縦スクロールのシューティングゲームにおける「歴史的作品」と言えるのが、ゼビウス、1942・1943、雷電、そしてこの「怒首領蜂」でしょう。
怒首領蜂は今日流行りの「弾幕シューティング」の草分け的存在であり、もう 10 以上前のゲームですが今見ても通用するクオリティーで、私も今でもたまにプレイしています。
その怒首領蜂の(事実上)3つ目の続編となるのが、この「怒首領蜂 大復活」です。

開発したのはシューティングを牽引するメーカー「CAVE(ケイブ)」で、ゲームセンターに登場したのは 2008 年という、比較的最近のゲームです。
その「怒首領蜂 大復活」が、他のゲーム機に先駆けて iPhone / iPod touch に移植されました。
最新のアーケードゲームが最初に iPhone で登場するというのは、「そういう時代になったんだな」というのを感じますね。

ちなみに、怒首領蜂の(事実上の)2作目は「怒首領蜂 大往生」というゲームでしたが、このゲームは難易度がハンパじゃなく、私もプレイした時に1面でさえあまりに難しいのに驚愕、当然あっという間にゲームオーバーになり、もう二度とやらなかったという経験があります。
怒首領蜂 大復活は大往生の続きのストーリーですが、大往生を iPhone に持ってこなかったのは正解でしょうね。

怒首領蜂 大復活

自機の攻撃、敵の攻撃、爆発や演出などが全て「ド派手」なのが最大の特徴でしょう。
画面を埋め尽くす程の圧倒的な攻撃力で大量の敵をどんどん殲滅していける内容で、シューティングの基本である「爽快感」は十分です。

「弾幕シューティング」だけあって敵の攻撃も非常に激しいのですが、自機の当たり判定が小さくて被弾しにくい上に、このゲームは常に「オートボム」の状態で、敵弾に当たってもボムが自動的に発動して助かります。
つまり、ボムが3つあれば4回被弾するまでやられない訳で、このオートボムが強いおかげで怒首領蜂シリーズではもっとも低い難易度になっていると言って良いでしょう。
よって見た目の割に、初心者の方でもプレイしやすいゲームです。

また、面白いのは敵のレーザーを、自機のレーザーで撃ち返せるというシステム。
レーザーが大量に飛んできても、自機がレーザーを撃っていればそれがシールドとなって、やられる事がないのです
自機の攻撃はボタン1つでいつでもショットとレーザーを切り替えられます。
いかにも強そうな敵の攻撃を簡単に防げるおかげで、ますます「守る事、かわす事の爽快感」を得られますね。

怒首領蜂 大復活

圧倒的な自機の攻撃、かなり激しい敵の弾幕、画面中を飛び交うレーザー、それらで画面が埋め尽くされるにもかかわらず、動作はかなり快適で、ケイブの技術力の高さを感じられます。
エスプガルーダII と同じく、iPhone 3G や第二世代 iPod touch ではプレイ出来ないのが欠点ですが・・・
これだけの処理を行うゲームだと、それも「さもあらん」と思ってしまいますね。
もちろん背景などのグラフィックも精密な書き込みがしてあって、非常に高レベルです。

操作も非常にやりやすく、エスプガルーダII で好評だった優れた操作性はそのままです。
ただ、ボタンの反応範囲がやや狭く、レーザーとショットの切り替えがうまくいかない事がある点は気になりました。
このゲームはここが攻略のポイントになるので、ボタンの大きさや感度も調整できれば良かったのに・・・ というのはありますね。


ゲームシステムについてですが、オリジナルと同じ「アーケードモード」と、iPhone / iPod touch での操作に最適化した「iPhone モード」の2つが存在します。

アーケードモードは、敵を途切れずに倒し続ける事で「コンボ」が増えていき、それによって点数が飛躍的に上がっていくシステムとなっています。
これは従来の「怒首領蜂」でもそうだったのですが・・・

iPhone モードには、この「コンボ」に相当するものがありません。
iPhone モードには S と M のゲージがあって、敵の弾に「かする」ことで M ゲージが上がっていき、それにより得点アイテムの「倍率」が増えていきます。
一方、敵を倒しまくると S ゲージが増えていき、最大になると攻撃力がアップ、さらに敵が得点アイテムを落としまくるようになります。
ただし S の時は得点アイテムの倍率は低下し続けます。
よってスコア狙いのプレイは、敵弾にかすりまくるマゾいプレイで倍率を上げ、その後に S になって得点アイテムを回収しまくる、という形になります。

怒首領蜂 大復活 には「ハイパーゲージ」というのがあって、これを使ってしばらく強力な攻撃を行う事が出来るのですが、iPhone モードでは「M の方がハイパーゲージが上がりやすく、ハイパー攻撃を使ってゲージを消費すると一気に S になる」という特徴があるため、これもハイスコア狙いのポイントになっています。

怒首領蜂 大復活

このようなシステムになっているのは、タッチパネルではボタンの操作がやり辛いため、細かいショットの ON/OFF が難しく、そのため「コンボを途切れさせずに敵を倒す」というのが困難だからのようです。
よって思い切って、「コンボのないシステムを新たに作った」ということのようですね。

正直、iPhone モードの「かすると倍率アップ」と言うのは、私的には iPhone に向いていたかどうか微妙な気がします。
iPhone の小さな画面で「敵弾にかする」というのを繰り返すのは、かなり細かい作業で、あまりやりやすいとは言えません。

ただ、オリジナルの「コンボが途切れないように注意しながらプレイする」というのは窮屈で好みではなく、完全な「パターン化」が必要なものであったため、私的には iPhone モードの方が好きですね


とにかくシューティングとしては、圧倒的な完成度と言えます。
前作の「エスプガルーダII」がすでに iPhone のシューティングとしては圧倒的だったのに、その上を行くんだからもうハンパないです。

「オートボム」のおかげで初心者でもプレイしやすく、上級者には「二週目」や「裏ステージ」が用意されていて、やり込み性も高いです。
もちろんスコア狙いも熱いゲームですね。

価格は 1000 円と高めですが、この完成度なら納得です。
今はセールも行われているようなので、動く本体を持っているのなら見逃す手はないと思います。
シューティングとしては絶対的にオススメのアプリですね。

怒首領蜂 大復活(iTunes が起動します)


【追記】
近いうちに iPhone AC に攻略ページを作成する予定ですが、とりあえず自分用も兼ねて、2周目に行くのに必要となる「蜂アイテム」の出現場所の一覧ページだけ先に作成しました。
ここでこっそり(?)先行公開しておこうと思います。
http://iphoneac.com/dodonpachi8.html

プレイしている方は参考にしてみて下さいね。


怒首領蜂 大復活