iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2014/03

Knock-Knock

夜な夜な正体不明のモノに怯える、ある研究者の狂気の物語。
ジワジワ来るような恐怖を描いた、ロシア製のホラーゲームが iOS で発売されています。
Knock-Knock」です。

元は PC で発売されていたゲームで、ゾンビが襲ってきたり残酷な描写があったりする訳ではなく、雰囲気と不条理さで恐怖を感じさせるホラーです。
サウンドも効果的に使われていて、イヤホンを付けてプレイすることが推奨されていますが、これをイヤホン付きでプレイしたら気が狂いそうになる程ですね。

この手のゲームは日本語化されていない場合が多いのですが、このゲームは海外の秀作を日本向けに最適化している「架け橋ゲームズ」がローカライズを担当しており、メッセージは全て日本語化されていて、違和感のない文章になっています。
文字フォントも映画字幕のようなものが使われていて、とても雰囲気があって良いですね。

Knock-Knock

夜に目覚めた研究者を操作し、家の中を探索しながら、朝になるのを待ちます
家の中は最初真っ暗ですが、上か下にフリックすると電灯を点けて部屋を明るくすることが出来ます。
またハシゴはフリックで昇降できます。

探索中、研究者はやたらしゃべります
それは単なるつぶやきであったり、哲学的な話だったり、家のこと、自分の過去のこと、研究のことなど様々で、それをボソボソとした声で淡々と語るため、狂気や寂寥感を感じますね。

また、1人で家の中にいるのにやたら音が鳴るのも特徴で、ドアをドンドンとノックする音や扉が乱暴に開く音、誰かの足音や話し声、謎のラップ音など、様々なものが聞こえてきて恐怖を増幅させます。

ゲームが進むとゴーストのような存在が家の中を徘徊するようになり、これに触れると時間が巻き戻るか、その日の最初に戻されてしまいます。
ただゴーストは明るい場所には現れないため、部屋の電灯を点けて回ることが1つの防衛手段になります。
家具の中に隠れる事も出来ますが、隠れている間は時間が進みません。

たまに研究者が目を閉じる場合があり、この時に静止していると見えないものが見えて来るようになります。
それは大抵は部屋の家具なのですが、不思議な時計が出てきたり、ゴーストの位置を察知できる場合もあります。
時計はお助けアイテムで、タップすることで時間が一気に進みます。

無事に朝を迎えれば、その日は終了。
家の外を探索する場合もあり、この時は家に戻ればクリアとなります。

Knock-Knock
※部屋に入ったら、まず電灯を点ける。 そして研究者が目を閉じたら、そのまま静止していよう。 時間を進める時計が見つかることがある。
明かりがあれば一先ず安心だが、急に電灯が消えてゴーストが出てくる時もあるので過信は禁物。 あまり同じ場所に長時間いない方が良いだろう。


Knock-Knock
※ピンチ操作をすると屋敷の全景が表示される。
部屋の配置は毎日変わるため、始まったらすぐに確認しておこう。


Knock-Knock
※1日ごとに、屋敷の中の探索と、外の探索を繰り返す。 森の環境音がリアル。
外の探索は家に戻れば良いだけなので難しくはないが、後半になったら少し気を付けて進んだ方が良いだろう・・・


とにかく雰囲気が秀逸で、現実なのか夢なのか、起きているのか寝てるのか、その曖昧さが怖いサイコホラーです。
そして常に恐怖を感じる内容でありながらも、全体のクオリティーが高く、それを十分に「楽しむ」ことが出来ます

ただゲーム後半になると、ゴーストから逃げるのが難しくなり、何度も巻戻りを食らうことになります
ゴーストは急に出てきて、そのまま為す術なく捕まることが多く、見てからの回避は困難。
夜明け直前に明るい部屋で待機している時、いきなり電灯が消えてゴーストに連続で襲われ、一気に最初まで戻されたりするとウンザリしますね。

また、急に電灯が壊れて「その場に」ゴーストが出てきたとか、ドアを通ったら謎の廊下に出て、その先に進んだら最初に戻ったとか、よく解らない理由でエンドレス状態になることもあります。
雰囲気ゲーなんだから、もうちょっとラクに進めても、と思うこともありますね・・・

でもこのゲームの場合、この不条理さもゲームの構成の1つでしょうか。

Knock-Knock
※壁の向こうに謎のスキマが。 スキマに目があるのは最近のお約束。
この中に入ると謎の空間に出て、運が悪いと最初に戻されたりするが・・・ 入るかどうかは自由。
ただしドアを開けたら強制的にその空間に放り込まれることも。


Knock-Knock
※これがゴーストのような存在。 すぐに逃げれば逃げ切れることもあるが、大抵は「あっ」と思った瞬間に捕まってしまう。 暗がりから来るとほとんど見えない場合も多い。
「隠れんぼ」なので、見つかった時点でアウトということか。 明かりを点けつつ、相手の位置を推測しながら動くしかない。


価格は 500 円。 PC 版(Steam 版)は $9.99 なので、iOS 版の方がお得。
アクションやスプラッタの要素はないので、ホラーでありながら遊びやすい内容です。

このゲームは研究者のつぶやきが重要な要素のため、日本語化されているからこそ楽しめるゲームと言えますね。
「やっぱりこういうアドベンチャー系は、翻訳の有無と質がゲームの面白さに直結するなぁ」と改めて思います。

暗闇を手探りで進んでいく恐怖を味わえる独特なゲームで、人を選ぶ内容ですが、急にビックリさせるようなホラーではないし、個人的にはオススメです。

Knock-Knock (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

チャリ走3rd Race

ガラケーで大ヒットした、豆粒のように小さいチャリンコレーサーを走らせるショートゲーム「チャリ走」。
その最新作が iPhone / Android で登場しています。
チャリ走3rd Race」です。

