「みんなのGOLF」や「スカッとゴルフ パンヤ」のような遊びやすいシステムのゴルフゲームとして iPhone 初期のヒット作となり、2作目では Retina ディスプレイに対応した非常に美しいグラフィックでユーザーを驚かせ、さらに Android や PSP にまで進出したゲームロフトを代表するシリーズ「レッツ!ゴルフ」。
そのレッツ!ゴルフの最新作が先日ついに登場しました。
レッツ!ゴルフ3」です。

しかし私的にはこのゲームは、「レッツ!ゴルフ」シリーズの続編とは考えない方が良いと思います。
私がこのゲームに題名を付けるとしたら、「レッツ!ゴルフ ソーシャル」ですね。

「レッツ!ゴルフ」をソーシャルゲームに変化させたバージョンと言え、オンライン対戦やソーシャルゲーム的なトーナメントが最大のウリだと言えます。
逆に1人でやると、ソーシャルゲーム特有の「プレイするごとにエネルギーが減り、なくなるとゲームが出来なくなる」「それでも継続してやりたい時は課金が必要になる」という部分が足かせとなって、自由にプレイする事が出来ません。

iTunes のレビューもゲーム自体の評価ではなく、「ソーシャルゲームになった事についての是非」ばかりで、この変化に困惑しているプレイヤーが多く見られます。
プレイヤーの遊び方で評価が分かれるゲームになったと言えるでしょう。

レッツ!ゴルフ3

基本的なゲームシステムは「レッツ!ゴルフ2」とほとんど変わりません。
打つ方向を決め、クラブを選択し、パワーメーターを見ながらタイミング良くボタンを押してショットします。
狙う場所を上空から見下ろすことも可能で、パワーメーターには狙った場所にボールを落とすための強さの目安が付いています
さらにボタンを押さなくても空振りすることはないため、メーターの動きをじっくり見ながら打つことが出来ます。

打った後で画面右下にあるボールをスライドすると回転をかける事もでき、「あ、ちょっと行き過ぎそうだな」という時でもバックスピンをかけて転がりを抑えることが出来ます。

グリーンでは網目状のラインに芝目や傾斜が表示され、一見難しそうですが、何も操作していない時にボールの動きの予想ルートが表示されるので、これを見てから方向を調整すればかなり狙いやすくなります。

全体的に親切な操作方法になっていて、少し慣れればパーやバーディーを連発できるようになります。
それでいてちょっとしたミスでスコアが落ちる事もあり、この辺りのバランスが非常に優れていますね。

Retina ディスプレイに対応したコースの美しさは相変わらずで、今回は宇宙や万里の長城など、トンでもないところでゴルフをしたりもします。
アイテムも豊富に用意されており、フリーミアム(本体無料+追加課金型)になったため課金しないと買えないアイテムが多いのですが、ゲーム内で得られるゴールドで購入できるアイテムも十分存在します。
演出も豊富で、ゴルフゲームとしては相変わらずの高クオリティーです。

レッツ!ゴルフ3

レッツ!ゴルフ3

問題のフリーミアム&ソーシャルゲーム的要素についてですが・・・
まずフリーミアム(本体無料+追加課金型)になったため、本体はタダですが、1人用で1ホール遊ぶごとに EP というポイントを消費するようになりました。
EP は1時間で1ポイント増加しますが、時間経過で増加する分は最大 5 EP までなので、5ホールやったらしばらく遊べなくなります。
待たずにプレイしたい場合は有料課金で「キャッシュ」を買い、これで EP を増やさなければなりません。

購入して増える EP は時間経過による EP とは別枠で増加します。
両方の EP がある時は時間経過の分から減っていきます。
EP の購入価格は 20 EP 分で 85 円ですが、まとめて課金すると少し割安になります。

このルールのため、ゲームは1ホールごとのプレイになりました。
「チャレンジ」の中には 9 ホールや 18 ホールでの優勝を目指すトーナメントのモードもあるのですが、9 ホールなら 9 EP、18 ホールなら 18 EP 必要になりますので、時間経過分だけでは最後までストレートに遊べません・・・

EP はレベルアップやイーグルを取ることでも増えますが、1ホールがだいたい2分ほどなので、10 分ぐらい遊んだら時間で貯まる 5 EP は尽きてしまいます。
それで課金しないと5時間遊べなくなる訳ですから、不満が続出するのも仕方ないところですね
前作は定価 600 円でしたが、時間もホール数も気にせず遊べた訳ですから。


