iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2014/11

虫姫さま【究極バトル】

※このゲームは 2015年2月 に運営終了が発表され、3月31日で閉鎖しています。

ケイブの人気シューティングゲーム「虫姫さま」シリーズをベースにした、弾幕シューティング・ソーシャルゲームが公開されています。
虫姫さま【究極バトル】」です。

虫姫さまは iPhone でも「虫姫さま」「虫姫さま ふたり」「虫姫さまふたり ブラックレーベル」の3種類が発売されていますが、このゲームは「虫姫さま ふたり」をベースにしてゲームを作り直し、新キャラやガチャ、オンラインプレイなどを追加して、ソーシャルゲームに改変したものです。
ゲーム部分はちゃんと弾幕シューティングしていて、オリジナルを彷彿とさせますね。

ただし、詳しくは後述しますが、オリジナルと同等のクオリティは望まないで下さい。
このゲームはケイブ製ではなく、韓国のメーカー NHN Entertainment(LINE 株式会社の元となった NHN Japan ではなく、韓国本社の方)が虫姫さまのライセンスを借りて作ったアプリです。

また、ケイブは 2012 年にソーシャルゲームに傾倒して失敗し、ユーザーの支持を失って開発者も流出、現在はかつてのようなシューティングを作る力は無くしていると思われます。
そのためケイブ全盛期のアプリと比べると、見劣りするのが本音ですね。

虫姫さま 究極バトル

縦スクロールのシューティングゲームで、基本的には従来の「虫姫さま」と変わりません。
操作性は良好で、画面下には指置き場になるスペースがあり、指で画面が隠れることはありません。

ショットは自動で、ボタンで攻撃範囲の広い「ショット」と威力のある「レーザー」を切り替えます。
また、敵を倒すと得点アイテムの「琥珀」が出ますが、ショット時は空中の琥珀を、レーザー時は地上の琥珀を吸い込みます。
ただ、吸い込み範囲はかなり狭く、オリジナルのように敵を倒した瞬間に吸い込む訳でもありません。

オリジナルの「虫ふた」にはレコとパルムというキャラがいて、それぞれがキンイロというカブトムシと、ハイローというドラゴンに乗っていました。
また、カブタンやハイコンという名前のオプションが付いていましたが、今回はこれらの「キャラ」「オプション」「乗り物(甲獣)」に新しいものが加わっています。

そしてそれらがソーシャルゲームのガチャの要素になっていて、キャラが HP や威力などの基本性能、甲獣が攻撃パターンに影響します。
ガチャはスクラッチ形式で、同じキャラを入手するとレベルが上がります。

ガチャに必要な「」はプレイごとに貯まるゴールドで購入するか、プレイヤーのレベルアップボーナスで得ることができます。 もちろん課金ガチャ用の鍵には課金通貨が必要ですが。
ガチャが鍵と宝箱になっているのは、韓国のゲームらしいですね。
(韓国ではガチャが法律で禁止されているため、間に「鍵」を挟むことでその対策をしている)

虫姫さま 究極バトル
※ガチャは当選するアイテムが 16 個。 事前に提示されていて、当たったものは消えていく形式。
だから 16 回やれば必ず全部得られる事になります。
この辺も法対策なんでしょうか? ガチャがほぼ無制限の国って日本ぐらいですからね。


ゲーム自体は本当に「虫姫さま ふたり」の焼き直しで、プレイごとにステージ1から始まります。
ただ HP 制になっていて、残機はありません。

ソーシャルゲームなので難易度が大きく落とされているのではないかと思っていましたが、敵の弾幕はほぼそのまま再現されていて、弾の量、画面を埋め尽くす自機の攻撃、大量にバラまかれる得点アイテムには、ちゃんとケイブシューらしさがあります。

ただし冒頭でも述べたように「劣化版」であることは否めません。
動作フレームが大きく落とされていて、オリジナルと比べると動きがカクカク
敵キャラの絵のパターンも少なく、コマ送りのような敵も多いです。
琥珀のバラまき量も「ブラックレーベル」をやった後だとスカスカに見えますね。

単なる一枚絵になっている敵も多く、オリジナルの敵には生物らしい躍動感がありましたが、そうしたものはこちらでは感じられません。
性能が低めの Android 機種でも動くようにしているのかもしれませんが、見劣り感が酷い

「劣化している」というより「作り直して元のレベルに達しなかった」という感じなので、ケイブからプログラム的なものは提供されなかったのではないかと思います。

ソーシャルゲームとしても、ガチャで同じキャラを当てないとレベルアップしないので、パワーアップがなかなか出来ず面白味に欠けます。
キャラも多い訳ではないし、強くならないと攻撃力が足りなくてボスをなかなか倒せないので、ゲームのテンポも悪化
ソシャゲ用に作り直している訳でもなく、オリジナルに沿ったステージを1から繰り返すだけなので、それをソシャゲでやる意義をあまり感じません

オンラインの2人同時プレイが出来るのは大きな特徴で、通信ラグも感じず、この点はさすが NHN だと思えます。
しかし対戦形式になっていて、先に脱落した方が負けとなり、負けた人は何も得られません
それでいてスタミナだけは減り、しかもマッチングが適当で、いきなりレベル 30 の人と組み合わせられたりします。 これではやる気にならない。

また途中で落ちた場合も何も得られません。 途中からの再開もなし。 もちろんスタミナだけは減る。
1プレイが長いゲームなので、これは厳しいですね・・・

虫姫さま 究極バトル
※左はオンラインプレイの模様。 相方がレベル 30 の人なので勝ち負けは別として弾幕が凄いことに。
これでも(iPhone 6 Plus なら)処理落ちはなく、その辺は非常に良いんですけどね・・・
右はステージ1のボス。 静止画だと迫力ありますが、オリジナルの疾走感や躍動感は残念ながらありません。


正直、劣化再現であり、ソシャゲとしても中途半端なので、オリジナルと比べると利点は「基本無料」であることしかありません。
これに課金するんだったら「その金で 虫姫さまふたり ブラックレーベル を買え!」と声を大にして言いたいです。

LINE ゲームのシューティングなどで満足している人にとっては、これでも十分にハイクオリティに見えると思いますが、これで満足している人がオリジナルやブラックレーベルをやったら、クオリティの違いにビックリするのではないでしょうか?

