がっかり
望みがなくなったり、当てが外れたりして、気力をなくすさま。
(iOS 内蔵辞書より)

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今やもっとも将来性のあるゲーム市場として注目されている iTunes の App Store。
そこには海外の有力メーカーや、著名なゲームデザイナー、そして大型タイトルが集まっています。
ユーザーの期待を集めるゲームも次々と発表されています。

しかしそんな中には、ユーザーの期待を裏切った残念なアプリも数多く存在します
と言う訳で今回は、そんな注目を集めながらも残念な結果に終わり、ランキングの外にひっそりと埋もれていった「がっかりアプリ」にスポットライトを当て、無理やり表に引っ張り出してフルボッコにするドSな記事をお届けしたいと思います。

なお、解説には偏見も多分に混じっているのでご了承下さい。
(以下のタイトル名のリンクは iTunes が起動します)

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Desert Zombie Last Stand

3D グラフィックのゲームエンジン「アンリアルエンジン」の最新型 Unreal Engine 3 を使って開発された、次々と襲いかかってくるゾンビを銃で撃ちまくる FPS/TPS 系のサバイバル・ガンシューティングです。
美麗で気合いの入った様々なムービーが Youtube で事前公開されており、海外では非常に期待されていたタイトルの1つです。

desertzombie

しかし iPhone 4 ユーザーのその期待は完膚無きまでに打ち砕かれました。 まさに Warm Gun の悲劇の再来。
なぜなら死ぬほど重くて話にならないのです。

iPhone 4S や iPad 2 でプレイした場合はまだマシなようですが、iPhone 4 で試してみたところ、FPS は負荷が低い状態でも常に 10~20 といったところ。 常にカクカクです。
そして敵が接近してくるとカクカクどころか完全にコマ送りとなり、複数の敵に囲まれると FPS はもう 1~3 ぐらいになります。 つまり1秒間に1コマとか2コマとか
しかもこれが「たまにそうなる」とかいうレベルではなく、敵が接近してくると「毎回」そうなります

ゲームとしても単に周囲から襲いかかってくる敵を撃ちまくるだけで、なんの捻りもない展開
オンラインが協力プレイになっている辺り、ゲームとしては Call of Duty: Zombie を目指したのだと思われますが、CoD:Zombie のような扉を開いて行動範囲を広げていく要素も、アドベンチャー的な要素も一切なく、戦略的な要素はほとんどありません
資金を貯めて武器を買う要素はありますが、システム的にも CoD:Zombie に遥かに及びませんね。

ゾンビが銃を撃ってきたり、タレット(機関銃)を使用する点はユニークですが、物陰に隠れたりする訳ではないので、銃撃戦としては本格 FPS と比べられるものではありません。

どうも iPhone のアンリアルエンジンのゲームは当たり外れが大きいですね・・・
まさに光と影、Infinity Blade II に対する Desert Zombie と言ったところでしょうか。

まあ iPhone 4S や iPad 2 だとそこそこまともに出来るようなので、最新機種の方は試してもいいかも・・・
と言いたいけど、これを 500 円で買うんなら CoD を買った方がマシだな・・・


Crimson: Steam Pirates

欧米では大定番と言える大ヒット FPS 「Halo」(ヘイロー)。
この Halo を開発していた Bungie と言うメーカーがマイクロソフト社ならびに Halo シリーズとの決別を宣言し、独立して新たに発表した iOS 用のゲームがこの「Crimson: Steam Pirates」です。

数々の名作を送り出してきた Jordan Weisman (ジョーダン・ウェイスマン)というゲームデザイナーの初 iOS ゲームであり、欧米では超期待されまくっていたタイトルです。
そしてその期待は発売後・・・ あれよあれよという間にしぼんでいきました。
まさに「ガッカリゲー」に相応しい作品だと言えますね。

crimson

画面をなぞってラインを引き、船の移動方向を指示して、敵船を撃破したり指定のポイントに移動するなどの勝利条件を満たすステージクリア制のゲームです。
リアルタイム制とターン制の中間のようなシステムで、少し進むとゲームが止まって移動先を設定し、また少し進んでは設定をする・・・ この繰り返しで進行していきます。
攻撃は自動で行われますが、船は側面への攻撃の方が強いので、それを考慮して向きなどを決める必要があります。

で、ゲームを一言で言うと・・・ 地味
真上から見下ろした感じのドットグラフィックには質感や立体感やリアルさのようなものは一切なく、攻撃も自動で派手さがなく、大船団同士が戦うような展開もなく、なにか淡々としています。

蒸気時代が続いているという世界観は非常に良く、ステージの合間に入るストーリーの絵も雰囲気があるのですが、英文だから日本人には理解し辛いし、ステージ中の任務もやらされてる感が強い。
そもそもゲームシステムも「ラインを引いて動かす」という Flight Control 以降使い古されてるシステムで、著名なゲームデザイナーが作ったとは思えない凡庸な内容。 目新しさはありません。

