あの「スヌーピー」のキャラクターを使った箱庭系のソーシャルゲームが登場し、公開直後から大きな人気になっています。
スヌーピー ストリート」です。

念のため言っておきますが、このアプリはグリーやモバゲーのゲームではありません。
開発はカプコンの子会社で、主にソーシャルゲームを作っている Beeline というメーカー。
スマーフ・ビレッジ」や「原人ビレッジ」などの開発と運営を行っているところです。

ちゃんとスマートフォンに適したクオリティーを持っているゲームで、私が今年見たソーシャルゲームの中ではグラフィックや演出などはナンバー1ですね。
ゲーム内容はやはり「シンプルな課金型の箱庭ソーシャルゲーム」であり、ゲーマーが楽しめるレベルではないのですが、それでもこのゲームは他の同型のアプリより1ランク上で、キャラクターの仕草なども細かいです。
AR 機能やコレクション要素など、数々の要素が盛り込まれた野心作でもありますね。

スヌーピー ストリート

ゲームのタイプとしては、解りにくいかも知れませが Zynga (ジンガ)系のソーシャルゲームと言えます。
建物を配置しておくと一定の実時間経過後にお金や経験値を生み出してくれ、それを回収してさらに次の建物を建てていく、と言うのを繰り返す形です。
また経験値が貯まるとレベルが上がり、作れるものの種類が増えていきます。
同タイプのゲームとしては(当サイトでは紹介していませんが)「シティビル」(CityVille)や「ジャパンライフ」などのアプリが有名ですね。

スマーフ・ビレッジ」や「原人ビレッジ」にも似ていますが、これらが「農園ゲーム」だったのに対し、こちらは施設の設置と町(このゲームの場合はフェア)の拡大がメインです。

そしてこのゲームが既存のソーシャルゲームと違うのは、登場するキャラクターが「スヌーピー」に登場する固有のキャラクターであると言うこと。
町を訪れる人にもそれぞれにちゃんと名前があり、単なる「通行人A」ではありません。
タップすればちゃんと挨拶してくれますし、長々と呟いてくれるキャラもいます。
さらにフキダシをタップすれば考えている事が表示され、これがキャラごとに違っていて、ユニークで面白いです。
(ちゃんと特定の施設が遠いとか、混んでいて利用出来なかったなど、拡張のヒントになる事も表示されます)

また、これらのキャラクターがお店を利用することで収入が発生するため、他の同タイプのゲームと違って登場キャラの行動が運営に影響します。
これはこの手のソーシャルゲームには珍しく、ちょっとしたカイロソフトのゲームのような感じがありますね。

お店が利用された時にも単に収入が表示されるだけではなく、例えばレモネード屋ならちゃんとコップが出て来てレモネードが注がれるところが表示されます。
木をタップするとウッドストック(鳥)が出て来たり、スヌーピーが雪玉を人にぶつけたりなど、結構細かいアクションも作り込まれていて、眺めているだけでも楽しめますね

そしてもう1つの特徴が、豊富に用意された追加要素でしょう。
Facebook や Game Center のフレンドのフェアに訪問できたりプレゼントを贈れる他に、様々なミニゲームメッセージカード画像、スヌーピーの原作コミックの閲覧、カードや衣装のコレクション、さらにスヌーピーキャラを入れて写真を撮るなど、とにかく非常に豊富な要素が盛り込まれています。
もう「思い付くことはなんでもやろう」みたいな感じで、気合いが感じられますね。

スヌーピー ストリート

箱庭ソーシャルゲームとしては非常に完成度が高いのですが、唯一残念なのは課金。
最低でも 450 円からです

ゲームを楽しんでいても、この手のソーシャルゲームにはあまりお金を使いたくないのがユーザーの本音でしょうから、一番下でも 450 円ってのはさすがにためらわれます。
私もかなりデキが良いので、思わず「少し課金しようかな」と思ったのですが、最低 450 円というのを見てその気が萎えました。
しかも 450 円の上は一気に 850 円。

さらに 450 円で得られるキャッシュではショップを2つ設置できる程度で、おまけに課金キャッシュでないと買えないショップやキャラクターも多く、その中にはスヌーピーの主要キャラも含まれているため、本気で楽しもうと思ったら相当の金額が必要になります。
いわゆる「タダより高いものはない」系のアプリですね。

まあ無課金でも設置できるショップやキャラクターは多いので、課金しないと楽しめないって事はないし、最低 450 円というのは、このタイプのゲームでは一般的なのですが・・・
もうちょっと安くないと、逆に課金しようというユーザーを引き離してしまう気もしますね・・・

スヌーピー ストリート
※気軽に課金できる金額ではない。 「iTunes アカウントに請求されます」「実際にお金がかかります」と明記してくれている点は良心的ですが。
まあ、ソーシャルゲームは広く細く集めるより、少数の課金ユーザーからガッポリ取った方が儲かるらしいので、ビジネス的には間違ってないんだろうけど・・・


と言う訳で、課金はちょっとアレですが、それ以外はかなり良いですね。
私はこの手のソーシャルゲームを良いと思った事は今までなかったのですが、今回初めてこの手のゲームをオススメしたくなりました。

改めて言いますが、「ゲーム性」という点では乏しく、あくまでお金を貯めては施設を配置していくだけの「箱庭ソーシャルゲーム」に過ぎません。
ですからシミュレーションゲームのような戦略性は期待しないで下さい
でも箱庭ゲームって「眺めて楽しい」ことが重要だと思いますから、そこが良く出来ているこのゲームは、やはり秀作だと思います。

考えてみれば、この手のゲームのキャラクターをマンガやアニメの「なじみのあるキャラクター」にしてしまうというのは、うまい手だと言えます。
そこに世界的人気があり、オシャレなイメージもあるスヌーピーを持ってきたのは、うまいなぁと思えますね。

スヌーピー ストリート (iTunes が起動します)