iPhone / iPod touch 初期の「一本道 RTS」(ラインウォー)「Avatar of War」。
これは(自分が記憶している限りでは)iPhone 初の、ユニットに命令が出せる一本道 RTS だったと思います。
その Avatar of War にグレードアップした続編が登場しました
「Avatar of War: The Dark Lord」です。
iTunes のレビューに「タワーディフェンスです」と書かれたものがありますが、これは完全に間違いで、前述したように一本道の両側から兵士を出し合うタイプの RTS(リアルタイムの戦術シミュレーション)ですのでご注意を。
フィールド右端から敵兵士が進軍してくるので、画面下のアイコンをタップして兵士を雇用し、フィールド左端にある自軍の城を守ります。
兵士は「マナ」と呼ばれるゲージを消費して雇用し、このマナは時間と共に回復しています。
敵を倒すとお金を入手出来るのですが、このお金はユニットのアップグレードや装備の購入に使用するもので、ユニットの雇用には使わないのが1つの特徴と言えます。
このゲームの大きな特徴はユニットに「命令」を出せる事。
前進命令を出すとヒーローが出撃し、ユニットはその周囲に展開します。
そして敵に接すると自動的に戦闘に入りますが、ヒーローが後退命令を出すと後ろに下がる事が出来ます。 停止命令も可能です。
多くの一本道 RTS のユニットは勝手に前進するのみなので、後退命令や停止命令を出せるというのは異色と言えますね。
また、今作ではヒーロー自身も戦闘に参加します。
ヒーローは武器を振って貫通するウェーブのようなものを出して攻撃し、これが結構強力なので、前作のように「城で守っている方が強い」とは言い切れなくなりました。
ただしヒーローがやられると再登場までユニットは自動的に後退し、さらに命令が出せなくなってしまいます。
敵を倒したりステージクリアするとお金が貰え、それでユニットをレベルアップしたり、ユニット最大数や必殺技などを増やしたり、ヒーローの武器を購入したり出来ます。
前作は延々と続くステージをクリアしていくゲームでしたが、今回はマップ画面があり、途中ではボスキャラなども登場します。
前作と同様のモードも用意されていて、ここではハイスコアのランキング登録も可能です。
前作と比べると、かなりパワーアップしていると言えるのですが・・・
逆に残念な点や、明らかに「改悪」と思える点も目に付きます。
まず、非常に操作し辛い事。
この Avatar of War というゲームは「画面にシンボルを描く事で」命令を出します。
例えば指で「>」となぞれば部隊が前進し、「<」となぞれば後退、「>>」となぞれば突撃します。
しかしその反応が前作に比べると非常に鈍いのです。
「>」と描く時にちょっとでも曲線ぽいと、もう受け付けてくれません。
前作はもっと反応が良かった反面、思っていたのと違う反応をしてしまう場合があったので、今回はやや判定を厳しくしたのだと思いますが、これは厳しすぎです。
それでなくても「シンボルを描いて命令」というのは操作し辛いのに、ますます不便になっています。
命令を出してから判定されるまでのタイムラグが長いのも気になります。
また、今回は画面左上に「メニューボタン」が用意され、これを押す事でも命令を出せるのですが、そのボタンが小さくて使い辛い。
それに「メニューボタンがあるんなら、シンボルを描くシステムいらないだろ」と思ってしまいます。
画面にシンボルを描くシステムのためか、画面の左右スクロールは本体の傾きで行うのですが、これも寝転がってプレイ出来ないので不便です。
さらに残念なのが、「戦略性の低下」。
前作よりもユニットに出せる命令が減っており、単純な「前進」や「後退」しか出来なくなっているのです。
例えば前作は「フォーカス(狙う)」という命令で弓隊を少し前進させ矢を連射し、それで敵を倒しながら隙を見て騎兵を「突撃」で突入させる、というような戦略が取れました。
それは一本道 RTS としては他にない面白さだったのですが、今作はそうした細かい命令はなくなり、前述のフォーカスも単なる「必殺技」になってしまいました。
よってゲームとしては単なるシーソーゲームになりがちで、Avatar of War の良さだった戦略性は薄れています。
加えて今作は敵の城を攻めるのではなく、「しばらく守ればクリア」となるステージも増えました。