チャリ走にはグラフィックが大幅にパワーアップした「チャリ走DX」というバージョンがありますが、ステージクリア制のモードがメインだった事と、従来とは全く違う見た目になったことから、ガラケーのチャリ走を好んでいた人からの評判は芳しくありませんでした。
(ちゃんとエンドレスモードもあったのですが、気付いてない人が多かった)

そのためか、今作は昔ながらのシンプルなチャリ走に戻っています
よってスマホのゲームとしては、さすがに見た目はショボイのですが・・・
簡単操作でテンポ良くプレイ出来るゲーム性はそのままですね。

なお、iTunes や Google Play の評価には★1が多いのですが、これは機種によってはボタンの反応が悪かったり、記録が消えてしまうなどの不具合が生じてしまうためのようです。
私が iPhone 5 や iPad Air でプレイした限りでは全く問題なかったのですが、機種依存のトラブルが多いようなので、その点にはご注意下さい。

チャリ走3rd Race

スタートするとチャリンコレーサーの鈴木さんが勝手に走り出すので、画面をタップしてジャンプします。
操作はこれだけの「ワンキーゲーム」で、空中で再度タップすることで2段ジャンプが可能
タイミングが良ければ3段以上のジャンプが出来ることもあります。

段差にぶつかったり、崖下に落ちたらゲームオーバー。
そうならないようひたすら走り続けるのみのゲームで、非常にシンプルですね。

難易度はかなり高く、慣れないうちは数秒で終わってしまいます。
慣れても一瞬のミスでゲームオーバーなので長距離を走るのは難しいのですが、すぐリトライ出来るので、思わず繰り返してしまいますね。

初代 / 2nd のチャリ走を踏襲しているため、画面上部には田中さんの実況が表示されていて、吊り橋やバネ、ライバルレーサーの佐藤さんなど、従来からあるしかけが登場します。

さらに今回は DX のようにアイテムが登場する場合があり、飛行できる竹とんぼ、高速ジャンプできる扇風機、洞窟を照らす懐中電灯などが出てきます。

チャリ走3rd Race
※左は竹とんぼ、右は懐中電灯を取ったシーン。 アイテムというか、特定の地形を通過するための一時的な変形といった感じ。
こういうのがあるとゲームにアクセントが付いて良いですね。
洞窟のシーンはちょっと難しすぎる気もするけど。


今作からの特徴は、道中に「ビー玉」が落ちていて取るとスコアが加算されること。
たくさん取れば走行点の倍率も上がります。
このため今作は進んだ距離ではなく、このスコアを競う形になっています。

また、ビー玉には大・中・小の3種類があり、大を4つ取れば家宝の巨大な「土鍋」が登場
この中に入るとゴロゴロ転がって無敵状態になり、スコアも大幅にアップします。
なぜビー玉で土鍋が出てくるのか、そもそもなぜ土鍋なのか、突っ込みどころは多々ありますが、とりあえずそういうものだと納得しておきましょう。

また、今回は「スタミナ制」になっていて、プレイごとにハートが減少し、なくなるとしばらく待たないとゲームを続行できなくなりますが、123006 点以上取るとハートが大きく回復します。

この 123006 点というのはビートボクサー(アカペラやボイパの類、口でリズムを演奏する人)の HIKAKIN さんの記録らしく(ホントはチガウ)、このゲームの BGM は彼が製作したものになっています。
「だぅゃーん う゛ぉんう゛ぉんう゛ぉんう゛ぉん う゛ぁう゛ぁう゛ぁう゛ぁ・・・」みたいな独特な BGM は非常にユニークで、見た目はこんなに簡素なのに、この妙な曲のおかげでそれほどショボさを感じません。

チャリ走3rd Race
※左が家宝の土鍋。 取るとゴロゴロ転がって、BGM も「無敵だよ♪ 無敵だよ♪」に変わります。
ただこれを呼び出すための「でか玉」は取り辛い所にあり、4つ集めるのは難しい。
当面はこれを見るのが目標になるでしょう。
右は HIKAKIN さんの記録が書かれたスタート画面。 越えればハートが回復します。


難点は、広告が表示されること。
無料アプリだから広告があるのは仕方ないかもしれませんが、バナー広告はともかく、ゲーム終了時にど真ん中に出てくる大きな広告はさすがに鬱陶しい
いかにも誤タップ狙いな感じがします。

また、前述したようにプレイごとにハートが減り、なくなるとプレイ出来なくなるのですが、今の時点では課金でハートを回復するような要素はないため、ハートの存在が疑問。
将来的に課金を導入する予定なのかもしれませんが、現時点では課金等に全く繋がっていないため、単なるイジワルでしかない

これはさすがにどうなんでしょうかね・・・
そもそもチャリ走ってテンポ良くリトライを繰り返せるのが良さだったと思うし・・・

チャリ走3rd Race
※左はプレイ終了後に出てくる大型広告。 冷静に「×」ボタンを押しましょう。
右はハートがなくなると出てくる修理屋の渡辺さん。
将来は課金を予定していて、その時に急にスタミナ制を導入したら反発は必至なので、そのための準備なのでしょうか・・・?


アプリ本体は無料。 課金も今のところはありません。
ただし冒頭で述べたように、現時点(2014/3)では機種依存のトラブルが存在するため、その点はご注意下さい。

昔ながらのチャリ走で、タップだけで手軽に楽しめるので、通勤通学のお供に最適だと思います
スタミナ制や広告など残念な点もありますが、タダで遊べるのですからあまり文句を言うのもおかしいでしょうし、ガラケーのチャリ走が好きだった方なら今作も楽しめるでしょう。

個人的には、チャリ走DX を見た後だと劣化先祖返りな印象を受けてしまうのですが、でもこのスタイルこそがチャリ走かなぁ、とも思いますね。

チャリ走3rd Race (iTunes が起動します)

聖剣伝説 RISE of MANA

スクウェアが当初は「FF 外伝」として公開した、ファンタジーアクション RPG シリーズ「聖剣伝説」
その最新作が iPhone で登場しています。
聖剣伝説 RISE of MANA」(通称、聖剣伝説 RoM)です。

