様々な店舗が入った、天高くそびえ立つタワーを建設するフリーミアム(本体無料+追加課金型)の開発シミュレーションゲームが登場しています。
Tiny Tower」です。

ドットグラフィックのかわいい絵柄と、ビル建設シミュレーションゲーム「ザ・タワー」に似た外観で、発売前から話題になっていたゲームですね。
しかし先に言ってしまいますが・・・ 私的にはガッカリな内容でした。

これは私が勝手に勘違いしていたのもあるのですが、てっきり「ザ・タワー」や「開店デパート日記」のような開発シミュレーションとしてのゲーム性や、「シムズ」のような住民の生活を眺めて楽しめる要素があると思っていたのです。
しかしこれは単なるフリーミアムのシンプルな開発ゲームが、ビルの形になっていただけでした。

ただ、フリーミアムとは言え課金が必須とは言えない内容で、無料のままでも十分に遊び続ける事ができます
課金が必要になるアイテムは現時点ではなく、良心的なフリーミアムであるとは言えますね。

tinytower

ゲーム開始時にはチュートリアル(ゲーム解説)が行われますが、全文英語のアプリなので、進め方がよく解らない人も多いと思います。
そこで内容の紹介を兼ねて、ゲームの流れを解説したいと思います。

まず、1階の「ロビー」は最初から設置されていて、その上に新しい「フロア」を建設します。
このフロア建設にはお金が必要になり、フロアが多くなるほど高額になります。

さらにフロアを設置後、そこに住居や店舗などの部屋を作ります。
部屋は「RESIDENTIAL(住居)」と、「CREATIVE(生産業)」「RETAIL(商店)」「RECREATION(娯楽)」「SERVICE(サービス業)」「FOOD(飲食店)」の5つがあり、任意のものを選べますが、まずは住居(RESIDENTIAL)が必要です。

部屋の建設には時間が必要で、この時間は「現実の時間」と同じです。
建設にかかる時間が「3H 30M」だったら、3時間半待たなくてはいけない訳ですね。
もちろんこの間、アプリは落としておいても構いません。
設定だけしてアプリは終了させ、時間が経ってから起動すると完成しているという、フリーミアムの開発ゲームによくあるパターンです。

ただ、建設や生産は「BUX」というチケットを使う事で即座に完了させる事もできます。
チュートリアルの間はこの BUX を使って完了させるので、待ち時間はありません。

住居が出来たら、人が来るのを待ちます。
人が来ると住民になり、それはビル内の店舗で働く従業員候補となります。
1つの住居には5人の住民が住む事が出来ます。

さらにフロアを追加し、任意の店舗を作って、そこに住民を配置する(店舗の HIRE のボタンを押すか、住居で住民を選択し JOB を選ぶ)と、お店が活動するようになります。
住民には能力値があって、どのジャンルの店舗が得意なのか、そしてどこで働くのが夢なのかの設定があります。 これらが合致しているほど店舗の運営が有利になります。
ただお店の種類はかなり豊富で、自由に選択はできないので、「飲食店」を作ってもそれが「カフェ」になるのか「ピザ屋」になるのか「寿司バー」なるのかは解りません。
よって住民が希望するお店が出来るとは限りません。

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店舗に店員を配置しても、まだ開店にはなりません。
お店をタップすると仕入れ(生産)の画面になります。
任意の商品をタップすると生産が始まって、指定の時間が経つと完了します。 ここもしばらく待たなければならない部分ですね。
生産が完了すると店舗に完了アイコンが出て、その状態でお店をタップすると開店です。

開店するとお客さんが自動的にやってきて、商品が売れていきます。
その度にゴールドが増えていき、在庫がなくなったらまた生産が必要になります。
これを繰り返して新しいフロアを建設するお金を貯めていきます。

店員が複数いると、その数だけ商品の種類が増えていきます
後のものほど準備にかかる時間が長くなりますが、販売単価や在庫数は高くなります。
1つの商品を売っている間に他の商品の準備をする事も可能です。

