1997 年にプレステ(1)で発売された、重厚なストーリーとハードで奥深いゲーム性を持つ、ファイナルファンタジーの外伝的なシミュレーション RPG
それが「FINAL FANTASY TACTICS」(ファイナルファンタジー タクティクス)、通称 FFT です。

その FFT が 2007 年に PSP でリメイクされたものが「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」で、その獅子戦争の iPhone 版が先日ついに発売されました。
FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争」 です。

この FFT というゲームはあらゆる意味でヘビーなゲームです
高い難易度、細かいステータス、圧倒的なほど豊富なスキル、やり込み重視のゲーム性、そして国家や民族の興亡を扱った重いバックストーリー。
どこまでも楽しめるゲームですが、普段あまりゲームをやらないライトユーザーには手に負えないゲームかもしれません。

なお、PSP 版の獅子戦争は読み込みの遅さやレスポンス(反応)の悪さ、サウンドのズレなどの問題でユーザーから酷評されていたようですが、それらの問題は iPhone 版では解消されています

fft

マスで区切られたフィールドに自軍のユニットを配置し、敵を全滅させれば勝利となる戦術シミュレーション形式の RPG です。
ゲームは完全なターン制ではなく、各キャラクターの順番は素早さ(SPEED)に応じて回ってくるため、スピードの速いキャラクターは多めに行動することが出来ます。

フィールド上は 3D グラフィックで描かれていて、高低差が存在します
かなり入り組んだ地形もあり、高い建物の裏側が見えなかったりもしますが、画面をドラッグすることで自由に回転させる事ができ、ピンチ操作でズームイン/ズームアウトも可能です。
ゲーム中はこれらの操作を多用して、視点を頻繁に変えながらプレイする事になります。

しかしそのためかなり処理能力を必要とするゲームになっていて、iPhone 4 や iPod touch 第4世代でなければゲームが重くなってしまうようです
iPhone 3G などの旧機種では重すぎてお話にならないようなので注意して下さい。
また、キャラクターが選択されている状態を一度キャンセルしないと行動順の確認やマップのスクロールが出来ないなど、操作性については改善の余地があるように思われます

※ iPhone 5 以降の機種なら快適に動作します。 また、操作性についてもアップデートで幾分か改善されています。

キャラクターの相性や属性の他に、「高いところにいると弓の射程が伸びる」といった高度の要素があり、方向の概念もあって側面や背面からの攻撃されると回避率が大幅に低下します。
さらに魔法は発動まで少し時間が必要で、その間に相手が動いてしまうと当たらないなど、とにかく様々な要素が戦闘に影響します。
この奥深さがこの FFT の面白さな訳ですが、かなり複雑で取っ付き辛いことも確かであり、シンプルで簡単なものが増えている昨今のゲームとは正反対に位置していると言えるかもしれません。

また HP がなくなってキャラクターが倒れてしまうと「カウントダウン」が始まり、0 になると消滅してしまいます。
『消滅』です。 完全な死であって、もう復活はさせられません

0 になる前なら「フェニックスの尾」や「レイズ」などのアイテム/魔法で復活させることが出来るのですが、序盤はそうしたものは使えないため、育てたキャラが消えてしまうことも珍しくありません。
この突き放した難易度も、ゲームの大きな特徴と言えます。

FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争
※マップの高低差のおかげで見難かったり、敵を選択し辛いことも多い。
画面をしばらく押しっぱなしにするとカーソルが現れるので、敵のいるマスを選択し辛い時はこれを活用しよう。
もちろんズームイン/ズームアウトも状況に応じて使用すること。
ただ全体的に操作性は、最悪とは言わないけど、良いとも言い辛い。

FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争
※コマンドカーソルは「相対移動」。 画面のどこをスライドしても動かす事が出来る。
またオプションで「項目タップによる実行の許可」を ON にすると、直接コマンドをタップしても選択出来る。
何もせずに「待機」すると次の順番が回ってくるのが早くなるので、あまり突出せずに敵が近づいてくるのを待った方が良い場合が多い。


FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争
※倒れた後、カウント 0 になったらキャラクターは消滅! もう復活はさせられない。 そんなに甘いゲームではないので、セーブは小まめに行っておくこと。
0 になった味方キャラクターは「クリスタル」になり、それを取ると死んだキャラクターが持っていたアビリティーを継承できるが、やはり育てたキャラが死んだらショック。
それを避けたいなら地道に経験値稼ぎをして、アイテムの「フェニックスの尾」の使用コマンドを覚えてからストーリーを進めた方が良いかもしれない。
なお、カウントが 0 になるまえにクリアしても助ける事が出来る。


