それは前年に発売されて好評を博した「レッツ!ゴルフ」の続編で、Retina ディスプレイの美しい画面にいち早く対応したアプリであり、遊びやすいゲーム性と相まって大ヒットとなりました。
さらに2011年8月、リアルタイムのオンライン対戦に対応した「レッツ!ゴルフ3」が登場。
追加課金制になってしまいましたが、手軽に遊べるオンライン対戦と更なる高クオリティー化によって、こちらもスポーツゲームとしては異例のヒット作となり、現在でもアップデートが続いています。
こういうヒット作が出てくると・・・
こういう言い方をするのも何ですが、その二番煎じを狙おうとするアプリが出てきます。
2012 年の夏以降、DeNA(モバゲー)、アエリア、AppBank、Com2uS、KLab などのメーカーが次々と 3D グラフィックのゴルフゲームを発売させてきました。
という訳で今回は、2012 年夏~2013 年夏にかけて連発された 3D ゴルフのアプリを、比較しながらまとめて紹介しようと思います。
どのゲームも基本料金は無料。
プレイごとにエネルギーが減っていき、なくなると時間経過か課金で回復しないとプレイ出来ない「フリーミアム」のアプリです。
(以下のタイトル名のリンクは iTunes が起動します)
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● フレッシュ・ゴルフ 青空いんぱくと
販売メーカーはアエリア。 発売日は2012年7月18日。 今回ご紹介する中では最先発。 タイプとしては「パンヤ系」。
古株ですが、iPhone 5s / 5c の発売に合わせて新コースを実装するなど、アップデートは継続中です。
キャラが可愛らしく、ゴルフギャルゲーという感じがありますが、一応男性キャラも用意されています。
グラフィックは悪くはありませんが、後発のものと比べると見劣りします。
外観は「スカッとゴルフ パンヤ」(PC のオンラインゴルフゲーム)に似た感じですね。
ショットの方法はオリジナルで、スライドバーを任意のパワーの位置まで下げた後、上にフリックして打ちます。
下げる際に指を左右にズラしておくとフックやスライスがかかります。
また矢印が左右に動いていて、これが中央の時に打てば真っ直ぐ飛びますが、横にズレているとその方向に着弾地点がズレます。
ショットする位置は、これは今回紹介するゴルフゲームのほとんどに共通しているのですが、上空から見下ろしたコースを直接タップして指定する事ができます。
シングルプレイはパー以上で次のホールに進める形式。
パンヤを踏襲しているからかオンライン機能が充実しており、多くのプレイヤーがいるホールに自分も参加するものと、他プレイヤーと対戦するものの2種類が用意されています。
特定のコースでのスコアを競うオフラインの大会もあり、稼いだゴールドや課金通貨で様々な衣装やクラブの購入などを行えます。
キャラが萌えキャラというのが最大の特徴でしょう。 衣装もそっち系のものが多くアバター重視の内容です。
このキャラが好きかどうかで、好みが分かれそうですね。
ゴルフ自体は操作が難しいこともなく、初心者でも手軽に楽しめます。
● 究極のゴルフ 〜ダンジョンズ & ゴルフ〜
販売メーカーは AppBank Games。 発売日は2012年12月3日。 タイプとしては「ゲーム」系?
このゲームは雰囲気がすごく「ゲームゲーム」していて、普通にゴルフがやりたいだけのプレイヤーだと間違いなく引きます。
ただ、グラフィックや演出、サウンドなどは今回紹介する中では NO.1 で、かなり気合いを入れて開発されているのが伺えます。
インターフェイスやコースの見た目、派手な演出など、全体のクオリティーは非常に高いですね。
ショットの方法は手前に引いてから指を離すという、スリングショット(パチンコ)のような感じです。
引いている時にコースを上空から見下ろした画面になり、着弾地点が正確に表示されるため、ショットミスすることはまずありません。
ただ、指を離した後で「本体を傾けて」ボールの中心にインパクト(打点)を合わせます。
これが中心からズレているとボールが曲がったりスピンがかかったりします。
狙った場所に打ちやすく、パットも容易なため、難易度はかなり低めです。
初心者でもバーディーを連発でき、上位レベルの人だとイーグルも容易に狙えます。
さらに打ち直しができたり飛距離が大きく上がったりする豊富なお助けアイテムがあるため、普通のゴルフではあり得ないスコアを狙えるのが特徴です。
豊富なオンライン機能もウリの1つで、地方大会や全国大会、特別イベントなどが数多く開催されており、同時にログインしているプレイヤーのボールの位置が画面に表示されたりもします。
ただ、いきなり女神やロボットのような騎士が出てきたり、マスコットキャラが飛び回るなど、見た目や雰囲気は完全に子供向け。
ユニークなお助けアイテムも強力すぎてマジメにゴルフがしたい人には微妙でしょうし、それらのアイテムが手に入るガチャや課金演出も満載で、全体的にゴチャゴチャ感が強いです。
表現し辛いのですが、グラフィックや演出は綺麗だけど、オシャレさが無いというか、グリー的雰囲気というか・・・ そんな感じですね。
この雰囲気を敬遠しない人なら、ゲーム的には良く出来ているので楽しめると思います。
最後に、iTunes レビューでも散々ツッ込まれてますが、ここでもツッ込んでおきたいと思います。