しかし一本道の RTS で守ればクリアになると言う事は、攻める必要など全くなく最後尾で守りを固めていればそれで良い訳で、一本道 RTS の基本となる「攻めと守りの押し合い」の要素さえ薄れています。
(最初に「これをタワーディフェンスだと言っている人がいる」と書きましたが、おそらくその人は序盤ステージしか見ておらず、序盤は「守るだけのステージ」ばかりのため、それでタワーディフェンスだと思った可能性がありますね)
さらに後半ステージになるとボスが登場するのですが、これが相手の全ユニットを攻撃する必殺技を使うため、「陣形を組んで守る」という戦法が通用せず、そこではもはや突撃とアップグレードを繰り返すだけのゲームとなってしまいます。
ゲーム自体は、リーダーの戦闘や武器、豊富な必殺技などが加わっていてボリュームが増しているのですが・・・
基本的なゲームシステムは正直言って、前作の方が良かった気がします。
以下は海外のゲームサイト GameTrail により Youtube に公開されているプレイムービーです。
前作は敵の城を落とすのが難しく、序盤ステージさえクリア出来ない人が多かったようなので、それでシステムの簡略化が行われたのだと思いますが・・・
そのために、普通の一本道 RTS になってしまった感じですね。
まあ、それは万人向けになったという事でもあるかもしれませんが・・・
そしてもう1つ残念なのは価格。 定価で 350 円です。
決して高すぎる価格ではなく、ボリュームや内容を考えると相応の価格だと思うのですが、前作は 115 円と明らかに安く、それがオススメの要因でもあったので、価格の面でも普通になってしまった印象です。
とは言え、前作の事を加味せずに見た場合、やはり完成度の高い作品だと思います。
デフォルメされたグラフィックも非常に良く、私的に前作の難点だった「残虐な表現」もなくなりました。
これで操作性さえ良ければ、悪くないアプリだと思うんですが・・・
現時点では操作性の悪さ、シンボルの認識の厳しさがあるため、あまりオススメは出来ません。
今の時点(2011/1)ではバグも色々と見られるので、もっと調整が行われてからでないと厳しいですね。
・Avatar of War: The Dark Lord(iTunes が起動します)
これは(自分が記憶している限りでは)iPhone 初の、ユニットに命令が出せる一本道 RTS だったと思います。
その Avatar of War にグレードアップした続編が登場しました
「Avatar of War: The Dark Lord」です。
iTunes のレビューに「タワーディフェンスです」と書かれたものがありますが、これは完全に間違いで、前述したように一本道の両側から兵士を出し合うタイプの RTS(リアルタイムの戦術シミュレーション)ですのでご注意を。
フィールド右端から敵兵士が進軍してくるので、画面下のアイコンをタップして兵士を雇用し、フィールド左端にある自軍の城を守ります。
兵士は「マナ」と呼ばれるゲージを消費して雇用し、このマナは時間と共に回復しています。
敵を倒すとお金を入手出来るのですが、このお金はユニットのアップグレードや装備の購入に使用するもので、ユニットの雇用には使わないのが1つの特徴と言えます。
このゲームの大きな特徴はユニットに「命令」を出せる事。
前進命令を出すとヒーローが出撃し、ユニットはその周囲に展開します。
そして敵に接すると自動的に戦闘に入りますが、ヒーローが後退命令を出すと後ろに下がる事が出来ます。 停止命令も可能です。
多くの一本道 RTS のユニットは勝手に前進するのみなので、後退命令や停止命令を出せるというのは異色と言えますね。
また、今作ではヒーロー自身も戦闘に参加します。
ヒーローは武器を振って貫通するウェーブのようなものを出して攻撃し、これが結構強力なので、前作のように「城で守っている方が強い」とは言い切れなくなりました。
ただしヒーローがやられると再登場までユニットは自動的に後退し、さらに命令が出せなくなってしまいます。
敵を倒したりステージクリアするとお金が貰え、それでユニットをレベルアップしたり、ユニット最大数や必殺技などを増やしたり、ヒーローの武器を購入したり出来ます。
前作は延々と続くステージをクリアしていくゲームでしたが、今回はマップ画面があり、途中ではボスキャラなども登場します。
前作と同様のモードも用意されていて、ここではハイスコアのランキング登録も可能です。
前作と比べると、かなりパワーアップしていると言えるのですが・・・