とは言え、それでもちゃんと弾幕シューしているし、私的には「予想よりは良いかな」という印象です。
「ソシャゲ+シューティング」は無理にソシャゲのバランスにしようとして残念なことになっているものが多いし、韓国はシューティングゲームのレベルが低く、日本はもちろん台湾や中国にも劣ります。
ケイブもあんな状態で、その中で発表された「韓国製の虫姫さまのソシャゲ」だったので、私は全く期待していなかったのですが、そこまで遊べない訳ではありませんでした。

これで無料ゲームしかやらない層が弾幕シューに興味を持ってくれたら、それはそれで良いのかなぁ・・・
でも改めてになりますが、これに課金するんだったらオリジナルを買うのをお勧めします

・虫姫さま【究極バトル】(iTunes が起動します)(運営終了)

AC スマホゲーム関連ニュースβ(11/17)

18日追記)ドラクエV のスマホ版、近日配信決定(ファミ通 App)
(18日追記)FF シリーズ3作発表、既存作も記念セール(ファミ通 App)

スクエニが「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のスマホ版を近日配信することを発表。
さらにファイナルファンタジーの派生作品も2作公開しています。
すべて今冬に配信される予定で、これに合わせ既存の FF は18 日から4日間、ドラクエIV は 18 日から2週間、セールが行われます。
今回発表された FF 派生作は以下のタイトル。
クロノやサガ、FF4 などを担当した時田さんが手がける「ファイナルファンタジーレジェンズ 時空ノ水晶
ブレイブフロンティア+ファイナルファンタジーの「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス
また FF シリーズのポータルアプリも公開されます。

ただし FF 派生作はどちらも「本体無料+アイテム課金」なので、過剰な期待はしない方が良さそうです。
ドラクエ5 は「嫁選び」が話題だったゲームですが・・・ せっかくなので各プレイヤーの選択率とか集計して欲しいですね。
セール情報は文末をご覧下さい。


タイトー、今冬配信予定のスマホ用4タイトル発表(Game Watch)
怒涛の新作ラッシュにタイトーの本気を感じた!(ファミ通 App)

11月12日にタイトーが新作発表会を行い、以下の4つのスマホ用タイトルを公開しています。
アルカノイドとインベーダーがコラボした異色作 「アルカノイド VS スペースインベーダー(仮称)
ウィザードリィの世界観のローグライクゲーム「ウィズローグ - ラビリンス オブ ウィザードリィ
アイドルの成長を「みせびらかす」というゲーム「アイドルクロニクル
バブルボブルの世界観の半自動マッチ3ゲーム「バブルンマーチ

タイトーと言えばソシャゲ全盛になる前、スマホゲームを牽引していたメーカーだったので、そこが再び本気になったのは期待せざるを得ません。
発表会はタイトルよりも、それを発表してる人のコスプレや着ぐるみの方が目立ってますが・・・w
関連ページ:スペースインベーダー インフィニティジーン
関連ページ:ニューパズルボブル
関連ページ:アルカノイド


ハイスコアガール作者など計16人を書類送検(Gigazine 等)

以前にもお伝えした、スクエニの雑誌で連載中の漫画「ハイスコアガール」が無断で SNK キャラを使っているとして、SNK プレイモアがスクエニを刑事告訴した事件の続報。
スクエニはこの件で SNK プレイモアを著作権侵害の事実がないことを求めて逆提訴していたのですが、SNK プレイモアは徹底的に争う方針のようで、刑事告訴後の規定の流れとして書類送検に至ったようです。

聞いたところによると、SNK プレイモアには SNK 時代の社長さんが復帰しており、この方が結構な強気というか、強面というか・・・ 「あっち系」で知られた人のようです。
元 SNK の人も「あの人ならやりそう」と話されていて、だとすると円満な和解はないかもしれません・・・
関連記事:スマホ関連ニュース(10/9)
関連記事:スマホ関連ニュース(8/6)


SIM フリー版 iPhone 6 / 6 Plus が円安の営業で値上げ(ITmedia 等)

Apple Store で売られている SIM フリー版の iPhone が値上げされました。
円安の影響で、以下の様に変わっています。

iPhone 6(16GB):67800円 → 75800円(+8000円)
iPhone 6(64GB):79800円 → 87800円(+8000円)
iPhone 6(128GB):89800円 → 99800円(+10000円)

iPhone 6 Plus(16GB):79800円 → 87800円(+8000円)
iPhone 6 Plus(64GB):89800円 → 99800円(+10000円)
iPhone 6 Plus(128GB):99800円 → 111800円(+12000円)

iPhone 5s(16GB):57800円 → 64800円(+7000円)
iPhone 5s(64GB):62800円 → 70800円(+8000円)

あくまで Apple Store での販売価格であり、各携帯キャリアの本体価格はまだ変わっていません。
仕入れ値が上がるでしょうから、いずれ変わるかもしれませんが・・・
今のところ、各キャリアからの発表は特にありません。


ゲーム関連各社が決算発表(Social Game Info)