「ダンジョンなんかねぇよ」
● ゴルフスター
販売メーカーは Com2uS。 発売日は2013年4月11日。 タイプとしては「リアル系」。
こういう表現はヘンですが、ちゃんとゴルフです。
地味と言えば地味ですが、効果音やゴルファーの仕草がリアルで、実際にゴルフをやっている人にとっては、このアプリが一番合っているのではないでしょうか。
グラフィックは綺麗で、ややシンプルですが、十分に高いクオリティーだと言えます。
ただ今回取り上げたアプリの中では、コースの見た目はダンジョンズ&ゴルフやフライショットゴルフよりは下でしょうか。
ショットの方法は「任天堂のゴルフ」です。
画面をタップするとパワーゲージが貯まっていき、任意のパワーの時にタップすると今度はゲージが減っていき、ベストのタイミングで再度タップするとボールが飛んでいきます。
タイミングがズレているとボールが曲がってしまいます。
iPhone の他のゴルフゲームの多くはショット後に画面をフリックすることでスピンをかけられるのですが、このゲームは出来ません。
よってミスショットをスピンで後からリカバーすることは出来ません。
また、スピンはこのゲームでは「スキル」になっていて、レベルが高まらないと習得できません。
ステージクリア制の1人用モードがメインですが、オンライン対戦やネットワーク大会もあり、稼いだゴールドでウェアやクラブを買う要素もあります。
難易度は(他と比べると)高めで、慣れないうちはボギーを連発してしまうかもしれません。
しかし最近のゴルフゲームは初心者でも簡単にプレイ出来るものばかりなので、むしろこの少しやり応えのある難易度の方が、ゴルフらしくて良い気もしますね。
プレイ中の音は鳥のさえずりなどの環境音とギャラリーの歓声のみで、メニュー画面の BGM も落ち着いた感じです。
やや大人向けのゴルフゲームと言えるでしょうか。
● フライショットゴルフ
販売メーカーは KLab。 発売日は2013年5月13日。 今回紹介する中では最後発。
どちらかと言うとリアル系なのですが、「キャディモン」と呼ばれるお供モンスターがいて、必殺ショットなども存在します。
リアル系とゲーム系の中間と言えば聞こえは良いのですが、中途半端な印象も否めません。
Unity を使って開発されており、そのためかコースの凹凸などの 3D 表現がとてもリアルです。
上空から見下ろした画面にすると、この凹凸のおかげでコースの見栄えがしますね。
ただキャラクターのグラフィックや動き、演出などは弱く、この点についてはダンジョンズ&ゴルフやゴルフスターに劣ります。
ショットの方法はゴルフスターと同じく「任天堂のゴルフ」と同じ。
タップしてスイング開始 → パワーが貯まったらタップ → インパクトのタイミングでタップの3ボタン制ですね。
ただ、このゲームはショット後にボールをフリックすることでスピンをかけられるので、飛びすぎたと思っても後でバックスピンなどで調整できます。
このゲームの特徴は MP を消費して、飛距離を伸ばしたりスピンを強くかけたりできる「トリックショット」を発動させられること。
使えるトリックショットの種類はお供にしている「キャディモン」に応じて変わります。
ただ、それほど強力な訳ではなく、割と常識の範囲内の効果です。
オンラインはなくシングルプレイのみで、パー以上で次のホールに進める形式。
ウェアやクラブを購入する要素はありませんが、条件の達成や課金通貨で新しいキャディモンを取得できます。
正直、他と比べて物足りない印象が否めません。
決して悪くはないのですが、ゲーム要素が他より少なく、演出が地味で、キャラの動きもイマイチ。
突出した部分がなく、展開が淡々としていて、もうちょっとこう、何かで突き抜けておいて欲しかったのが本音。
Unity を使ったコースレイアウトで突き抜けているのかもしれませんが・・・ 伝わって来ないですね・・・
● THEゴルフ2
これはまあ、オマケ紹介みたいなものです。
販売メーカーは DeNA(モバゲー)。 発売日は2012年10月10日。
まずは画面を見て下さい。
はい、ありがとうございました。 また来週。
iOS / Android で「レッツ!ゴルフ3」が発売され、それから1年以上も経った後の発売なのに、この見た目で通用すると思ってしまう、それがモバゲークオリティー?
ちなみに開発メーカーは余命幾ばくもないインデックスで、DeNA+Index という時点でもう・・・
なお、2013年11月に運営終了予定です。
ちなみにグリーはスマホ用の 3D のゴルフゲームは公開していません。
一応ゴルフアプリは出しているのですが、Flick Golf を模倣したもので、ゴルフと言うよりは「打ちっ放し」のゲームです。
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という訳で、現在運営されている 3D グラフィックの主なゴルフゲーム。
「同じようなゴルフゲームばっかり出やがって!」とか思っていたのですが、やってみたらそれぞれタイプが違いました。
まあやっぱり、「劣化レッツ!ゴルフ」では対抗できない訳で、それぞれ異なる特色を用意していますね。
どれが良いかは人によると思いますので、「コレが一番いい」というのは言わないでおきます。
え? お前はどれか1つやるとしたらどれを選ぶのかって?
・・・レッツ!ゴルフ3かな・・・