第二次世界大戦の東部戦線で、ドイツ戦車軍団を率い圧倒的物量で攻めてくるソ連軍を相手に最前線を守る、硬派な防衛型ガンシューティングARMS ROAD Eastern Front」。

ミリタリー好きな人の支援を受け(?) iTunes のゲームランキングに長期間出たり入ったりしていたロングセラーアプリですが、その続編が登場しています。
ARMS ROAD 2 Bagration」です。

「Bagration(バグラチオン)」とは第二次世界大戦後期のソ連軍による対ドイツ大攻勢で、そろそろ終戦の足音が聞こえていた時期。
プレイヤーが枢軸国(ドイツ軍)」という iPhone / iPod touch では珍しいゲームで、開発しているのは日本の「さざなみ」というメーカーです。

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ドラッグで照準を動かし、指を離すと砲撃。
前方から迫ってくる敵戦車や歩兵部隊を迎撃していきます。

砲撃はまず画面下の兵器アイコンをタップし、どの兵器で撃つかを選択、その後に照準を合わせて発射する形です。
兵器には対戦車砲(徹甲弾)である「戦車」と「駆逐戦車(突撃砲)」、対歩兵攻撃である「榴弾砲」と「突撃榴弾砲」があり、戦車には徹甲弾、歩兵やトラックには榴弾しかほとんど効きません。
相手に合わせて使い分ける必要がありますね。

また対歩兵用の機銃もあり、画面左下のスイッチで左右に動かすことが可能、範囲に入ってきた敵歩兵を自動的に射撃してくれます。

敵を倒しきれず、手前のバリケード(柵)を越えて敵が進入してきたり、敵戦車の砲撃を受けると陣地がダメージを受け、耐久力が 0 になるとゲームオーバー。
その前に敵を全滅させればステージクリアとなります。

今作はさらに、「敵の爆撃機」も来襲してくるようになりました。
これが来たら機銃を「対空砲」に切り替えて撃ち落とさなければなりませんが、対空砲を使っている間は対歩兵用の機銃は使えません。
他にも陣地に踏み込まれると危険な火炎放射戦車や、遠距離から撃ってくるカチューシャこと多連装ロケット砲など、様々な兵器が追加されています。

また、一番大きな変更点は「編成画面」が加わった事でしょう。
前作の兵器はお金を払って上位のものにパワーアップさせていく形でしたが、今作は「上位の兵器を購入し、編成に加える」という形になっています。
つまり前に使っていた兵器はそのまま残ります。

今回は1つのスロットに同じ種類の兵器を複数配備することが可能で、例えば「3号突撃砲」を使っていて、「4号突撃砲」を新たに買った場合、1つのスロットに4号と3号を両方入れられます。
こうすると4号が撃った後にすぐ3号で撃てるようになるので、リロードの時間を待たずに連続した射撃が行えます。

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ただ、このゲームは「こちらの砲撃の貫通力が相手の装甲を上回っていれば1撃で撃破できるが、相手の装甲を下回っていると跳ね返されてノーダメージ」という実際の戦車戦を模したシステムになっているので、例えば4号突撃砲と3号突撃砲を混ぜていると、「敵戦車を撃ったけど貫通力がない3号突撃砲の砲撃だったので、跳ね返されてしまった」なんて事が起こり得ます。
この辺が難しいところですね。

貫通力のある新兵器をたくさん買ってスロットに入れればこのようなケースはなくなりますが、そうするとお金が足りなくなり、次の新兵器が出た時に困ります。
また、補充が早い兵器と遅い兵器があって、例えば「ティーガー」や「エレファント」と言った重戦車は一度買うとなかなか補充されません。
編成で「戦車多め」とか「突撃榴弾砲メイン」なんて形にも出来るので、攻略の幅も広がっていますね。

以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。



前作はセーブが1つだけしかなく、前のステージに戻ってお金を稼いでくると言う事も出来ないため、どうしてもクリアできなくなった場合は最初からやり直すしかなかったのですが、今回はセーブが6ヶ所に出来るようになったため、任意のセーブ地点に戻れるようになりました。

他にも、ステージ開始前にセーブしていない場合の警告が表示されるようになったり、機銃が近くの敵に自動的に吸い付いてくれたりするなど、様々な点で改良が加えられています。
あまり違いがなかった戦車と駆逐戦車も、戦車のロックオンが速くなっているため、その部分で差が付けられています。

ただ、前のステージに戻ることは相変わらず出来ないので、どうしても進めなくなったら最初からやり直す(もしくはかなり前に戻る)必要があるのは今回も同様です。
そんなにステージクリアに時間がかかるゲームではないので、何度もやり直しながらプレイスタイルを最適化していき、先のステージを目指すという形を想定しているのかもしれません。

また、序盤ステージの難易度は「編成システム」の導入により連続射撃が可能になったため全体的に下がっているのですが、後半ステージの難易度は逆に編成システムを加味した難易度にされているためか、かなり上がっている印象です。
爆撃機や遠くから撃ってくるロケット砲などにも対処しなければならなくなったため、かなり難しくなっていますね。

と言う訳で「ARMS ROAD 2 Bagration」、基本のゲームシステムは前作から大きく変わっていませんが、編成システムと新兵器の追加、問題点の改良などで「正統進化している」と言えます。

まあこのゲームは前作の時にも述べましたが、ゲームシステムもさることながら、実在の兵器が数多く登場するところが最大の魅力でしょう。
「ティーガーやヤークトパンターなどの鋼の虎たちを率いて、物量で押してくるソ連軍と渡り合う」という所に燃えられる、いや「萌えられる」人に特にオススメしたいアプリです。
たくさんの兵器を編成に加えられるところも「よく解っていらっしゃる」という感じです。

まあ今回は問題点の改善などでより遊びやすくなっているので、ミリタリー好きでない方でも「防衛型ガンシューティング」として普通に楽しめる内容です。
価格も 230 円と高くなく、無料体験版も公開されています。
1ステージが短めで、割と気楽にプレイする事が出来るゲームでもあるので、試してみて損はないと思いますよ。

ARMS ROAD 2 Bagration(iTunes が起動します)
ARMS ROAD 2 Bagration Lite(無料体験版です)