逆に残念な点や、明らかに「改悪」と思える点も目に付きます。
まず、非常に操作し辛い事。
この Avatar of War というゲームは「画面にシンボルを描く事で」命令を出します。
例えば指で「>」となぞれば部隊が前進し、「<」となぞれば後退、「>>」となぞれば突撃します。
しかしその反応が前作に比べると非常に鈍いのです。
「>」と描く時にちょっとでも曲線ぽいと、もう受け付けてくれません。
前作はもっと反応が良かった反面、思っていたのと違う反応をしてしまう場合があったので、今回はやや判定を厳しくしたのだと思いますが、これは厳しすぎです。
それでなくても「シンボルを描いて命令」というのは操作し辛いのに、ますます不便になっています。
命令を出してから判定されるまでのタイムラグが長いのも気になります。
また、今回は画面左上に「メニューボタン」が用意され、これを押す事でも命令を出せるのですが、そのボタンが小さくて使い辛い。
それに「メニューボタンがあるんなら、シンボルを描くシステムいらないだろ」と思ってしまいます。
画面にシンボルを描くシステムのためか、画面の左右スクロールは本体の傾きで行うのですが、これも寝転がってプレイ出来ないので不便です。
さらに残念なのが、「戦略性の低下」。
前作よりもユニットに出せる命令が減っており、単純な「前進」や「後退」しか出来なくなっているのです。
例えば前作は「フォーカス(狙う)」という命令で弓隊を少し前進させ矢を連射し、それで敵を倒しながら隙を見て騎兵を「突撃」で突入させる、というような戦略が取れました。
それは一本道 RTS としては他にない面白さだったのですが、今作はそうした細かい命令はなくなり、前述のフォーカスも単なる「必殺技」になってしまいました。
よってゲームとしては単なるシーソーゲームになりがちで、Avatar of War の良さだった戦略性は薄れています。
加えて今作は敵の城を攻めるのではなく、「しばらく守ればクリア」となるステージも増えました。
しかし一本道の RTS で守ればクリアになると言う事は、攻める必要など全くなく最後尾で守りを固めていればそれで良い訳で、一本道 RTS の基本となる「攻めと守りの押し合い」の要素さえ薄れています。
(最初に「これをタワーディフェンスだと言っている人がいる」と書きましたが、おそらくその人は序盤ステージしか見ておらず、序盤は「守るだけのステージ」ばかりのため、それでタワーディフェンスだと思った可能性がありますね)
さらに後半ステージになるとボスが登場するのですが、これが相手の全ユニットを攻撃する必殺技を使うため、「陣形を組んで守る」という戦法が通用せず、そこではもはや突撃とアップグレードを繰り返すだけのゲームとなってしまいます。
ゲーム自体は、リーダーの戦闘や武器、豊富な必殺技などが加わっていてボリュームが増しているのですが・・・
基本的なゲームシステムは正直言って、前作の方が良かった気がします。
以下は海外のゲームサイト GameTrail により Youtube に公開されているプレイムービーです。
前作は敵の城を落とすのが難しく、序盤ステージさえクリア出来ない人が多かったようなので、それでシステムの簡略化が行われたのだと思いますが・・・
そのために、普通の一本道 RTS になってしまった感じですね。
まあ、それは万人向けになったという事でもあるかもしれませんが・・・
そしてもう1つ残念なのは価格。 定価で 350 円です。
決して高すぎる価格ではなく、ボリュームや内容を考えると相応の価格だと思うのですが、前作は 115 円と明らかに安く、それがオススメの要因でもあったので、価格の面でも普通になってしまった印象です。
とは言え、前作の事を加味せずに見た場合、やはり完成度の高い作品だと思います。
デフォルメされたグラフィックも非常に良く、私的に前作の難点だった「残虐な表現」もなくなりました。
これで操作性さえ良ければ、悪くないアプリだと思うんですが・・・
現時点では操作性の悪さ、シンボルの認識の厳しさがあるため、あまりオススメは出来ません。
今の時点(2011/1)ではバグも色々と見られるので、もっと調整が行われてからでないと厳しいですね。
・Avatar of War: The Dark Lord(iTunes が起動します)
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