ナムコの新作アプリは、激しくナナメ上だった・・・
昭和50年代に駄菓子屋の店先に置かれていた、10 円玉を弾いて遊ぶ有名なレトロゲーム「新幹線ゲーム」。
それが iPhone / iPod touch / iPad で蘇りました。
名前はそのまんま「新幹線ゲーム」です。

バネの付いたレバーを弾いて 10 円玉を飛ばし、穴に落ちないようにレールの上を進め、ゴールまで運べば景品と交換できる「当たり券」が貰えるというゲームです。
穴に落ちないようにするには微妙な調整が必要で、なかなか難しいゲームですね。
バネと重力のみを利用しているため、電気を全く使っていない究極のエコマシンだったりもします。

今回はこれと合わせて、同じ昭和50年代に駄菓子屋に置かれていたゲーム「山のぼりゲーム」も少しご紹介したいと思います。

新幹線ゲーム

画面右上のウィンドウを開いて 10 円玉投入ボタンを押すと、レールに沿って 10 円玉が転がっていきレバーの位置で止まります。
iPhone / iPod touch 版の場合、大きめの仮想レバーが表示され、これを引いて離すことで 10 円玉が弾かれて飛んでいきます

途中にある穴に落ちてしまうとアウト。
穴に落ちずに最下部にある「当り」と書かれている部分に落とせばクリアとなり、ご褒美が貰えます。

仮想レバーには目盛りが付いているので、これを目安にして何度もリトライしながら、正解のレバー位置を探って行くのがゲームのコツですね。
しかし非常に微妙なコントロールが要求されるので、なかなか難しいゲームで、コツが掴めないうちはイライラするかもしれません。

iPhone / iPod touch 版は「フリーミアム」(本体無料+追加課金型)になっています。
10 円玉は 10 枚を上限として5分で1枚ずつ増えていくので、無料のままでも遊び続ける事は可能ですが、課金することでまとめて手に入れる事が出来ます。
またクリアすると5枚ほど 10 円玉は補充されます。
ただ 10 枚程度では、無駄遣いをしているとすぐに使い切ってしまいますね・・・
課金で得られるコインは 85 円で 50 枚です。

「はずれを当りにする」「穴に落ちても手前で復活できる」などのアイテムも存在しますが、コインを消費して購入しなければなりません。

ゲームはオリジナルを再現した「復刻版 新幹線ゲーム II」と、レイアウトが新しくなっているステージクリア型のモード「新幹線ゲーム 2011」の2つが用意されています。
新幹線ゲーム 2011 は 13 ステージで構成されており、10 円玉の邪魔をする「遮断機」や「動く床」、暗闇のステージなど、オリジナルにはない仕掛けが存在します

またクリアする事で「新幹線カード」を手に入れる事ができ、歴代新幹線の各車両の詳細などを見ることが出来ます。

新幹線ゲーム

iPhone はユーザーの年齢層が高めなので、こうしたノスタルジックなゲームを復刻するという目の付け所は良いと思います。
しかし非常に残念なのは・・・ いまいちリアル感がないこと
これはこういう「復刻版」的なアプリでは、大きなマイナスです。

例えば昔の駄菓子屋パチンコを再現した「Pachinko」は、玉の動きがリアルで、さらに実機から録音したという非常にリアルで素朴なサウンドが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。
玉がレールを昇っていく音、ガラスに当たってカチカチと鳴る音、それらが懐かしさを漂わせてくれます。
「復刻する」と言うのは、こういう事だと思います。

しかしこの「新幹線ゲーム」は、10 円玉の動きに今ひとつリアリティーや質感がなく、そしてサウンドに至っては全くと言って良いほど「実物感」がありません
10 円玉の動きに質感がないのは、実機での 10 円玉の動きを再現するのを優先して「物理シミュレート」を行っていないからだと思いますが、やはり不自然に見えます。
そしてサウンド(効果音)は明らかに軽視されているようで、再現する気さえないように思います
でもここはノスタルジーをユーザーに感じさせるためには、絶対に手を抜いてはいけない部分だったはずです。

