ファミスタと並ぶ日本の野球ゲームの大定番「パワプロ」
そのパワプロの 2011 年度の公式ライセンス版が、グラフィックを 3D にした新バージョンで登場しています。
パワフルプロ野球TOUCH 公式ライセンス版2011」です。

この 2011 年度版の登場により、2010 年度版はストアから削除されています
まあ 2011 が出たら 2010 は必要ないでしょうからね。

先に言っておきますが、iPhone / iPod touch 版のパワプロには残念ながら「サクセスモード」はありません
純粋に野球のみを楽しむゲームとなっています。
今のパワプロはサクセスがメインと言っても良いぐらいなので、ここは非常に残念なところですが、まあ野球の部分が本来のパワプロですしね。

野球ゲームとしては相変わらず非常に高いクオリティーです
フル 3D になったためか旧機種(iPhone 3G など)で速度が低下する問題があったようですが、これはアップデートで改善されています。

※パワプロTOUCH 2011 にはアップデートでソーシャルゲームの「ネット対戦」が追加されました。 これについては こちらのページ でレビューしています。

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まず旧作と比べると見た目が大きく変わりました。
各選手の顔写真が表示されるようになったため、一気にプロ野球のリアル感のようなものが増しています。
さらに 2D から 3D に変わったことで球場全体がリアルになり、選手の動きも滑らかになりました。
3D 化のおかげで選手の仕草が豊富になり、さらに視点変更を利用した演出なども追加されています。
また「実況パワフルプロ野球」ですから、相変わらず実況がよくしゃべります

操作面では、バッティングが「タップ」と「スライド」、さらに初心者向けの「ロックオン」の3種類に増えています。
タップ」は打つ場所をタップする前作と同様の操作なのですが、打つのが難しくなったというか、よりシビアになった印象です。
例えば、タップした場所の中心からちょっとでもズレていると、すぐフライや凡打になります。
しかしタップする時には指の真下は見えませんし、指の形や押し方によって「最初に画面に触れる場所」は異なります
これがシビアに影響するため、まず「自分がタップした時に中心位置はどの辺りになるのか」を把握しなければなりません。
このため、指よりも爪の先で押した方が上手く行く印象です。 指が太い人ほど操作し辛いでしょうね。

スライド」はミートカーソルをスライドして動かし、指を離すとバットを振るというオリジナルのパワプロに似た操作方法です。
カーソルの操作は俗に言う「相対移動」で、画面のどの位置に指を置いてもカーソルを動かせます。
これだと打つ瞬間のカーソル位置が見えるのでズレていても納得が出来るのですが、カーソルを合わせた後に指を離すという操作は、押す場合よりもタイミングが遅れがちになります

ロックオン」は勝手にカーソルが合うのでタイミングを合わせてボタンを押すだけの簡単操作ですね。
簡単過ぎるので初心者向けと言えます。

正直、タップもスライドも慣れが必要です。
ベストなのは専用タッチペンを使ってタップ操作でプレイする方法でしょうか・・・

ピッチングも「タップ」と「スライド」の2種類が用意されました。
まず球種を選択し、それからタップで投げたい場所を押すか、スライドしてカーソルを動かすかです。
面白いのはスライド操作の場合、カーソルが思うように動かないこと。
これはピッチャーの「コントロール」に関係していて、タップ操作だとコントロールが悪いピッチャーは投げる位置がタップした場所からズレるのですが、スライド操作の場合は投げる位置はカーソル通りだけど、そのカーソルの動きがヘンになるのです。
これは iPhone 版独自の面白いアイデアだと言えますね。

また今作はかなりピッチャーのコントロールの影響が大きく、巨人だとコントロールEのゴンザレスとか、コントロールGの澤村とかだとボールがどこに飛んでいくか解りません。(って言うかGはないだろGは)

守備は基本的に自動、送球のみ自分で行える「セミオート」にすることも可能です。

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ゲームのメインは「ペナント」になります
レギュラーシーズンの他にクライマックスシリーズと日本シリーズもあるようで、さらにこのモードでは試合結果に応じてファンが増加し、ファンが一定数になると「オリジナル選手」が登場するという要素もあります。
オリジナル選手は、選手を入れ替えられる「オリジナルチーム」で使用する事ができます。

ペナントは全試合を行う必要は無く、過程を簡易的に表示する「高速試合」にすることも可能です。
また、「次の回のスキップ」も可能で、これを利用して自分のチームの攻撃だけプレイすると言った事も可能です。

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と言う訳で「パワプロ TOUCH 2011」、前作と比べるとかなり変わっています。
定価は 800 円と高めですが、そのクオリティーはありますね。

ただ、やっぱりパワプロって・・・ 「友達と対戦してナンボ」って気もします。
また、1人でやるんならやっぱり「サクセスがいるだろう」と思います。

私はスーパーファミコンやプレステでは、友人とかなりパワプロをやっていました。
やっぱりこの手のゲームはその場にいる友人とワイワイ言いながらやるのが楽しい訳で、たとえ「ペナントモード」があっても、あまり1人でやる気にはなれませんね・・・
もちろん、かなりのプロ野球ファンであれば1人でも十分楽しめるとは思いますが。

今後、Bluetooth による対戦も出来るようになるようですが、iPhone / iPod touch が2台あり、双方にこのアプリが入っている必要がありますから、やはり敷居は高そうです。
また、対戦するならやっぱり自分で作った選手を使いたい・・・ すなわち「サクセスが欲しい」というのが本音です。

携帯機器としては、十分に完成度の高いパワプロであることは確かです
ただ、コアなプロ野球ファン以外でも楽しめる「本来のパワプロの楽しさ」は、まだ備わってはいない気もします。
オススメ出来るかどうかは、Bluetooth 対戦導入後に「対戦する人が近くにいるかどうか」次第ですね。

・パワフルプロ野球TOUCH 公式ライセンス版2011(次年度版の登場により公開終了)