iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

2015/10

ネオモンスターズ

ドラゴンアイランドBLUE」や「ハンターアイランド」の後継作。
モンスターを捕獲してパーティーに加えながら、ライバルを打倒して上位の「モンスタートレーナー」を目指す、遊びやすいシステムの長編 RPG が登場しています。
ネオモンスターズ」です。

このシリーズはメーカー製のゲームでありながら、同人ソフトのような「手作り感」、悪く言うと「チープさ」や「B級感」があるのですが、ユーザーライクな「遊びやすさ」と「作り込み」も備えており、「パッと見はイマイチだけど、やってみるとすごくハマれる」という内容なのが特徴です。

今作もそうした特徴を踏襲しているのですが、さすがに3作目なのでグラフィックや演出は今までより強化されていますね。
ゲーム展開も変化していて、大会に出場してライバルと競い、上位のリーグを目指すのが目標。
今までより解りやすい展開になっています

価格は 120 円で、課金ガチャはありますが、必須という訳ではありません。
メインモードにスタミナは無く、没頭して遊び続けられる RPG です。

ネオモンスターズ

ネオモンスターズ

ドラゴンアイランド やハンターアイランドは広いフィールドを巡りながら、モンスターを仲間にしていくのが中心でした。
しかし今回はライバルのモンスタートレーナーと戦う「モンスターリーグ」と呼ばれる大会がゲームの中心にあり、フィールドはそのための「予選」という扱いになっています。

フィールドはそれほど広くない島になっていて、移動先をタップして歩く形式。
移動中にモンスターに遭遇すると戦闘になります。

戦闘システムは今までと大差ありませんが、他の一般的な RPG とはかなり異なります
バトルは基本4対4で、モンスターは様々なスキルを使って攻撃を行いますが、回復スキルはほとんどありません。
では大きなダメージを受けたらどうするか? どうしようもないのでそのままやられます。

しかしやられてもすぐに控えメンバーが出撃し、その穴埋めをします。
そして控えメンバーの数はかなり多く、最初はスタメン4体と控え2体ですが、上位ランクになるとスタメン4体+控え 12 体、合計 16 体ものパーティーになります。

次々とメンバーを投入していくバトルは多くのモンスターを使える楽しみがあり、様々なモンスターを集めることの必要性も高まっていますね。
一方でガチャで強力なモンスターを手に入れても、それは 16 体のうちの1体でしかありません。

バトルの進行はターン制ではなく、スキルごとに「TU」と呼ばれる待機時間があり、技自体は使えばすぐに発動しますが、大技ほど次の番が回ってくるまでの時間が長くなります。
スキルの種類は豊富で、単体攻撃や全体攻撃はもちろん、味方を守るもの、守っている敵を崩すもの、毒を受けている敵に大ダメージ、一定時間で敵もろとも爆発など多彩。

属性や耐性、やられた時に発動するスキルなどもあって、パーティー編成には TCG のデッキ構成のような側面もあります。

ネオモンスターズ
※フィールド画面はこんな感じで、ちょっと古い RPG といった見た目。
まずはフィールドをうろついて片っ端からモンスターを捕獲し、使えそうなやつをパーティーに組み込みましょう。


ネオモンスターズ
※数少ない回復スキルの1つ、ヒールレイン発動中。 しかし使った本人はダウンしてしまう。
ただ控えがどんどん出て来るゲームなので、状況によっては自己犠牲スキルも使えます。


モンスターはある程度ダメージを与えてから「つかまえる」のコマンドで捕獲できます。
相手の HP が低いほど成功率が上がるポケモン形式。
モンスターの保有上限は十分に多いのでガンガン捕まえても構いませんが、同じモンスターはパーティーに2体以上含められないので、各モンスターを1体ずつ捕まえていけば OK です。

このシリーズはフィールドの特定の場所にレアなモンスターがいて、どこでどのモンスターを捕まえられるか知ることが攻略のポイントになっていました。
しかし今作はレアモンスターを捕まえられる場所に行くと「レアモンの気配」というメッセージが表示されるため、わざわざネットで調べたりしなくても判別できるようになっています。
フィールドには遺跡があり、そこにも強力なレアモンスターが待ち受けています。

ただしモンスターをゲットしても、トレーニングしないと強くなりません。
今回はモンスターに経験値やレベルはなく、戦闘で得られるのは「トレーニングポイント」。
これを貯めてから町のトレーニングセンターで強化を行います。

トレーニングはスゴロクのようなミニゲームになっています。
カードが5枚配られ、剣のマークで矢印が3つあるカードを出せば、攻撃力が3つ分アップします。
さらにそのカードに4の数字が書かれていれば、主人公が4マス移動し、そのマスにあるカードを手札に加えられます。

矢印(強化値)が多いカードを出すほどトレーニングの効果が上がりますが、移動した先にあるカードがショボい場合は考えもの。
同じマークのカードを連続で出すと強化値がアップするというルールもあり、なかなか考えさせられます。
モンスターによっては強化によって進化値が上がり、最大になると姿が変わって大幅に強くなります。

前述したようにフィールドは大会の予選になっていて、そこにいる何人かのライバルを倒すと本戦が始まります。
本戦で上位2位以内に入ればランクがアップ。
新しいフィールド(予選の島)に行けるようになり、パーティー編成数やトレーニングポイントの最大値も増加します。

ネオモンスターズ
※この世界には自分以外のトレーナーもたくさんいる。 大会主体になっているのは目標が明確で良いです。
モンスターはポケモンぽいですが、人物のデザインはリアル系。

ネオモンスターズ
※トレーニングシーン。 伸ばしたい能力のカードを出していく必要があります。
カードを出すとトレーニングポイントが減っていきますが、紫の特殊カードは減りません。
ただし同じマークのカードを出し続けた時のコンボは途切れるので注意。


今回はストーリーも重視されている印象です。
ストーリークエストは大会とは別になっていて、フィールドはありません。
一部にダンジョンがあるクエストもありますが、基本的にはソシャゲのクエストのように、行き先を指定したら会話シーンの後、すぐバトルになります。

