2007 年度の IGF (インデペンデント・ゲーム・フェスティバル。 個人や小規模メーカーのゲームの表彰式)で、学生部門の受賞作の1つとなったゲームが「Rooms」です。
製作したのは韓国のグループなのですが、それを日本のハドソンが大幅に改修し、Wii や DS 用のソフトとして 2010 年の春に発売したのが「Rooms(ルームズ) 不思議な動く部屋」というゲームです。

そしてそれをさらに iPhone / iPod touch & iPad に移植したものが公開されています。
Rooms: The Main Building」です。

19世紀のロンドンをイメージしたようなシックな雰囲気を持つ、落ち着いてプレイ出来るパズルゲームですね。

Rooms

ゲームは「15 パズル」をアレンジしたような内容です。
絵の書かれたパネルが置かれていて、その中に主人公がいます。
パネルは空いたマスにスライドさせることが出来ますが、主人公がいるパネルしかスライドすることは出来ません
主人公は隣り合ったパネルに移動する事ができ、ハシゴがあれば上り下りも可能です。
ただし壁があると移動出来ません。

主人公を出口に移動させるとステージクリアとなりますが、パネルには「あるべき場所」が定められていて、背景の絵が正しく並んでいる状態が正しい位置です。
パネルをこの正しい位置にすべて移動させてから出口に入ると評価が「ゴールド」となり、パネルの位置が正しくないクリアは「シルバー」の評価となります。

ステージが進むとワープゾーンとなる「電話」、部屋の位置を入れ替える「タンス」、横列の好きなパネルに移動する「地下鉄」など様々なしかけが登場し、パズルの難易度も上がっていきます。
ただ、パズル自体はそれほど難しい訳ではないので、(少なくとも前半は)スムーズに進行していくことが出来るでしょう。

秀逸なのはその雰囲気で、非常に美しいグラフィックと風情のある BGM &サウンド、独特な世界観がゲームの魅力となっています。
また主人公の動きは映像を切り抜いているかのように非常に滑らかで、これも独特の雰囲気を出すのに一役買っていますね。

Rooms

Rooms

全体的に完成度の高いアプリであることは間違いありません。
IGF の部門賞を受賞した作品を、ハドソンの技術力がさらに昇華させている印象です

ただ、iTunes の評価は ★1 から ★5 までバラバラで、賛否両論です
その理由は確かにやっていて解ります。

まず、前述したように主人公の動きが非常にリアルなのですが、そのために常にゆったりとした動きで、機敏に動かないのです。
このゆったりとした動きは人によってはイライラするかもしれません。

また主人公を移動するのがタップ、設置されているギミック(しかけ)を使うのもタップなので、移動しようとしてギミックを使ってしまうミスも起こりやすいです。
これはギミックがない場所をタップするように気を付けていれば防げるのですが、逆に言うと気を付けていないとミスりやすい操作ですね。
ギミックの使用はダブルタップ、と言う方が良かった気がします。

また、iPhone / iPod touch の場合はギミックを使う際に画面が拡大します。
これは操作しやすいようにする配慮だと思いますが、拡大中は小さめのステージでないと全体図を把握できないので、拡大縮小を何度も繰り返すことになり、やや面倒さがあります
iPad だと画面が大きいため拡大縮小がないので、iPad の方がやりやすいゲームですね。
なお、iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応したユニバーサルアプリです。

ギミック(しかけ)やメニューの使い方にもやや解りづらい部分があります
例えば、iTunes のレビューに「○○のタンスが反応しない!」と言うものがありますが、これは「タンスが3つ以上ある場合は、タップ後に対象とするもう一方のタンスをタップする」という操作があるためで、これに気付いていないのだと思われます。
しかしタンスが2つの場合はタップするだけで反応するため、状況によって操作が変わり、こういった点の説明がないため戸惑いやすい部分が見られます。

ヒント機能のようなものもないため、どうしてもクリア出来ない場合はそのまま詰まってしまう可能性もありますね。

Rooms

全体として、クオリティーの高いアプリではありますが、主人公の動作の遅さと操作の難点のために評価が分かれてしまうゲームだと言えます。
機敏に動いてしまうと雰囲気が損なわれる気もしますが、「快適さより雰囲気重視」の印象を受けてしまいますね。
しかしゲーム自体は決して悪い訳ではありません。

前述したように iPhone / iPod touch よりも iPad の方に向いているゲームですが、どちらかと言うと家で集中してやるよりも、通勤・通学中などに少しずつ進めていくのが良いゲームの気がします。
1ステージにかかる時間は長くありませんし、シックなグラフィックのため外出中にやっていても恥ずかしさはないでしょう。

価格は 600 円と、やや高めの値段ではありますが・・・
Wii や DS 版が約 4000 円で売られていたのを考えると、安いとは言えるのかなぁ・・・
クオリティーやボリュームは価格相応のものがありますが、出来ればセールを狙いたいアプリではありますね。

オススメかどうかは難しいところですが、雰囲気の良いゲームやパズルゲームが好きな方には悪くないアプリです。

・Rooms: The Main Building 日本語版(公開終了)