「あの聖剣伝説に新作が」ということで「うぉぉー!」となり、「基本無料のソーシャルゲーム」ということで「ショボーン」となった、公開前から賛否入り交じるタイトルだったのですが、実際に公開されてみると・・・
やっぱり賛否両論ですね。

グラフィックや音楽は素晴らしく、アクションも聖剣伝説らしいのですが、やっぱりソシャゲはソシャゲ。
残念ながら「普通のアクション RPG にソシャゲ要素も付いている」のではなく、「あくまでソーシャルゲームがベース」といった感じです。
ただソーシャルゲームとしては、上位のゲームであることは間違いありません。

聖剣伝説 RISE of MANA

天空にある「マナの木」の上部に住む天使と、下部に住む悪魔が、戦闘中に誤って地上に落下。
二人は体を融合させ、協力して天空に戻る方法を探すというストーリーです。

ゲーム開始時に天使と悪魔の性別を選択可能で、どちらも可愛らしい、いかにも後期の聖剣伝説らしいキャラクターデザインになっています
サブキャラクターやモンスターも可愛く描かれていて、全体的にホノボノした、子供向けファンタジーといった雰囲気ですね。

戦闘はアクションゲームになっていて、フィールドの移動も実際にキャラクターを動かして行います
移動は画面をスライドして行う方法と、タップした地点に向かう方法の2種類があり、両方を併用できます。
操作性について iTunes レビューで批判している人も多いのですが、私は(少なくともフィールドの移動は)滑らかで快適と言って良いと思います。
(機種にもよるかもしれませんが。 当方は iPhone 5 でプレイ)

敵が出るとそのままアクション戦闘に移行、画面のどこかをタップして攻撃を行い、フリックで回避します。
敵がいる時はどこをタップしても攻撃になるので、移動したい時は指をスライドさせなければなりません。
敵をタップすると任意にターゲットを変更できますが、手動でターゲットしなくても自動で近くの敵を狙ってくれます。

右下には「交代ボタン」と「必殺技ボタン」があり、交代ボタンを押すと天使と悪魔が入れ替わります。
ダメージを受けると HP ゲージが短くなり、さらに一部が赤くなっていくのですが、ゲージの赤い部分は交代によって回復します
また、天使と悪魔では必殺技が異なり、交代時には無条件で必殺技が発動します。
ただし交代と必殺技は一定時間経たないと再使用できないので、連続で使いまくることは出来ません。

戦闘中には「魔ペット」と呼ばれるキャラも一緒に戦ってくれます。
聖剣伝説シリーズは自動で戦ってくれる味方キャラがいるのが特徴の1つですが、その味方をこの魔ペットが受け持っています。

聖剣伝説 RISE of MANA
※主人公の天使と悪魔。 天使長・悪魔長らしいが、見た目は子供。
子供っぽいデザインなのではなく、地上人から見るとお子様にしか見えないらしい。
自由に交代可能ですが、戦闘中は 12 秒の待機時間があります。


聖剣伝説 RISE of MANA
※砂漠で戦闘中。 画面下の HP ゲージの赤い部分は交代で回復可能。
ただ右下の一番押しやすい場所に交代ボタンがあるため、気を付けないと攻撃時に誤タップしやすいので注意。
「魔ペット」は自分のペットと助っ人のペットの2体がいて、強力な助っ人を参加させれば戦いはかなりラクになります。
必殺技は 8 秒ほどで再使用できるのでガンガン使いましょう。


基本的には、拠点となる「ミステの町」で情報を集め、「クエスト」を請け負い、ダンジョンに行ってザコやボスを倒すのを繰り返す形です。
会話時には天使だと建前、悪魔だと本音を聞くことができ、ちゃんと RPG らしいストーリーシーンが展開されます
ゲームが始まってしばらくは、買い切りソフトの聖剣伝説のような内容を楽しめますね。

しかし 30 分ほど経つと、よくあるソーシャルゲームモードに変わります
似たようなクエストを請け負い、同じダンジョンで、同じような戦闘を繰り返します。
戦う度に「行動力」が減って、なくなるとゲームを続行できなくなります。

クエストをクリアする度にアイテムを入手でき、それを合成して装備やペットのレベルを上げます。
もちろん上位の装備やペットを入手するには課金ガチャをしなければなりません。

クエストはストーリークエストと単なる探索クエストを交互に繰り返す形になりますが、途中からはストーリークエストも、本編とは直接関係ない「お使い」が増えてきます

武器は素早く攻撃できる、威力のある、遠距離攻撃できるの3種類があり、それぞれ攻撃アクションが異なります。
ボスはなかなか手強く、多彩な特殊攻撃を持っていて、外周を逃げ回りながら弓でチクチク HP を減らしていくようなテクニックを駆使する戦い方も可能です。
この辺は聖剣伝説らしいアクションバトルになってますね。

ただ、道中のザコは画面を連打しているだけで倒していくことができ、ほとんど操作しなくても OK だったりします。
もちろん武器やペットが弱ければ別ですが、ソーシャルゲームだからかそこまで難しくないし、SR の武器やペットがいたりするとますます簡単になります。
この辺のゲーム展開やバランスは、もう完全にソシャゲですね。

聖剣伝説 RISE of MANA
※ちゃんと町で会話をして情報を集めるところは RPG らしいです。
町や屋敷の中のグラフィックも綺麗で、暖かみのある聖剣らしい絵柄ですね。
まあ私は聖剣伝説といえば初代のイメージが強いので、鬱ゲーの印象もあるのですが・・・


聖剣伝説 RISE of MANA
※装備やペットは合成でレベルアップ。 キャラクター自身にはレベルはありません。
合成のシステムは既存のパズドラ系と大差ないのですが「進化合成」はレベル MAX になっていなくても行えるので、集められる素材はさっさと集めて進化した方が良いです。