システムはシンプルですが、かつての英雄を追って過去にさかのぼるといった、先の気になる物語になっています。
もちろん先に進むほど敵が強くなるので、大会やトレーニングを平行して行って、パーティーを強化しなければなりません。

ストーリークエストは経験値(トレーナー自身の経験値とトレーニングポイント)を多く貰えるためか、スタミナ制になっていて、自由に挑める訳ではありません。
ただ、バトルに負けても何のペナルティもないシステムですし、このぐらいの制限は必要でしょうか。

なお、フィールド移動中やダンジョン攻略中は、いつでも自由に帰還できるようになっていて、ストレスなく遊べる作りになっています。
帰還すれば全てのモンスターは自動的に復活し、HP も全快します。

一方、今作で気になったのは、トレーニングの回数制限と、やはりガチャ。

トレーニングは無限に行える訳ではなく、モンスターごとに回数が決められています。
それが尽きると実行できなくなり、それでも強化したい場合は「若返りの実」というアイテムが必要になるのですが、それを手に入れるダンジョンは「カギ」でアンロックしないと行くことが出来ません。

アンロックすると1時間だけ行けるようになりますが、必要なスタミナが多く、おまけにカギは1日で1つしか補充されません・・・
こういうのを気にせず遊び続けられるのが良さのシリーズだっただけに、この辺は残念ですね。

また課金ガチャがあるため、どうしても戦いが苦しくなってくると「ガチャで強いモンスターを出さないと進めないゲームになった!」という非難を受けることになります。

私はまだ前半なので無課金でも問題なく進行できているし、スキルを駆使すれば何とかなりそうな気もするのですが、実際に大丈夫かどうかは別として、こういうゲームに課金ガチャがあったら行き詰まった人から「課金しないと進めないクソゲー」みたいな意見が出て来ることは避けられません。
モロにソーシャルゲームだと、最初からそういうゲームであるのが解っているので、逆にそう言われないんですけどね・・・

ネオモンスターズ
※ミッション画面。 一部のモンスター用の進化素材やトレーニング回復の実は、ここのクエストで手に入れる必要があります。
しかしカギが必要で、金と銀の2種類がありますが、それぞれ1日1回しか使えません。
ノンビリ進めていくようにすれば大きな問題はないと思いますが、集中して遊べるのも良さのシリーズでしたからね・・・


大手メーカーのゲームと比べると、アプリ自体の技術的なクオリティは劣ります。
しかし相変わらずの遊びやすさと深いやり込み性で、やり始めると延々と続けてしまいますね。
これで 120 円という格安な価格もそのまま。
今回もすでにランキング上位のアプリになっています。

最初は雰囲気がポケモンぽくなり過ぎているように感じ、「ありゃ、今回は別のゲームになったかな?」と思ったのですが、進めてみたらやはりアイランドシリーズでした。
長く楽しめる、ソシャゲではない RPG を探している方にオススメです。

ネオモンスターズ(iTunes が起動します)

ガルズモンズ

矢印の付いたコマを一筆書きの要領でなぞっていく、オーソドックスなパズドラ型ソーシャルゲームを、あのスマホゲームの老舗「PONOS」が公開しています。
ガルズモンズ」です。

ここ最近はソーシャルゲームを取り上げることが多く、アンチソシャゲ派の方には申し訳ないのですが、このゲームは iPhone 初期からスマホゲームを牽引し、あの「にゃんこ大戦争」の開発元としても知られる PONOS(ポノス)のアプリということで注目していたので、今回扱っておこうと思います。

ただ冒頭でも述べたように、すごくオーソドックスな パズドラ 型ソシャゲで、ゲーム自体はそつなく作られているのですが、「ポノスらしさ」みたいなものは感じないですね・・・
いや、「ポノスらしさって何だよ」と言われると、自分もよく解らないけど・・・

ガルズモンズ

画面上部にモンスターが並んでいて、下部には味方キャラクターのコマが9つ並んでいます。
味方キャラには複数の矢印が付いていて、その方向に指でなぞっていくのですが、一度通過した矢印は消えるので、自然と一筆書きをする事になります。

時間制限はなく、それ以上なぞれなくなったところでターン終了。
通過したキャラクターが敵に攻撃を行います。

矢印が繋がっていれば同じキャラを何度も通過することが可能で、その度にキャラの攻撃力が上がっていきます。
また、キャラを1つ通過するごとに各キャラに付いているカウンターが減っていき、それが 0 になったキャラクターのところでなぞるのを止めるとスキルが発動します。

このようなシステムのため、どういう矢印が出ているかにもよりますが、うまくなぞっていけば毎ターン狙ったスキルを発動させることが可能です。
通過すると HP が回復したり、スキル発動に必要なカウンターが減る矢印が現われることもあります。

敵にもカウンターが付いており、こちらが攻撃する度に減少、0 になると攻撃されてダメージを受けます。
こちらの HP は味方キャラの HP の合計で、各キャラに 火・水・木・光・闇 の5つの属性があり、その相性で与えるダメージが変化します。
この辺は パズドラ のシステムと全く変わりません。

クエストの最後にボスが登場、倒せばステージクリア。
道中でドロップしたキャラクターを仲間にすることが出来ます。
キャラクターのレベルは合成でアップさせるシステムで、この辺もパズドラのまんまです。

ガルズモンズ
※キャラの配置は非常に重要。 強いキャラを通りやすい場所に置いた方が良いです。
画像は助っ人を中央に配置した助っ人頼みの作戦。
リーダーを置いた場所がスタート地点になるので、それをどこに置くかもポイント。
右はフィニッシュスキルを発動させて大ダメージを与えたところ。 狙ったキャラで止まれるルートを考えましょう。


