海外では非常にメジャーなレーシングゲーム「Need for Speed」シリーズ。
その最初の iPhone / iPod touch 移植版は先日紹介した Need for Speed Undercover なのですが、これはサーキットを周回するリアルレーシングではなく、一本道を走ってライバルにぶつかって破壊するというアクション性の強いものでした。

そのため、改めて本来のサーキットを周回するタイプの Need for Speed が登場します。
それが「Need for Speed Shift」です。

iPhone / iPod touch のレースゲームとしては定番の1つですね。

Need for Speed Shift

このゲームは他のレースゲームにはない特徴的なシステムが多くあります。
1つは「ステアアシスト」「オートブレーキ」などの機能があり、非常にプレイしやすくなっていること。

カーブの手前に来ると自動的にブレーキがかかり、曲がりやすいスピードに減速してくれます。
よってプレイヤーはスピードを気にせずハンドル操作だけに集中すれば良く、非常にラクにドライビングできるようになっています。

さらに道路上に理想の「コースライン」が表示されています
これに沿って走るようにすればコースアウトせずに走れるし、次にどっちに曲がり、そのためにどっちに寄っていればいいのかも早くから解ります。
コースラインに沿って走ることでポイントも上がっていくため、この上を走ることがゲーム性の1つにもなっています。

つまり誰でも楽しめるレースゲームになっていて、普段この手のゲームをしない人でも十分に遊べるシステムが作られています。
操作は iPhone / iPod touch を傾けて行いますが、やっていて違和感を感じることはありません。

コースは4種類ですがステージ数は多く、普通のレース、タイムトライアル、最下位が脱落していくサバイバルレースなど数多くの種類があり、順位や成績、レース中の走行結果に応じてポイントが貯まり、それによってドライバーズランクが上がって上位のレースが出現するという要素もあります。

登場する車は全て実車がモデル
レースで稼いだお金で購入でき、パワーアップも可能、さらにビジュアル(塗装やホイール、エアロパーツなど)の変更も可能です。

Need for Speed Shift

ただ、アシスト機能があまりにも便利すぎて、レースゲームに慣れている人だと物足りなさもあるかもしれません・・・

ブレーキなんてニトロで加速しすぎた時と、ハンドリングが遅くて外にはみ出そうな時ぐらいしか使わず、基本的にノーブレーキでハンドリングだけしていればいいうえに、理想のラインも表示されているのですから、1位になれば後は「線の上をなぞるだけ」の展開になりがちです。

また、ゲーム的に「スタート直後にニトロで加速して追い抜く」のが攻略なのですが、それをしてしまうと「追い上げる楽しさ」もなくなります。
(1対1のレースだと相手も開始直後にニトロを使ったりしますが)

アシスト機能は「オフ」にすることも可能で、「オートブレーキ」と「ステアアシスト」をオフにすると普通のレーシングゲームと同じようにプレイする事も出来るのですが、これをしたからと言ってプレイヤーに有利な特典はないので、単に先に進むのが難しくなるだけに。
お金を稼げないと新しい車を買うことも出来ないので、ここはちょっと厳しいところですね・・・

理想のラインが表示される機能については、このゲームには「コースの全体マップ」が表示されていないので、これがないと次にどちらに曲がればいいのか解らないので必須と言えます。
ただ、やはり全体マップは欲しかったところ。 ミニマップがあるのでまだマシですが・・・
また、理想ラインの表示は面白いシステムだとは思いますが、「その上を走るとポイントが貰える」(逆に言うとその上を走らないとポイントがない)ってのはいらなかったかも。

総合してみて、オススメかどうかと言うと・・・
普段あまりレースゲームをしない人や、レースゲームが得意でない人で、本格的なレースゲームをやってみたいと思っている人にはオススメ出来ます。

ここまで「初心者でもリアルなレースを手軽に楽しめる」というのは特筆すべき点です。
iPhone / iPod touch には普段ゲームをあまりやらない人も多いので、その点を考えているのかもしれません。
ちゃんと賞金やドライバーズポイントがあって、ゲームとして楽しめるのも良いところ。

しかし、普段良くゲームをやっている人だと・・・ アシストとニトロが強力すぎて、物足りなさを感じそうです。
アシストはオフにも出来ますが、オフにしてゲームをやるなら私的にはもっとダイナミックに走ることが出来る「リッジレーサー」の方が楽しいと思います。
スピード感もリッジレーサーと比べると、やや劣るかなと思いますね。

価格は 800 円とかなり高め。
ただ、価格に見合っているだけの内容とボリュームではあります。
前回の記事でも述べましたが、「Need for Speed Undercover」とはゲーム性が全く異なるのでご注意下さい。

・Need for Speed Shift(公開終了)
・Need for Speed Shift FREE(公開終了)