18世紀の大航海時代後期、スペインやイギリスなどの列強国が覇権を争っているカリブ海で、元イギリスの海軍士官が復讐のために戦いを繰り広げる、ゲームロフトのオリジナル新作 3D アクションゲーム
それが「BackStab」です。

このゲーム、日本ではあまり知られていませんが、物理コントローラーが付いていて初代プレステのゲームが出来ることで話題になった Android 携帯 「Xperia Play」 で、すでに4月頃に公開されていたゲームです。
Android では「ここまでのハイクオリティーなゲームが携帯で!」という事で結構話題になっていました。
もっとも、先行公開されたオープニングムービーをゲーム画面と勘違いしていた人が多いようでしたが・・・
日本では Xperia Play は(2011/6 時点で)まだ発売されていないので、知名度がないのも仕方ないことではありますね。

ゲーム内容は、広いフィールドを自由に移動してクエストを達成していくアクションゲームです。
大航海時代らしく戦闘は「剣」と「銃」の双方で行われ、壁をよじ登って進んだり、敵に見つからないように移動するなど、これまでのゲームロフトのアプリをまとめたような内容になっています。

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方向スティックで 3D のフィールドを移動、画面右下のボタンで剣を振って攻撃します。
銃を装備している場合は銃撃ボタンも表示されますが、当時の銃なのであまり連射はできず、戦闘のメインは剣ですね。

ゲーム当初は戦闘をしながら指定された場所に移動することでゲームが進む「一本道」な内容なのですが、ストーリーが進むと町や開拓地を自由に散策できるようになります
町では商人から武器を買ったり、クエストを請け負って配達などを行えたりしますが、他にも出来ることは色々あります。
例えば、いきなり町の人に斬りかかるとか、商店の宝箱を漁るといった犯罪行為も可能で、そうすると衛兵に追われることになります。
もちろん衛兵をバッタバッタと斬り倒していく「ならず者プレイ」も可能です。
この辺りのゲーム性は「ギャングスター」をなどの「クライムアクション(犯罪ゲーム)」を引き継いでいると言えます。

衛兵に追われている状態は、町のギルドにお金を払い、衛兵の気を逸らしてもらう事で解除できます。
剣を出して歩いていると町の人が悲鳴をあげて逃げて行き、その状態だと衛兵に見つかっただけで追われてしまうので、普段は「納刀」ボタンで剣を納めて移動する必要があります。
納刀中はジャンプも可能です。
他にも各所に薬草が生えてたり、娼婦が誘ってきたり、家が売られているなど、様々な要素が盛り込まれています。

建物や崖に手をかけてよじ登ったり、壁を駆け上がるなど、「シャドーガーディアン」のような「フリークライミング」のシーンも多くあります。
町では屋根伝いに目的地に向かう事も出来ます。

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他にも大砲を撃つシーン、水面を泳ぐシーン、馬に乗るシーンなどもあって、様々なアクションを見せてくれます。
フィールドも複数用意されており、散策できるのは1つの町だけではありません。
それぞれのフィールドは馬車屋でお金を払う事で移動可能です。

また、敵に見つかっていない状態で背後から近づくと、相手を一撃で倒す暗殺アクションを出す事もできます。
敵がいても壁などを使って迂回して行けば敵に察知されずに進め、この辺は「スプリンターセル」などの潜入系のゲームを踏襲していると言えます。

今までのゲームロフトのアプリの要素を全部入れてみました」という内容と言えますね。

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ただ、やっていて非常に残念なのは・・・ キャラクターの動きがイマイチなこと。
全く質感が感じられない、いかにもチープな動きなのです。
イベントシーンの動きや NPC の動作などにリアルさがなく、戦闘時の動きもハッキリ言ってショボいです。
また動きにあまり滑らかさがなく、キャラクターが多い場所ではコマ送りのようになってしまいます。

他のゲームロフトのゲームをやった事がある方なら解ると思いますが、ゲームロフトの 3D アクションゲームには、アクションにリアルさや質感が全くないゲームが結構あります。
そうしたものは最近は少なくなっていたのですが、残念ながらこのゲームの動きは昔の質感のない、ショボいものに戻ってしまっています。

Sony との交渉により、Xperia Play でも発売される事になった影響が現れているのでしょうか・・・?
動きのレベルとしては、1年前のゲームロフトに戻ってしまった印象です。

そのため剣での戦闘シーンは「セイクリッド オデッセイ」に劣り、銃での戦闘シーンは「モダンコンバット2」はもちろん、ブラザーインアームズなどのゲームにも劣ります。
まあこのゲームの銃はメインじゃないので、銃撃がイマイチなのは仕方ありませんが・・・
最近は良くなってただけに、残念なのは否めませんね。

またクライムゲームとしても底が浅い印象です
前述したように家が買えると言っても単に中に入って休めるだけだし、犯罪行為などもそのまま普通の戦闘になるのみ。
サブクエストもそんなにありませんし、娼婦などもちょっとしたセリフがあるだけ。
ニワトリとか切っても面白い訳じゃないし、俗に言う「箱庭ゲーム」としても出来る事が少な過ぎる感じがします。
まあ容量の問題もありますし、あまり贅沢を言うのもどうかとは思いますが。

以下は Youtube で公開されている公式のゲームトレーラーです。



価格は 800 円で、高めの値段ではありますが、相応のクオリティーとボリュームはあります。
iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応したユニバーサルアプリで、ゲームロフトなのでメッセージは全て日本語化されています。

しかしオススメかどうかは、ちょっと微妙なところです。
私的にはどうしてもキャラクターの動きの軽さ・質感の無さが気になって、ゲームロフトの iPhone ゲームとしてはランクが落ちる印象が否めません。

ただ、クライムゲーム(犯罪もアリの自由度の高いゲーム)としてはオススメ出来るので、ギャングスター などが好きだった方なら楽しめるでしょう。
また、よじ登り系としては シャドーガーディアン と同等の面白さがあると思うので、それらがまとめて楽しめる「2010年のゲームロフト総集編」という意味ではお得かもしれません。

万人にお勧め出来るゲームではないので、話題作ではありますが、自分に合うかどうか良く考えるべきゲームですね。

こんなことを言うと Android ユーザーの方は眉をひそめるかもしれませんが・・・
正直言ってこのクラスのゲームになると、「Android / iPhone 両対応」というのは、iPhone 側から見ると足かせにしかならない印象です。
ゲームロフトのアプリは今年に入ってから両対応を基本としていますが、そのためか動きのクオリティーが以前より落ちており、昨年末がピークだったように思います。

もちろん「両対応だから悪くなる」と限った訳ではありませんが、Android の携帯の多くは iPhone よりもグラフィック性能やアプリ容量、使用可能メモリなどが低い機種がほとんどですからね・・・

BackStab (iTunes が起動します)