1匹の蜘蛛になり、廃屋となった屋敷を彷徨いながら様々な虫を補食していく、シックな雰囲気と軽快な動きが特徴の iPhone 初期の名作「Spider: The Secret of Bryce Manor」。
数々の表彰を受けたこの作品に、6年の時を経て続編が登場しました。
「Spider: Rite of the Shrouded Moon」です。
この作品、評価は賛否両論です。
前作は背景で屋敷の主人の生涯がそれとなく語られており、それが深みのある雰囲気を作り出していたのですが、ゲーム自体は他の虫を捕らえてスコアを稼ぎ、ステージをクリアしていくシンプルなものでした。
しかし今作は「謎解き」の方がメインになっている、アドベンチャーゲームのようなシステムになっています。
当面はゲームの進行に謎解きは必須ではなく、従来通りスコアを稼いでステージをクリアしていけば良いのですが、いかにも謎に満ちている雰囲気と演出が、プレイヤーを「シンプルに楽しむ」気にさせてくれません。
やや人を選ぶ作品になってしまった印象がありますね・・・
しかし哀愁の漂う独特な雰囲気、操作しているだけでも楽しい蜘蛛の俊敏な動きなどは、今回も健在です。
価格は 600 円。 買い切りゲームなので課金や広告はありません。



画面の左右を押しっぱなしにすると、地形に沿って移動します。
主人公は蜘蛛なので、壁も天井も張り付いて移動することが出来ます。
画面をフリックすると、その方向にシュバッとジャンプします。
その動きは非常に機敏で、連続でフリックすることで所狭しと飛び回ることが可能です。
この素早い動きがゲームの面白さの大きなポイントですね。
そして蜘蛛自身をタップすると、少し屈んで糸を出す体制を取り、その状態でジャンプすると着地地点まで糸が引かれます。
この糸で空間を囲うと、そこに「蜘蛛の巣」が張られます。
蜘蛛自身をタップという操作があるため、画面の大きな iPad より、iPhone の方が操作しやすいです。
ステージ内には蚊やハエ、蛾や蝶など、様々な虫がいます。
これらが蜘蛛の巣に引っかかると、そこで動けなくなります。
蜘蛛は巣の上を自由に移動でき、引っかかった虫を補食できます。
これによりスコアがアップし、糸の残り数も増加します。
地面に着地せず、連続で補食していくことでスコア倍率がアップ。
スコアが一定値を超えるとマップ内のどこかに「ポータル」が現れ、そこに入るとステージクリアとなります。
得点効率が悪い場合、すべての虫を補食してもポータルが現れない事もあります。 この時はやり直すしかありませんね。
糸はライフも兼ねていて、糸がなくなった状態で一定時間が経つと死んでしまいます。
また、赤くて凶暴なアリやハチに触れてしまうとダメージを受け、この時も糸が減ってしまいます。
これらの敵は相手の攻撃を回避した後、隙を見せている時に飛びかかることで倒すことが出来ます。
他にも飛びかかってひるませないと巣にかからない虫や、大きな巣を作らないと倒せない虫もいます。

※こんな風に巣と巣を繋げることも出来る。 床や壁に触れずに補食していけば得点倍率が上がるので、出来るだけ巣を作って、たくさんの虫を引っかけ、それからまとめて捕獲していきましょう。
得点の高い虫は後で取った方が良いです。

※今回はこんな風に真上から見下ろしたステージもあります。
巣は張れませんが、このシーンに出て来るアリは触れるだけで捕まえられます。
そして今作の大きな特徴は、前述したように「謎解き」があること。
例えば順番にスイッチを押して、扉を開くといったしかけが隠されています。
今回の屋敷はいかにも怪しい雰囲気に満ちていて、様々なシンボルや何かのメモ、意味ありげな絵などがあちこちで見られます。
それらを発見してステージをクリアすると、「ミステリー」や「クルー(手がかり)」としてアルバムに記録されていきます。
これらが蓄積されていくため、プレイヤーは嫌が応にも「謎を解かなければ」という気にさせられます。
この謎を解いていくには、各ステージを行ったり来たりしなければなりません。
そのため今作は、ステージクリアすると次のステージがアンロックされますが、すぐに移動するのではなく、一旦マップ画面に戻ります。
手がかりを一覧でチェックできるため、それを見れば謎の解き方はだいたい見当が付きますが・・・
隠し部屋を見つけないと手に入らない手がかりや、解りにくい謎もあります。
まずは各ステージを一通り見て回るのが先決ですね。
また、今作には GPS 機能と連動し、プレイヤーのいる場所の時間と天候をゲームに反映させるシステムがあります。 そしてこれは謎解きにも関わっています。
時間と天気を変えて遊ぶことも出来るので、「夜になるまでゲームが進まない」みたいなことはありませんが、時間と天候を変えるマシンは一度使うとしばらく再使用できません。