引き続き、各社が今期の決算(主に4月~9月)の業績を発表しています。
スクエニは DQMSL、FF レコードキーパー、スクスト の3つの売上げが良く好調。完全にスマホメイン。
バンダイナムコは ジョジョSS や ONE PIECE トレクル も堅調ですが、妖怪ウオッチのブレイクが大きく業績はぶっちぎり。
コナミはゲームよりもカジノ事業に力を入れていて、関連機器の販売などで業績を維持している模様。

ずっと下降線だった DeNA は FF レコードキーパーで久々に増収増益。 「これからは量より質でいく」とのこと。
Klab は スクフェス(ラブライブ)の好調で過去最高。 ただ Age of Empire のスマホ版は来年に延期され、相変わらずラブライブ頼みな状態。
コロプラも黒猫&白猫で絶好調。 自称「ねこ祭り」。
ミクシィもモンストの好調で当然のように大幅増益。
海外ですがゲームロフトは 1~9 月期で前年比2%減と、あまり変わらず。

なお、ブレイブフロンティアのヒットで好調の gumi が新規上場し、注目されています。
ただ gumi 自体はグリーやモバゲーの下で活動していた SAP ですし、ブレフロの開発は子会社のエイリムなので、スマホで次のヒットを出せるかどうかは未知数。 しかもここ最近は赤字。
関連記事:スマホ関連ニュース(11/1)(ガンホー、カプコン、セガ等)
関連レビュー:DQMSLFF レコードキーパージョジョSSONE PIECE トレクルラブライブ スクフェス黒猫のウィズ白猫プロジェクトモンストブレフロ


マレーシアで Angry Birds のテーマパークオープン(GameBusiness.jp)

マレーシアのショッピングセンター内に Angry Birds の室内テーマパークが作られた模様。
私は知らなかったのですが、Angry Birds のテーマパークはフィンランド、イギリス、アメリカ、中国にも存在しているようで、世界的にはまだまだ強いのが伺えますね。
関連レビュー:アングリーバード ステラ


ガンホー、アメリカのスマホゲーム運営&決済サービス会社買収(GameBusiness)
ガンホー、Cocos2d の提供元の株式を取得(Social Game Info)

ガンホーが次の手を打っている模様?
アメリカのスマホゲームのプラットフォームであり、決算代行サービスも運営している PlayPhone Social を買収、さらに SKULLS OF THE SHOGUN などを公開しているインディーズメーカー 17-BIT とも提携。
また、ゲームエンジン Cocos2d を提供している中国の会社 Chukong Holdings(チュコン)の株式も(若干ですが)取得しています。
Supercell の時のように、これですぐどうこうなる訳ではありませんが、更なる世界展開を視野に入れているようですね。
関連レビュー:SKULLS OF THE SHOGUN


任天堂、Miiを活用したスマホアプリを来年リリース(INSIDE games)

Wii や 3DS のアバター「Mii」を活用するスマホアプリを、任天堂が来年リリースすると発表しています。
かたくなにスマホへの参入を拒んでいた任天堂ですが、さすがに巷の声に押されたのか、ゲームではないながらも、アプリ開発に取り組む模様です。
これでどう変わっていくのか注目したいですね。


Firefox OS のスマホが au から発売(Nifty、共同通信)

「第三の OS」と呼ばれる Firefox のスマートフォンが 12 月に au から発売される模様。
Yahoo や Amazon も自称「第三のスマホ」を出してた気がしますが、こちらはホンモノ。
まだ iOS と Android には遠く及びませんが、世界シェアが着実に拡大している OS です。

ただ Firefox OS は格安スマホに向いた OS であり、主に南米や東南アジアで広まっている途上国向けのもの。
安価な携帯は日本にはガラケーがあるため、普及するとは思えません。
ただ低価格 Android スマホを仕方なく使っている層には、値段次第では入り込めるかも?


セール情報(11/17)

Dodo Master(100円→無料)
 グラフィックの美しいアクションゲーム。iPhone 版のみ無料に
Reckless Racing 3(500円→300円)
 Metal 対応記念セール。 2D の高クオリティレースゲーム
Infinity Blade III(700円→300円)
 インブレシリーズの完結編。最近セール常連
Waking Mars(500円→300円)
 おじさんが火星を探検。日本語化されています

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(1800円 → 1200円)
 ドラクエV 近日配信記念。ポータルアプリ内の課金の割引。12/1 まで。

※ FF シリーズ派生作 発売記念セール(18日~21日)

ファイナルファンタジー (900円 → 400円)
ファイナルファンタジーII (900円 → 400円)
ファイナルファンタジーIII (iPhone 1600円 / iPad 1700円 → 800円)
ファイナルファンタジーIV (1800円 → 900円)
ファイナルファンタジーIV ジ・アフターイヤーズ 月の帰還 (1800円 → 900 円)
ファイナルファンタジーV (1800円 → 900 円)
ファイナルファンタジーVI (1800円 → 1200 円)
ファイナルファンタジーレジェンズ 光と闇の戦士 (1700円 → 800 円)

Grey Cubes

ボールが当たったブロックが物理演算によって転がっていく、ユニークでクールなブロック崩しが公開されています。
Grey Cubes」です。

3D であることを利用した独特なしかけが多く、バラエティーに富んだステージが用意されています。
雰囲気とゲームのテンポも良いため、思わず没頭してしまうアプリですね。
価格も 200 円と、お手頃な値段です。 追加課金はありません。

Grey Cubes

画面をスライドしてバーを動かし、ボールを打ち返していきます。
ボールは反射しながら飛び回り、当たったブロックを破壊します。
全てのブロックを壊せばステージクリアの、一般的な「ブロック崩し」ですね。