キャラクターのグラフィックもパズドラやモンストに似せている感じで、進化や曜日イベントなどのシステム、インターフェイスなどもパズドラ型ですね。

ソーシャルゲームのプレイヤーの中には変化を好まず、同じものをずっとやり続けたいと思っている人も多くいます。
今でもガラケー型のポチポチゲーを好む人がいるのは、そうしたプレイヤーが割と多いからですが、このゲームは「パズドラ型をずっとやりたい人」をターゲットにしているのではないかと思われます。

まあ、このタイプのゲームは他にもたくさんあるので、特別に目立っている訳ではありません。
矢印をなぞるゲームシステムは難しすぎず簡単すぎずの「手軽な思考性」があり、やってみると結構楽しめ、目立った欠点もないのですが、際だった特徴がある訳でもありません。

しかしここまで雰囲気、インターフェイスなどをパズドラに徹底して似せているのは、コレと マジカルフリック ぐらいでしょう。
それはそれで特徴であり、戦略でもあるのでしょうね。
数年前、スマホのゲームでありながら、わざとガラケーのインターフェイスを踏襲し、ガラケーユーザーが戸惑わずに移行できるソシャゲが多く出ていましたが、これはその延長線上にあるのだと思います。

ガルズモンズ
※キャラは序盤のパズドラを彷彿とさせる感じ。 メニューのインターフェイスや効果音までパズドラ型。
人型キャラクターは進化前は2頭身なのですが、進化させるとリアル頭身になります。
人によってはチビッコな方が好みかも?


と言う訳で、前述したように「パズドラ以外のパズドラなゲームがやりたい」という人に向いています。
ソーシャルゲームも進化を続けていて、グラフィックが凄くなったもの、システムが高度化したもの、普通のゲームに近くなっているものなど様々な物が出て来ていますが、「そういうのは望んでいない」という人もいるはず

そういう方の多くは パズドラ から離れないとは思いますが、スタミナ待ちの時間にもう1つやっても良いかな、と思っている人の選択肢には良いかも。

なお、現時点(10/27)の iTunes レビューには「起動しない。★1」というものが多く見られますが、このトラブルは現在は解消されています。

オーソドックスなソーシャルゲームを好む「新世代」な人にお勧めです。

ガルズモンズ(iTunes が起動します)

Brothers: A Tale of Two Sons

病に倒れた父の薬を求めて、長老から授かった地図を片手に、兄弟は村を出た。
それは美しくも奇想天外な旅の始まりだった・・・

SASUKE を楽勝で完全制覇できそうな驚異的身体能力を持つ兄弟が、自然美あふれる風景をバックに道なき道を進んでゆく、童話物語のような 3D アクションアドベンチャーゲームが公開されています。
Brothers: A Tale of Two Sons」です。

元は XBOX Live で 2013 年に公開されていたゲームで、パソコンや PS3/4 版も発売されていました。
Unreal Engine をフル活用した牧歌的で目を見張るほど美しいグラフィックと、2人の兄弟を左右別々のスティックで同時にコントロールする操作が特徴のアドベンチャーゲームです。

価格は 600 円ですが、XBOX や PS 版は 1500 円だったので、むしろお得。
買い切りゲームなので広告や課金は一切ありません。
開発したのはスウェーデンの Starbreeze Studios というメーカーです。

Brothers: A Tale of Two Sons

Brothers: A Tale of Two Sons

2スティック制のゲームで、左スティックで兄を、右スティックで弟を操作します
2人のキャラクターを切り替えながら進むのではなく、同時に動かすのが特徴ですが、謎解きメインのアドベンチャーゲームなので、この操作スタイルでも難しいという事はありません。
一部にアクションが必要な場面もありますが、謎解きを含め、全体の難易度は低めです。

スティックを長押しすると、近くのものに対して何らかの行動を行います。
ロープやレバーならつかみ、物があるなら持ち上げ、人なら話しかけます。
それらは先に進むために必要ですが、物語に直接関係ないものでも色々な反応を見せてくれます。

例えば、ボールを投げたり、楽器を弾いたり、井戸をのぞき込んだり・・・
兄弟で反応が違い、特に弟はイタズラ好きなので、寄り道して色々いじってみるのも楽しいですね。
もちろん謎解きでも、背の高い兄と小柄な弟の身体的特徴をうまく活用する必要があります。

なお、つかんだものを離すときは、画面を二本指タップして下さい。
この操作だけは説明がなく、少し解り辛いので注意。

海外のゲームですが、文字は一切出て来ません。 声も架空の言語になっています。
よって英語が分からなくても問題なく遊べ、物語は映像の演出のみで理解できるようになっています。

Brothers: A Tale of Two Sons
※小川の側の小屋でハープを弾く弟と、それを聞いて喜ぶ老人。
静止画では解りませんが、川の流れも非常に美しいです。
ちなみに兄が弾くと雑音になって老人が悶えますw


Brothers: A Tale of Two Sons
※巨人と遭遇し、おもわず弟をかばう兄。 ファンタジーな世界になっていて、人間でない存在も出て来ます。
ちなみにこの巨人はすごくいい人。


アンリアルエンジンのパワー全開で描かれた風景の書き込みは非常に細かく、何度も足を止めて景色を眺めたくなることでしょう。
のどかな村を抜け、険しい山を越え、機械仕掛けの遺跡を抜け、夜の森に入り、その後も驚くような情景が続きます。

効果音も凝っていて、プレイ前にはヘッドホンの使用を勧められます。
自然の中を散策するゲームとも言えますが、中盤からはアクションシーンも増え、物語に引き込まれていくことでしょう。

クリアまでは3時間ほどで、悩んだり寄り道しまくったりしても4~5時間ほどです。
ただ、スマホ / タブレットのこの手の「ビジュアル重視の散策ゲーム」は映像を作り込んでいる分、ゲーム的にショボいか世界が狭いかのどちらかの場合が多いですが、これは元が家庭用ゲーム機のソフトですし、場面が豊富でゲーム性も十分。
妥協のないクオリティのビジュアルが最後まで続くので、むしろボリュームを感じる内容ですね。

Brothers: A Tale of Two Sons
※巨大な機械仕掛けの水車やクレーンがある謎の古代遺跡。
他にも予想外な光景が次々出て来るので、プレイヤーを飽きさせません。


