小説やアニメなどで展開されている「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場するゲーム「THE DAY OF SAGITTARIUS Ⅲ」(TDOS3)。
それを iPhone / iPod touch で再現した公式アプリが「TDOS3 for iPhone」ですが、その続編が登場しました。

それが「TDOS3 Drill Edition for iPhone」です。
「Drill Edition」となっていることから解るように、「訓練・演習バージョン」という位置付けの様ですね。
でも決して侮れない難易度であることを先に言っておきます。

ちなみにこのアプリをやるにあたって、原作の小説の第一巻「涼宮ハルヒの憂鬱」を読んでみたのですが・・・
いやー、面白かったです。 なるほど、これは大きなブームを起こすだけありますね。
まあこのゲームが出てくるエピソードは、第一巻じゃなかった訳ですが・・・

TDOS3 Drill Edition for iPhone

艦隊に陣形と移動先の命令を出して戦う、簡易的な RTS (リアルタイムの戦術シミュレーションゲーム)です。
陣形には移動重視や防御重視などの5種類があり、敵に近づくと自動的に弾を撃って攻撃します。

グラフィックは見てのように初期のコンピューターゲームのような古くさい簡易的なものですが、これは原作やアニメがそうなっているので、それを再現しているようです。
原作に出てきたゲームを再現しているところに意味があるアプリですから、これはこれで良いのだと思います。
サウンドや BGM もチープなものですが、雰囲気は出てますね。

これらの基本的な内容は前作の「TDOS3 for iPhone」と同じですので、そちらのレビューも参考にしてみて下さい。

そして今作「Drill Edition」の内容についてですが・・・
ハッキリ言って、こちらが本編と言っても良い内容です。

まずステージ数が増大し、全 24 ステージ。
さらにメッセージが日本語化され、ステージごとにアドバイスも表示されるなど解りやすい内容になっています。

前作は非常に難しく、この手のゲームに慣れていない人だとまともに進めないような難易度だったのですが、今回は序盤はかなり簡単になっており、ドリルエディションの名の通り「訓練しながら」進めて行くことが出来ます。

でも、簡単なのはステージ 10 ぐらいまで。
それ以上になると戦力差も大きくなってきて、勝利条件も厳しくなり、正攻法では勝てなくなってきます。
そうなると前作同様にステージごとの攻略を考える必要があり、終盤になると前作の後半ステージ並の難易度になっていきます。

ですから単なる「練習バージョン」と言う訳ではありません
これもこれで1つの本編と言えますね。

TDOS3 Drill Edition for iPhone

難点は、やや操作がし辛いことでしょう。
艦隊をタップして陣形を選び、移動先をタップするという手順なのですが、画面が狭いのでこれを何度も繰り返しながら移動させていく必要があります
二本指ドラッグで画面をスクロールするなど出来れば良かったのですが、そういった操作はありません。
右下のレーダー画面で画面をスクロールさせることも出来ますが、やや使い辛いですね。
ズームも三段階しかなく、ピンチ操作でのズームイン/ズームアウトも出来ません

また、画面左の艦隊リストをタップしても任意の艦隊を選ぶことが出来るのですが、その艦隊の場所に画面がスクロールしてしまうため、「先に移動したい場所を表示してから艦隊を選ぶ」という操作ができません。

このあたりの操作性の問題は前作でも同様だったのですが、今作はステージ数が増えて細かい指示を出したくなる場面が増えたため、よりやり辛く感じます。

また、これは原作やアニメに合わせてデザインされているため、言うのは間違っているかもしれませんが・・・
やっぱり画面が綺麗なモードが欲しかったかなぁ・・・
このグラフィックじゃ、原作やアニメのファン以外は見向きもしないだろうし

と言う訳で、基本的には原作を知っている人向けのアプリですが、やりやすい難易度になっているため、RTS が好きな方なら原作ファンでなくても(このグラフィックを許容できるなら)楽しめる内容になっています

価格は 230 円で、ステージ数の増加によって前作よりボリュームが増しているため、相応の価格かなと思います。

ちなみに全ステージをクリアすると、今回は YUKI.N のメッセージではなく・・・
これ以上は禁則事項です。

TDOS3 Drill Edition for iPhone(iTunes が起動します)