トラックを使った輸送体制を確立させ、様々な問題を解決させつつ町を発展させていくという、輸送型都市開発シミュレーション。
それが「Virtual City」です。

ゲーム内容を一言で言うと、「セトラーズの生産部分+A列車で行こうシリーズ」です。
自由に広範囲の都市開発が出来るゲームではないため「シムシティ」とは全く異なりますが、これはこれで楽しいですね。
勝利条件を満たすとクリアとなる、ステージクリア型のゲームです。

開発したのは G5 Entertainment というロシア系の会社。
この会社のソフトは他のゲームを模倣したものが多いのですが、単なる模倣ではなくアレンジや追加要素が加えられていて、グラフィックやサウンドも総じて高レベルです。
Mahjong Artifacts 2 などを開発したところですね。

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プレイヤーは運送会社 兼 建設会社の社長のような役どころで、都市の発展に必要な生産物がうまく供給されるよう、輸送車両の運用を行っていきます。

例えば、クリア条件が「マーケットにパイを運ぶ」という場合、まず小麦農場から風車小屋にトラックを走らせ、麦を小麦粉にします。
さらに風車小屋からパン屋にトラックを走らせ小麦粉を運び、牧場からもパン屋にトラックを走らせミルクを運びます。
パン屋に小麦粉とミルクが運ばれるとパイが作られるので、トラックをパン屋からマーケットに走らせ、マーケットにパイが運ばれれば条件達成となります。

一見複雑そうに見えますが、トラックを買って出発地点と到着地点を指定するだけなので、システムとしてはシンプルです。
また、この辺りの生産システムは「セトラーズ」のような開発型 RTS のものと同じなので、セトラーズをやった人なら悩む事はないでしょう。

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ステージによっては住民の人口を増やしたり、幸福度を高めたりしなければなりません。
パイや化粧品などの必需品がマーケットに運ばれていて、ゴミ収集車がちゃんと巡回していてゴミが溜まっていなければ家の人口が増えて行き、さらにシアターなどの娯楽施設があって、バス停から出発するバスでシアターやマーケットに人が運ばれていれば幸福度が上がります。
噴水公園などがあれば環境の評価も上がります。

それらの施設が足りない場合は自分で森を切り開いて施設や道路を設置していく必要があり、こういうステージはクリアは大変ですが、「都市開発シミュレーション」としての楽しさがありますね。

各ステージは複数の勝利条件が設定されていて、全て満たせばクリアとなります。
左上にはタイマーがあって、クリアがこの時間以内なら「エキスパートクリア」となります。
クリア評価に応じてキャッシュが得られ、これを使って設置できる施設などを購入していく要素もあります。

Virtual City

面白いゲームなのですが、難点は「全文英語」なことでしょう。
海外のアプリだから当たり前ですが、勝利条件の表記なども全て英文なので、そこそこは読めないと辛いかもしれません。
ただ、序盤ステージはプレイ方法の解説をしてくれる「チュートリアル」になっていて、アイコンなども解りやすいので、英語が読めなくてもそれなりに理解することは出来るはずです。
トラックを買って、出発地点と到着地点を指示したら物品が運ばれて、必要なものがそろっていたら生産が行われる」と言う事さえ知っておけば、後は何とかなると思います。


グラフィックも綺麗だし、サウンドも悪くないし、新しい都市運営シミュレーションとしてオススメのゲームです。
開発シミュレーションが好きな方、「セトラーズ」や「A列車で行こう」が好きだった方なら、きっと楽しめると思います。
ただ、英語が欠片も解らない、読む気にさえならない、という人だとちょっと辛いのも確かですね。

定価は 600 円のようで、現在は発売記念セール中です。
完成度の高いゲームなので、私的には 600 円でも悪くないゲームだと思います。
iTunes の説明によると、将来的に完全版アップデートとして「大マップでのフリープレイ」も追加されるようなので、そうなると「シムシティー」や「A列車で行こう」のような、本格的な都市開発 SLG になるかもしれません。

個人的に、今後のアップデートに注目していきたいアプリの1つですね。

Virtual City(iTunes が起動します)
Virtual City Free(iTunes が起動、無料体験版)