Brothers: A Tale of Two Sons
※絶壁でクリフハンガーする兄と、その兄にロープでぶら下がっている弟。 握力とスタミナは超人級。

Brothers: A Tale of Two Sons
※そんな超人兄弟なのに、弟は母が水死したトラウマで泳げません。
泳いで進む場面は兄につかまっていないと溺れるので注意。
それにしても、ゆらめく水底の表現が美しいです。

一本道のストーリーのアドベンチャーゲームなので、何度も繰り返し遊べるようなものではありませんが、それでも1つの物語として満足できる内容だと思います。

とにかく自然美あふれるグラフィックだけでも一見の価値があります。
難易度やクリアまでの時間も、景色を楽しみながらストレスなく進んでいけて、最後に「とても良かった」と実感して終われるので、このぐらいでちょうど良い気がしますね。

ゲームという形式を取った1つの映像作品」といった感じの、万人にオススメしたいアプリです。

Brothers: A Tale of Two Sons (iTunes が起動します)

FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS

ブレイブフロンティア + ファイナルファンタジー」。
古き良き時代の FF を彷彿とさせる美しいドットグラフィックのキャラクターと演出を持つ、近年の大ヒットソーシャルゲームの1つとなった「ブレイブフロンティア」。
そのブレイブフロンティアを開発したエイリムが、「FFっぽいソシャゲ」ではなく、「FFのソシャゲ」をスクエニと共に開発し、先日公開に至りました。
FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」(ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス)です。
通称は FFBE

ただ、今のところ評価は賛否両論となっています。
戦闘システムが完全にブレイブフロンティアなので、そこで賛否が分かれているのに加え、本格 RPG らしい町やダンジョンのシーンがある一方で、ゲームプレイはソシャゲ的。
加えて美しい演出や召還シーンがある反面、アプリが不安定で落ちてしまうことが多く、これも評価が別れる原因になっています。

おかげで現時点の iTunes の評価は★1と★5が共に約180、★2~4がそれぞれ 80 前後と、見事にバラついています

ゲーム的にはブレイブフロンティアに FF っぽい設定とストーリー、町やダンジョンを加えた感じ
私的にはしっかり FF らしい作りになっていると思いますが、あくまでブレフロ側がメインなので、ソシャゲの域から脱しているものではありません。

FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS FFBE

バトルシステムはほぼ ブレイブフロンティア そのまま。
画面下にキャラクターのステータス表示が並んでいて、それが攻撃ボタンにもなっています
ターン制のバトルで、こちらが全員行動を終えると相手のターンに。
よってコマンドはゆっくり実行して構いません。

ただ、複数のキャラの攻撃を連続で当てると「チェイン」になりダメージが増加、さらに攻撃が当たるタイミングが同時なら「スパークチェイン」、同属性の攻撃を連続で与えると「エレメントチェイン」が発生し、さらにダメージが増します。
よって攻撃は全員一斉に行うのが基本です。

キャラクターは行動を開始すると、固有のモーションで敵を斬ったり、魔法を放ったりします。
そのモーションは様々で、魔法や特殊攻撃は美しく、それらがまとめて発生するため非常にハデです
その演出の良さはブレイブフロンティアをプレイ済みの方には、説明するまでもないでしょう。

今作には AUTOREPEAT のボタンがあり、AUTO は全員が一斉に通常攻撃を、REPEAT は前回実行した行動を繰り返します。
AUTO は解除するまで継続するので、楽勝の戦闘は AUTO にして放置でも構いません

正直、やることがないぐらいですが、最近は本家の FF にも AUTO があるし、ザコ戦はさっさと片づけたいので、これはこれで良いと思います。
ブレフロらしいスピーディーな戦闘なので、本当にサクサク進められます。

一方、ボスはキャラの強さにもよりますが、相応に手強く、コマンドを駆使する必要があります。
ボタンを左にフリックするとアイテム、右にフリックすると魔法や特技の使用になり、手強いボスとの戦いではポーションや回復魔法が生命線になります。
ゲージを貯めることで「リミット技」を放つこともでき、召還ゲージが貯まれば「召喚魔法」も繰り出せます。
ボスも攻略の必要な多彩な技を持っていて、その辺はちゃんと「FF」していますね。

FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS FFBE
※左は序盤の山場、焔の戦士との戦い。 HP が半減すると強力な攻撃を行ってくるので、リミット技はそれまで残しておいた方が無難。 後半一気に畳みかけましょう。
右は全体回復魔法「ケアルラ」で治療中のシーン。 こちらがコマンドを入力し終えるまで敵のターンにならないので、回復は手段さえあれば余裕を持って行えます。


1つのクエストは数度のバトルで構成されていて、普段は移動シーンなどはありません。
エリアの最後にボスが登場し、倒せばストーリーシーンになるという流れです。
ストーリーのあるソシャゲの一般的なスタイルですが、ストーリーシーンはフィールドを見下ろし型の画面でドットのキャラクターが会話を行う、2D 時代の FF のようになっています

また、エリアをクリアすると「探索」というクエストが現われ、これを選択するとキャラをスティックで操作し、ダンジョン内を自由に移動できるシーンになります。
移動中に敵にエンカウントする場合もあり、ここはもう「普通のRPG」ですね。

いくつかのエリアを突破すると町に辿り着きますが、ここでもキャラをスティックで移動させ、散策や会話を行います。
町やダンジョンの中には隠し通路がかなり多く存在し、各所に隠しアイテムも置かれています。
この辺もちょっと昔の RPG という感じがあって良いですね。

パーティーは5人編成で、バトル時にはそれに助っ人が1人加わります。
最初からストーリー上のメインキャラが2人いますが、それ以外はガチャで入手しなければならず、やはり上位のキャラクターは課金ガチャでなければ手に入りません。
ただ、課金通貨は新しいクエストをクリアする度に手に入るので、無課金でも割と実行できます。