スクエニが「聖剣伝説の最新作」と言うだけあって、グラフィックや音楽は素晴らしく、舞台設定もきちんと作られています。

しかし前述したように巷の意見は割れていて、「聖剣らしくて懐かしい」「ちゃんとアクションになっていて面白い」という意見がある反面、「しょせんはソシャゲ」「単なる簡易版」といった意見も多いです。
これは両方とも正しいと言えます。
私的には、思っていた以上にソシャゲ寄りだったので、そこが残念ですね。
あとボス戦以外の戦闘があまり面白くない・・・

そしてやっててずっと気にかかったのが、このゲームを続けて、エンディングまでちゃんと到達できるのかどうか、その保証が一切ないこと

買いきりのソフトだと、ゲームが進めば確実にストーリーが進展し、最終的にはエンディングまで必ず到達できます。 そして物語にケリが付き、「あー面白かった」で終わります。
当たり前ですね。

しかしこのゲームはちゃんとストーリーは展開するものの、ソーシャルゲームなので終わる保証がどこにもない。
どれだけプレイすれば、いつまでプレイすればエンディングになるのか解らない。
そこに(スムーズに)行くのにどれだけの課金が必要なのかも解らない。
そもそも今の時点でエンディングが存在しているのかどうかも解らない。 っていうかたぶん存在してない。

この長編ストーリーの RPG にソシャゲのシステムが入っている時の先の見えない不安感ウルティマフォーエバー の時にも感じたのですが、やはり今回も同様ですね。
メーカーとしては出来るだけ終わらない方が、さらに嫌らしい言い方をすれば、お金を延々と落とし続けてくれる方が、ソーシャルゲーム的には都合が良い訳ですから。

このゲームはあまり課金要素が強くなく、無課金でも進めていける印象なので、金銭面での不安は少ないのですが、「この物語を自分は最後まで見届けられるのだろうか?」という不安は誰しもが持つと思います。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



ソーシャルゲームですから本体は無料。 当然課金はあります。
課金通貨(精霊石)は1つ 100 円、6つ 500 円。 課金ガチャ1回で精霊石は5つ必要なので約 420 円

ただ、序盤はゲームの進行で精霊石を頻繁に貰えます。
またメインとなる装備は1つ、連れて行ける魔ペットも1体なので、双方とも強いのが1つあればそれで済みます。
強力な助っ人を入れれば強敵も何とかなるし、課金の必要性はあまり感じませんね。
初期のアイテムの所持枠が少ないので、その拡張は何度か行わなければなりませんが。

批判が大きいのは、スクエニがこれを「聖剣伝説 最新作!」と言ってしまったからだと思います
それでは従来のファンにとっては、残念な意味で「名作がソシャゲになっちゃったシリーズ」でしかない。

これから試してみる人は、面白いかどうかは別として、「聖剣伝説を元にした『ソーシャルゲーム』なんだ」と理解したうえで始めれば、ゲームシステムに納得がいくと思います。

長編ストーリーの RPG とソシャゲの相性については難しいところですね。
ソシャゲ的な時間稼ぎのおかげでストーリーに引っ張られるような魅力がない。
マジック&カノン はエンディングの存在を明言していますが、この場合はエンディングに到達したプレイヤーがそれ以上ゲームを続けるのかどうか疑問。
まあ物語があることは、物語性がほとんどない ドラクエモンスターズ スーパーライト より良いと思うけど。

聖剣伝説 RISE of MANA (iTunes が起動します)

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ

あの「ジョジョの奇妙な冒険」の第一部から第三部を題材にした、戦闘が「おはじき」になっているパズドラ型のソーシャルゲームが登場しています。
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ」(ジョジョSS)です。

バトルが「おはじき」のパズドラ系には、テレビ CM も行われている Mixi(ミクシィ)の モンスターストライク(iTunes 起動) もあり、実際に両者のゲームシステムは非常に似通っています
しかしこのゲームの特徴は、ゲーム内容よりもその演出。
もう、あまりにもジョジョなのです。 それはジョジョを知っている人なら感動するぐらいにジョジョです

グラフィックのレイアウト、擬音演出、アニメーションをふんだんに使った必殺技など、過剰とも言える演出はことごとくジョジョらしく、本編のストーリーを辿るシナリオシーンも多く盛り込まれています。

発売はバンダイナムコですが、開発はソーシャルゲームの老舗であるドリコム、さらに素材制作をサイバーコネクトツーが行っており、このドリコム&サイバーコネクトツーという組み合わせは フルボッコヒーローズ と同様です。
またサイバーコネクトツーは PS3 で発売されたジョジョゲー「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」の開発元なので、そちらの素材や経験も活用されていると思われます。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ

「メダルシューティングバトル」と題されていますが、要するにゲーム内容は前述したように「おはじき」です。
3人+助っ人1人の4人分のメダルが配置され、そのうちの1つを弾き飛ばし、敵のメダルにぶつけてダメージを与えます。

ダメージを与えられるのは直接飛ばしたメダルのみ
味方のメダルにぶつけてそれを敵に当てたり、跳ね飛ばした敵のメダルが他の味方に当たっても、ダメージを与えることは出来ません。
ただ、このゲームのメダルは結構重く、ぶつけたメダルを強く跳ね飛ばせるので、反射を計算してぶつければ連続でダメージを与えることも可能です。

そして飛ばした後に画面をタップすると、メダルの周囲に「スマッシュ」と呼ばれる攻撃が発生し、範囲内の敵すべてにダメージを与えられます。

ただスマッシュを発生させると、その時点でそのメダルの動きが止まります
スマッシュを発生させなければ長時間メダルが飛び続けるので、理想を言えば飛ばしたメダルが止まるギリギリで、かつ周囲に敵がいるタイミングでスマッシュを発生させるのが良いのですが・・・ 難しいですね。
でもだからこそ、そこにテクニックが必要になっています。

