1990 年代にアメリカのゲームメーカー「アタリ」が開発し、世界的に流行したアーケードゲームの名作「ランパート」(RAMPART)。
それを元にしたゲームが iPhone / iPod touch に登場しています。
Zen Wars」です。

ジャンル分けの難しいゲームで、テトリスのようなブロックを使う「パズルシーン」、大砲を配置する「シミュレーションシーン」、大砲を撃つ「シューティングシーン」の3つを順番に繰り返しながら進行します。
元となった「ランパート」はゲームセンターに長く置かれていたゲームで、ファミコンやメガドライブでも発売されていたため、名前は知らなくてもゲームを見ると「あーこれかー」と思い出す人も多いかもしれませんね。

Zen Wars

マップ内は川で二分されていて、川の左側が自分の領土、右側が敵の領土です。
ちなみにオリジナルの「ランパート」は海から帆船が攻めて来るゲームですが、オリジナルを知っている人は「川の向こう側が海なんだ」と思えば良いでしょう。

自分の領土にはいくつかの砦があって、最初にそのうちの1つを選択します。
選択するとその周囲に自動的に城壁が築かれてゲームスタート。

まずは「大砲配置フェイズ」となり、城壁の内側の好きな場所に大砲を設置します。
大砲を1つ置くのにコインが1枚必要で、ステージが進むとコイン3枚で敵を混乱させる忍者投射機などを置いたり出来るのですが、まずは普通の大砲をたくさんそろえるのが先決です。

大砲を置いたら「砲撃フェイズ」となり戦闘開始。
タップで敵を撃って倒していきます。 ただし大砲の数しか連射できないので、最初のうちはあまり撃てません。
また敵も砲撃してきて城壁には穴が空いていきます。

戦闘は 15 秒ほどで終わり、「修復フェイズ」に移行します。
修復フェイズではテトリスのようなブロックを回転させながら配置していき、砦を城壁で囲っていきます。
大砲も城壁(ブロック)で囲った中にないと再使用できません。
すべての砦を城壁で囲めば大砲設置フェイズの際に使用できるコインが増えますが、1つも砦を囲えないまま制限時間が尽きてしまうとゲームオーバーになります。
制限時間は約 50 秒です。

この3つのフェイズのサイクルが「1ターン」となり、指定ターン数を耐えきればステージクリアとなります。

Zen Wars

Zen Wars

Zen Wars

ゲームとしては、まんま「ランパート」ですね
ステージによっては「橋」を壊すのが目的だったり、敵の砲台が設置されているなど、特殊なステージも存在します。

しかし残念ながら・・・ ゲームとしてはイマイチ感が拭えません。
ゲームバランスが悪いのです。 「簡単過ぎる」という方向で。

元となった「ランパート」は敵の数が多く、砲撃も激しく、制限時間も短めでした。
だからこそ修復しやすい城壁や大砲の配置を考えたり、状況によっては中心となる砦を移すなどの様々な戦術を駆使する必要がありました。

しかしこのゲームはかなり簡単で、敵が少なく、砲撃も少なく、制限時間も多め。
だからテキトーにやってても勝てるし、時間は余るし、修復の必要もなくなるしで、本来のランパートにあったゲーム性が見事に失われているのです。

タッチパネルなので修復フェイズでの操作がやや難しく、そのために制限時間が多めになっているのかもしれませんが、これはちょっと簡単過ぎかなぁと・・・
せめて敵はもっと増やしてくれないと、戦闘も派手になりませんね。

歯応えがあるのは最終面だけで、他のステージはダラダラした展開になってしまいます。
ステージ数も現時点(2011/8)では7ステージと少なめ。
ステージごとにユニークな絵柄のコミックが読めますが、肝心のゲームがこれでは・・・ という感じです。
「サバイバルモード」もありますが、こちらも敵が少なくイマイチですね。

Zen Wars

ランパートは「対戦モード」が面白かったゲームでもあり、このアプリでも Game Center に対応したオンライン対戦や、Bluetooth 接続のローカル対戦が可能です。
ただプレイヤーはあまり多くないようで、なかなかマッチングされず、まだオンライン対戦については未確認です。

ゲームの作り自体はちゃんとランパートしているのですが、ゲームバランスのせいで楽しめない感じです。
敵は今の3倍ぐらい出て来ても良いような気がしますね。
もちろんゲームは「うまく行くから面白い」と言うのがあり、難し過ぎてクリア出来ないゲームだとイライラするので、一概に難しければ良いと言うものではありませんが、簡単過ぎてもつまらない訳で・・・
まあこの辺はプレイヤーの腕前も一様ではないので、難しいところではありますが。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 170 円で、高過ぎず安過ぎずと言ったところ。 妥当な値段ではありますね。
ランパートが好きだった方なら、試してみても良いと思います。

素材やアプリの作りは悪くないので、後は調整次第でしょうか。
もしかするとソロプレイはあくまで練習モードのつもりで、オンライン対戦がメインだと考えられているのかもしれません。
それでも「サバイバル」ぐらいは、もうちょっとハデな展開でも良かった様に思います。

今後ステージが追加される予定なので、アップデートに期待したいですね。

Zen Wars (iTunes が起動します)