キャラクターは FFBE オリジナルのものと、歴代の FF シリーズに登場したキャラクターの2種類がいて、FF シリーズのキャラには悪役も含まれます。
FF のキャラはそれぞれオリジナルに準じた特技を持っており、レアリティが多少低くても強力な技を使うキャラもいます。

特技は「アビリティ」や「幻獣」の装備でも習得することができます。
アビリティには「ケアル」や「ブリザド」などがあり、装備したものを使えるようになります。
回復魔法を使える仲間がいない場合、ケアル系は早めに入手しておきたいところ。

幻獣はストーリーの進行で手に入るもので、ガチャ要素ではありません。
幻獣はアイテムで強化可能で、それを装備した者に特技と召還魔法、強力なステータス補正を与えます

FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS FFBE
※左は町の画面。 操作は画面をスライドして行いますが、設定で方向パッドを出すことも出来ます。
ダンジョン探索中は普通の RPG のように、移動中にアイテムや魔法で回復を行えるので忘れずに。
右はフィールドマップ。 町ではサブクエストなども請け負えます。


うたい文句通り、新たな FF を作ろうという気合いを感じる作品ですが、今の時点(10/23)では冒頭で述べたように、問題点も多いです。

まずはなんと言っても不安定で、よく落ちること
iPhone 6 Plus でプレイしていてもこの状況なので、それ以下の機種だとさらに不安定でしょうね。
しかも戦闘中に落ちたら戦闘前まで巻き戻るので、そのクエストで得られたものは全て無くし、それなのにスタミナだけは減ったままです。
これでは「スタミナ返せ、金返せ」という話になってしまいますね。

召喚シーンで落ちるという意見も多く、iPhone 6 Plus だと召還してすぐ落ちることはないのですが、召還時にスクリーンショットを撮ったりすると明らかにヤバくなる。(動作がひっかかる)
安定するまで少し待てば大丈夫なのですが、そういう「いたわり」がないと落ちます。

※現在はアップデートにより、かなり落ち辛くなっています。

ロードが長いという意見も多く、私は Wi-Fi 環境でプレイしているので気にならないのですが、外出時にプレイしている人だと新エリアに行くたびに結構な量のデータを読み込むので厳しいようです。
しかし一括ダウンロードの機能は無く、その辺は考慮して欲しいところ。

私的に気になったのは、序盤が「ブレフロ過ぎる」こと。
既存のソシャゲのスタイルと変わらず、敵も弱く、AUTO もあるので簡単すぎる。
ダンジョンや町は少しゲームが進まないと出て来ません。
これでは「あぁ、既存のソシャゲと同じか」と思って見限る人も多そう。

このゲームの場合、いきなりダンジョンからスタートした方が「他とは違うんだぞ」「RPG らしく作ってるんだぞ」というのが伝わった気がしますね。
むしろ従来のブレフロ型のクエストはサブにして、フィールドやダンジョンをメインにした方が FF としてはしっくり来たような気もします。

後はやっぱり、スタミナ制なので、強制的にプレイを中断させられるのが残念。
FF を名を冠していても、そこはやはりソーシャルゲームといったところでしょうか。

FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS FFBE
※左が問題の召還シーン。 このシーン自体は綺麗だし、すごく FF らしくて良いのですが、機種によっては・・・
右は幻獣の強化盤。 幻獣はこんな風にスフィア盤のようなもので強化し、特技を獲得させていきます。


賛否両論の作品ですが、私は「賛」の方です。
最初は「ただのブレフロじゃん」「主人公が軽すぎてストーリーもご都合すぎる」と思いましたが、ある程度進めると FF らしくなって来て、装備や召還などもちゃんと備わっていることが解って来ます。
先日の星のドラクエと同じく、ある程度進まないと面白さが伝わってこない印象ですね。

物語が気になるし、どんどん新しい町、新しいエリアが出て来るので、ソシャゲとしては「先に進みたくなる内容」です。
現時点でストーリーがどこまで導入されているのか解りませんが、1日2日ですぐ導入待ちになってしまうようなことはありません。

何度も言いますがソーシャルゲームの枠は越えていません。
しかし下馬評通り、今期の有力ソシャゲの一角になることは間違いないでしょう。

秋以降、デレステモンハンXR星のドラクエ、そしてこの FFBE と、強力タイトルを冠するアプリが、その名にふさわしいクオリティで連発されています。
いやぁ、まさにレッドオーシャンですね。 ユーザーにとっては選択肢が豊富で、嬉しい限りですが。

FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS(iTunes が起動します)

プロ野球スピリッツA

3D で表現された実在のプロ野球選手たちがリアルに動く、クオリティーの高いプロ野球ソーシャルゲームをコナミが公開しています。
プロ野球スピリッツA」です。

家庭用ゲーム機の「プロ野球スピリッツ」の 3D モデルを流用しているため、選手の顔は誰か判別できるほどに再現されていて、試合中のしぐさもすごくリアル。
実況もあって臨場感はたっぷりです。

ただしあくまでソーシャルゲームなので、1試合をフルで行うような内容ではありません。
パワプロ のサクセスモードの試合のように、特定の場面だけバッティングやピッチングを行うような感じです。
でもこれはこれで、サクサク進められて良いと思います。

またこのアプリのもう1つの特徴は、実際のプロ野球のニュースや試合速報をチェック出来ること。
同じくコナミが公開している「プロ野球ドリームナイン SS」にも同様の機能があったのですが、残念ながらそちらはニュース機能は削除されてしまいました。
私は主にプロ野球情報を見るアプリとして活用していたので、それが削除されてガッカリだったのですが、プロ野球スピリッツAにはその機能が盛り込まれています。
野球ファンなら「ソシャゲ+実用ニュースアプリ」として活用することができます。

プロ野球スピリッツA

試合シーンは半自動で進行します。
選手には「ミート・パワー・走力」などの基本ステータスの他に「スピリッツ」という数値があり、その合計が相手を上回っていると試合が有利になります。
選手の組合わせによっては「レインボー投手陣」「ジャイアンツ愛」などのコンボが発生、それによってもスピリッツは増減します。

