カプコンの名作オールドゲームの数々を、ゲームセンター感覚で楽しめる無料アプリが公開されています。
その名も「カプコンアーケード」。

このアプリはたぶん PSP の「カプコン クラシックス コレクション」の移植に近いのではないかと思うのですが、この辺りについては後述します。
現時点では「ストリートファイターII」「1942」「大魔界村」「戦場の狼」の4つがプレイ可能で、毎月新ゲームを追加していく予定とのこと。

※現在はアップデートで以下のゲームも追加されています。
「ファイナルファイト」「1943」「超魔界村」「スーパーパズルファイター II X」「ストリートファイター II' Turbo」「マジックソード」。

アプリは無料、さらに1日3回まで無料でプレイする事ができますが、それ以上プレイするには課金が必要になるという形式です。
3回までなら無料で楽しめるのでお得と言えますが、多くの課金システムも備わっており、ある意味野心的なシステムと言えますね。
現在の iPhone / iPod touch はこうした「基本料金無料の追加課金型アプリ」が増えつつあるようです。

※2011年9月のアップデートで、フリーチケットは初回に10枚貰えて、以後は増えなくなりました。
最初のチケットを使い切ったら課金しないとゲームは出来ません。

このアプリは販売/開発元に「CAPCOM U.S.A.」と明記されているため、課金システムを見ると日本のカプコンも監修しているとは思いますが、基本的にはアメリカ側の開発だと思われます。

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以下は各ゲームのレビューですが、正直「辛口」です。
そうしたレビューが嫌いな方は見ないで下さい・・・


【 ストリートファイターII 】

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言わずと知れた対戦格闘、そしてアーケードゲーム界の金字塔。
その「ストII」の初代が移植されています。

iPhone 版スト IV 風の必殺技ボタン(SPボタン)が付いたコントロールになっていますが、設定変更で6ボタンにする事も可能です。
しかし操作性は ストIV に大きく劣っていて、私はこの操作では波動拳も昇竜拳もまともに出せませんでした。
SP ボタンの挙動も微妙で、例えばガイルだとサマーソルトを出すのに「タメ時間の後に発動」という形になっているので、これじゃ「飛ばせて落とす」なんて不可能。

そもそも iPhone / iPod touch には非常に完成度の高い「ストリートファイターIV」がすでにあるんだから、こんな操作が劣化した ストII なんていらないだろ、ってのが本音。
無料で出来る事以外に利点はない気がしますね。


【 1942 】

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4つの中では一番マシです。 理由は「操作性が良いから」。
指の動きに追従して自機が動くスライド型の操作で、画面下には指置き場が存在するという、怒首領蜂エスプガルーダのような操作スタイルです。

ゲームは昔の 1942 のまんまで、今やると敵の動きがトリッキーで非常に難しいのですが、操作性が良く無難な作りになっているので、相応に楽しめますね。
さすがに今となっては古くさい印象は否めませんが、特に問題になるような点はないため、無料なら良いかな、とも思います。


【 大魔界村 】

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まず「画面が薄暗い」。 全体的に色あせてます。
何が原因でこうなってるのか解らないけど、この時点で問題外な気が。
ホラー系の「魔界村」だからこれでもまだ許せるけど、もうちょっと何とかできなかったのでしょうか。
(そう言えばスーファミ版も薄暗かった気が・・・ そのままですね)

操作ボタンは iPhone / iPod touch 版の騎士列伝のものですね。
操作性は良いとは言えないけど、(この手のゲームとしては)悪くもありません。

非常に難しいゲームなのですが、これはオリジナルの時からそうです。
一応慣れれば進める難易度ではあるけど、iPhone 版の騎士列伝と同じ気持ちでプレイした人だと愕然とするだろうなぁ・・・
私も1面クリアがやっとでした。 昔はスーファミ版で2週クリアとかしてたんですけどね・・・

1日のプレイ回数が限られていて、それ以上プレイするには有料になる「カプコンアーケード」には、この高難度はあまりにもマッチしていない気がします。
オリジナルを知らない人は開始1分でゲームオーバーになって、もう二度とやらないでしょうね。
コンティニューしてると湯水の如くプレイコインが消費されます。


