2011年7月23日に、ナムコの名作シューティングゲーム「ギャラガ(Galaga)」が 30 周年を迎えるそうです。
それを記念した、「ギャラクシアン」「ギャラガ」「ギャプラス」「ギャラガ '88」のリメイクバージョンをカップリングした iPhone / iPad アプリが公開されました。
Galaga 30th Collection」 です。

各ゲームはあくまで「リメイク版」です。
オリジナルをそのまま移植したものではなく、どのゲームも画面押しっぱなしで連射が可能で、そのため弾が単発だった「ギャラクシアン」はかなりゲーム性が変わっていますね。
ただ、オリジナルの雰囲気は十分に残されています。

アプリ本体は無料ですが、無料のままでプレイ出来るのは「ギャラクシアン」のみ
ギャラガとギャプラスは 350 円、ギャラガ '88 は 450 円(もしくは3つセットで 900 円)のアプリ内課金が必要になります。

販売は当然ナムコなのですが、開発には「MOSS」というメーカーも加わっているようです。
ここはシューティングゲームの名作「雷電」シリーズを開発した「セイブ開発」というメーカーのスタッフが独立して作った会社で、シューティングゲームの老舗的な会社ですね。

Galaga 30th Collection

まずは各ゲーム共通のシステムから説明いたします。

操作は3タイプ用意されていますが、基本は画面下にある指置き場を左右にスライドして自機を移動、画面のタップで弾を撃ちます。
弾は押しっぱなしで連射され、押す場所はどこでも構いません。
操作性はかなり良好で、ナムコのゲームにありがちな操作性の悪さはこのゲームでは見られません。

操作タイプが「A」だと下部に「移動のみを行うスライド部分」と「弾を撃ちながら移動するスライド部分」の2つが用意され、片手で双方を使い分ける事が出来ます
タップで弾を撃つ「B」の方がやりやすいとは思いますが、片手でプレイ出来る操作が用意されているのは iPhone / iPod touch ならではで、外出時には便利ですね。

弾はかなり連射可能で、ゲームによって違いますが 20 連射、30 連射ぐらい出来ます。
ただし撃ち続けていると画面右上に表示されている残弾数が減っていき、なくなると単発になってしまいます。
よって敵がいない時に適度に撃つのを止めるなどして調整する必要があります。
撃つのを止めていれば残弾数は急速に回復していきます。

iTunes のレビューには「連射してたら弾切れして死んだ!ムカツク!」と言った意見がありますが、そもそも無制限に連射し続けられるようなゲームではないので、この点は勘違いしないようにしましょう。
私的にはそんなにやり辛さは感じませんし、ずっと連射できたらゲーム性が落ちると思うので、これはこれで良いと思います。

得点システムはオリジナルと違い、敵を自機の近くで倒すほど得点に倍率がかかります
よって出来るだけ敵を引きつけて倒した方がスコアが増します。
また攻撃中の敵を倒したり、引きつけて倒す事で「レベル」がアップしていきます。
レベルが上がるとスコア倍率が増えるため、よりハイスコアが狙えるようになります。

グラフィックやサウンドは iPhone に合わせて綺麗になっており、攻撃中の敵が光跡を出したりします。
また倒した敵の得点が画面左下にログ表示されていきます。

共通システムは以上です。
以下、各ゲームの内容を個別に解説していきたいと思います。


【 ギャラクシアン(Galaxian) 】

Galaga 30th Collection

オリジナルは 1979 年に登場。
インベーダーゲームの後に登場したもので、滑らかで曲線的な動きとカラフルな画像、賑やかなサウンドで当時のプレイヤーを驚かせた革新的な作品でした。

オリジナルは弾を1発ずつしか撃つ事ができず、そのため「いかに引きつけて無駄撃ちをせずに敵を倒していくか」がポイントだったのですが、このアプリのリメイク版は連射が出来るのでプレイ感覚はガラッと変わっています。
ただ「引きつけて倒した方がスコアが高い」ため、この点のゲーム性は引き継いでいるとは言えます。

ゲームとしてはシンプルですが、スライド操作により素早く動け、連射のおかげでサクサク敵を倒していけるので、より楽しめる作品になっていると思います。
私はオリジナルのギャラクシアンはあまり好きではないので、このリメイク版の方が好みですね。

なお余談ですが、「ギャラガ 30 周年記念作品」なのに、無料でプレイ出来るのが「ギャラクシアンのみ」ってこれ如何に。


【 ギャラガ(Galaga) 】

Galaga 30th Collection

オリジナルは 1981 年に登場。
ギャラクシアンの続編で、「トラクタービーム(吸引ビーム)」で捕らえられた味方を救出することで「2機合体」が出来るいうシステムが特徴的。
編隊を組んで飛んでくる敵やボーナスステージの追加、幻想的な BGM なども加わって大ヒットになりました。
意外に女性人気が高かった事でも知られています。

もともと2連射出来たゲームなので、連射しまくれるようになったリメイク版でもプレイ感覚はそれほど変わりません。
ただ以前より気持ちよく敵を倒していけるようになっており、ボーナスステージもラクにパーフェクトが取れます。