自動進行ではありますが、各選手の結果は1球ずつシミュレートされていて、回ごとに「前田、ピンチを招くも無失点」みたいな進行メッセージも表示されます。

そして試合中の特定の場面で進行が止まり、実際にプレイするシーンが挿入されます。
バッティングは「ゾーン打ち」と「強振」「バント」の3つを選択でき、ゾーン打ちは飛んでくるボールに合わせてタップするだけの簡単操作。
ただ「スイートスポット」と呼ばれるエリアがあり、ここに来たボールを打つと打球が強く飛びます。
ストライクゾーンに来た球でも、スイートスポットでないなら見逃し、できるだけ球を選ぶのがポイント。
無論、粘りすぎて三振したらダメですが。

「強振」はパワプロと同じシステムで、指をスライドしてカーソルを動かし、タイミング良く離すことでバットを振ります。
こちらのモードだとスイートスポットがないので、どんな球でも強く打てますが、このゲームは打つタイミングがややシビアで、パワプロな操作だと慣れないと難しい。
ゾーン打ちで慣れてから使った方が良いですね。

ピッチングは球種を選び、投げる位置を決めて、投球時にタイミング良く画面をタップ。
スマホ版パワプロ とほぼ同じ。
ただ「緩急対応ゲージ」というものがあり、速い球を投げるとバッターが速い球に慣れていきます。
緩急をつけて投げ分けることで空振りや凡打を誘発できます。

またバッターごとに「得意ゾーン」「苦手ゾーン」が設定されていて、得意ゾーンにボールを投げると打たれやすくなります。
このゾーンは配球によって変化し、例えば内角に数球投げると内角に得意ゾーンが現われ、外角に苦手ゾーンができたりします。
ただし実際にボールがどこに飛んでいくかはピッチャーの「制球」にも左右されるので、球がズレて得意ゾーンに飛んでいくこともあります。
また投球時のタップのタイミングが悪いと失投になり、ど真ん中に投げたりします。

どちらも適度に難しいので、ちゃんと野球ゲームらしい楽しさがありますね。
結果が良いとその試合のチームスピリッツが上昇し、さらに試合後の報酬も増えます。

プロ野球スピリッツA
※プレイ前にはスピリッツの比較が行われ、低い方にはマイナス修正が。
右はゾーン打ちのバッティング画面。 ただボタンを押すだけですが、緩急をつけて投げてくるのでそうそう簡単ではない。
出来るだけオレンジのゾーンに球が来るのを待ちたいところ。


プロ野球スピリッツA
※左はピッチングのコース選択。 内角に投げた後なのでバッターが内角に慣れている。
赤いゾーンは外せば良いが、制球が悪いとズレるので、その辺を考慮して投げよう。
右はプレイ前の監督の指示。 リクエストに応えれば報酬ポイントアップ。


ゲームは「Vロード」と呼ばれる模擬ペナントレースで進行します。
順位などはないのですが、38 試合を行い、30 試合以上勝っていればプレーオフと呼ばれる CS や日本シリーズを模した試合に挑戦できます。
シーズン終了後には「ストーブリーグスカウト」が発生、選手や報酬アイテムを獲得でき、プレーオフに勝っていれば入手数が増加します。

Vロードには難易度があり、最初は★1。
シーズンが最初からになりますが、難易度の変更は任意に行え、高いほど報酬も良くなるようです。

普段の選手獲得はガチャで行います。
やはり S や A の選手は課金ガチャでなければなかなか手に入りませんが・・・
ただ当面は課金通貨を頻繁に貰えるので、無課金でも相応に選手は獲得していけますね。

選手の育成は合成やレベルアップで行うのですが、合成で上がるのは「特訓レベル」で、これは基本能力を底上げするもの。
選手の通常のレベルは主に試合で得られる経験値でアップさせていきます。
ただ、要らない選手を経験値に変換可能で、それを注ぎ込んでレベルアップさせることもできます。

選手には「アベレージヒッター」「打たれ強さ」などのパワプロっぽい特殊能力もあるのですが、これらはイベントの試合で得られる解放アイテムを使わないとアンロック&レベルアップできません。

プロ野球スピリッツA
※オーダー画面と選手詳細画面。 守備適性があるのでそれを考慮したオーダーにしなければなりませんが、自動設定もあります。
先発ピッチャーにはローテーションがあり、同じ選手が連続で先発することは出来ません。
なお、選手のユニフォームはグラフィック設定で、実際の所属球団にするか、選択したチームのものにするかを選べます。


私的に特筆したいのは、冒頭でも述べた「プロ野球情報」の部分。
プロ野球にちなんだ様々なニュースをチェックでき、その日の試合の模様、日程、順位、選手成績、さらに試合中なら1球ごとの速報も行われます。
ほぼ「ドリームナインSS」に搭載されていたものを踏襲しているようです。

まあ、プロ野球はオフシーズンに入りましたから・・・
今年速報を活用できるのはもう日本シリーズのみですし、日程とか順位とかはすでに決まっています。
正直タイミングが悪く、プロ野球情報機能はもう来年の春まで、ニュースぐらいしか活用できないのですが・・・

ただ、ドリナイSS に情報機能があった頃は、試合速報はリアルタイムに更新されていたし、ベースがソーシャルゲームなのでインターフェイスや通信に優れていて、見栄えも良い。
そこいらの月額制の試合速報アプリよりよっぽど便利でした。 おまけに(情報だけなら)無料

来年、また便利に活用させて貰おうと思っています。

プロ野球スピリッツA
※実際のプロ野球ニュースのヘッドラインと、選手成績画面。
ニュースはタップすれば詳細記事を見られます。


プロ野球スピリッツA
※試合の合間に入る演出。 各選手の仕草がすごくリアルで良いです。
右は引退した原監督のグータッチ。 特定の選手や監督には固有演出もあります。