【 戦場の狼 】

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「乱射しながら突撃していく」という感じの縦スクロールシューティング。
まず操作性が最悪。
「戦場の狼」は元々自機が8方向にしか動かなかったので操作にクセがあったのですが、それが操作性イマイチなバーチャルスティックのおかげで、ますますクセの強い操作になっています。
とにかく思い通りに動かすが難しい。 この時点でシューティングとしては問題外。
さらに言うと手榴弾のボタンまで反応し辛い。 ダメダメです。

このゲームは「強制スクロール」じゃないので、スティック操作でないと再現できなかったのだと思いますが、その時点でタッチパネルには合ってなかったって事ですね。

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以上、4つのゲームです。
ぶっちゃけ 1942 以外、もっとやろうと言う気になれませんでした。
1942 もいまさら感は否めません。 ファンなら嬉しいかもだけど。

※アップデートで追加されたゲームについては以下のページをご覧下さい。
「ファイナルファイト」と「1943」、アップデート情報 2011/4 その2
「ストリートファイターII' Turbo」と「マジックソード」、アップデート情報 2011/8 その1
「超魔界村」と「スーパーパズルファイター II X」、アップデート情報 2011/6

前述したように1日3回までは無料で、それ以上やるには「115 円で 10 回分」のコインを買う必要があります。
つまり1プレイ約 11 円。 この安さなら課金しても悪くはないかなー、という気はしますね。 面白いゲームがあれば。

「ゲーム台を買う」という選択もあって、こちらは 350 円で購入したゲームが「フリープレイ状態」になります。
ただし 350 円あれば 30 回プレイ出来る訳だから、それ以上やる場合でないと損です。

さらに「スペシャルアイテム」という課金パワーアップアイテムもあって、例えば「魔界村で鎧が5回まで復活する」とか、「1942 で常にフルパワーになる」などが購入可能です。 こちらも1つ 115 円
「魔界村・騎士列伝」の時にこうした課金アイテムが好評だったようなので、おそらく収益のメインはこれだと考えているのではないでしょうか。

ただ、課金アイテムは「元のゲームが面白くないと買わない」訳で、現時点では操作性が悪いのもあって、厳しい気がしますね。
このラインナップも ストII は ストIV の、大魔界村 は 騎士列伝 の繋がりを考えてのものだと思うのですが、すでに ストIV騎士列伝をやっている人だと劣化版にしか見えないのが本音です・・・

もっと今後魅力のあるタイトルを増やさないと厳しいと思います。
って言うかローンチタイトル(最初のタイトル)の選定を間違ってる気がしないでもない。
「人気作は取っておきたかった」と言うのもあるかもだけど。
(確かに 1943 の後に 1942 じゃ順番おかしいし・・・)


さて、以下は推測の話も含むのですが・・・
この「カプコンアーケード」は、おそらく PSP 版の「カプコン クラシック コレクション(以下 CCC)」のゲームを移植したものだと思われます。

収録されているゲームは全て CCC にあるものばかりであり、特定条件で貰える「おまけ」なども CCC のものを使っているようです。

この PSP 版「カプコン クラシック コレクション」は欧米で大ヒットしたソフトで、そのためゲームが増えたリミックス版も欧米のみで販売されています。
このアプリの開発にアメリカ支社が関わっていることも、この辺が影響しているのかも・・・? (操作性がダメなのもそれが理由だと思うけど・・・)

そのため今後追加されていくというアプリも、おそらく CCC から移植されるのではないかと思われます。
その中には「1943」や「ソンソン」、「エグゼドエグゼス」や「ザ・キングオブドラゴンズ」なども含まれます。
リミックス版だと「ファイナルファイト」や「マジックソード」などもあるので、この辺りは期待しても良いのではないでしょうか。
来月は ストII' のようなので、それだけだとガッカリ感が否めないけど。

まあ、今後のタイトルに関する話はあくまで推測です。
しかしこれから魅力的なタイトルが出てくるかどうか次第なことは、間違いないでしょうね
とりあえず無料なので、落としておいて損のないアプリだとは思います。
今の時点では遊べるゲームは少ないですが、今後に期待しましょう。

カプコンアーケード(iTunes が起動します)