2011年10月から全国の劇場で公開される、アウトローなストリートレーサー達が繰り広げるカーチェイス映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」。
この映画の公認レースゲームアプリがゲームロフトから発売されています。
「ワイルド・スピード MEGA MAX:Official Game」です。
このゲームはアメリカでは4月にすでに発売されていました。
なぜならこの映画がアメリカで封切られたのが4月だったからで、それに合わせて公開されたからです。
日本では先日9月23日に先行上映が始まったため、それまで公開待ちの状態だったようですね。
ちなみにアメリカでの映画の題名(及びゲーム名)は「Fast Five」です。
カーチェイスがウリの映画が元なだけに、クラッシュシーンが多くあるハデな展開となっていて、ブレーキせずに全速でカーブを曲がれる非リアル系のレースです。
アクセルは自動、画面の左下をタップするとブレーキですが、普通にレースをする限りブレーキを使う必要はほとんどありません。 ハンドルは本体を左右に傾けて行います。
操作感は悪くなく、iPhone / iPod touch のレースゲームをやったことがある人なら、すぐに慣れる事ができるでしょう。
画面右には「ニトロ」のボタンがあり、一時的に加速と速度が増大しますが、使用回数が限られています。
これは最近の非リアル系のレースゲームではおなじみですね。
さらに画面左には、このゲーム独自の特徴的なシステム「巻き戻しボタン」があります。
これを押すと画面が止まり、少し前まで自由に時間を「巻き戻す」ことが出来ます。
使用回数はありますが、クラッシュしたり分かれ道で間違った方に行っても、これで任意のポイントまで巻き戻して、そこから再開できるのです。
このゲームは壁に正面からぶつかるとクラッシュするのはもちろん、建物が爆発して倒れてきたり、いきなり列車が道を塞いだり、上から鉄骨が降ってくるなど、危険な場面が多発します。
しかしこれらでクラッシュしてもすぐに巻き戻せば助かる訳で、巻き戻し回数が「残機」とも言えますね。
ゲームは映画のストーリーに沿ったレースと、4つのイベントレースを交互に行います。
まず各章の始めにストーリーのレースを行い、これをクリアするとメニューが表示され、イベントレースを選択します。
イベントレースには通常のレースである「Normal Race」、時間内にコースを周回する「Time Attack」、他の車を一定数破壊するとクリアになる「Elimination」、ドリフトポイントを一定量稼ぐ「Drift」、ギアチェンジによる加速で短距離レースを行う「Drag」の5種類があります。
イベントレースは結果に応じて「カリスマ度」が加算され、4レース行った後にカリスマ度が一定以上あれば次の章に進めます。
ゲームは全10章で構成されており、ボリュームは相応にありますね。
ただ、不必要なドリフトでポイントを稼がなければならない Drift レースは「やらされてる感」が強く、1台で走るだけの Time Attack も特に面白い訳ではありません。
ギアチェンジの Drag レースも、単にギアアップボタンを押していき、最大ギアにしたらニトロを使うだけでクリアになる単純なもので、ゲーム性は乏しいです。
(クラッチやギア操作があった某「ゼロヨンチャンプ」のような面白さはありません)
正直、ノーマルレース以外は「とりあえず用意しました」みたいな感じがありますね・・・
他の車を破壊する Elimination はこのゲームらしいとは言えますが、アスファルト6 のように「ニトロでぶっ飛ばす」みたいなものはないので、普通に押しつけたり追突したりでクラッシュを狙う形です。
なお、他の車をクラッシュさせたりカッコ良くドリフトを決めると、いきなり画面が止まって視点が変わる演出が入ります。
これは映画っぽくて良いのですが、急にゲームが止まるので、慣れるまでは邪魔に感じるかもしれません。
このゲームの一番良い点は、そのグラフィックでしょう。
車体にはちゃんと周囲の地形が鏡のように映り込んでいて、非常に綺麗です。
町中や郊外、下町などのレースフィールドもリアルに描かれていて、太陽の光の演出なども良いですね。
この辺は映画を元にしているためか、手を抜いている感じは受けません。
ゲームロフトの他のゲームと比べても、グラフィックのレベルは高い方ではないでしょうか。
周辺図だけですがちゃんとコースマップも表示されており、分かれ道・わき道なども表示されています。
このゲームのわき道は大ジャンプするようなトンでもないものもありますが、その多くはわき道というよりは「別のルート」であり、ライバルの車も利用します。
レースもライバルの車がなかなか速く、白熱した展開を楽しめます。
それだけに Drift レースなどのイマイチなイベントがあるのが残念ですが、全体的にクオリティーの高いレースゲームだと言えますね。
車はほとんど架空のものですが、アメリカのカーブランド「Dodge」(ダッジ)のものだけは実車が登場します。
強化は単にお金を払ってランクを上げていくのみで、細かいチューンナップはありません。
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
定価は 450 円で、iPhone / iPod touch 版と iPad 版が別々に公開されていますが、価格は変わりません。
クオリティーを考えると妥当な価格ではないかと思います。
ただ、どうも「オススメです」と言い辛いのは・・・ アスファルト6 のせい。
どちらもブレーキせずに疾走できる非リアル系のハデなレースで、正直言って内容がかぶってます。
そしてワイルド・スピードが 450 円で、アスファルト6 はフリーミアム要素が加わったためか、最近は 85 円で販売されています。
ゲーム性もどちらかと言うと アスファルト6 の方が上で、どっちが良いかと言われたら・・・ 言うまでもないですね。
しかしワイルドスピードは、映画を元にしたストーリー性やゲーム展開が見所です。
これらは アスファルト6 にはない訳で、映画を見た人だとこちらの方が楽しめそうですね。
・ワイルド・スピード MEGA MAX:Official Game (iTunes が起動します)
・ワイルド・スピード MEGA MAX:Official Game HD (iPad 専用版です)
巻き戻し機能とかストーリーは面白そうだけど、書かれている通り、すでに鉄板と言われるようなレースゲームが出ちゃっているので微妙ですね…。
PCや据え置き機のNeed for Speedシリーズとは違って、iPhoneアプリのNFSはストーリーとかがないので、住み分けは出来ているとは思うんですが…。
(据え置き機のNFSは完全にワイスピの世界ですが…)