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ゲーム中、エレベーターに人が乗りますが、この状態でロビーをタップするとエレベーターを操作するモードになります。
これで指示された階まで人を運ぶと、少しお金が貰えて、たまに BUX も受け取れます

また、人捜し(指定された人がいる階をタップ)で BUX を貰えたり、運んだ階に特殊効果を発生させる VIP が来訪するミニイベントも起こります。
(お客さんが大量に来る CELEBRITY(セレブ)や、大人買いする BIG SPENDER(浪費家)、建設準備が3時間短くなる CONSTRUCTION WORKER(建築作業員)、仕入れが3時間早くなる DELIVERYMAN(配達人)、空いている住宅に人を呼ぶ REAL ESTATE(不動産屋)など)

これらのイベントを行うにはゲームを起動しておく必要がありますが、必須なものではありません。
基本的には準備の指示をしたらアプリを終了させ、後で確認するという感じの放置型のゲームです。
ただ、起動中はイベントが結構頻繁に発生します

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ゲームの概要としてはこんなところです。
フリーミアム(追加課金型)のゲームですから当然課金要素があって、このゲームでは「BUX」の購入になります。
10 枚で 115 円、100 枚で 600 円で、1000 枚で 3500 円という高額課金も存在します。

ただやってみると解りますが、BUX はイベントやエレベーターの操作で、割と頻繁に入手出来ます。
明らかにその入手量は他のフリーミアムのゲームより多めです。

加えてこのゲームには、「BUX でなければ利用出来ない」というアイテムや店舗がありません。
エレベーターの速度を上げるアップグレードは BUX が必須になりますが、BUX の入手量が多いため「課金しないと手が届かない」という程ではありません。
これはフリーミアムとしては珍しく、そのおかげで無課金でもほぼ全ての要素を(時間をかければ)遊ぶ事ができます。

残念な点は、冒頭でも述べたように・・・ 住民が生活する様子の表現が全くないこと
例えばカフェならお客さんがコーヒーを飲むとか、写真屋なら撮影する様子が出てくるとか、商店ならお客さんが商品を選んでいるとか、そういったものは一切ありません。
単にキャラクターが左右に動くだけ。 それ以外の演出は全くなし

こんなに雰囲気の良いドットグラフィックのキャラクターを作っているのだから、それを生かして欲しいところですが、単に歩いて通り過ぎるだけです。
スクリーンショットを見るといかにも生活感が溢れているように見えますが、実際のゲーム画面ではそれほどではありません。

また「ザ・タワー」に似ているため、開発ゲームとしての様々な要素があるように見えますが、考えなければならない部分はほぼ店員の配置のみ。
シミュレーションゲームではなく、あくまでフリーミアムの開発ゲームに過ぎません

ただ、こうしたフリーミアムのアプリは普段あまりゲームをやらないライトユーザーがメインターゲットですから、システムをあまり難しくするのは良くなく、シンプルさや手軽さも必要になります
それを考えると、内容としてはこんなもんなのかな、とも思いますね。

以下は Youtube で公開されている公式のゲームトレーラーです。



私的には、先日本格的なビル開発シミュレーション「開店デパート日記」を攻略したばかりだったのもあって、物足りなさを感じずにはいられませんでした。

しかし普通の開発 SLG である 開店デパート日記 と、フリーミアムで時間連動型である Tiny Tower では、ゲーム性はまったく異なります。
無料でも十分に楽しめること、フリーミアムの開発ゲームとしてはやる事が多く、それでいて遊びやすい事などを考えると、かなりレベルの高いフリーミアムゲームなのかな、とも思いますね

ともあれ本体は無料ですから、やってみて損はありません。
iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応しており、私的にはイマイチでしたが、人にはオススメ出来るアプリです。

Tiny Tower (iTunes が起動します)