ソニック・ザ・ヘッジホッグとセガの様々なキャラクターが一堂に会して争うマリオカート的なレーシングゲームが、ようやく日本でも発売される事になりました!
Sonic & SEGA All-Stars Racing」(ソニック&セガオールスターズ レーシング)です。

このゲームは PS3 や XBOX360、Wii や DS でも発売されており、iPhone / iPod touch 版はその移植となります。
欧米では今年6月から公開されていて非常に高い評価を得ていたのですが、なぜか日本では発売されておらず、ヤキモキしていたユーザーも多かったようですね。
先日からようやく日本の iTunes でも公開され始めたのですが、現時点ではまだ海外版のままで、日本語には対応していません。
しかし今後のバージョンアップで対応することが告知されています。

ゲームはマリオカートよりもずっと高速で、ゲーム性はやや異なります
言うなれば「F-ZERO+マリオカート」と言ったところでしょうか。
マリオカートほどプレイしやすい訳ではないですが、派手な演出とスピード感がウリのゲームで、ソニックらしいと言えますね。

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本体を傾けてハンドルを切り、アクセルは自動です。
オプション設定でハンドルをスライド操作に切り替える事もでき、このスライド操作の操作性もなかなか良いです。(クイックな操作ができるため、私はスライドの方がやりやすいです)
赤いボタンはブレーキ&バックですがほとんど使いません。

黄色いボタンはドリフトボタンで、カーブ中にハンドルを切りながら押しっぱなしにすることでドリフトを行います。
と言ってもほとんどのカーブはドリフトしなくても普通に曲がることができ、ドリフトしてもドリフト特有の滑るような挙動にはなりません。
では何に使うのかと言うと、ドリフトすることでブーストパワーが貯まっていき、ある程度貯めてからボタンを離すことでブーストダッシュを行うことが出来ます
よって「カーブでパワーを貯めてから、カーブ後の直線でダッシュする」と言うのが攻略のポイントになります。

マリオカートのようにコース上には「?ボックス」が落ちていて、これを取ると様々な使い捨てアイテムを入手できます。
ダッシュできる靴や前方を攻撃するミサイル、その場に設置する地雷パイロンなど、その内容はマリオカートに似ています。
ただ前方を見にくくする「虹」や、好きなタイミングで起爆できる大型ミサイルなどの特殊なものもあり、またミサイルの多くは敵に誘導します
マリオカートよりも高速なので、誘導してくれないとほとんど当てられませんからね。

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コースには高低差があり、一回転するループやナナメになって疾走するバンクカーブなどもある、かなり特徴的なレイアウトになっています。
グラフィックはそれほど細密ではなく、大雑把で角張ったポリゴンで構成されていてリアル感のようなものはありませんが、そのぶん処理は軽くなっているようで、細かさよりスピードを重視しているのが伺えます。
また原色系のカラフルなデザインはとても綺麗で、ステージ構成もバラエティーに富んでいます。

メインモードの「GRAND PRIX」(グランプリ)には3つのカップ戦が用意されていて、それぞれ4レースでの合計ポイントで競います。 全 12 コース
(iTunes の解説文では 15 コースとなっているので、特殊コースが3つある?)
難易度は  EASY、MEDIUM、HARD の3つが用意されていて、下位のものから順番にクリアしなければなりません。
EASY はコースさえ把握できれば簡単なのですが、MEDIUM からはかなり歯応えあるレースになり、なかなか白熱したデッドヒートが楽しめます。

この他にタイムトライアルや、1周でどれだけコインを集められるかを競う「ミッション」というモードもあります。
ただし基本 12 コースのうち8つは、ゲームをプレイすると貯まっていく「マイル」で購入しないとグランプリ以外では走れません。

マイルではキャラクターも購入する事ができ、ソニックやテイルズの他にチューチューロケットのネズミ(チューイ)やクレイジータクシーの運転手(B.D.JOE)、シェンムーの主人公(芭月涼)など、セガの(ちょっとマニア的な方向の)オールスターをアンロックすることが出来ます。
キャラクターごとに性能も若干異なります。

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スピード感を重視しつつも攻撃が飛び交うゲーム展開は面白く、かなりクオリティーは高いです。
しかしこのゲーム、レースゲームとしては非常に残念な点もあります。
それは、コースマップがない

私はこのブログで何度も書いているように、レースゲームにコースマップの表示は必須だと思っています。
それはコース全体のレイアウトと自分の位置の把握、次のカーブの方向と強さ、そしてライバルの位置と距離を知るための「不可欠な情報」であり、それがないレースゲームは二流だと思っています。

そして残念ながら・・・ このゲームにはコースマップがありません。
画面上部にライバルとの距離を表す簡易的なバーグラフがありますが、こんなものではコースマップの代わりにはなりません。

おまけにこのゲーム、どっちに行けば良いのか、どこを走るのか、そもそもコースがどうなっているのか解りにくい部分が多く、コースのレイアウトもカーブがあるのに暗くて見えないとか、急に行き止まりになっていて直角に曲がらないと進めないとか、何の標識もないのに穴があるとか、不親切なレイアウトが多くあります。
よってまずは何度もコースを走って丸暗記しないと、まともに周回することさえ出来ない「覚えゲー」に近いです。

レースゲームだからどのみちコースは覚える必要があるのですが、それでもコースマップがあれば特殊なレイアウトでも走りやすくなるし、コースも覚えやすくなるんですけどね・・・

この「どっちに行けば良いのか解らない」「暗記しておかないと対応できない」というのは「ソニックらしい」とも言え、ソニック・ザ・ヘッジホッグのダメな部分も引き継いでいる印象です。

オンラインでの対戦も含む、最大4人によるマルチプレイヤー対戦もウリの1つですが、自動でマッチングしてくれる「クイックレース」は何度やっても接続が成立しませんでした。
まだアプリが海外版のままなのが原因でしょうか?
Game Center を通したマッチングや Bluetooth でのローカル対戦も可能です。

以下は海外のゲーム情報サイト IGN により Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 170 円と、クオリティーを考えるとかなり安めですね。
ユニバーサルアプリであり、iPhone と iPad の双方に対応しています。

iPhone には Real Racing 2アスファルト6 といった定番のレースゲームがありますが、それとはかぶらないタイプのアクションレースであり、レースゲームが嫌いでなければオススメです
「みんなでワイワイ楽しむ」というパーティーゲーム的な視点で見た場合は、コースレイアウトが解りにくく、「少しやり込んでいないとマトモに走れない」という点がマイナスですが、それを差し引いても十分な内容ですね。

価格を考えても、ロングセラーになり得るアプリだと言えるでしょう。

ソニック&セガオールスターズ レーシング (iTunes が起動します)