ブロックを壊すとたまにアイテムが出現し、ボールの分裂やバーの延長、ブロック貫通などの効果が発生します。
周囲のブロックにダメージを与える放電など、ユニークな物もありますが、ほとんどはブロック崩し系でよく見る効果です。
バーが縮まったりボールの動きがヘンになるマイナスアイテムも存在しますが。

ゲームシステム自体はオーソドックスなのですが、最大の特徴は 3D と物理演算
最初は綺麗に整列しているブロックも、ボールが当たるとズレていき、そのうちグチャグチャになっていきます。
ブロックがナナメになるとボールの反射が変わり、勢い良くボールがぶつかるとブロックが吹っ飛んでいくこともあります。

また高さも存在し、下から柱が浮き上がってきたり、上からブロックが落とされてくるステージもあります。
ブロックが積み重なっている場合、下のブロックを壊すと上のブロックが転がり落ちます。
こういう動きが生じるブロック崩しはあまりないので、やっていて新鮮ですね。

ブロックが少なくなると、右下のマグネットボタンを使えるようになります。
これを押すとしばらくの間、ボールがブロックに引き寄せられます。
これにより「1つだけ残ったブロックにボールがなかなか当たらない」という状況を防げるため、割と短時間でステージをクリアしていくことが出来ます。

Grey Cubes
※ブロックがバラまいた積み木のように散らかっていくのがユニーク。
右のステージには上部にもバーがありますが、対戦モードではなく、両方自分で動かします。


ステージ数は 60。 中には巨大ブロックが現れる、ボス戦のようなステージもあります。
似たステージがほとんどないのがこのゲームの良い点です。

ボールを落とすとストックが1つ減り、全てなくなるとゲームオーバーですが、20000 点支払うことでボールを5つ貰うことが出来ます
もし2万点に満たなくてもボールを貰うことは出来るので、行き詰まることはありません。
ただスコアと引き替えにボールを貰うシステムなので、落としまくっているとハイスコアは望めません。

ステージ開始時にオートセーブされるので、スコアを減らしたくない場合はタイトル画面に戻り、そこから再開することも可能です。

やや難点だと思うのは、操作が相対移動ではないこと。
指を置いた場所にバーが移動する、やや古い操作スタイルなので、指が他の場所に触れてしまうとバーがすっ飛んでいきます
また右下にあるマグネットボタンを押す時にも右側にバーがすっ飛ぶので、すぐ位置を戻さなければなりません。

もう1つ気になるのは、画面が横スクロールすること。
バーの位置に合わせて画面が動くため、ボールが画面外に行きそうな時は追いかけなければなりません
見えないところでボールが思わぬ反射をし、いつの間にか落ちてたりすることもあり、そういう時はブロック崩しとしてどうなんだと思ってしまいます。

このゲームは縦向きでも横向きでもプレイ可能で、横に広いステージは横持ちにすれば全体が収まるのですが、縦型のステージは横向きだと表示が小さくなります。
しかしステージに合わせて持ち方を変えるのは、ちょっと煩わしく思えます。

Grey Cubes
※左は赤いキューブが小さなキューブに守られている、ボス戦ぽいステージ。
右の画像は右側に壁がなく、そちらにスクロールするステージですが、こういうステージは縦持ちだとやり辛くなります・・・


Grey Cubes
※横に広いステージは横持ちにすると全画面を視認可能。
持ち替えながらやるか、それでもスクロールさせながら縦でやるかは自由ですが・・・


ゲームの古典であるブロック崩しはスマホにも数多くありますが、このアプリはその中でも異彩を放っており、クオリティもトップクラスだと思います。
スマートな画面は見られてもあまり恥ずかしくなく、指一本でプレイ出来るので、外出時の暇つぶしにも向いていますね。

ルールも解りやすく、万人に勧められるゲームだと思います。

Grey Cubes(iTunes が起動します)

ネコアップDX

UFO がネコを吸い上げていく、かわいい見た目と深いゲーム性を両立したロングヒットアプリ「ネコアップ」に新バージョンが登場しました。
ネコアップDX」です。

ネコアップの1作目は緻密な計画が必要な奥深いゲーム性を持ち、2作目は逆にバンバン吸い込めまくる爽快感を重視した内容になっていました。
そして今作は、1作目のゲームバランスに戻っている印象です
つまりしっかりした攻略と慣れが必要な内容ですね。

私は1作目の骨太で奥深いバランスの方が好きだったので、2作目よりも今作の方が好みです。
骨太と言ってもゲーム自体はシンプルで、手軽に楽しめる内容
また、どのレベルでどのネコを吸い上げることが出来るのか、いま狙うべきネコはどれなのか解るようになっていて、難易度が上がっている反面、対策も取りやすくなっています
初心者でもゲームのコツを理解しやすくなってますね。

本体価格は無料ですが、プレイ後に広告や他のアプリの宣伝が入ります。
課金はありますが必須ではなく、広告で収益に繋げようという考えのようです。

ネコアップDX

画面を指でなぞると UFO が動き、真下に「吸い上げビーム」が放射されます。
これでネコをどんどん吸い上げていきますが、最初はビームが弱く、小さなネコしか吸い上げられません。

しかしネコを吸い上げ、ポイントを稼いでいくことでビームのレベルがアップし、徐々に大きなネコも吸い上げられるようになります

複数のネコをまとめて吸い上げるとコンボボーナスが付き、ポイントが「コンボ数 x 0.5」増加。
これによりレベルアップも速くなります。

時間制のゲームで、最初の持ち時間は 40 秒。
レベルアップごとに7秒追加される形式なので、どんどんポイントを稼いでレベルを上げることが、プレイ時間の延長にも繋がります。
時間がなくなったらゲーム終了ですね。