敵にトドメを刺すと原作を彷彿とさせる攻撃アニメーションが現れ、派手に相手を倒せます。
そして敵を倒した味方はもう1度攻撃することが出来ます。
攻撃が終了したメダルは、他のメダルを一通り使ってからでないと再使用出来ません。

敵にはカウンターが付いていて、こちらが攻撃するたびに1ずつ減っていき、0になると反撃してきます。
この反撃は、ちゃんとメダルを弾いて行ってきます
この手のソーシャルゲームの場合、カウンターが0になったら即座にダメージを受けるなど、敵の攻撃は簡易的なものになっている場合が多いのですが、このゲームはちゃんと相手もこちらと同じようにメダルを弾きます。

各キャラには「スキル」もあり、発動させると強力な範囲攻撃や、メダルの重さを変えるなどの特殊効果が発動します。
キャラによっては大きめのアニメカットインが入る場合もあり、波紋疾走やオラオララッシュ、クラッカーヴォレイなどの原作通りの必殺技が炸裂します。
また強敵には弱点が存在し、そこにぶつけることで大きなダメージを与えられます。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ
※左の画像はスマッシュを発動させたところ。 ぶつけてダメージを与え、同時にスマッシュも出せば連続攻撃になりますが、その時点でメダルは止まってしまう。
出来ればぶつけられるだけぶつけてからスマッシュしたいところですが・・・ そんなに簡単ではないですね。
右はポルナレフのトドメシーン。 敵を倒すたびに派手な討伐アニメが出るのがグッド。


ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ
※左は3部ジョセフ。 リーダースキルがあり、青と白の属性メダルを強化するッ。
「する」ではない。 「するッ」。
右はボス登場カットイン。 1つ1つのシーンがやたら凝ってますッ。


クエストをクリアすると様々なキャラクターを得られ、それを「合成」することで任意のキャラのレベルを上げられます。
この辺は既存のパズドラ系を踏襲していますが、このゲームは戦闘でも経験値を得られ、合成しなくてもパーティーメンバーのレベルを上げていけます

また、一番活躍したキャラは MVP となり、戦闘で得られる経験値が 1.5 倍になります。
そのため強力な助っ人キャラを参加させれば戦闘がラクになりますが、それにだけ頼っていると助っ人が MVP になってしまうため、自分のキャラの入手経験値は少なくなります。

進化合成に相当する「限界突破」もありますが、他のパズドラ系とは違いキャラクターが別の種類に変わる訳ではなく、キャラはそのままで限界レベルが上がり、新しいアビリティが身につきます。
レベルが最大でないと行えない、実行するには素材アイテムが必要になる、などの点は他のゲームの進化と同じです。

クエストは一般のものと、曜日クエスト/イベントクエスト(スペシャル)の他に、「ジョジョクロニクル」というシナリオクエストが存在します。
これは原作の物語に沿って展開していくもので、バトルの合間には原作漫画を彷彿とさせるストーリーシーンが挿入されます
単なる一枚絵ではなく、ちゃんとシーンごとの演出があり、原作ファンには嬉しいですね。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ
※左は「ジョジョクロニクル」第一部のワンシーン。 ガラケーで流行ったコマごとに演出が入る電子書籍マンガのような感じ。
先が読みたくなるので、クエストもどんどん進めたくなりますね。
右はガチャ。 回さずにはいられないッ!? 中央のテレビにはキャラ紹介のアニメが写されています。
こんなところまでアニメーションしているのがこのゲーム。


ソーシャルゲームなので本体は無料。 もちろん課金は存在します。
課金通貨のダイヤは1つ 100 円、6つ 500 円。 課金ガチャ1回に5つ必要なので、ガチャ1回が約 420 円です。

ただダイヤはゲームの進行でも相応に手に入るので、無課金でもある程度の課金ガチャは可能です。
課金通貨はキャラクターの所持枠拡大にも使いますが、最初から 50 枠もあるうえに、同じキャラクターは自動的に合成されるシステムのため、当面は所持枠拡大は必要ありません。

ゲームとしては「パズドラおはじき」なので、それほど特徴的なシステムではありません。
ただ、製作者のジョジョ愛が十分感じられる内容で、これだけ演出で押されると、ある意味圧倒されます
おかげでゲームも妙に楽しかったりするので・・・ やっぱり演出って大切ですね。
まあ、この演出も「ジョジョ」という特異な素材があってこそだと思います。

ゲーム自体はモンスターストライクとほぼ共通していますが、ジョジョファンならこちらを選ばざるを得ないでしょう。
私もソーシャルゲームをやってこんなにワクワクしたのは久しぶりです。
ジョジョを知っている人ならハートが震えて燃えられるアプリですね。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

First Strike

大量の核兵器が飛び交う最終戦争を描いた、背徳的なリアルタイムシミュレーションゲームが登場しています。
First Strike Game」です。

※アップデートによりアプリ名が「First Strike 1.3」に変わっています。
※2017 年末のアップデートで「First Strike: Final Hour」に代わり、日本語に対応しました。

3D で表現された地球とハイセンスなインターフェイス、そしてその上空を飛び交う無数の核ミサイルが大きなインパクトを持つゲームで、PV が公開されて以降、かなりの注目を集めていました。

ただ、ゲームとしては結構シンプルで、要するにミサイルの撃ち合いです。
戦略性はそれほど高くなく、テーマは重いですが、ゲーム内容は割とカジュアルですね。

開発したのはドイツのメーカーで、現時点(2014/3)では iPad 版しか公開されていないのでご注意下さい
※アップデートにより iPhone でもプレイ可能になっています。

First Strike Game

実行するコマンドは、主に以下の4つ。
核ミサイルの生産、技術の研究、他国への進攻、ミサイル発射。

軍事力や経済力といったパラメーターは一切なく、進攻を行えばライバル国以外の地域は何の抵抗もなく占領でき、現実では極貧国でも研究や生産は問題なく行えます。

支配地域では3種類の核ミサイルを生産できます。
飛んで来るミサイルの迎撃が可能な短射程の CRUISE(巡航ミサイル)、射程が長めの IRBM(中距離弾道ミサイル)、射程が非常に長い ICBM(大陸間弾道ミサイル)です。

