道の両端に互いの陣地があり、共に兵士を出し合って相手の陣地の破壊を目指す、俗に言う「一本道 RTS」(ラインウォー、綱引き型 RTS)でありながら、その道の幅が「広い」という特徴のゲームが登場しています。
Army Wars Defense 2」です。

このゲームはその名の通り、「Army Wars Defense」の続編です。
ただ前作はそれほどヒットした訳ではないので、ご存じない方も多いでしょう。
開発は韓国の小メーカーだと思われます。

前作は私的にはなかなか楽しめる一本道 RTS だと思っていたのですが、「ゲームの戦術が解りにくい」「序盤が簡単過ぎて面白さがなかなか解らない」という難点もありました。
そのためか今作はゲームの基本システムはそのままで、バランスやインターフェイスを改良しているという、マイナーチェンジ的な続編になっています。

なお、タイトル画面には可愛い女の子が描かれていますが、これはゲームとは全く無関係です。念のため。
まあゲーム中の兵士のドットグラフィックは可愛らしい感じではありますね。

Army Wars Defense 2

画面下の兵士のアイコンを任意の場所にドラッグすると、その位置の左端から兵士が出撃し、まっすぐ右に向かって進んで行きます。
兵士にはそれぞれ射程範囲があり、その範囲に敵が入ると自動で攻撃を行います
出撃した兵士はひたすら直進して行くのみで、命令を出すことは一切出来ません。
死ぬ端から送り込んでいく形で、まさに「使い捨て」ですね。

このゲームは道幅が広く、好きな場所(好きな横軸)に兵士を配置出来ます。
こうした道が広い一本道 RTS の多くは、道がいくつかのラインに分かれていることが多いのですが、このゲームは分かれていません。
「幅の広い一本の道」があるのみで、配置位置はドット単位で調整可能です

兵士にはそれぞれ「長射程だけど横幅は狭い」「横幅は広いけど射程が短い」などの特徴があります。
よって、「長射程だけど横幅が狭い敵は、軸をズラして兵士を配置し横から撃つ」「横幅が広いけど短射程の敵は、長射程キャラで狙撃する」と言った戦術が有効になります。
まずはこの点の把握が重要になりますね。

Army Wars Defense 2
※Sniper(スナイパー)は長射程、Ranger(レンジャー)は横に広い。 こうした射程が極端なキャラをうまく活用するのがポイント。
Riffleman(ライフルマン)は弱いがバランスが取れていて安い。 Swat(スワット)は対装甲用。

道の端に到達した兵士は敵陣への攻撃を行い、陣地の耐久力が減っていきます。
ただ陣地も反撃するし、そう簡単には壊れません。 敵陣を破壊すれば勝利、逆に壊されると敗北です。

兵士は資金(Fund)を消費して出撃させますが、Fund は「Fund 最大量アップ」「Cool Down(再出撃時間)減少」にも使用でき、このタイミングも重要になります。
また「スキル」を習得することで、資金を使って陣地の回復や空爆の要請も行えます。
Fund は敵を倒したり、一定時間経つごとに得られます。

またステージクリアすることで Gold が得られ、これを使って新しいユニットのアンロックや既存ユニットのアップグレードが行えます。
ユニットの種類は非常に豊富で 30 種類以上。 車両や回復ユニットなど様々です。
選べる軍隊が2つあり、共通ユニットが 23 種類、固有ユニットが5種類が存在するため、実際に使えるのは 28 種類です。

ゲームにはそのうちの8つを選んで出撃しますが、内部的に被害数が蓄積されていて、それが一定数を超えるとそのユニットはしばらく使えなくなります。
この使えなくなる時間は「現実の時間」で、ユニットごとに「10分経過するまで使用不可」と言った状態になります。
この状態は Bucks というもので強制的に回復させることも出来るのですが、Bucks をまとめて入手するには追加課金が必要になります。
つまりここはフリーミアム(課金型)になっていると言えます。

無理やりフリーミアム要素が付け足されているのは難点と言えますが・・・
複数のユニットを入れ替えて使っていけばそんなに困ることはないし、無理に課金が必要な程ではありません
色々なユニットを活用するためのゲーム性と考えれば、まあ納得は出来ますね。

Army Wars Defense 2
※被害が大きくなったユニットは「補給待ち」状態になる。 ただ実時間の経過なので、アップグレードをしている間に回復したりするし、時間が長くても1ステージ休ませればその間に復帰できる事が多く、それほど深刻ではない。 また Bucks (お札)はステージクリアでもある程度入手出来る。

Army Wars Defense 2
※能力値の把握し、どれをどう使って行くかがゲームのポイント。
高額なユニットほど再出撃時間が長く、しかもコストパフォーマンスが下がる。 よって低価格ユニットと高額ユニットをバランス良く用意して使い分けることが必要。
また対人ユニットと対甲ユニット、車両ユニットに分かれるので、その使い分けも大切。

前作は序盤がかなり簡単で、テキトーに出撃させていても問題なく勝ち進むことができ、そのため逆に「兵士を出すだけのつまらないゲーム」に思われがちでした。
そのためか今回はステージ2からいきなり敵車両が登場し、難易度が上がっています。

よって慣れていない人だといきなり苦戦してしまう可能性がありますが、クリア済みのステージを再度プレイして Gold を稼ぐことも出来るので、行き詰まる事はないでしょう。
幸いステージ1は簡単です。

また今回の追加要素として、Bluetooth による対戦プレイや、Game Center を通したオンライン対戦にも対応しています。
ただ Game Center を通しての対戦は人が少なく、なかなか成り立ちませんね。

他にスコアを競える「エンドレスモード」も用意されていますが、オンライン対戦やエンドレスはプレイするごとに「プレイ回数」が減っていき、これは1回あたり1時間が経過しないと回復しません
ここも中途半端なフリーミアム要素になっている部分です。
また兵士のグラフィックは可愛らしい感じですが、血を吹き出して倒れたりするやや残酷な表現があるのも難点でしょうか。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 85 円と安く、値段を考えるとお得なゲームです。
実は現在(2011/10)、2が発売されたからか前作が無料で公開されているのですが・・・
前作より2の方がバランスが取れているし、表示が解りやすくユニットも増えているので、今さら1はオススメし辛いですね。
2からやった方が面白さが理解できると思います。

ボリュームは十分にあり、スピード感と相応の戦略性も備わっていて、秀作の一本道 RTS の1つだと思います。
この手のゲームが好きな方にはオススメできるアプリですね。

Army Wars Defense 2 (iTunes が起動します)