※これがマップ画面。 行ける場所はゲームの進行に応じて増えていきます。
最初はあまり謎解きを考えず、どんどんクリアしていくのを優先した方が良いでしょう。

※ミステリーと Clues(手がかり)の画面。 それがどのステージにあるのかも確認できます。
まずは手がかりを集めないと謎も解けませんね。
器や戸棚の中、ボトルシップの中など、怪しそうな場所は一通りチェックしましょう。

※最初の謎、オルガンの中のスイッチ。 これは難しくはないですが、若干の音楽知識が必要なので、解らない人はいきなり詰まるかも・・・ 学校の授業で習う程度の知識ですが。
音階の「ドレミファソラシド」は、アルファベットでは「CDEFGABC」です。

※この文字盤の謎はステージを往復しないと解けない。 針の位置は実際の時間と連動していますが、位置はどこにあっても OK で、必要なのはその時に何を指しているかです。
ガーゴイルの像があるステージには記号の書かれたスイッチボックスがあり、ガーゴイルの上部にはレバーもあります。
ガーゴイルが作動したら、この文字盤に戻ってきましょう。
前作はゲーム自体はシンプルで、屋敷の主人の生涯は、あくまで背景で語られるだけのものでした。
でも、それが良かったというのもあります。
謎がここまで前面に出て来てしまうと「めんどくさい」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
海外でも「パズル(アドベンチャーゲーム)になり過ぎてて楽しめない」という意見が多いですね。
システムも複雑化しているため、謎解きはゲームがある程度進んでからでも良かったように思います。
ただ、謎をいくつか解き明かすと、謎解きも面白くなってきますし、あちこちにちりばめられた手がかりを見て回るのも楽しくなってきます。
ゲームのタイプとしては「アクション脱出ゲーム」と言えるかもしれません。
普通にアクションゲームとしても楽しめるのですが、そう思ってプレイし始めた方が、違和感はないかもしれませんね。
全体としては「大人のゲーム」で、完成度や作り込みは流石と言うほかありません。
「虫イヤァァー」な人には勧められませんが、シックな雰囲気のゲームが好きな人には良いアプリです。
・Spider: Rite of the Shrouded Moon(iTunes が起動します)
数々の表彰を受けたこの作品に、6年の時を経て続編が登場しました。
「Spider: Rite of the Shrouded Moon」です。
この作品、評価は賛否両論です。
前作は背景で屋敷の主人の生涯がそれとなく語られており、それが深みのある雰囲気を作り出していたのですが、ゲーム自体は他の虫を捕らえてスコアを稼ぎ、ステージをクリアしていくシンプルなものでした。
しかし今作は「謎解き」の方がメインになっている、アドベンチャーゲームのようなシステムになっています。
当面はゲームの進行に謎解きは必須ではなく、従来通りスコアを稼いでステージをクリアしていけば良いのですが、いかにも謎に満ちている雰囲気と演出が、プレイヤーを「シンプルに楽しむ」気にさせてくれません。
やや人を選ぶ作品になってしまった印象がありますね・・・
しかし哀愁の漂う独特な雰囲気、操作しているだけでも楽しい蜘蛛の俊敏な動きなどは、今回も健在です。
価格は 600 円。 買い切りゲームなので課金や広告はありません。



画面の左右を押しっぱなしにすると、地形に沿って移動します。
主人公は蜘蛛なので、壁も天井も張り付いて移動することが出来ます。
画面をフリックすると、その方向にシュバッとジャンプします。
その動きは非常に機敏で、連続でフリックすることで所狭しと飛び回ることが可能です。
この素早い動きがゲームの面白さの大きなポイントですね。
そして蜘蛛自身をタップすると、少し屈んで糸を出す体制を取り、その状態でジャンプすると着地地点まで糸が引かれます。
この糸で空間を囲うと、そこに「蜘蛛の巣」が張られます。
蜘蛛自身をタップという操作があるため、画面の大きな iPad より、iPhone の方が操作しやすいです。
ステージ内には蚊やハエ、蛾や蝶など、様々な虫がいます。
これらが蜘蛛の巣に引っかかると、そこで動けなくなります。
蜘蛛は巣の上を自由に移動でき、引っかかった虫を補食できます。
これによりスコアがアップし、糸の残り数も増加します。
地面に着地せず、連続で補食していくことでスコア倍率がアップ。
スコアが一定値を超えるとマップ内のどこかに「ポータル」が現れ、そこに入るとステージクリアとなります。
得点効率が悪い場合、すべての虫を補食してもポータルが現れない事もあります。 この時はやり直すしかありませんね。
糸はライフも兼ねていて、糸がなくなった状態で一定時間が経つと死んでしまいます。
また、赤くて凶暴なアリやハチに触れてしまうとダメージを受け、この時も糸が減ってしまいます。
これらの敵は相手の攻撃を回避した後、隙を見せている時に飛びかかることで倒すことが出来ます。
他にも飛びかかってひるませないと巣にかからない虫や、大きな巣を作らないと倒せない虫もいます。