ただし上位のミサイルを作るには研究が必要で、研究が進めば IRBM は拡散弾になり、ICBM はほぼ世界全域を射程に収めます。

ATTACK のボタンを押して他国を選択すると照準が現れ、収縮していきます。
完全に収縮してから再びタップすると核ミサイル発射!
上空を飛行していき、着弾すると閃光&キノコ雲が生じてその地域を壊滅させます。

ライバル国に核ミサイルを撃たれた時は、巡航ミサイルを配備している国を選択して DEFEND のボタンを押すことで迎撃可能です。
ただし巡航ミサイルには射程があり、遅すぎても迎撃できません。
研究を進めることで発射や着弾地点を早期に察知できるので、それを元に素早く対応していく必要があります。

ただし研究や進攻などをしている地域は、迎撃を行えません
また一度迎撃するとしばらく「クールダウン時間」となり、行動できなくなります。
全部の地域で何かの作業をしているとミサイルを撃たれた時に反応できないので、いくつかの地域は迎撃用に待機しておいた方が無難ですね。
研究が進めば自動迎撃も可能になります。

ゲームの目標は全てのライバル国の殲滅。
進攻して制圧する必要はなく、その国の支配エリアのほとんどを核兵器で壊滅させれば降伏します
もちろん進攻して占領しても良いのですが、ライバル国には直接攻め込めず、先に核兵器でその地域を破壊する必要があります。

First Strike Game
※コマンド一覧。 巡航ミサイルは迎撃ミサイルでもあるので各地域に配備しましょう。
実行できないボタンは出てこないので、迎撃しようとして迎撃ボタンがない時は、まだ対象のミサイルが射程に入っていません。
ミサイル装備枠は攻撃を受けると減少するため、その地域の耐久力の目安にもなります。


First Strike Game
※研究画面の詳細。 4つのカテゴリがあり、下のものから順番に研究していく必要があります。
最初に持っている技術の数は国によって違い、アメリカだと5つの研究が終わっている状態からスタートしますが、北朝鮮だと何も研究されていません。


最初に選択できる国はアメリカ、西ヨーロッパ、北朝鮮の3つだけ。
しかしゲームに勝利するか、特定の条件を満たすと新しい国が追加され(例えばアメリカで南米を制圧するとブラジルが追加される)、参加するライバル国の数も増えていきます。

状況を見ながら自分でミサイルの発射と迎撃を行っていく必要があるため、相応のアクション性があります
眺めているだけで進行するようなゲームではないので、大量のミサイルが飛び交う状況になると操作が忙しくなることもありますね。

美しい地球の上を無数の核ミサイルが飛来する様子はなかなか戦慄するものがあり、着弾した場所に大都市があると死者数も表示されます。
前評判通り、背徳的な雰囲気は十分です

なお、発射可能な核ミサイルを全弾撃ち込む「First Strike」というコマンドがあり、実行すると相手側も全弾発射で応酬、大量のミサイルが交錯する派手な展開になります。
演出上のウリと言え、ゲームの題名にもなっています。
ただゲーム的には、絶対反撃を受けるうえに単なるミサイルの無駄使いなので、使う必要は全くありません。

First Strike Game
※ヨーロッパでプレイ時、オーストラリアの反撃で東アジアが壊滅してしまったところ。
あまり戦線を広げるとあっちこっち狙われて対応できなくなってきます。
天下統一が目的ではなく、ライバルの土地を壊滅させれば勝ちなので、無理にここまで攻め込んでいく必要はありません・・・

First Strike Game
※で、First Strike で反撃、オーストラリア壊滅。 まあここまでする必要はないのですが。
First Strike は強い国に使うと反撃されて自分も痛い目に遭うので、派手にフィニッシュブローを決めたいとき用ですね。


グラフィックやサウンド、インターフェイスなどはハイレベルかつハイセンスです。
3D の地球もクルクルと滑らかに回転させられ、ピンチ操作でズームも自在です。

ただ、ゲーム的には・・・ ちょっとシンプルすぎる印象も。
ライバルが担当していない国はただ進攻するだけで占領できるので、簡単に領土を広げられすぎてリアリティーがないし、研究もすぐ進められます。
後はミサイルを作って撃って、進攻して・・・ その繰り返し。

リアルな戦略シミュレーションではなく、カジュアルな戦争ゲームなので、その辺は最初から割り切っている作りですが、日本人的には北朝鮮がただ進攻を繰り返すだけで、何の抵抗も受けずに韓国と中国と日本とシベリアを制圧していくゲームは、さすがに非現実感もあります。
終末核戦争ゲームとしては、もう少しリアルさも欲しかったですね。

First Strike Game
※偉大なる将軍様が東アジアを制圧して人民大歓喜ニダ。
でも何の苦労もなく、ただ進むだけでこうなるってのは・・・


価格は 400 円。 クオリティーを考えると妥当なところだと思います。
同じ背徳的 RTS の Plague Inc. と比べると、Plague Inc. が運営 SLG なのに対し、こちらはアクション SLG といった感じでしょうか。

ただ、Plague Inc. は難易度が高く、それでいて適度な時間で終わるので、思わずクリアできるまでやり続けてしまうと言うのがありますが、こちらは難易度の点で不十分。
もうちょっと何度もチャレンジする意欲の湧く手強さが欲しかった気もします。

※アップデートで AI が調整され、同時参加国の増加、ハードモードの追加などが行われています。
現在は当初よりコンピューターが強くなっているようです。


しかし話題性やインパクトは十分で、一見の価値のあるゲームだと思います。

First Strike Game (iTunes が起動します)