ビームのレベルがある程度上がると「茂み」を壊せるようになり、そこからアイテムが出現します
アイテムには「フィーバー(ネコが大量に出現)」「スリープ(ネコが眠って吸い上げやすくなる)」「ビーム(レベルアップ)」などがあり、同じアイテムをまとめて吸い上げると効果が強化されます。
どのアイテムをどの段階で、どういう風に使うかも攻略に大きく影響します

ネコアップDX
※コンボ重視で吸い込むのが長くプレイするコツ。
右はスリープで寝たネコをまとめて捕獲中。 特にトラ猫はスリープに弱いので、レベル 15 からはその使い方が重要になります。


今回からの新要素として、特定の条件で出現する「レアネコ」が追加されました。
「レベル5で出現するがすぐに逃げていく」「吸い込むのにレベル 10 必要だがレベル9になるとダッシュで逃げる」などのレアネコがいて、捕まえるのは困難ですが、吸い上げれば高いポイントを得られます

これを確保するには「レベル5になったら相手を追いかけつつ、急いで7まで上げる」などの攻略が必要で、今回の重要な要素になっています。
レアネコでなくても、「レベル 10 になるとレベル 11 が必要なネコが大量に横切っていく」といったしかけがあり、これに合わせた対応が必要です。

また「レベルが 14 以下で下部の茂みを破壊すると出現」といった、特定の行動を行わないと見つからないネコもいて、その発見と活用も攻略要素になってますね。

もう1つの重要な点は「図鑑」。
これまでに捕まえたネコのプロフィールを見るものですが、ここには吸い上げられるレベルが明記されています
これを見れば「まず茶色、次に黒を吸い込んで、それから灰色、白・・・」というような作戦を立てていくことが出来ます。
ネコアップはこれが非常に重要で、計画を立てやすくなったのは、着実にスコアが伸びていく一因にもなっていて良いですね。
もっとも、ネコがどこに出てどう動くかは解らないので、計画通りに行くとは限らない訳ですが・・・

アイテムの効果も、ネコの種類ごとにスリープが効きやすい・効きにくいといった違いがあり、「高レベルにならないと吸い込めないが、寝かせると容易に吸える」といったネコもいます。

ネコアップDX
※図鑑には吸い込めるレベルと、各ネコの出現条件が書いています。
プレイ後のリザルトの下部にも、その回で吸い込んだネコの一覧が表示されます。
これらを見て今後の作戦を練るのが、ネコアップDXのハイスコアの秘訣であり、楽しさでもありますね。


グラフィックや演出も強化されており、BGM も妙にアンニュイなボーカル入りの曲で、味があって良いですね。
ゲームオーバー時にたまに大きめの広告が出るのが気になりますが、動画広告はなく、広告を消す×ボタンも解りやすい位置にあります。

課金はコンティニューが出来る「キャンディ」を買うものですが、コンティニューするとスコアが 0 になるので「課金=ハイスコア」ということはありません。

チュートリアルに相当する「かんたん UFO」や、ハイスコアの指針になる「こうりゃく」のガイドページも用意されていて、ライトユーザーにも「ゲームを攻略していく楽しみ」知って貰おうとしているのが伺えます

2も悪くありませんでしたが、これこそネコアップの正当進化という印象です。
手軽に遊べて奥深く、プレイするほどスコアが伸びていく、この作者さんのアプリの特徴もそのまま。
すでに知名度もありますから、今まで以上のヒットになりそうですね。

ネコアップDX (iTunes が起動します)

パピーウィングス

「ギャラガ」のような固定画面シューティングですが、武器がブーメランになっている、テンポ良く楽しめて爽快感もあるゲームが公開されています。
パピーウィングス」です。

トレジャーサブマリン の作者さんの iOS アプリ2作目で、今作も個人作成でありながら、解りやすいルールと誰でも楽しめる内容、優れたサウンドと演出を持ちます。
内容としては、ギャラガ系の名作「コズモギャング・ザ・ビデオ」に似ていますね。

価格は 300 円で、価格分のクオリティーを持つゲームです。

パピーウィングス

画面下にあるスライドバーを左右に動かして移動し、タップで弾を撃ちます。 前後移動はありません。
操作性は良好で、スライドバーから指がずれていても反応してくれます。

ショットが自動ではないので連打する必要があり、撃っている時に動き辛く、そのため敵の攻撃はそんなに激しくないのですが、凡ミスしやすいのが良し悪しです。
ただ自分で連打した方が「撃っている」感があり、爽快感も増すので、私的にはこれで良いと思います。

各ステージはまず、敵が一列になって様々な軌道を描きながら飛び回るシーンになります。
この時はボーナスステージに近く、後半になると体当たりされる場面も出てきますが、基本的には敵を撃ちまくれるシーンですね。
要するにギャプラスというか、ギャラガのボーナスステージです。

その後、隊列を組んだ敵が現れ、飛来しながら攻撃をしかけてくるシーンになります。
殻に閉じこもって身を守るカタツムリや、体当たりするウサギ、レザーを撃つフクロウなど、敵の種類は豊富です

こちらのショットはブーメランであるため、撃った後に戻って来ます。
画面最上部までは届かないので、待機中の敵は下段しか倒せません。
また戻って来るまで次の発射が出来ず、しかも最初は2連射しか出来ないので、的確に当てて行く必要があります。

しかしエリアをクリアすればブーメランが追加され、3連射、4連射と発射数が増えていきます
後半はバリバリ撃てるので、爽快に連打できるようになりますね。
1つのエリアは 12 ステージで構成され、最後にボスも登場します。

