば戦闘が有利になり、パーティー編成も奥深くなりますね。
必殺技で SPARK を狙うことも可能です。
アイテムは「村」で作成するのですが、いくつかの生産施設の他に材料の収穫場所があり、一定時間ごとに山や森、川などから素材アイテムを回収できます。
戦闘で得られる「カルマ」で村の設備や収穫場所をアップグレードすることもでき、作成できる品物が増えたり、上位の素材を得られるようになります。
ソーシャルゲームですから村の拡張には課金が必要になりそうですが、このゲームの拡張やアイテム作成には課金要素はありません。
戦闘と収穫で得られた素材のみで回復薬や装備の作成を行うことができ、本来の RPG らしい形になっています。
課金通貨である「ダイヤ」は他のパズドラ系と同じく、有料ガチャやキャラクターの所持枠拡張、コンティニューや体力(スタミナ)の回復に使用します。
やはりソーシャルゲームなので、クエストを実行するごとに体力が消費され、それがなくなると一定時間待つかダイヤを使わなければ続行できず、この点の制限は存在します。
キャラクターを合成してレベルアップさせる点や、レベルを最大にして素材モンスターを集めると進化合成ができる点なども、既存のパズドラ系と変わりませんね。
※村の様子。 施設はゲームの進行に合わせて増えていき、強化していく事も出来ます。
収穫場所はキラキラ光っていて、連打することでアイテムの収穫を行えます。
それを使って薬や装備を作れるなど、ちゃんと RPG しているのが良いですね。
※パーティーの編成画面と合成画面。 こちらは既存のソーシャルゲームのままです。
合成素材が同じ属性なら得られる経験値は 1.5 倍で、これもパズドラと同じ。
ただし属性の優劣は 火→樹→雷→水→火 という形になっていて、パズドラとは違うので注意。
有利な属性ならダメージ50%アップ、苦手属性はダメージ半減です。
ダメージ2倍ではないため、他のパズドラ系より影響は低めですが、それでも受けるダメージにも影響するため属性は重要。
光と闇は互いに強い関係なので、闇のボスの攻撃を光属性が受けると一撃で倒される場合も。 ここは一概に「闇には光が良い」とは言えません。
※左は定期的に開催されている、経験値が高い素材を大量ゲット出来る「メタルパレード!」のシーン。
右は合成時にスキルレベル(BBレベル)がアップしたところで、同じタイプ(攻撃系、回復系、ステータスアップ系)のスキルを持つモンスターを強化合成すれば発生する場合があります。
メタルパレードを利用してレベルを一気にアップさせると、合成費用が高騰し、後から BB レベルを上げるのが辛くなります。
ただし BB レベルはだんだん上がり辛くなるので・・・ どういう育成計画を立てるかもポイントですね。
なお、進化すると BB レベルはリセットされるので、すぐ進化させる予定のキャラは BB レベルは重視しなくても構いません。
ソーシャルゲームではありますが、普通の RPG で「たたかう」を選択して対象を選ぶ手順を、キャラクターの枠をタップする形に変えているものと言え、簡略化されていることは確かですが、手軽でスピーディーになった RPG とも言えます。
ポチポチゲーや簡易カードバトルよりも選択できることが多く、普通の RPG らしさがあり、一方でサクサク進められる手軽さもあるので、ゲーマーでもソーシャルゲームユーザーでも楽しめる内容だと思います。
後はやはり、ビジュアルは重要だなぁと改めて感じますね。 ソーシャルゲームはショボいものが多いので。
最終的には有料ガチャのレアキャラがいないと辛くなるとは思いますが、当面は無課金でも普通に進められる印象です。
パズドラほど課金通貨(ダイヤ)が配布されている感じではありませんが、クエストの進行である程度は得られるので、無課金でも有料ガチャは可能です。
個人的に1つ心配なのは、冒頭で述べたようにこのゲームはグリーの下の下の会社で作られたものなので、グリーに飲み込まれる可能性が否定できないこと。
過去、iPhone ではいくつかの優秀なアプリがグリーに買収され、それによって大きく劣化し、実質的な終焉に追い込まれました。 そうならないか、やや気になりますね。
現時点では独自の運営が行われているようですが・・・ まあ、開幕でサーバーが死んでたのはそのせいもあるんだろうけど・・・
ともあれ、大きな話題になるだけのゲームだと思います。
ここに来てネイティブアプリ(スマホ専用アプリ)に行き詰まったグリーや DeNA(モバゲー)が「まだブラウザでも行ける! そっちに注力する!」と言い始めていますが、このゲームを見ると、すでに時代は変わっているのを改めて感じます。
・ブレイブフロンティア(iTunes が起動します)
最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式のプロモーションムービーです。