各地の古代遺跡などを探検しながら、宇宙の謎を紐解くという秘宝を探す「3D フリークライミング」のアドベンチャーゲーム
それが「シャドーガーディアン」です。

このゲームを一言で言うと「ゲームロフトのアンチャーテッド」なのですが・・・
「アンチャーテッド」というゲームは PS3 でしか発売されていないアメリカのゲームなので、国内の知名度は低く、知らない方も多いでしょうね。
しかし欧米では非常に有名なゲームで、数々のゲーム賞を受賞したという近年のヒット作の1つです。

壁や崖、屋根の上など、一見移動出来そうにない場所を「フリークライミング」のようによじ登っていき、建物や遺跡に潜入してお宝を探す内容で、B級映画のようなストーリーと連発されるピンチシーン、そして FPS のような銃撃戦があるゲームです。
似たジャンルのゲームに、今では映画の方が有名になった「トゥームレイダー」がありますが、その流れのゲームの1つと言えます。

シャドーガーディアン

まず最初に言っておくべき事として・・・ このゲームは iPhone 4 か 3GS、及び第三世代 iPod touch 以降にのみ対応しています。
iPhone 3G などの旧機種ではプレイ出来ないので注意して下さい。
(iPad は専用版の HD が用意されています)

ゲームロフトのゲームは基本的に「旧機種を切り捨てない方針」でした。
しかしこのゲームはゲームロフト初の「新機種専用アプリ」となっていて、そのためグラフィックの質は大きく向上しています。
その画面の綺麗さは、上の画像を見てもよく解ると思います。

正直、Infinity BladeRAGE HDReal Racing 2 などの最新のハイクオリティーグラフィックのゲームと比較すると、やや角張った形状が目立つグラフィックで、それらに匹敵する程ではないのですが、しかし旧機種を切り捨てただけあってゲームロフトの中では間違いなく最高のグラフィックです。
ステージに何ヶ所かは「うぉぉ、こりゃ凄い」「これは綺麗だ」と思うグラフィックの場面が用意されていて、「俺たちだって本気になればこのぐらい出来るんだ!」というゲームロフトのアピールなのかもしれません。

旧機種の切り捨ては、iPhone 3G や数年前の iPod touch を使っている人は残念に思うと思いますが、しかしそこがボトルネック(足かせ)になっていた事も確かです。
そろそろこういった、「フラグシップ」「技術アピール」的なゲームが出てくる時代なのかもしれませんね。

シャドーガーディアン

ゲーム内容は、「3D グラフィックのフリークライミング型アドベンチャーゲーム」と言えます。
それに、たまに FPS 的な銃撃戦が付いている、という感じです。

勘違いしてはいけないのは、このゲームはその「銃撃戦」の部分はメインではないと言う事。
複数の銃を装備していて、銃弾もあって、遮蔽物に身を隠しながら撃ち合える FPS 的なシーンは確かに存在します。
iTunes のスクリーンショットでも銃撃戦のシーンが最初に掲載されています。

でも、このゲームはあくまで遺跡の探索がメインで、言わば「3D の謎解き(と言うかルート探し)アクション」のような感じです。
銃撃戦の事だけを考えると、モダンコンバット2ブラザーインアームズ2 をやった方が良いので、その点は注意して下さい。

前述したように「フリークライミング」のようなシーンが多く、壁や柱をよじ登る場面が多くあります。
どうやって目的地に到達するか、いかにそのルートを探すか、その辺りがゲームのメインになっていると言えますね。
元となった「アンチャーテッド」もそう言うゲームと言えます。

シャドーガーディアン

ただ、これを良い点と言うべきか悪い点と言うべきかは難しいところなのですが、このゲームはどんな場所をよじ登っている場合でも、絶対に「落ちて死ぬ」という事はありません

ジャンプで失敗したり、行きすぎて足を滑らせたり、手をかけそこなって落ちると言う事はなく、つまり「決められたルートをなぞって行けば自然と誰でも登っていける」ようになっています。
そのため、どんな場面を登っている場合でも「スリル感」のようなものがありません。
これが「アンチャーテッド」だと、タイミングが悪かったりジャンプが遅れたりすると落ちて死ぬ場合があったので、スリル感もあったのですが・・・

とは言え、iPhone / iPod touch のゲームであることを考えると、あまりシビアな操作が要求される場面が出てくるのも問題です。
だからタッチパネルでの操作のことを考えると、これでも良いのかなぁ、とも思ったりして・・・ ここは難しいところですね。

クライミングシーンで残念なのは、アンチャーテッドは「足場が傾く」とか「持っていた棒が曲がる」とか「上から物が落ちてくる」とか、様々な「ピンチ」が連発されて、それがアクションと演出の面白さになっていたのですが、シャドーガーディアンは「手や足をかけている部分が崩れ落ちる」という場面ばかりが繰り返される事。
つまり「ピンチ」のバリエーションが少ない。
だからずっとやってると、「ああ、ここで崩れるんだろうな」というのがなんとなく解ってきます。
この辺もスリル感を損なっている部分と言えますね。

銃撃戦のシーンは、物陰に隠れて戦えるのは良いのですが、普通に撃っても敵に全然当たりません。
撃ったポイントが照準からズレるし、射程も非常に狭くなります。
エイム(狙撃)モードにすれば狙った場所に撃てるようになるので、エイムと通常状態の切り替えが重要なのですが、これが解りにくい

普通の FPS と同じ感覚でやってると、「照準を敵に合わせて撃ってるのに全然当たらない」という事になるので注意して下さい。
新機種用なのに iPhone 4 のジャイロに非対応なのも残念な点と言えますね。

シャドーガーディアン

ストーリーは、ゲームロフトのゲームの中では解りやすい方でしょうか。
「捕まった主人公の回想シーン」という形で各ステージが進むため、最終的にどうなるのか、先が見たくなる展開にはなってますね。

誰でもクリア出来る、非常にプレイしやすい携帯用のアンチャーテッド」という感じで、その意味では「非常にゲームロフトらしいアレンジのゲーム」と言えそうです。(ただ、ボスは相応に手強いです)

この手のアドベンチャーゲームでこんなにプレイしやすいゲームは他にないので、そこを「遊びやすい」と取るか、「物足りない」と取るかで評価が分かれると思いますが、私的には悪くないゲームだと思います。
映画を見ているような感じで楽しむのが良いゲームですね。

価格は 800 円と割高ですが、これだけのグラフィックとクオリティーですから、値段分の価値はあると思います。
ボリュームもかなりあり、1ステージの長さもかなり長めです。
(30分以上かかるステージも多いです)

注目なのは、ゲームロフトが新機種専用のゲームも出してきたと言う事でしょう。
Unreal Engine の Epic Games や、FPS の老舗 id Software などが新機種用のハイクオリティーなアプリを出してきましたから、FPS のもう一つの大手 Ubisoft (ゲームロフトの親会社)も、うかうかしてはいられないと言ったところでしょうか。
来年の iPhone / iPod touch での各社の競走が楽しみなところです。

最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。



シャドーガーディアン(iTunes が起動します)
シャドーガーディアン HD(iPad 専用版です)