「新幹線ゲーム 2011」などの新モードがあるのは良いのですが、このアプリのキモである「実機の再現」にもっと力を入れて欲しかったかな、と思いますね。

新幹線ゲーム
※新モードにはユニークな仕掛けも多い。
ステージも多く、より楽しめるようになっています。
でもまずは「懐かしい雰囲気」や「リアルな効果音」などの、再現部分をもっと作り込んで欲しかったのが本音。

とは言え、三十代以上の人だと思わず「懐かしい!」と思ってしまうアプリのはず。
このゲームを楽しむにはやはり「思い出補正」が必要で、そのためオリジナルを知らない人には勧められないアプリですが、画像を見て懐かしいと感じた人にはオススメできるアプリです
いずれにせよ iPhone / iPod touch 版は無料(フリーミアム)なので、試してみて損はないはず。

一方、iPad 版の「新幹線ゲーム HD」は iPhone / iPod touch 版とはやや仕様が異なり、価格は 450 円、しかしコインの数は無限です。
レイアウトは1画面にゲーム台がすべて表示されている形で、画面がスクロールすることはありません。
拡大された「仮想レバー」は表示されず、小さなレバーを直接操作して 10 円玉を撃ち出します。

よってよりリアルになっているのですが、このゲームでレバーの拡大表示がないのはあまりに辛すぎで、微調整が困難なためゲームの難易度が大幅に上がっています
しかもコインが無限なためかアイテムもないので、ちょっと難し過ぎかも・・・
って言うか、私はあまりにクリア出来なくてイライラし過ぎてプレイを断念しました。

とりあえずここでは iPhone / iPod touch 版の方をオススメしたいと思います。
人に見せる「ネタアプリ」としても良いかもしれませんね。
なお、旧機種(iPhone 3G や第二世代までの iPod touch)は動作対象外なのでご注意下さい。

新幹線ゲーム (iTunes が起動します)
新幹線ゲーム HD - NamcoBandai Games Inc.

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さて、さらにもう1つ「昔の駄菓子屋の店先にあったゲーム」のアプリを紹介しておきたいと思います。
山のぼりゲーム」です。
新幹線ゲームを「懐かしい」と感じる人だと、これも同じぐらい懐かしいゲームのはず。

山のぼりゲーム

「すすむ」と「もどる」のボタンで登山者のランプを進め、障害物をかわしながら山頂を目指すゲームです。
制限時間は 60 秒で、障害物に当たるとスタートに戻されますが、制限時間が残っている間は何度でもリトライすることが可能です。

ゲームとしてはシンプルですが、こちらも慣れないとなかなか難しいですね。
ただ、当時の「駄菓子屋ゲーム」の中では難易度は低い方でした。

iPhone / iPod touch 版の山のぼりゲームはボタンの反応が鈍く、例えば 10 回ぐらい連打しても5マスぐらいしか進まない感じです。 しかも進むペースがまちまち。
ただボタンを押すだけなのに違和感を感じる操作性で、iTunes のレビューでもその点に対する批判が多いですね。
この状態でもクリアが出来ない訳ではなく、前述したように「山のぼりゲーム」は慣れてしまうと簡単なゲームなので、これで操作性が良くなると楽勝すぎるゲームになってしまう気もしますが、思うように操作できないのはやっててストレスになるので、出来れば改善して欲しい所です。

価格は 350 円で、このシンプルなゲームで 350 円はちょっと高いかなぁと感じます。
クリア後に貰えるチケットで「駄菓子」を集めるというコレクション要素はありますが、新幹線ゲームのように追加ステージがある訳ではないし、飽きは早そう
しかしサウンドはオリジナル通りで、汚れているパネルなども雰囲気があり、再現度は高いです

「思い出補正」がないと辛いので、「懐かしい! 久々にやってみたい!」と思った方にのみお勧めいたします。

・山のぼりゲーム (公開終了)