ゲームとしては、パワプロ からサクセスモードを抜いたような感じです。
こう言うと「パワプロの劣化版」にしか聞こえませんが、サクセスモードは選手1人1人を作るのに時間がかかります。
それが面白い訳ではありますが、サクサク試合だけやりたい人はこちらも良いと思います。

なによりリアルプロ野球のグラフィックと演出、実在選手の再現は、一般の野球ファンには嬉しいところでしょう。
うまい具合にプロスピ、パワプロ、ドリナイSSを組み合わせていると思います。

現時点ではサーバーが不安定ですが、ロード中でも画面は操作可能ですし、徐々に安定していくものと思われます。
野球ニュースアプリとしても活用できるので、野球ファンなら落としておいて損はありませんね。

プロ野球スピリッツA(iTunes が起動します)

【ニュース】iPhone 6s / 6s Plus の CPU 問題、続報

大手メディアや経済ニュースなどでも取り上げられ注目されていた、iPhone 6s / 6s Plus の CPU「A9」の生産メーカーによる性能差問題

当ブログでも こちら で報告を行いましたが、話題になり始めてから2週間ほどが経ち、続報や再検証の結果が出て来ているので、改めてまとめておきたいと思います。

チップゲート問題 Chipgate

まず問題のおさらいから。
iPhone 6s / 6s Plus の CPU「A9」には韓国サムスン社で生産されたものと、台湾 TSMC 社で生産されたものの2種類があります。
この2つはプロセスルール(内部の細かさ)や CPU のサイズが異なっており、発売当初から「性能差があるのでは?」と言われていました。

そして Reddit という海外の掲示板で、サムスン製と TSMC 製、それぞれの A9 を搭載した iPhone 6s のバッテリーの持続時間を比べ、なんと1時間45分もの差があったいう報告が出されます。
それは一気に世界中に拡散し、大きな話題になります。

チップゲート問題 Reddit
※画像は こちら の投稿より。

その後もいくつかの追跡調査が行われ、他の計測でもバッテリー持続時間と処理速度の双方で、TSMC 製の方が勝るという報告が出されます。

CnBeta の処理速度、バッテリー、本体温度の報告(中国サイト)
バッテリー持続時間の検証動画(Youtube)
チップゲート問題解説と温度測定動画(Youtube)

これに対し Apple は「確かに性能差はあるが 2~3 %程度であり、誤差の範囲に過ぎない」というコメントを発表。
しかしこれが「Apple が性能差があることを公式に認めた!」と伝えられてしまい、火に油を注ぐ結果になります。

この件は海外では「チップゲート問題Chipgate)」と呼ばれています。
昔、アメリカで「ウォーターゲート事件」という政治スキャンダルがあり、以後大きなトラブルがあると「○○ゲート」と呼ぶことが通例になっていて、今回は A9 チップの問題であるため「チップゲート」と呼ばれるようになったようです。
ちなみに昨年の iPhone 6 が曲がる問題は Bendgate(Bend は曲げること)と言われていました。

自分の iPhone がサムスン製か TSMC 製かは Lirum Device Info Lite(iTunes 起動)などのアプリでチェックでき、以下のようになっています。(m があったら TSMC)

【 iPhone 6s 】
N71AP:サムスン製
N71mAP:TSMC 製

【 iPhone 6s Plus 】
N66AP:サムスン製
N66mAP:TSMC 製


そしてその後の続報ですが、いくつかの大手の組織がこの件の調査結果を公表しています

まずは欧州を中心にハードウェア関連の情報を提供している Tom's Hardware の報告
その一部は以下のようになっています。

Tom's Hardware
※全ての測定結果は こちら を。

上は CPU、下はバッテリーの測定結果ですが、項目にもよりますが、CPU の処理速度にはほとんど差が無く、どちらが勝っているかも調査によって異なっています。
ほとんど 2% 以内、多くても 3 %程度の差であり、このぐらいなら Apple の発表にも合致します。
また、ベンチマーク(性能測定)は測るごとに差が出るため、この程度なら確かに測定誤差と言えるでしょう。

バッテリーの消費については、この検証ではむしろサムスン製の方が良かった模様。
表面温度も今回の測定では、ほとんど同じだったようです。

結果、Tom's Hardware はサムスン製と TSMC 製に性能差は無い。
チップゲート問題は存在しない」という結論を出しています。

続いて、イギリスの ars technica の発表
こちらはバッテリーの試験しか行っていないのですが、軽負荷から高負荷までの4つの測定を行っており、以下の結果になっています。

ars technica
※グラフは こちら のページより。

やや高い負荷をかけて測定する Geekbench 3 の結果のみ大きな差が出ていますが、それ以外では差はわずか。
サムスン製の方が勝る結果もあったようです。
こちらも差は Apple がコメントしていた「2~3%」の範囲内。

結果、ars technica も「高負荷をかけ続けて測定する Geekbench 3 のような使用状況は通常なく、普段の使用においてバッテリーの減少に差はない」と結論付けています。

ただ、気になるのは Geekbench 3 の結果だけ差が大きかったこと。
この数値は3度測定した平均値なので、その時だけたまたまこうなった、という訳ではない模様。
この問題の火付け役となった測定結果も Geekbench のものなので、その報告が間違っていた訳でもないようです。
Geekbench の測定中は本体温度もサムスン製の方が高くなる模様。

推測過ぎませんが、チップゲート問題は両社の A9 の性能差の問題ではなく、高負荷時の特定の状況で発生する、サムスン A9 の何らかの不具合なのかもしれません。

なお、この問題は台湾でも大きな騒動になっているようです。
と言うのも、台湾は台湾なのに TSMC の iPhone 6s が2割しかなく、iPhone 6s Plus に至っては1割弱。
ほとんどがサムスン A9 の iPhone 6s で、そこでこの件が出て来たので大ブーイング状態。