パピーウィングス
※まずは「ギャラクティック・ダンシング」なシーンから。 ただし後半になると敵が激突する位置まで降りてくるので注意。
敵を倒すと宝石がバラバラ落ちますが、落ちる方向は弾を当てた場所に応じています。
左側に弾を当てて倒すと右側に飛び出すので、余裕がある時は当てる位置を考えましょう。


敵を倒すと宝石が落ちてきて、回収すると経験値が増加します。
一定値まで貯まるとレベルアップし、弾のサイズ・スピード・破壊力・飛距離のどれかを一段階アップさせることが出来ます。

どのパワーアップも効果がハッキリしていて、体感できる違いがありますが、パワーアップのペースは遅く、現時点では最終ステージまでクリアしても(よほど地道に経験値稼ぎをしない限り)各ステータスが MAX まで行くことはないでしょう。
よってどのパワーアップを選ぶかは結構重要です。

やられても(通常モードでは)特にペナルティはありません
そのステージの最初からになりますが、ミスとリトライを繰り返していれば、経験値はむしろ貯まっていきます。

クリアしたエリアは「スコアアタック」を選べるようになり、このモードでは被弾すると残機が減ります。
なくなったらゲームオーバーになる、普通のシューティングゲームのモードですね。
スコアアタックをクリア後は「タイムアタック」も選べるようになります。

パピーウィングス
※パワーアップは4種類。 どれも強いので、「配分を間違うと辛くなる」ということはないと思いますが・・・
破壊力を中心にしつつ、連射が速い人はスピードも優先するのが良いでしょうか。


やや気になったのは、ボス戦の「初見殺し」っぷりでしょうか。
事前に知っていないと絶対に回避できない攻撃を行ってきます。
そういう攻撃はシューティングには大なり小なりあるのですが、これはちょっと「限度があるだろ」と思ってしまうレベル。

後半ステージの冒頭シーンでも、後ろや横から敵が出てくる事があり、事前に覚えていないと回避不可能なパターンが続発します。
敵が出てくる前兆みたいなものも一切無し

まあ前述したようにやられてもすぐリトライ出来るし、一度見れば解るので、気合避けをしなくても対処できる分、シューティングが苦手な人でもパターン化で勝てるとも言えるのですが・・・

もう1つ気になったのは、スコアアタックやタイムアタックでパワーアップが出来ないこと。
これらのモードでもパワーアップの状態は引き継ぐのですが、スコアアタックでは宝石は得点アイテムになり、タイムアタックでは宝石自体が出てきません。

これではパワーが最大になるまで、これらのモードをやる気になれませんが、なかなかパワーアップ出来ないので、結果としてスコアアタックまで手が出ないのが現状。
GUN SPIRITS の無限チャレンジのように、これらのモードでも実入りがあるようにして欲しいですね。

パピーウィングス
※左はエリア1のボス。 レーザーの間に入らないとミス確定。
右はエリア2のボスで、左側から何の前触れもなく、いきなり噛み付いて来ます。 事前に知ってないと対処不能。
ボスは完全なパターン化で対応する形ですね。


全体としては、非常にテンポ良く遊べる、シューティングの楽しさを純粋に体験できるゲームです。
弾幕シューティングではないので「弾避けが苦手で・・・」という人にも勧められます。
買い切りゲームで、追加課金もありません。

今のところエンディングはなく、シューティングが得意な人だと短時間で終わってしまうと思いますが、繰り返し遊びたくなる楽しさがありますね。
私的にはかなりオススメできるゲームです。

パピーウィングス(iTunes が起動します)
パピーウィングス FREE(無料体験版。エリア1のみ)

モフーをふやそう

毛玉というか、茶色いマリモというか、丸いタワシというか・・・
そんなヘンな生き物をタップで増やし、上へ上へと昇っていく、奇妙な増殖パズルゲームが公開されています。
モフーをふやそう」です。

「ネコアップ」の作者さんのゲームで、結構前に公開されていたアプリなのですが、先日たまたま目に付いて試してみたところ面白かったので、今回ご紹介しておこうと思います。
物理シミュレートを利用したパズルゲームで、ネコアップこねこあっぷ と同じく、プレイするほど記録が伸びていく、シンプルながら奥深いゲーム性を持ちます

価格は無料で、本来はフルバージョンにするのに 100 円の課金が必要だったようですが、現在は課金しなくてもフルバージョンになるようです。

モフーをふやそう

丸くて茶色のモフーをタップすると、エネルギーが1つ減って3つに分裂します
繰り返していれば通路はどんどんモフーで埋まっていきます。
エネルギーが尽きるまでにどこまで進めるか(どこまで通路をモフーで埋め尽くせるか)を競うゲームですね。

モフーは後ろに引いて離すことで弾き飛ばすことも出来ますが、これにもエネルギーを1つ使います。

たまに通路上に赤いモフーが出てきます。
これはタップで分裂させることは出来ませんが、赤いモフー同士をくっつけると爆発のようなものが生じ、周囲のモフーが一斉に分裂します
これを使えば一気に距離(というより体積)を稼ぐことができます。

E と書かれたクッキーのようなものも配置されていて、取るとエネルギーが増えます。
ただ、クッキーや赤いモフーがガラス玉に包まれている場合があり、この時はガラス玉同士をぶつけて割らなければ利用できません

ゲームモードは3つ用意されていて、コースはランダムではありません。
2つ目のコースでは弾くと勢いよく飛んでいき、ガラス玉も破壊できる緑のモフーが登場します。
3つ目のコースではタップで巨大化する黒いモフーが現れます。

