1970 年代の後半に登場し、1980 年代の半ばまで製造されていた、非常に古い古典的なボール転がしゲーム。
それが「ポケットメイト」です。

プラスチックケースの中に小さなボールが入っていて、それを転がして遊ぶものですが、様々な工夫が凝らされたものが多く、ボールを使わない将棋なんかもありました。
その中の人気作の1つを再現したアプリが「ポケットメイト フィールドアスレチックス」です。

他に「野球ゲーム」と「迷路ゲーム」も iPhone アプリとして登場していますが、私がオリジナルをよく知っているのは、この「フィールドアスレチックス」ですね。
友人が持っていたので、かなりやらせて貰ったのを覚えているのですが・・・ かなり難しくて、クリア出来た記憶はありません・・・

ポケットメイト フィールドアスレチックス

iPhone / iPod touch 本体を傾けてボールを転がし、ゴールまで導いていくのですが、途中にはたくさんの障害物があります。
段差や階段を登っていく場所では iPhone をうまく縦に揺らしてジャンプさせなければならないし、船に乗せてからは iPhone 本体をコンコンと叩きながら慎重に動かしていかなければなりません。

ボールは小さくて軽いので、ちょっと傾け過ぎたらすぐレールから落ちてしまいます。
よってゴールはかなり難しいのですが、この難しさもゲームの面白さでしょう。
なかなかクリア出来ないからこそやり続けてハマってしまう、そんなゲームですね。

iPhone / iPod touch 版には通常のフリープレイの他に、タイムアタックや、画面が暗くなってオバケが出てくるナイトモードなどがあります。
特定の場所を練習できるトレーニングもあって、相応にモードは用意されています。
ただ、ゲーム自体はオリジナルの「フィールドアスレチックス」しかないので、ボリュームがあるとは言えません

「オリジナルの再現」がテーマでしょうから、オリジナルと違うものが色々あったりするのもおかしいのでこれはこれで良いとは思うのですが、もうちょっとクリア回数や累積点数で違うボールが手に入るなどの、継続して遊べる要素ややり込み要素が欲しかったかも。

iTunes のレビューによると、オリジナルと比べるとやや挙動に違いがあるようですが、自分がやった限りではやってて違和感を感じるようなことはありませんでした。


まあこのアプリは、ゲームと言うより「ノスタルジーを感じるためのアイテム」だと思います。
オリジナルを知っている方なら懐かしみながら遊ぶことが出来るので、悪くはないアプリですが、オリジナルを知らない人には「単なる昔のチープなゲーム」ですから、手を出すべきではありません。

iTunes のレビューを見ても、評価するコメントと批判するコメントが真っ二つで、オリジナルを知っているかどうかの違いが両極端に現れています。
先日の「信長の野望・全国版」でもこんな傾向がありましたが、そう言った「オリジナルを知っているかどうか」で評価が分かれるアプリですね。

個人的に1つ残念なのは、サウンドでしょうか。
楽しげな BGM があり、水面に落ちたら「ポチャン」という音がしたりして悪くはないのですが、「オリジナルの再現」がメインなのだから、やはりここはオリジナルを元にした効果音が欲しかったところです。
LabyrinthPachinko などの、人気のあるノスタルジー系ゲームアプリが優れているのは「本物さながらの効果音」で、それが懐かしさを呼び起こしていると思うのです。
しかしそうしたものがこのアプリには、全くないのが残念です。


とは言え、今はセール中で 115 円ですし(定価は不明)、オリジナルを知っている人なら損はないと思います。
iTunes のランキングでも上位にありますし、これはもう「企画の勝利」でしょうね。
iPhone や iPad の年齢層は比較的高いようなので、そこを狙い撃ちしたアプリという事でしょうか。

ポケットメイト フィールドアスレチックス(iTunes が起動します)