国家機関が Apple に「正確なベンチマーク結果を報告せよ。それができない場合でもパッケージにどこ製なのかを明記せよ」と要求する問題に発展しています。

CPU Identifier
※グラフは こちら のページより。

なぜ台湾で台湾製が売られてないのか疑問ですが、こういう状況を受けてなのか、Apple がサムスンへの A9 の発注数を減らしたという報道もあります。

ともあれ一般用途においては、気分的なものもありますが、どちらの iPhone でも大きな問題はなく、あまり深刻に考える必要はなさそうです。
え?「気分」が一番重要なんだって? ごもっとも。

ナイト・アンド・ドラゴン - Knight & Dragon

ほぼ文字だけ。 絵はほとんどない、RPG の根幹だけを残して他のものを全てそぎ落としたような、超シンプルなテキスト RPG が公開されています。
ナイト・アンド・ドラゴン」です。

こんな演出に乏しい内容では今時のスマホユーザーは満足できないかもしれませんが、しっかりした育成要素とランダムドロップの豊富な装備があり、課金やスタミナのない遊び放題のシステムで、待ち時間も存在せずサクサク進められるゲーム性のため、ハマると延々と遊んでしまいます。
今時のスマホ RPG に付いてしまった、諸々の余分なものまで全部そぎ落としたような内容ですね。

画面下にバナー広告枠がありますが、完全に無料のアプリです。

ナイト・アンド・ドラゴン Knight & Dragon

まずはキャラクターメイキングを行います。
名前とステータスを決めるだけですが、耐久・腕力・魔力・器用・素早さの5つのステータスはレベルアップでは上昇せず、ほぼ初期のままなので、どう設定したかは後々まで影響します。

キャラを作ったら「商会」で武器を買い、パーティーを編成してクエストに出発。
と言っても最初は1人しかいないので、単独で出かけることになります。
ゲームが進めば1パーティーに最大4人まで参加させられます。

クエストを選ぶと少しストーリーが表示されて、すぐに戦闘開始。
バトルはリアルタイム制で、キャラクターの行動力バーが貯まったら攻撃やスキルのボタンを押せるようになります。
画面上部の敵の枠をタップすることで攻撃するターゲットを選択することも可能。
もちろん敵にも行動力バーがあり、貯まると攻撃してきます。

バトルは3戦あり、1戦ごとに HP と SP(スキルポイント)は自動で全快
最後まで勝ち抜くと経験値と資金が手に入り、さらに装備アイテムを入手できます。
装備にはステータスアップや防御力の底上げ、状態異常の無効化など、様々な特殊効果がランダムで付いていて、キャラの強化の重要なポイントになります。

武器は 剣・短剣・打撃・弓 の物理攻撃4種と、火炎・氷結・雷槌・聖風 の魔法4種に別れていて、経験値が貯まると装備している武器種のレベルが上がります。
例えば剣を装備していれば「剣技」のレベルが上がり、高まれば「斬撃」や「二段斬り」「STRアップ」などのスキルを習得して、他の武器に持ち替えても使用することができます

剣技 Lv10 になっても弓に持ち替えたら弓術 Lv1 となり、レベルが低いため高レベルの敵には攻撃が当たらなくなりますが、色々な武器のレベルを上げた方が HP や SP の底上げになり、スキルも多く活用できますね。
武器レベルが 15 や 30 に到達すれば上位の職業に転職することも可能です

ナイト・アンド・ドラゴン Knight & Dragon
※左はキャラクターの詳細画面。 スキルボタンの設定、装備の変更もここで行えます。
最大 SP アップや攻撃力アップ、防御アップなどの特殊効果の有無で、キャラの強さはかなり変わって来ます。
右は横一列攻撃を使ったところ。 レベルが上がれば複数攻撃スキルも使用できます。


仲間はクエストクリア時にランダムで登場します。
自由に作成することは出来ず、ステータスもランダムなので、残念な能力だったりする事も多いですが、まずは人数を増やすことが先決。

最初は5人までしか雇えませんが、クエストをこなすことでギルドレベルが上がり、王国からの依頼である「ミッション」が登場、クリアすることで商会レベルが上がって雇用数が増加します。
人数が増えれば2つのパーティーを組むことも可能で、複数パーティーが必須のクエストも存在します

前述したように音が一切なく、演出も地味、表示もほぼ文字だけです
ただ、リアルタイムの戦闘はなかなか忙しく、仲間やスキルが増えると実行できる行動も増えます。
短時間にそれをどんどん選んでいく必要があるので、あわてて混乱してしまうこともありますね。
おかげでシンプルではありますが、ちゃんと戦闘の面白さはあります。

実は絵が一切無い訳ではなく、攻撃時にはフリー素材の武器や魔法の絵が出て来るし、モンスターも名前の裏にはうっすらとシルエットの姿が表示されています。
ですからこれは、絵を表示する技術がなかった訳ではなく、あえてこういう懐古的なインターフェイスにしているのでしょう。
フリー素材を使っているぐらいですから、音がないのもワザとなのでしょうね。

※現在はアップデートでBGMや効果音が追加されています。

これはこれで懐かしさと同時に、TRPG っぽさと言うか、想像力を働かせる余地があって、悪くないと思います。

ナイト・アンド・ドラゴン Knight & Dragon
※クエストとミッションの一部。 2PT のクエストは2つのパーティーが必要なので、サブパーティーも育てておかないといけない。
1PT のクエストでも最大3パーティーで挑むことができ、複数のパーティーで挑んでもクリア後の経験値は変わらないので、人数が増えてきたら常に複数パーティーで挑んで全体戦力の底上げを図りましょう。


ある意味、システム的にもプログラム的にも、何のひねりもないゲームかもしれません。
しかし基本の部分をしっかり作って、しっかりバランスを取って、ユーザーが普通に面白いと思えるハクスラ要素をきちんと整えておけば、当たり前のように楽しめるゲームが作れる。
ソーシャルゲームなどの流行で忘れられていた何かが、ここにはあるような気がします。
無論、「それでは商用ではやっていけないんだよ!」という声もあるとは思いますが。

手軽に遊べる一方で、時間を忘れて没頭できる、お勧めのアプリです。
特にウィザードリィなどの昔ながらの RPG が好きな人や、ソシャゲに疲れた人にオススメです。

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