ワイヤーフレーム(線画)で描かれたような独特で美しいグラフィックと、スピーディーでハデな展開が見所の全方向スクロールシューティングゲームが iPhone で発売されています。
Infinity Field」です。

このゲームの iPad 版(Infinity Field HD)は今年の1月にすでに発売されていたのですが、iPhone / iPod touch 版が登場する様子はなかったため、iPad 専用のゲームなのかと思っていました。
当ブログは iPad だけのゲームは基本的に扱わないので、今まで取り上げていなかったのですが・・・ ここに来ていきなり iPhone 版の登場です。

発売は大手パブリッシャーの Chillingo 、開発は Forze Field Studios というメーカーですが詳細不明です。
Chillingo は先月から話題のゲームを続々と発売しており、急に活発化している印象です。
元々 iPhone / iPod touch アプリの大手パブリッシャー(発売・出版元。 開発元ではなく、他社で開発されたゲームの発売・宣伝・監修を行う会社)でしたが、昨年 EA に買収されてから Angry Birds の Rovio が離脱するなどして活動が停滞していました。
しかし先月から注目作やゲーム賞受賞作の公開を次々と行っており、以前にも増して勢いがあります
これが EA がバックに付いたパワーなのでしょうか・・・?

Infinity Field

画面左下のスティックで自機を移動させ、画面右下のスティックで弾を撃つ方向を指示するという、全方向スクロールシューティングおなじみの操作スタイルです。

弾は自動で連射され、パワーアップアイテムを取ることで「ワイドショット」「超連射ショット」「レーザー」の各武器に切り替えることが出来ます。
アイテムは他にも、敵を寄せ付けないシールドや、前後に撃てるようになるもの、支援機が付くものなど様々なものが存在します。

ゲーム内容は iPhone / iPod touch で発売されている他の全方向スクロールシューティングのシステムをまとめたようなものになっています。
ゲームの基本システムやグラフィックは Geometry Wars によく似ていますが、自機が常に画面中央に位置する点は Critical Wave に似ていて、武器の種類や切り替えなどは Meteor Blitz に似ています。
画面から手を離すと自動的にポーズになる点も Meteor Blitz っぽいですね。

iPhone / iPod touch 版の Geometry Wars はタッチパネルに最適化されていない感じでしたが、他のゲームの長所を取り入れて iPhone や iPad でもプレイしやすいようアレンジした形と言えます。

ゲームモードはメインとなる「Survival」(サバイバル)と、ステージクリア形式の「Campaign」(キャンペーン)の2つで、キャンペーンでは稼いだ資金で自機を強化する事ができ、ボスが登場するステージもあります。
さらにキャンペーンでは特殊なルールのステージが存在し、それをクリアする事で「Survival」のゲームモードが増えていきます。 

Infinity Field
※ゲームモードの種類は以下の通りです。
・Infinity mode : 通常のゲームモード
・Insane mode : 俗に言うハードモード。 敵が多く、最初からパワーアップ状態
・Cruces mode : 画面端から一直線に飛んでくる敵が出続けるモード
・Snake mode : 弾が撃てず、自機が蛇状で、頭から尻尾までのレーザーが出る
・Unarmed mode : 弾が撃てず、取ると爆発が発生するアイテムで敵を倒す
・Zombie mode : 撃っても敵が消えない。 アイテムを取ると消すことが出来る

Infinity Field
キャンペーンモードに登場するボス。
弾が壁で反射するアイテムを使い、後方に弾を当てなければならない。 結構難しい。

スピーディーなゲーム展開、geoDenfese のような光の粒子が飛び散る派手なグラフィック、大量の敵を全方位の攻撃で次々となぎ倒す爽快感は、この手のゲームの面白さを追求したような内容と言えるでしょう。

ただ、メインとなるサバイバルモードはステージクリアがなく、ボスが出現するようなこともなく、あまり変わり映えしないザコ敵を延々と倒し続ける内容で、やや単調さもあります
パワーアップも早期に上限に達してしまうため、他のゲームより強化する楽しみも薄いです。
タイプとしては minigore に近く、シンプルに楽しめるのは良いのですが、もうちょっとゲーム展開に起伏が欲しかったところですね。
また慣れると 20 分ぐらい平気で続いてしまうため、だんだんダレて来るのもあり、後半の難易度はもう少し調整して欲しかった気がします。

ステージクリア型のキャンペーンモードがあるのは良いのですが、それほどステージ数が多い訳ではなく、ショップで買えるものも通常のパワーアップと次のステージのアイテムを増やすもののみで、Blue Attack や Isotope のように装備にバリエーションがある訳ではありません

また、1つ個人的に気に入らなかったのが・・・
じっと立ち止まって敵を迎撃し続けていると、突然自機の真上に敵が現れて何の前触れもなくやられてしまうこと。
フィールドの隅で立ち止まって戦い続けるのを禁止する措置だと思いますが、何の予兆もなくいきなり殺すのはどうなのかと。
まず警告となるものが表示され、それからミスになるのなら解りますが、急に真上に出て来た敵を避けられるような余裕はなく、いきなりミスになるってのは納得が出来ません。
まあ、少しずつでも動き続けていればこの状況は防げるのですが・・・

以下は youtube で公開されている公式のトレーラーです。



と言う訳で「Infinity Field」、iPhone 版 Geometry Wars のダメだった点がうまく解消されている、完成度の高い全方向スクロールシューティングです。
価格も 85 円と非常に安く、この内容でこの値段ならかなりお得ですね。

なお、先に発売されていた iPad 版は 170 円ですが、iPad 版の方が画面が広くてプレイしやすいので、iPad を持っている方はそちらの方がお勧めです。
iPhone / iPod touch 版は指がやや邪魔になりますからね。

全方向スクロールシューティングの新しい定番の1つだと思います
もうちょっとゲームシステムの面でボリュームが欲しかったところですが、シューティングが嫌いでなければ、十分にオススメできるゲームです。

Infinity Field (iTunes が起動します)
Infinity Field HD (iPad 専用版です)