美しい風景をリアルな 3D グラフィック表現し、さらにコーナーをブレーキングではなく「ドリフト」で滑りながら抜けていくという独特のゲームシステムで、1990 年代のゲーム市場に衝撃を与えた作品。
それが「リッジレーサー」です。

しかし iPhone / iPod touch 版のリッジレーサーは昨年末に登場したのですが、その時の評価は散々
iPhone 3G では動作がガクガクで、当時の最新機 iPhone 3GS でさえ常に処理落ちしているような有り様、さらにまともにドリフトできない劣悪な操作性・・・
私も試してみましたがまともに遊べる代物ではなく、そのため今までブログやサイトでは取り上げませんでした。

しかしアップデートによって改善が続き、コースや車種も増え、頻繁なセールも行われているので、遅ればせながらレビューしようと思います。

リッジレーサー iPhone

リッジレーサーはナムコが開発した、3D グラフィックでコースを再現したレースゲームです。
最大の特徴は「ドリフト」で、通常のレースゲームはコーナーの前でブレーキをして減速し、滑らないように走るのが普通ですが、このゲームは違います。
高速でコーナーに突っ込みハンドルを切りながらブレーキし、車体をワザと滑らせて、急激な方向転換をしながら曲がっていきます。

このドリフトを使って高速でコーナーを攻略していくのがリッジレーサーの面白さです。
もちろんそれは「ゲームならではの挙動」であって、実際の車がこんなにドリフトしてたら摩擦でスピードが落ちるし、コントロールが効かずにコースアウトするのがオチですが、このゲームはドリフトしてもあまりスピードが落ちず、さらにドリフト中は勝手にカーブに沿って曲がるよう移動方向に補正がかかります。

つまり、リアルさよりも「走る楽しさ」を優先したレースゲームと言えますね。
この辺はリアル系のレースゲームとは大きく異なる点です。

iPhone / iPod touch 版は画面も美しく、PSP 並とまではいきませんが、それに近いぐらいのグラフィックはあります。
操作も初期版は本体を傾けての操作しかなく、反応が悪いうえにドリフト操作に合っていなかったため酷評されましたが、現在はコントロールキーでの操作が可能になっていて、普通にプレステ版と変わらないプレイが出来ます。

初心者の方にとってはドリフト操作、すなわちコーナー手前でハンドルを切りながら減速し、車体が滑り始めたらコーナーの脱出方向に車体が向くように逆側にハンドルを切って、向きを調整しながら車体を安定させる、という一連の方法が解りにくいと思います。

そのためレースゲームとしてはやや敷居が高いかな、とは思いますが・・・
でも、「簡単過ぎない難易度」「上位に入るのは慣れれば容易だけど、なかなか1位にはなれない」という難しさも、リッジレーサーの面白さですね。

一通りレースゲームをやってみましたが、私的には「走ること自体の面白さ」は、このリッジレーサーが一番ではないかと思います

ただ、やや残念なのは・・・ もうちょっとプレイした実績などの要素が欲しかったこと
特定のコースで1位になると新しい車がアンロックされる、順走コースをクリアすると逆走コースがプレイ出来る、などの要素はあるのですが、順位によって得られるドライバーズポイントとか、それによって解禁される要素とか、そう言ったものも欲しかった印象です。

いきなりクラス4やスペシャルクラスも選べますが、こうしたものは実績を積んだ後に出現するものにした方が、ゲームとしての目標を得られたし、面白かったような気がしますね。
携帯機ですから、ある程度は簡略化した方が良いと判断されたんでしょうか。

でも、「このコースで1位になると○○がアンロックされます」というような表示ぐらいはあった方が、目的(やる気)が明確化した気がします。

リッジレーサー iPhone

とは言え前述したように、今なら「走ることの楽しさ」に関しては、数あるレースゲームの中でもベストでしょう。
その内容はまさに「リッジレーサー」そのものです。

ナムコには珍しく、度重なるアップデートによって追加要素が増えているのも嬉しい点です。
セールで安くなっていることも多いようだし、今ならばススメできるアプリと言っても良いでしょう。

RIDGE RACER ACCELERATED(iTunes が起動します)