ファイナルファンタジーを題材にした、フリック文字入力で敵と戦うソーシャル RPG が登場しています。
「FINAL FANTASY WORLD WIDE WORDS(ファイナルファンタジー ワールド ワイド ワーズ)」です。
フリック入力の練習になるゲームで、iPhone 6 の発売でスマホユーザーが増えていると思われる今の時期には、ちょうど良いアプリですね。
正直、FF を名を冠している割には地味な印象がありますが、ゲームをやりながら練習できるのは便利です。
開発は北海道の「スマイルブーム」というメーカーです。
戦闘が始まると、敵の横に言葉が現れます。
これをフリック入力でタイプすると、入力時間に応じて S~D の評価が付き、それに応じた威力でメンバーが攻撃を行います。
時間の計測は入力し始めてからなので、じっくりワードを確認してからでも構いません。
入力をミスってもダメージを受けることはありません。
ただ、ミスなく入力する事で「コンボ」が貯まっていき、増えるほど攻撃力にボーナスが付きます。
このコンボボーナスは結構大きいので、早打ちだけでなく、正確さも心がけなければなりません。
入力を終えるごとに敵の「のこりターン数」が減っていき、0 になると攻撃してきます。
プレイヤー側の HP はメンバーの HP の合計で、つまりパズドラ方式ですね。
敵グループを全滅させれば勝利となり、経験値が入ります。
一応「合成」もありますが、敵がキャラクターや合成アイテムを落とさないので、メンバーのレベルは戦闘による経験値で少しずつ上げていきます。
ボス戦もあり、ギルガメッシュやオルトロスなどの FF シリーズおなじみのキャラが、原作に応じたセリフを出しながら攻撃を行ってきます。
会話も入力ワードになっており、味方のセリフで追加攻撃を行える場合もあります。
※オルトロスや魔道アーマー、ベヒーモスなどのおなじみのキャラが登場。
結構長文のセリフを喋ったりしますが、各キャラのセリフは入力ミスしてもコンボは途切れません。
右画像はボスの特殊攻撃。 時間内に入力しないと大ダメージを受けます。
たまに宝箱やチョコボが現れ、これらもワードを入力して入手します。
ただ宝箱は S ランク入力、チョコボは一定時間以内に入力を行わないと手に入りません。
アイテムを使えばこれらの条件を緩和できます。
宝箱からは「アイテム」や「アビリティ」、そして「デコ」と呼ばれる言葉が手に入ります。
チョコボは捕まえた後に牧場に送られますが、しばらく後に宝箱を掘り出していなくなるので、これも結果的には宝箱に変わります。
アビリティは「スラッシュ」や「ケアル」などの技や魔法で、大ダメージを与えたり回復したりできます。
「デコ」はキャラやアビリティに付ける修飾詞で、例えば「強い」というデコをバッツに付けると「強いバッツ」や「バッツ強い」になり、HP が増えます。
ケアルに付ければ「強いケアル」になって効果が 10 %増えます。
「祭り」とか「サムライ」とかユニークなデコもあって、ヘンテコな名前にできるのが面白いですね。
ゲームが進むと召還魔法も登場し、これにもデコの付属が可能です。
※アビリティにデコを付けると発動させる時に入力する文字数が増えてしまいますが、文字が多い方が威力は上がります。
ただしセリフと違い、アビリティの入力でミスるとコンボが途切れるので注意。
「応用ティーダ祭り」とか笑える名前にできるのが良いですw
キャラクターは THEATRHYTHM FINAL FANTASY でも使われていた、ちょっとオモチャっぽいユニークで親しみあるデザインで、全体的にセンスが良く、入力時の操作感も優れていて完成度は高いです。
ただ、私的には冒頭でも述べたように、地味な印象も拭えません。
それは見た目だけでなく、ゲームシステム的にも。
ステージごとに入手できるアイテムが設定されていますが、滅多に手に入らず、敵がアイテムをドロップする事もなく、宝箱やチョコボの出現率も高くありません。
キャラクターは課金ガチャでしか手に入りませんが、その種類も少なく、おまけに★1と★2がいますが、★1はアビリティを装備できない。
それでなくてもアビリティが少ないのに装備できるキャラも限られているからますます展開が地味。
加えて★1を★2にするには同じキャラが素材として必要なので、余計にガチャ必須。
もちろんスタミナ制で、尽きるとしばらく待たないと遊べなくなります。
スタミナ上限を増やす課金があるのはユニークですが、キャラ所持枠とチョコボ所持枠に加えてスタミナ上限の課金まであると、課金ゲー感も受けてしまいます。
フリック入力練習アプリとして見た場合も、段階的に難しくなっていく「トレーニング」のステージは用意されていますが、入力に関するレクチャーがある訳ではなく、キーガイドや正確率、時間表示がある訳でもないので、今一つな感があります。
まあスマホの「フリック練習+ゲーム」のアプリは、FLICK OF THE DEAD も ミクフリック も 北斗の拳 も、学習機能については乏しいのですが。
※左は「スペシャル」の中にあるトレーニングステージ。 ここはスタミナ関係なくプレイ出来ますが、経験値も入りません。
右は召還魔法の「デブチョコボ」。 かなり強力ですが、フリック入力に慣れてない人だと入手は当分先かも・・・
ソーシャルゲームなのでアプリ本体は無料。 もちろん課金はあり。
やっててゲームとして「すげーおもしれー!」って感じではないですが、しかしフリック入力の練習になることは確かで、長期的な育成要素もあるため、悪いアプリではありません。
何というか、面白い面白くないではなく、「良いアプリ」ですね。
ゲームとしては、かなり進まないとキャラのカスタマイズを満足に行えず、じっくり成長させてから進まないと攻撃力不足で敵をなかなか倒せないなど、バランスが甘い印象があります。
フリック入力練習アプリという性質を考え、一般向けにするためワザとシンプルにしているのかもしれませんが、ちょっともの足りない。 テンポも良くありません。
この辺はアップデートでの調整に期待でしょうか。
ともあれ、FF シリーズの経験者ならより楽しめますが、知らなくても遊べて役に立つ、人に勧めやすいアプリですね。
・FINAL FANTASY WORLD WIDE WORDS(iTunes が起動します)