iOS では EA が販売していたアプリがすでに公開されていたのですが、その EA の権利切れ(?)に伴い、EA 版 R TYPE は削除され、新たに改修されたものが再公開されています。
アプリ名は「R-TYPE」で、旧バージョンは「R TYPE」だったので、「-」の有無で区別できます。
内容的には前と同じなのですが、iPhone 5 & Retina 対応、画面レイアウトの改修、操作性の調整、Game Center 対応などが行われています。
なお、EA 版も今作も、開発はフランスのレトロゲーム専門メーカー「DotEmu」で、その点は変わっていません。
版権の移行に伴い、自由に再販・修正できるようになったというところでしょうか。

画面をスライドして移動、画面右下にあるボタンでショットと「フォースの分離」を行います。
ショットは自動で連射されるため、ショットボタンは弾を撃つのではなく「波動砲(タメ撃ち)のチャージ」に使用します。
操作スタイルは EA 版の時とほぼ変わっていませんが、今作はボタンの位置を自由に変更できるようになっています。
移動は俗に言う「相対移動」で、画面のどこをスライドしても、その方向と速度で自機が動きます。
この影響で、オリジナルとは異なる高速移動が可能です。
仮想パッドによる操作に変更することも出来ますが、タッチ操作の方が良いですね。
パワーアップアイテムを取ると「フォース」と呼ばれるオプションが出現し、自機が触れると前後にくっつきます。
装着中は壁で反射するレーザーや、地を這うレーザーなどの特殊攻撃を発射し、さらに敵弾を防ぎ、後ろに装着すれば後方への攻撃も可能です。
フォースの分離ボタンで切り離せるので、状況に合わせて着脱するのが攻略のポイントになります。
どのステージにも特徴的なしかけがあり、加えて非常に難易度が高いのが R-TYPE の特徴です。
ハッキリ言って「パターン化」しないと攻略できない「パターンゲー」であり、自力で攻撃をかわすのではなく、何度も繰り返しながら攻略法を編み出していくゲームです。
しかしパターン化必須のゲームなのに、敵の動きや攻撃タイミングにランダム性があるため、同じパターンでも大丈夫な時とダメな時があり、それがさらに難易度を高めています。

※フォースを後ろに付けて後方を攻撃中。
どこからどう動いて、どこでフォースを付け替えるか、というパターンを作りながら攻略していく必要があります。
ただ敵が不意に弾を撃ってきたりするので、突発的な事故も多く、おまけに死んだら復帰困難なので、かなり難しいゲームです。
そして今作の変更点についてですが、まず iPhone 5 の画面サイズに対応しました。
ただ、iPhone 5 でフルサイズの画面にすると、画面が少し横に引き延ばされます。
一昔前のワイドテレビみたいな画像になりますね。
しかしオプションの「フルサイズ」をオフにすると、オリジナル通りの縮尺になり、さらに画面の周囲に外枠ができます。
この外枠が指置き場になって操作しやすくなるうえに、画面のサイズ自体は iPhone 4 や 4S のディスプレイサイズと大差ないので、iPhone 5 はフルサイズ:オフでのプレイをお勧めします。
Retina ディスプレイや iPad に対応したのも大きな変更点ですが、元々の解像度が高くないので、Retina 化はあまり影響ないかも。
iPad 対応は嬉しいですね。 iPad でプレイする場合は明らかに綺麗になっています。
そして個人的に重要な改善点だと思うのは、オープニングやボス戦の BGM のイントロがオリジナル通りになっていること。
このイントロがないおかげで EA 版はすごく違和感があったのですが、今作はそれが治りました。
やっぱりこのオープニングでないと、らしくありませんからね。

※ iPhone 5 でフルスクリーンをオフにした状態。 オリジナルの縮尺になり、画面左側に指置き場が現れ、プレイしやすくなります。
また、今回はボタンの位置を変えられるので、左上に配置して縦持ちでプレイするという手も・・・

※こちらは iPad でフルスクリーン OFF の状態。 上下にも外枠ができます。
画像は難関のステージ6ですが iOS 版は高速移動できるので、オリジナルでは不可能な攻略が可能で、そのぶん難度は下がっています。
が、ゲーム自体の難易度は上がっているため、ステージ7が超絶難関に・・・ いや、元から超絶だったけど・・・
ただ今作にも難点がいくつかあって、まず BGM の音質が悪い。
オリジナルはもっと深みがあったというか、高音がこんなに弱くなかったと思うのですが、何かノイズがかかったような、インパクトのない音になっている気がします。(特に1面の BGM)
あと、これを難点というのは違うかもしれませんが、難易度が前より高い。
EA 版は「ノーマル」の難易度がやや抑えられていたので、操作性に難があってもクリア出来たのですが、今回はオリジナルよりも難しい気が・・・
敵が速いし弾も多いし、これでノーマルなら正直「イージー」が欲しいなぁ、と言うのが本音です。
※アップデートで「イージー」が追加されました。
そして、これはアプリの難点ではないのですが・・・
そもそも R-TYPE というゲームは四方八方から敵が出て来て、画面全体を動き回らなければならないゲームなので、スマホやタブレットにはマッチしていません。
今作は操作性が調整されていて、例えば狭いすき間に入り込まないといけないステージ6でも、すき間で待機しやすくなってるし、指の置き直しが必要な回数も減っています。
明らかに EA 版よりはプレイしやすいです。
が、タッチパネルでは下や後ろから敵が出てくると指で隠れて視認できないことが多い訳で、それが当たり前のように起こるこのゲームは、操作性自体は悪い訳ではありませんが、遊びやすいとは言えません。
ここはもう、元々タッチパネル用のゲームではないのだから、仕方がないと言えますね。
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
価格は 170 円。 EA 版の頃より値下がりしました。
ゲーム自体は本家の R-TYPE そのままなので、それをこの値段でスマホやタブレットで楽しめるのは、かつてプレイした事がある人には嬉しいですね。
まともにクリア出来る難易度のゲームではありませんが、それが R-TYPE らしいとも言えます。
あくまで経験者向けのアプリで、「思い出補正」がないと辛いとは思いますが、懐かしみたい人や、伝説のシューティングを試してみたい人にはオススメです。
・R-TYPE (iTunes が起動します)