ただ、すぐに EP が尽きて遊べなくなると言うのは・・・ 実は1人プレイでの話。
ゲームロフト独自のオンラインサーバー Gameloft Live! に登録してログインすると、オンライン対戦のストロークプレイやマッチプレイ、ソーシャル的なチャレンジゲームをプレイする事が出来ます。
(一度ログインすると、二度目以降は自動ログインにすることが可能です)

そしてオンラインのプレイでは、9 ホールのゲームでも消費 EP が 3 EP になっています。
18 ホールでも 6 EP。 つまり1人で遊ぶ時の 1/3 です
今作はオンラインゲームやソーシャル要素がメインと言えるためか、オンラインプレイの方がお得になっているようですね。

オンラインのゲームは順番に打つのではなく、各プレイヤーが同時に進行します
よって待ち時間のようなものはなく、1人でプレイする時と要領は同じですが、他のプレイヤーのボールの位置がリアルタイムに画面に表示されており、iPad 2 以降ならキャラクターも表示されるようです。
1ホールごとに途中経過も表示されるため、なかなか競っている感じがして面白いですね。

ただし注意すべき点として、誰かが全ホール終了すると、その時点から2分のカウントダウンが始まります。
そしてこの2分以内に全ホール終了できなかったプレイヤーは、プレイしていないホールのスコアが最低値になってしまいます。 もちろんこうなると勝てません。
よって明らかに進行が遅れている時は急いでプレイする必要があります。

オンラインプレイのもう1つの特徴が・・・ 1位になると優勝 EP がプレゼントされること
3人や4人での9ホールのストロークプレイで優勝すると、なんと EP が +9 されます。
9 ホールのオンラインゲームは消費 EP が 3 なので、EP が減るどころか逆に増えます。
この賞品があるので、ますますがんばろうという気になりますね。

レッツ!ゴルフ3

レッツ!ゴルフ3

オンラインには「マッチプレイ」もあり、これは1対1の2人対戦しか出来ませんが、3ホールや6ホールなどの短期勝負も可能です。
3ホールだと消費 EP は1、6ホールだと2なので、時間がない時や EP が足りない時にオンライン対戦したい時には良さそうですね。

とにかくオンラインプレイの方がお得になっていて、この点から見ても「レッツ!ゴルフ3」は「オンラインでプレイしてナンボ」だと言えるでしょう。

ネットワークを通してのプレイにはもう1つ「チャレンジ」がありますが、これはリアルタイムのオンライン対戦ではありません。
決められたコースをプレイし、そのスコアをランキングに登録するというもので、ゲーム自体は1人プレイの時と同じように行います。
コースの有効期限が終了した後に最終結果を確認する事ができ、上位 10 位以内だとご褒美があるようです。
ただしこのモードは1プレイの時と同じように、EP はホール分消費します

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



ゲームがソーシャルバージョンになったことで、1人でプレイする場合は(かなり課金しないと)遊び辛いものになってしまいましたが、オンラインでプレイするなら以前よりも楽しめます。

賛否両論のゲームになった訳ですが、私としては1人で黙々とゴルフゲームをやってもそれほど楽しいとは思わないので、このようにオンライン要素があった方が面白いですね
やっぱり「みんなのGOLF」のようなゲームは、みんなでゴルフをした方が楽しい訳で、それを携帯電話でオンラインで出来るというのは、ある意味、理想的です

ただ、今回の「レッツ!ゴルフ3」の発売で非常に残念なのは、公開と同時に「レッツ!ゴルフ2」が iTunes で公開停止になった事。
1人プレイの需要も当然ある訳だし、常に通信が出来る場所でプレイ出来るとは限りません。 移動中や通勤中にやっている方もいるでしょう。
そう言う人にとっては「レッツ!ゴルフ2」の方が良いので、出来ればどちらも残しておいて、ユーザーが選択出来るようにして欲しかったところです・・・

「レッツ!ゴルフ3」の巷の意見は分かれていて、私もなんでもかんでもソーシャルゲーム的にすれば良いとは思っていませんが、「オンラインがメインだ」と言うのを知ったうえでプレイするのであれば、やはり iPhone 最高のゴルフゲームである事は揺るぎないと思います。

レッツ!ゴルフ 3 (iTunes が起動します)