このゲームの攻略のポイントにしてやり込み要素でもあるのが、豊富なジョブ(職業)とアビリティーです。

攻撃したり敵を倒したりすれば経験値が貯まりますが、それとは別に「JP」(ジョブポイント)というものも得られます。
これはジョブ(職業)の熟練度のようなもので、これが貯まれば「ジョブレベル」がアップし、さらにその JP を使ってアビリティー(スキル)を習得することが出来ます
アビリティーは多種多様で、これを覚えて活用することがゲームの楽しみと言えますが、このゲームはアビリティーがなければ何も出来ないゲームでもあります。
例えば「アイテムの使用」や「防御」と言った基本的なコマンドさえ習得しなければ実行できません

よってゲーム序盤は必要なアビリティーを整えていく事が必須となります。
特に序盤は「アイテム」の「ポーション」が必要なので、出来れば全員習得しておきましょう。
ショップでポーションを多めに買っておくことも忘れないで下さい。

また「ジョブレベル」が上がることで、転職も可能になります
例えば「見習い戦士」のジョブレベルが2になると「ナイト」や「弓使い」になる事ができ、さらにナイトのジョブレベルが3でモンクに、弓使いのジョブレベルが4でシーフになる事が出来ます。
アイテムを投げて使える「アイテム士」は魔法系職業のベースになります。

FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争
※ジョブの変更は編成画面かキャラクター詳細画面で左下の「MENU」のボタンを押し、「ジョブチェンジ」を選択する。 アビリティーの習得はメニューから「アビリティー」を選べば良い。
アビリティーや装備の詳細は「HELP」のボタンで確認できる。 HELP ボタンはあらゆるものを調べられるので多用しよう。
JP は獲得した本人以外のユニットも、その 1/4 を得ることができる。
だから自分がアイテム士でなくても、出陣しているユニットにアイテム士がいれば、他のキャラのアイテム士の JP は少しずつ増えていく。


FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争
※「JP」は敵を倒さなくても攻撃するだけで上がるので、攻撃力が低くて遠くから攻撃出来る「投石」を覚えて、敵を1体だけ残して回復させながらみんなで石を投げ続けていれば、延々と JP を稼ぐことが出来る。
なお「ポーション」や回復魔法は敵にも使う事が出来る。
味方を攻撃しても経験値や JP は得られる。


FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争
※このゲームの魔法は広範囲に有効。 俗に言う「マップ攻撃」で、ユニットがいない場所も対象に出来る。
ただしその範囲に味方がいると巻きぞえにしてしまうので注意!

基本的にこのゲームは、ジョブポイントを稼いでキャラクターを育てるのが面白いゲームです。
難易度が高いため、まったく経験値稼ぎをせずにストレートに進むのは至難の業で、普通にゲームを進めたいならどこかでジョブポイント稼ぎが必要になります。

一方で、稼いだジョブポイントでどのようなキャラクターを育てるかは完全に自由であり、その選択肢が非常に広いため、自分好みのパーティーを編成することが出来ます。
これに加えて奥深いゲーム性とやり甲斐のある難易度も備わっていて、それが多くのゲーマーを引きつけた理由です。
しかしその面白さはまさに「ゲーマー向け」「やり込みプレイヤー向け」と言え、ライトユーザーには辛いものであるのも確かですね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 1800 円と iPhone アプリとしては高めですが、内容を考えると妥当なところでしょう。
このゲーム性に付いていけるプレイヤーなら、値段以上に遊び続けられるゲームである事は間違いありません

ただ、iPhone ではタップで敵を選択し辛い場合が多いです。
iPad を持っている方は、iPad 版を購入することをお勧めします。

序盤が解り辛い上に、その序盤が一番難しかったりするので、そこで詰まって投げてしまう人や、批判する人も多いと思います。
ただそこを突破して、キャラクターを育てる楽しみを理解できるところまで進めば、とことん楽しめるゲームです。
重厚で詳細な時代背景と、人間ドラマが織り成される大人向けのシナリオも、ゲームの大きな魅力でしょう。
また、ストーリーの途中で挿入される味のある絵柄のアニメーションムービーも、非常に良い雰囲気を出しています。

今年最大級の大型タイトルであることは間違いありません。
ただ万人向けではないので、「CHAOS RINGS」ほど誰にでもオススメできる RPG ではありません。
「楽しめそうだ」と思った方には、お勧めしたいゲームです。

FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争 (iTunes が起動、iPad 非対応)
FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争 for iPad (iPad 専用版。 iPad はこちらでないと落ちます)