※こんな風に巣と巣を繋げることも出来る。 床や壁に触れずに補食していけば得点倍率が上がるので、出来るだけ巣を作って、たくさんの虫を引っかけ、それからまとめて捕獲していきましょう。
得点の高い虫は後で取った方が良いです。

※今回はこんな風に真上から見下ろしたステージもあります。
巣は張れませんが、このシーンに出て来るアリは触れるだけで捕まえられます。
そして今作の大きな特徴は、前述したように「謎解き」があること。
例えば順番にスイッチを押して、扉を開くといったしかけが隠されています。
今回の屋敷はいかにも怪しい雰囲気に満ちていて、様々なシンボルや何かのメモ、意味ありげな絵などがあちこちで見られます。
それらを発見してステージをクリアすると、「ミステリー」や「クルー(手がかり)」としてアルバムに記録されていきます。
これらが蓄積されていくため、プレイヤーは嫌が応にも「謎を解かなければ」という気にさせられます。
この謎を解いていくには、各ステージを行ったり来たりしなければなりません。
そのため今作は、ステージクリアすると次のステージがアンロックされますが、すぐに移動するのではなく、一旦マップ画面に戻ります。
手がかりを一覧でチェックできるため、それを見れば謎の解き方はだいたい見当が付きますが・・・
隠し部屋を見つけないと手に入らない手がかりや、解りにくい謎もあります。
まずは各ステージを一通り見て回るのが先決ですね。
また、今作には GPS 機能と連動し、プレイヤーのいる場所の時間と天候をゲームに反映させるシステムがあります。 そしてこれは謎解きにも関わっています。
時間と天気を変えて遊ぶことも出来るので、「夜になるまでゲームが進まない」みたいなことはありませんが、時間と天候を変えるマシンは一度使うとしばらく再使用できません。

※これがマップ画面。 行ける場所はゲームの進行に応じて増えていきます。
最初はあまり謎解きを考えず、どんどんクリアしていくのを優先した方が良いでしょう。

※ミステリーと Clues(手がかり)の画面。 それがどのステージにあるのかも確認できます。
まずは手がかりを集めないと謎も解けませんね。
器や戸棚の中、ボトルシップの中など、怪しそうな場所は一通りチェックしましょう。

※最初の謎、オルガンの中のスイッチ。 これは難しくはないですが、若干の音楽知識が必要なので、解らない人はいきなり詰まるかも・・・ 学校の授業で習う程度の知識ですが。
音階の「ドレミファソラシド」は、アルファベットでは「CDEFGABC」です。

※この文字盤の謎はステージを往復しないと解けない。 針の位置は実際の時間と連動していますが、位置はどこにあっても OK で、必要なのはその時に何を指しているかです。
ガーゴイルの像があるステージには記号の書かれたスイッチボックスがあり、ガーゴイルの上部にはレバーもあります。
ガーゴイルが作動したら、この文字盤に戻ってきましょう。
前作はゲーム自体はシンプルで、屋敷の主人の生涯は、あくまで背景で語られるだけのものでした。
でも、それが良かったというのもあります。
謎がここまで前面に出て来てしまうと「めんどくさい」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
海外でも「パズル(アドベンチャーゲーム)になり過ぎてて楽しめない」という意見が多いですね。
システムも複雑化しているため、謎解きはゲームがある程度進んでからでも良かったように思います。
ただ、謎をいくつか解き明かすと、謎解きも面白くなってきますし、あちこちにちりばめられた手がかりを見て回るのも楽しくなってきます。
ゲームのタイプとしては「アクション脱出ゲーム」と言えるかもしれません。
普通にアクションゲームとしても楽しめるのですが、そう思ってプレイし始めた方が、違和感はないかもしれませんね。
全体としては「大人のゲーム」で、完成度や作り込みは流石と言うほかありません。
「虫イヤァァー」な人には勧められませんが、シックな雰囲気のゲームが好きな人には良いアプリです。
・Spider: Rite of the Shrouded Moon(iTunes が起動します)