大砲の種類ごとに射界や射程などが細かく設定されていて、船員の能力も豊富なのですが、装備の変更や船員の編成、船の買い換えなどの要素は一切なく、ステージごとに決められた状態でのクリアを目指すのみなので、細かい設定も生かされていません

私的にはこのゲームは、非常に「勿体ない」ゲームに感じています。
知らない人には全く解らない話ですが、かつて同じような上空から見下ろした視点で艦隊戦を行う「鋼鉄の咆哮」というゲームがあって、そのゲームは自由に船の設計や開発が行え、装備も好きな形で配置でき、兵器の研究も行えるなど、豊富なカスタマイズ要素がありました。
そういった船ごとの性質の違いや兵器ごとの射界・射程をカスタマイズ出来るゲーム性があれば、このシステムも生きると思うのですが、今の時点では単なる超劣化版の鋼鉄の咆哮に過ぎませんね。

とは言えこのゲーム、無料で公開されていて、序盤ステージは課金せずに楽しむ事が出来ます。
序盤と言ってもそこそこのボリュームはありますし、期待されたほどの内容ではありませんがクソゲーというほどでもないので、「そこそこ」お勧めは出来ます。
すっかり話題がしぼんだゲームですが、興味があったら試しても損はないかも・・・?


Theme Park™ (テーマパーク)

「ポピュラス」などの名作を作り出したゲームデザイナー Peter Molyneux(ピーター・モリニュー)が、東京ディズニーランドの機能性を見て感動し、その経験を元に開発した 1990 年代の大ヒット遊園地開発シミュレーションゲーム「テーマパーク」
お客さん1人1人の行動がシミュレートされていて、それが遊園地の運営に直接関わるという内容は、近年のカイロソフトの配置型経営 SLG のハシリとも言えます。

そんなテーマパークの iPhone 版が EA より発売されました。
「名作の復活か!?」と噂され、私的にも非常に期待していたタイトルだったのですが、フタを開けてみれば・・・
最近流行りの「アレ」でした

themepark

空き地をタップし、建設する施設を選択してしばらく待てば完成、お客さんがそこで遊ぶ様子を眺めて楽しむという、いわゆる「開発型ソーシャルゲーム」ですね。

内容としてはそれ以上のものは何もなく、本当にシンプルに施設を作ってお金と経験値を回収してはまた作る、この繰り返しのみで進行します。
ソーシャルゲームはライトユーザーを対象にしていますから、あえてシンプルに作られている事が多いのですが、このゲームもその1つと言えます。

タイプとしては「シティビル」(CityVille)や「ジャパンライフ」などの、いわゆる Zynga(ジンガ)系のソーシャルゲームです。
Zynga は日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米の大手ソーシャルゲームメーカーで、有名どころでは「スマーフ・ビレッジ」なんかも Zynga スタイルのゲームと言えますね。

しかし単なるソーシャルゲームになってしまったため・・・ 本来のテーマパークにあった戦略性は綺麗サッパリなくなっています。
例えば元のテーマパークには、アトラクションの回転速度や過激さなどの設定、従業員や清掃員の雇用と行動範囲、ゴミ箱やトイレの配置、さらにポテトの塩の量やコーヒーのカフェインの量の調整までありました。

お客さんを楽しませると購買意欲が増すので、入口に着ぐるみや風船配りなどを配置して機嫌を良くし、すかさず塩たっぷりのポテトを食べさせて喉をかわかせ、そこでカフェインたっぷりのコーヒーを飲ませて移動スピードをアップさせる、みたいな戦略性があったのです。
(まあ今考えると、このシステムもハチャメチャな気がしますが(笑)

しかし今回発売された iPhone 版のテーマパークは、ただ建物を作るだけ。 お客さんは単なる飾り
従業員なんてもちろんなく、アトラクションごとの調整やトイレ・ゴミ箱などの配置なんてものも皆無です。
「遊園地をテーマにしている」という部分以外には共通性の全くない、「違うゲーム」になっています。
もちろん上位の遊具やショップを設置するには課金が必要で、無課金で作れるものは限られています。

一応ちゃんとスマートフォンに合わせたグラフィックや演出を持つため、グリーやモバゲーのソーシャルゲームよりはマシです。
ですからこのタイプのソーシャルゲームが好きな方には悪くないアプリです。
しかし「テーマパーク」の名を使うのなら、少しは「テーマパークらしさ」を残して欲しかった所で、私的にはガッカリ感が否めません・・・
アプリ名の最後に付いている「™」に虚しさを感じます。
かつてのテーマパークを知っている人は、むしろ手を出さない方が幸せですね・・・

最近、グリーやモバゲーの簡易ソーシャルゲームの高収益に釣られて、日本のゲームの質の低下が懸念されています。
しかしアメリカの最大手メーカーである EA が本家のテーマパークを簡易ソーシャルゲームにしてしまったのを見ると、その傾向は日本だけに留まらないのを感じます・・・