スクウェア・エニックスの新作にして、「ゲームとコミックを融合した」という新機軸の内容。
加えて無料で公開されたと言う事で話題になっている iPhone / iPod touch / iPad 用アプリ。
それが「Imaginary Range」です。

このアプリ、公開前に「スクエニから新作のゲームブックが!」という事で大きな話題になっていたのですが、実際には一般に言うところの「ゲームブック」とはまったく違うのでご注意下さい。
(ゲームブックとは昔流行した、分岐がたくさんあって読者の選択により内容が変わる小説です。 アイテムや装備があったり、サイコロを振って戦闘を行うものなども多くありました)

まあそもそも、スクエニはこれが「昔ながらのゲームブックだ」とは一言も言ってなくて、公式サイトのソースコード内に gamebook という表記があったのを見て、周囲が勝手に勘違いしていただけですが・・・
ただアプリ内にも「アドベンチャーゲームブック」と言う呼称があり、紛らわしいのは確かですね。
(公称のジャンルは「ゲーム×コミック」です)

発売はスクエニですが、開発は北海道の h.a.n.d というメーカー。
iPhone / iPod touch では Sliding heroes を開発していたメーカーです。
Sliding heroes(スライディングヒーローズ)は正直、あまり評判の良いゲームではなく、価格も値下がりし続けていますが・・・
Wii や DS のソフト開発ではかなり実績のあるメーカーです。

Imaginary Range

内容的には電子書籍のマンガ(コミック)に、いくつかのショートゲーム(短時間で終わるゲーム)が付属されているものだと思えば良いでしょう。
コミックの絵柄やストーリーに関しては好みがあるところなので、あえて触れませんが・・・
全体的に日本のマンガではあるけどややアメコミ調で、擬音もアルファベットになっており、世界公開を考慮している絵柄なっているようですね。
ジャンルとしては「アクションもの」になるでしょうか。

マンガは通常のコマ割が行われている「ページ表示」と、1コマずつ拡大して表示する「コマ表示」の2種類があり、ダブルタップで切り替える事ができます。
メインになるのはコマ表示で、画面が振動したり効果音が鳴ったり、スクロールするなどの演出が多く盛り込まれています。
ただ、こうした演出は携帯電話のコミックでは他でも見られるもので、特別目新しいものという訳ではありませんね。

このアプリの目新しい点は、途中で場面に合わせたミニゲームをプレイ出来る事と、コマの中にアイテムが隠されていることでしょう。
ミニゲームは6種類、その中にはスライドパズルや絵探しパズルなどの良くあるミニゲームも含まれていますが、ショートゲームとして単体で楽しめるものもあります。

Imaginary Range

アイテムの中にはストーリー進行に必要なものもありますが、そんなに見つけるのが難しい訳ではありません。
3つのショートゲームも本文中のものは簡単にクリア出来ます。
ただショートゲームはすべて読み終えた後に、そのゲームを本格的にプレイする事も可能です。

正直、このショートゲームは Flight Control のアレンジだったり、ORBITAL のアレンジだったりするので、あまりオリジナリティーは感じません。
ただ、これ単体でも1つのアプリになり得るぐらいの内容ではありますね。

Imaginary Range

と言う訳で、最近話題だったアプリですが、私的には「既存のものを組み合わせたアプリ」という印象で、「新しいジャンルのアプリ」と自称しているほどの新しさは感じませんでした。

ただ、電子コミックとしての完成度もショートゲームとしての完成度も標準以上で、これが両方楽しめるうえに「無料」なのですから、これはもう「お得」以外の何者でもありません。
とりあえず落として損のないアプリであることは間違いないですね。

ただ、もしこれが有料だったら巷の評価はどうなのかなぁ・・・
メーカーとしては収益に繋がらないとダメでしょうから、今後これをどう展開していくのかが見物です。
とりあえず今回はテストケースなのだと思いますが、最近よくある「一話目は無料、二話目から有料」というパターンなのかもしれません・・・?

Imaginary Range(iTunes が起動します)
Imaginary Range HD(iPad 専用版)