モフーをふやそう
※内側がナットのようになっているガラス玉は固定されているので、緑のモフーを弾き飛ばしてぶつけないと破壊できません。 問題は、どれから破壊するか・・・
右は巨大化する黒モフー。 爆発に巻き込んでも大きくなります。


後のコースほど難易度は高いので、とりあえず1つ目のコースで★5評価を目指しましょう。
そう簡単ではありませんが、取得した評価が高くなるほど、エネルギーの初期値が増えてゲームが少しラクになります

コツは赤いモフーでいかに多くの分裂を発生させるか。
周囲を茶色のモフーで埋め尽くしてから爆発させると大量の分裂を発生させられますが、完全に埋まってしまうと赤いモフー同士をくっつけるのが困難になります。

爆発に他の赤いモフーを巻き込むと連鎖が発生するので、それを狙えそうな時は赤いモフーをうまく運んで行くことも必要になりますね。

モフーをふやそう
※茶色のモフーで埋め尽くされている中で爆発が発生しているシーン。
こういう状況になれば一気にモフーが増加します。
また連鎖中は爆発範囲が広がるので、うまく狙っていきましょう。
赤いモフーが3つ以上連なっている場合は、1つ目や2つ目を連鎖する場所まで運んで行けないか考えてみましょう。


物理シミュレートのパズルなのでモフーが思わぬ方向に転がる場合もあり、運の要素も強いのですが、ちゃんと考えてモフーを分裂させないと高記録は望めません。

短時間で手軽に楽しめ、それでいて難しいので、ついハマってしまいます
この作者さんらしい、高度に調整されたゲームバランスも相変わらずですね。

知名度が低く、Youtube の PV も(11/12 時点で)再生数 11 回という悲しいことになってたりするのですが、隠れた秀作だと思います。

モフーをふやそう(iTunes が起動します)


Battle Worlds: Kronos

「ファミコンウォーズのような往年のターンベース・ストラテジー(大戦略型 SLG)を、現代のプレイヤーにも提供したい」というコンセプトで作られた、ヘビー級のシミュレーションゲームが公開されています。
Battle Worlds: Kronos」です。

ユーザーから開発資金を募る Kickstarter で目標額を達成、2013 年の 11 月にパソコン(Steam)版が発売されていたゲームで、先日 iPad にも移植されました。
ただ、現時点では iPhone 版はないのでご注意下さい
開発したのはドイツのメーカーで、価格は 2000 円
iOS アプリとしてはかなり高めですが、Steam 版と同額です。

良くも悪くもヘビー級のゲームで、1ステージあたり2~3時間、後半はもっとかかります。
難易度も高く、「現代のプレイヤーにも提供」とか言ってる割には初心者を叩き返すような難度で、システムも複雑です。
「真の挑戦的なターン制 SLG」を目指しているゲームなので、そのつもりで挑みましょう。
ただ SLG 好きにとっては、良い具合に歯応えを感じる、楽しめる難易度でもありますね。

Battle Worlds: Kronos

マップがヘックス(六角形)で区切られた、大戦略やファミコンウォーズのような戦術シミュレーションです。
ただ独自ルールが多いため、日本の一般的な大戦略タイプとはかなり異なります

まず目に付くのが、ユニットに付いている2つのアイコン。
矢印マーク、照準マーク、星マークの3種類があるのですが、これは各ユニットが1ターンに行える行動を表しています。

Battle Worlds: Kronos

矢印は移動、照準は攻撃で、矢印と照準のマークが1つずつあるなら、そのユニットは移動して攻撃、もしくは攻撃して移動できる訳ですね。
矢印が2つある場合は攻撃は出来ませんが、1ターンに2回移動できます。

星マークは移動も攻撃も行えるマークです。
よって星マークが2つあれば、移動を2回行っても良いし、移動して攻撃することも出来るし、敵が射程内なら2回連続攻撃も可能です。
矢印と星のマークなら、移動を1回、もう一回は自由です。

このシステムのため、装甲のないユニットでも高機動を行かし、偵察や強襲を行えます。
特に星マーク2つで射程2を持つ攻撃バギーは、かなり使い勝手が良いですね。

ZOC(敵の隣に移動すると動けなくなるルール)はちょっと特殊で、ユニットによって影響力が異なります。
例えば歩兵ロボットは ZOC の影響をあまり受けず、自身の持つ影響力も少なめです。
偵察車(Explorer)は敵の ZOC をほぼ無視しますが、相手には ZOC の影響を与えます。
影響を受ける状況では、移動力を大きく消費します。

索敵ルールもあり、視界外の敵は視認できません。 また視界は地形の影響を受けます。
偵察車は広い視界を持ち、占領すると周囲を見渡せるレーダー施設も存在します。

そして厄介なのが、ユニットが破壊されたマスには1ターン残骸(Wreck)が残り、移動の妨げになること。
戦車だと踏み潰して行けるのですが、他のユニットはその上を通過することが出来ません。
うまく使えば敵の移動を阻めますが、邪魔になることの方が多いですね。

また戦闘ごとに経験値が貯まり、5になるとレベルアップしてスキルを習得できます
どんなスキルを覚えられるかはユニットによって違いますが、攻撃されても必ずこちらから先制する、撃った場所を残骸地形に変えるといった、ユニークなものもあります。

Battle Worlds: Kronos
※海戦もあります。 ホバー輸送船は砂浜から上陸可能。
普通の輸送船は港に入らないと荷下ろし出来ません。
輸送船への搭載は、港の正面に船を停泊させ、そこに載せたいユニットを港から発進させます。
ステージが進めば航空ユニットも登場し、装甲車は対空機銃も兼ねます。