以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

Tank Battle: East Front 1941 / 1942

第二次世界大戦のドイツとソ連の戦いを描いた、戦車戦がテーマのターン制 戦術シミュレーションゲームが登場しています。
Tank Battle: East Front 1941」です。

※Tank battle: East Front 1942 も発売されました。 ただ、内容は同じなので一緒に扱います。

欧米にはターン制の戦術シミュレーションゲームは少なく、たまにあってもルールが独特だったりして日本人にはしっくり来ないものが多いのですが、このゲームはいわゆる「大戦略タイプ」のシステムであり、日本人でも取っ付きやすいものになっています。

この「Tank Battle」シリーズは 2012 年から毎年発売されていて、今作で3作目になります。
ただ 2012 年に発売された「Tank Battle: 1944」は移動後の攻撃ができないから待ち伏せが有利すぎるとか、日本語訳がダメすぎて雰囲気ぶち壊しとか、色々難点が多かったので当サイトでは取り上げませんでした。

しかし今回発売された「Tank Battle: East Front 1941」は完成度が上がっており、ユニットの種類も増えていて、アドバンスド大戦略風の戦術 SLG として十分楽しめるものになっています。

Tank Battle: East Front 1941 / North Africa

フィールドはヘックス(六角形のマス)で区切られています。
自分のターンに味方の全ユニットを1回ずつ動かす事ができ、必要なユニットをすべて動かしてターンを終了すると相手の番になります。
生産や補給はなく、用意された戦力だけで勝利条件の達成を目指します
ただ途中で援軍が訪れ、ユニットが増える場合もあります。

割とオーソドックスなシステムですが、「戦車戦」がテーマであるため、それに則した独自のルールもあります。
まず大きいのが、「射界」が存在すること。

戦車は森や丘、建物や他のユニットの向こう側には砲撃を行うことが出来ません。
攻撃する際には両者の間に邪魔なものがない所に移動する必要があります。
逆に森や建物、味方の後ろにユニットを配置することで、弱いユニットを守ることができます。
ただし野砲や迫撃砲などの曲射砲は、障害物ごしに撃つことが可能です。

また、ほとんどのユニットは移動すると攻撃力が減少するか、もしくは攻撃できません
砲塔が付いている戦車は移動後の攻撃が可能ですが、威力は半減します。
駆逐戦車(車体に直接主砲が付いてる戦車)や自走砲は、移動すると攻撃は不可能です。
ただしユニットによっても異なり、火炎放射戦車は移動後に攻撃しても影響はなく、歩兵もペナルティは 30 %しか受けません。

各ユニットには射程がありますが、距離によって威力が異なり、基本的には近いほどダメージが増します。
また攻撃力には非装甲攻撃力(Soft)対甲攻撃力(Armoured)があり、ユニットによって得手不得手があります。

さらに防御力は前面と側面・後方で異なります
重装甲の戦車も後ろに回って撃つことで、大きなダメージを与えられます。
またこのゲームのユニットは攻撃を受けると、1回だけそちらに向きを変えます。
よって右から攻撃し、そちらに相手を向けて、それから左に回り込んで後ろから撃つという戦略も可能です。

他にも索敵ルールや地形効果があり、丘の上に登ると視界が広がります。
森や土嚢は防御力が 25 %向上し、遠距離からの射界を狭め、地雷原はダメージを受け、鉄条網は乗り越えると移動できなくなります。
また歩兵は建物の中に入ることができ、耐久力が大幅に増します。
歩兵や野砲の中には輸送車が付属しているものもあり、そうしたユニットは車両移動状態に変形可能です。

こういうとすっごく細かい複雑なゲームに思えますが、ターン制のゲームで、各ユニットは耐久力制で、それぞれが1回だけ移動と行動を行うという標準的な大戦略型、ファミコンウォーズ型のゲームなので、行動力制のゲームよりは解りやすく、プレイしやすいですね

Tank Battle: East Front 1941 / North Africa
※画面右上の i ボタンを押すとコンバットアナライズという戦闘データを表示できるようになります。
上記の例だと、左の攻撃側は基本対人攻撃力 12、ベテランなので +20% アップ、よって攻撃力は 14.4、でも移動後の攻撃なので攻撃回数 -3。 黄色いメーターは1回あたりの攻撃命中率です。
基本の攻撃回数は耐久力と同じになります。
右の防御側は基本防御力 10、森にいるので +25%、合計防御力 12.5 ですね。


Tank Battle: East Front 1941 / North Africa
※ドイツの戦車「3号戦車J型」のステータス画面。
前面防御力は 19、側面・背面防御は 15。 攻撃力は1マス先は対人 14、対甲 20 ですが、2マス先は 10 と 14、3マス先だと 6 と 8 ですね。
さらに移動後の攻撃は攻撃回数が 50 %です。
Panzer(パンツァー)ではなく StuG と付いている戦車は駆逐戦車(突撃砲)です。 見た目で区別し辛いのですが、移動後の攻撃はできないので注意。


現時点(2014/3)で公開されているシナリオはチュートリアルと、ドイツ軍を操るシナリオ、ソ連軍を操るシナリオの3つ。
チュートリアルは7、それ以外は8ステージで構成されています。

ステージによって勝利条件が異なり、大抵は敵を全滅するか、旗が立っている「コントロールポイント」を占領および維持します。
ただし「戦力が 70 %を切ると負け」「条件を 16 ターン以内に達成する」「取ったコントロールポイントを失わない」などの条件が付いている場合もあります。

コントロールポイント(旗)はイベントの発生条件にもなっていて、これを取ることで援軍が現れたり、相手の援軍を遮断できたり、空軍を呼べたりします。
空軍は数ターンに1回使える特殊攻撃のようなものになっていて、任意の敵を爆撃して貰えますが、使えないステージの方が多いですね。