敵が出現する順番が変わっており、序盤は赤いザコが出て来ません。
後半になると硬い敵が出て来たり、ボスがいなかったりするステージもあります。


【 ギャラプラス(Gaplus) 】

Galaga 30th Collection

オリジナルは 1984 年に登場。
ギャラガの続編で左右だけでなく前後にも動けるようになり、さらに敵を吸引して味方にすることが出来るようになっています。
豊富なパワーアップと非常にスピーディーな展開で三たび大ヒットとなった作品ですが、ゲームが難しくなったためゲーマーを中心としたヒットとなり、ギャラガほど万人受けした訳ではありませんでした。

前後にも動けるため前に出ると指が画面下部のスペースからはみ出てしまいますが、操作はそのまま可能です。 よって操作性は特に問題ありません。
ただ「押しっぱなしで連射」のため、決まった回数だけ連打することが必要なボーナスステージは難しくなっています。
タップして押しても良いのですが、やや遅れ気味になりますね。

敵がひっきりなしに出てくる場面が多いため、弾を撃ち尽くしやすく、適度に間を開けながら撃つ必要があります。
一方でゲームバランスの調整のためか、高速で体当たりしてくるような敵の動きが減っている、自機の近くで敵を倒すと撃ち返し弾が出ない、などの変更点が見られます。


【 ギャラガ '88(Galaga '88) 】

Galaga 30th Collection

オリジナルは '88 年・・・ じゃなくて 1987 年に登場。
ストーリー仕立てのステージ構成、ルート変化、3機合体、豊富な敵、縦スクロールするステージ、ボスの登場など大幅にグレードアップしたギャラガの続編。
ボーナスステージの作り込まれたサウンドも評判になり、様々なゲーム機に移植されました。

元々「ギャラガのリメイク作」だったので、それが更にリメイクされても違和感はありません。
オリジナルの良さそのままに、連射によるスピーディーな展開が加わって、より完成度が高まっている印象です。
このゲームは最近のゲームと比べても遜色ない内容なので、原作を知らない人にもオススメできますね。
難易度も(ルートにもよりますが)ギャプラスより抑えられています。


収録されているゲームは以上の4つです。
Game Center に対応していて、各ゲームには豊富なアチーブメント(実績)も用意されています。
またゲームの結果に応じて「GP(ギャラガポイント)」が得られ、これでパワーアップアイテムなどを購入することも出来ます
アイテムの種類は豊富で、しかもその多くがナムコゲームにちなんだものになっており、マニアなら思わず笑みがこぼれるようなものになっていますね。

ただ、難点だと思うのが・・・ この「GP」によるアイテム購入。
アイテムはほとんど「消費アイテム」ですが、一時的にパワーアップするものや、「スコア2倍、3倍」なんてアイテムまであります。
こんなのがあったらハイスコアを狙う場合は、これを使うことが必須になってしまう。
つまり「GP を貯めるためのプレイと、ハイスコアを狙うためのプレイを別に行わなければならない」訳です。

強化アイテムを使ったらランキングに載らない、とかなら解るのですが、試しに「スコア3倍」を使ってプレイしてみたところ、普通に Game Center のランキングにスコア登録されました。(おかげランキング1位に・・・)

一応アイテムは「ボーナス系」「強化系」「補助系」に分かれていて、それぞれ1つずつしか装備できなくなっていますが、GP はそんなに貯まる訳ではないので、どうしてもスコア狙いの前に GP 稼ぎのためのプレイが必要になります。
アイテムがあること自体は嬉しいのですが、それが消耗品になっていたり、「スコア○倍」とかがあるのは疑問が残りますね。

Galaga 30th Collection


iTunes のレビューには、「余計なアレンジが付いている」と批判する意見もいくつか見られます。
確かにオリジナル版を期待していた人には、リメイクであることは「余計なこと」かもしれません

またやっていて、「ザコと一緒に攻撃してきたボスを倒しても点数に影響がない」「ギャラガのボスがトラクタービームを撃つタイミングがオリジナルと全然違う」など、気になる点も見られます。

しかしそれでも私は「それによって面白くなるのなら」リメイクは歓迎だと思っていて、そしてこのゲームはそんなリメイクになっていると思います。
こう言ってしまうとオリジナルのファンの方から批判を浴びそうな気もしますが、あえて言いたいと思います。

「このアプリに収録されているゲームはすべて、このリメイク版の方が、オリジナルより面白いです」

それにリメイクでありながら、オリジナルの雰囲気は残されていますしね。
ギャラクシアンはかなり変わっていますが、連射出来るギャラクシアン、良いと思いますよ。


最初に述べたようにアプリ本体は無料ですが、そのままでは「ギャラクシアン」しかプレイ出来ません。
「ギャラガ」と「ギャプラス」は 350 円、「ギャラガ '88」は 450 円の課金が必要です。
全部セットで 900 円の課金もあります。
なお、iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応しています。

私的にはシューティングゲームのファンやギャラガシリーズが好きな人には、900 円の「全部込み」をオススメしたいと思います。
ただ、「ギャラガ」や「ギャプラス」は「おもいで補正」がないと楽しめないかもしれないので、オリジナルのゲームを知らない人にはお勧めかどうかは微妙です。
「ギャラガ '88」はオリジナルを知らない人でも十分楽しめる内容とボリュームがあるのでお勧めできます。
いずれにせよ本体は無料なので、とりあえず「ギャラクシアン」だけでもやってみて損はありません。

こう言っては何ですが、iPhone のナムコらしくない、秀作のアプリだと思います。
私的には十分「30周年記念」に相応しい作品だと思いますね。

Galaga 30th Collection (iTunes が起動します)