2001 年度に「ドイツゲーム大賞」(近年発売されたボードゲームやカードゲームの表彰)で大賞候補にノミネートされた、監獄からの海賊の脱出劇をテーマにしたボードゲーム。
それが「Cartagena(カルタヘナ)」です。
その iPhone / iPod touch 用のアプリ「Cartagena1」が登場しました。

Cartagena(カルタヘナ)は「初心者向けのドイツゲーム」として高く評価されていて、ルールはシンプルで解りやすく、それでいてドイツゲーム特有のゲームシステムを持っています。

ドイツ年間ゲーム大賞の受賞は逃し(ちなみに 2001 年の大賞はカルカソンヌでした)、ユーザー投票で決まるドイツゲーム賞では6位でしたが、そのプレイしやすさでロングセラーとなり、続編の「2」も発売されました。
iPhone / iPod touch 版のアプリ名の最後に「1」が付いているのは、この 2 と区別するためだと思われます。

Cartagena

いわゆる「スゴロクゲーム」です。
ただしサイコロは使いません。 コマを進めるには「カード」を使い、また自分のコマは6つあります

カードを出すと、そのカードと同じ絵柄のマスまでコマを進めることが出来ます。
つまり剣のカードを出して、次の剣のマスが5マス先にある場合、一気に5マス進める訳ですね。
この辺りは「Keltis Oracle」にも似ています。

ただし、そのマスに他のコマがすでにある場合・・・ その次の剣のマスまで進めます
その次の剣のマスにも他のコマがすでにあったら、さらにその次まで進めます。

よって、剣のマスがすべて各プレイヤーのコマで占められている場合、一発でスタート地点からゴールまで進むことが出来る訳です。
これはもちろん嬉しい訳ですが、それは他のプレイヤーだって同じです。
よって自分が移動した後に、ワザと剣のマスからコマをズラすなどの戦法も必要になります。

Cartagena

カードを出していくと、そのうちカードは尽きてしまいます。
カードの補充をするには、自分のコマを他のコマがあるマスまで後退させなければなりません
この時、後退したマスにある他のコマが1つならカードを1枚、2つならカードを2枚、補充することが出来ます。
コマが3つあるマスには移動出来ず、この場合はさらに後ろの他のコマがあるマスに移動します。

プレイヤーは1ターンに3回行動することが可能で、2回カードを出して進み、1回コマを戻してカードを補充する、と言った形にすることも可能です。
また、行動回数が残っていてもターン終了することが出来ます。

進むだけでなく「後退」をしないとカードが補充出来ないのがユニークで、しかもコマが2つあるマスに戻ると2枚補充出来るので、2つコマがあるマスの前まで進んでから戻るとか、自分のコマを2つ戻して2枚入手できるマスを作るとか、色々な方法が考えられます。
もちろん他プレイヤーのコマも動くので、この点の駆け引きも重要ですね。

Cartagena
※このケースでは、青のプレイヤーは A のコマを2つとも B に戻すと、2つ目のコマを戻す際に2枚のカードを得ることが出来る。
さらにその後コマを1つ C に戻すと、そこにも2つのコマがあるのでさらに2枚のカードを得られる。

最後のゴールのマスには小舟があり、ここに自分の6つのコマをすべて移動させれば勝者となります。
6つ全部なので、5つゴールさせても1つだけ遅れていると厳しい状況になります。
なお、ゴールさせたコマもカードがない時に後退させることが可能です。

やってみれば解りますが、ルールはドイツゲームとしてはシンプルです。
しかしやればやるほど奥深さが見えてくるゲームで、コマの進め方やカードの補充のタイミング、他プレイヤーの妨害や利用など、色々な要素が絡み合っているゲームです。
駆け引きや戦略性の深い内容で、それでいて遊びやすいのですから、高く評価されているのも頷けますね。


難点は、まず見た目が地味。 演出も地味
サウンドは非常に良くて、海賊の歓声があがったり、ビンのカードを出した時に空き瓶が転がる音がするなど、効果音はかなりリアルです。
ただ、もうちょっとグラフィック面での演出を付けて欲しかった所です。

また、操作がやや解りにくいです
戻る時はコマをタップ、進む時はカードを先にタップしてからコマをタップするのですが、この手順を誤って、進もうとして戻ってしまうことが間々あります。
またカードやコマをタップした時の音がないので、ミスタップの判別がしにくいです

さらに、ボタンの絵柄も解りにくい。 海賊らしい骨で出来たボタンなのですが・・・

Cartagena

「バツ」も「チェック」もどっちも似ています。
おまけに日本人だと「チェック」にあまり馴染みがありませんから、余計解りにくい。
ちょっとインターフェイスにはイマイチ感がありますね。

また、今の時点では戦績の記録などが一切なく、レートの算出などもありません
プレイヤーを複数登録して本体を手渡しながらの対戦をすることは可能で、コンピューターキャラクターも豊富に用意されています。
また、高レベルの AI は結構手強く、初心者だとなかなか勝てません。
基本部分は良く出来ているのですが、せめて戦績ぐらいは付けて欲しい所ですね。


価格は 450 円で、正直言って今の内容だと、やや高めなのは否めません。
ただドイツゲームは相場が 600 円から 450 円ぐらいで定まっているので、相場通りの価格ではあるでしょうか。

ゲーム自体は面白いので、もうちょっとアップデートで操作性の改善や継続的に遊べる要素を追加して欲しい所です。
一応公式のアナウンスでは、オンライン対戦の導入やソリティアモードの追加、ランキングやレート、カルタヘナ2の導入などが告知されています。
本当にそれらが導入されれば、新しい iPhone / iPod touch のドイツゲームの定番になり得るでしょう。

今後に期待のアプリ、と言ったところでしょうか。

・Cartagena1 (公開終了)