Battle Worlds: Kronos
※スキル習得画面。 まずは上の段のどちらかを選びます。
さらにレベルが上がると、最初に選んだスキルの下のものを選択できるようになります。
スキルを習得せずに、Heal(回復)を選ぶこともできます。


もう1つの特徴的なシステムは「資材」。
基地や工場にはユニットを格納でき、そこで資材を使って修理を行えるのですが、資材は自然には生み出されません
よって基地にある分を使い切ったら回復は不可能に。

では基地は使い捨てなのかというと、そう言うことはなく、他の基地の余っている資材を輸送車で運搬できます
これが非常に重要で、輸送を平行して行わないと前線での回復が限られます。

資材は工場での生産にも必要なので、ユニットを増やしたかったら資材を運んでこなければなりません。
ただ基本的にこのゲームは、生産はあまり行えず、初期配置のユニットでクリアを目指すスタイルです。
解る人にしか解らない説明ですが、「ファミコンウォーズ」と言うより「ネクタリス」ですね。

基地や工場は歩兵ロボット(Infantry Bot)で占領しますが、その際に中に格納されている兵器を鹵獲できるのもネクタリスっぽいです。

輸送車は弾薬なども運ぶことができ、他のユニットも搭載できます。 重戦車やロケット砲なども積めてしまいます。
そして迫撃砲やロケットランチャーなどの一部の砲撃兵器には残弾数があり、その補給も搭載してから弾薬を配分する形で行います

他にも特徴的なルールが多く、歩兵は地雷を設置可能、迫撃砲は攻撃モードに変形しないと攻撃できない、マップ上に補給物資や弾薬があって取ると回復する、反撃は1回のみ、各ステージで1回援軍を呼べる、などがあります。

Battle Worlds: Kronos
※格納庫画面。 矢印の部分をタップして資材や弾薬の配分を行います。
もちろん基地や輸送車が物資を持ってないとダメなので、忘れずに積んでおきましょう。


Battle Worlds: Kronos
※何もないマスをタップして書類アイコンを選び、下にある「Reinforcements」のボタンを押すと、大型輸送船が飛んで来て援軍を投下してくれます。
ただ、これを使わずにクリアした方が評価は上がります。


3D で描かれていたパソコン版とは違い、グラフィックは 2D になっています。
ストーリーシーンもオープニング以外は紙芝居になっていますが、タブレットのゲームとしてはグラフィックのクオリティーは高く、十分見栄えがしますね

ただ、やってて気になる点も多いです。
まず、操作ミスしやすく、アンドゥ(やり直し)もないこと
2回動けるユニットが多いため、1回目を動かした後にそのまま終わりにしたい時や、他のユニットを動かしたい時は、一旦何もない場所をタップして選択を解除しなければなりません。
しかし1回しか移動できないユニットにはこの手順がないので、その影響で間違いやすい。
そして間違ってもやり直しが利かない。

また、敵ユニットをタップしても移動範囲が表示されません。 攻撃範囲しか解らない。
加えて敵ユニットの耐久力を常に表示させることが出来ません。
味方は下部にある表示切り替えボタンで常に表示させられますが、敵にはその切り替えがない。
大戦略型の SLG としては、インターフェイスが今一歩という感じがあります

そして何より、1ステージが広すぎて、時間がかかり過ぎる
アドバンスド大戦略とか、もっと広くて時間のかかるゲームはいくらでもありますが、でも今時、昔の大戦略のフルサイズマップぐらいあると言うのはどうなのかなと思ってしまいます。
まあ「往年のターン制 SLG の復活」というコンセプトを考えると、これで正しいのかもしれませんが。

あと、これはゲームの難点という訳ではありませんが、日本人にとって辛いのは、やはり英文
特徴的なゲームシステムが多いので、メッセージが英語だと解り辛い。
またゲーム中に会話シーンが出てくるのですが、かなり長文なので理解し辛い。

特に会話の中に作戦に関する内容が含まれていることがあり、例えばステージ2は港に向かうのが目的で、その後に反転して反撃、ステージ3は南から迂回することを進言されます。
ところがこの辺の攻略に関わるメッセージが長い英文の中に含まれてるので、後でそれが解って困るということも起こり得ます。

Battle Worlds: Kronos
※会話シーン。 選択肢がたくさん。
選択で展開が変わることはないのですが、文章は相応に長いです。 そして・・・


Battle Worlds: Kronos
※ステージ3のワンシーン。 実は会話で南の森を抜けて進むように言われるのですが、それに気付かず普通に道なりに進んでしまうと、敵の援軍が「無限に」出てくるこの港に行き着いてしまう。
一度見ればどうすれば良いのか解りますが、プレイ時間が長いのでやり直しも辛い。
セーブは小まめにした方が良いですね。


全体としては、確かに本格的でチャレンジングなターン制 SLG になっていると言えます。
敵の守りがしっかりしているうえに生産が効かないので、むやみに突っ込むと敗北は必至。
またこちらの長射程ユニットの攻撃範囲を避けて動くなど、AI もしっかりしています

ただそれだけに、難易度が高くて時間もかかるので、人には進め辛いゲームです。
インターフェイスや演出を考えても、Great Big War Game と比べるとランクが劣るのは否めません。

ただ「タブレットでもっと本格的な SLG がやりたい」「じっくり長くプレイし続けられるシミュレーションが欲しい」と思っている方には、オススメできるゲームです。
なんだかんだ言って、私も好きなタイプのゲームですし、デキは良いので思わずやってしまいます。
良くも悪くもこのジャンルの玄人向けですね。

Battle Worlds: Kronos(iTunes 起動、iPad 2 以降専用)
Battle Worlds: Kronos Free(無料体験版)

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