パッと見は 2D なのですが、ユニットはすべて 3D グラフィックで描かれており、車体が向きを変える時は滑らかに旋回し、攻撃時には砲塔が回ります
歩兵がやられるとその場に倒れ、戦車が走ると砂ぼこりが舞ってキャタピラの跡が付くなど、演出は結構細かいですね。
ただ、あまりズームすることは出来ないので、戦車の細かいディテールまでは確認できないし、パッと見で戦車の種類まで区別するのは困難ですが。

難易度はステージごとに CASUAL / STANDARD / HARD から選択でき、AI が異なります。
CASUAL は無謀に攻め込んできますが、HARD はあまり突っ込んで来ません。
HARD にしたからと言って相手の攻撃力がアップしたり、敵の数が増えたりすることはないようです。

なお、昨年発売されていた2作目「Tank Battle: North Africa」は北アフリカでのドイツとイギリスの砂漠戦が舞台になっています。
こちらもほぼ同じゲームシステムですが、コンバットアナライズがない、ステータス表示ボタンがないなど、ややインターフェイスに劣る点があります。
1作目「Tank Battle: 1944」は冒頭で述べたように明らかにチープなのでオススメしません。

Tank Battle: East Front 1941 / North Africa
※上の画像は2作目「North Africa」の画面。 ゲームシステムやグラフィックはこの2作目でほぼ完成されています。
下の画像は1作目「Tank Battle: 1944」のどうしてこうなった的な翻訳。 だいにじせかいたいせんのげーむでかんじがないのはさすがにつらいです。


価格は 200 円。 2作目と3作目、共に同じ値段です。
そんなにハイクオリティーなゲームではないのですが、スマホの戦術 SLG でここまで兵器の性能が細かく設定されているゲームはそうそうないし、それでいて割と遊びやすいので、シミュレーションファンなら見逃せないと思います。

やっぱりアドバンスド大戦略とかと比べると、長期的なユニットの育成や歴史の再現、兵器のコレクション要素などがないので、小粒な印象は否めませんが、まあこの値段ですしね。

決して万人向けのゲームではありませんが、ミリタリー系が好きな人にはオススメです。

Tank Battle: East Front 1941 (iTunes 起動、独ソ戦、3作目)
Tank Battle: East Front 1942 (iTunes 機動、追加シナリオ)

Tank Battle: North Africa (iTunes 起動、北アフリカ、2作目)
Tank Battle: North Africa Lite (2作目の体験版)

Smash Hit

クリスタルに鉄球を投げて粉々にしながら進んで行く、破壊の爽快感と美しさを持つゲームが iPhone / Android で大ヒットしています。
Smash Hit」です。

開発したのは Mediocre AB という2人だけの小メーカーで、ここは 2011 年に Sprinkle、2012 年に Granny Smith(iTunes 起動)、2013 年に Sprinkle Islands を公開しており、出すゲームがことごとく高い評価を受けているヒットメーカーです。

今回もやっていて純粋に「面白い」と思える作品で、スマホらしいスマートさとグラフィックも併せ持つ、見るからにヒットを確信できるアプリですね。

Smash Hit

3D グラフィックで描かれた空間を自動的にまっすぐ進んでいきます。
画面をタップするとそこに鉄球が投げられ、クリスタルの柱や壁に当たるとそれを粉々に破壊します。

物理シミュレートされた破壊表現は非常にリアルで、ちゃんと当たった場所に応じた壊れ方でオブジェクトが砕け、破片が飛び散ります。
ガラスが割れるようなガシャーンという音も爽快感があり、とにかく壊しているだけで楽しいゲームですね。

ボールは投げる度に残り数が減っていきますが、クリスタルの柱を破壊すると補充されます。
しかし無駄遣いしているとすぐ尽きるうえに、壁などにぶつかると一気に 10 個失ってしまいます。
邪魔な壁を最小限の投射で壊しながら進んで行く必要があります。

クリスタルの柱を逃さずに、かつダメージを受けないように壊していくと「マルチボール」になり、一度に投げられるボールの数が増えます。
最大5つまで増え、かなり破壊力が増しますが、1つでも柱を逃すと(もしくはダメージを受けると)1つに戻ります。

Smash Hit
※マルチタッチに対応していて、2本の指や3本の指でタッチすると、同時に2方向や3方向に投げられます。
1つずつ投げていたのでは対応し辛い場合も多いので、基本的に両手でプレイした方が良いでしょう。
なお、マルチボールになっても1回の投射で減るボールの数は1つです。


Smash Hit
※食らい判定は中央付近のみ。 ですから画面一杯に壁が迫ってくる場面でも、中央だけ破壊すれば通過することが可能です。
遠くにあるうちに破壊した方が良いオブジェクトと、近くまで引き付けてから破壊した方が良いオブジェクトがあるので、プレイしながらその辺りを把握しましょう。
壊さなくても良いオブジェクトも多いので、スルーできるものはスルーしましょう。


ステージが進むとハンマーのようなオブジェや、プロペラのように回転しているオブジェ、急に起き上がってくる壁などが登場します。
シンプルなゲームですが、ユニークで美しいオブジェクトがどんどん出てくるので、飽きの来ない展開が続きます
難易度も適度にシビアなので、緊張感のあるゲームを楽しめますね。

いわゆる「エンドレスラン」のゲームで、どこまで進めるかを競う内容ですが、ところどころにチェックポイントがあり、ゲームオーバー時に任意のポイントから再開することも可能です。
ただし無料版のうちはチェックポイントからの再開はできません。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は前述したように無料。 ただしチェックポイントからの再開やクラウドセーブに対応した完全版にするには 200 円の課金を行わなければなりません。
でもこの内容なら、課金する価値は十分にあると思います。

特に欠点のないゲームで、本体だけならタダなので、四の五の言わずに落としておくべきゲームでしょう
iTunes や Google Store のユーザー評価も非常に高いです。
Threes! と並ぶ今年前期の注目作で、題名通りのスマッシュヒットアプリですね。

Smash Hit (iTunes が起動します)

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