開発/経営シミュレーションゲームの定番メーカー「カイロソフト」が、今度はサッカークラブの運営を行うアプリを公開しました。
サッカークラブ物語」です。

サッカークラブの運営シミュレーションは定番の「サカつく」(プロサッカークラブをつくろう!)などいくつか存在しますが、このゲームはカイロソフトらしく気軽に遊べる内容に簡略化されていて、あまりサッカーをリアルにシミュレートしている訳ではありません。
よってサッカーファンには物足りないかも知れませんが、サッカーに詳しくなくても十分に楽しむ事ができます。
初心者でも簡単に遊ぶ事ができ、上級者ならかなりやり込める、バランスの良いゲーム性は相変わらずですね。

なお、ガラケー版のサッカークラブ物語は2010年11月末にリリースされています。
Android 版は昨年11月に公開されていて、iPhone 版はそれより少し遅れての公開となりました。

サッカークラブ物語

カイロソフトのゲームには ゲーム発展国開幕!!パドックGP のようなコマンド入力型と、ゆけむり温泉郷財閥タウンズV のような施設配置型の2種類がありますが、このゲームはコマンド入力型になります。

プレイヤーは選手の雇用や特別練習、試合への参加などを実行しながらゲームを進めていきますが、練習は自動で行われるし、選手の体調管理なども存在せず、基本的には試合の申し込みといくつかのコマンドを実行したら、後は眺めているだけで進行します。
施設の建設もありますが、空き地をタップして何を建てるかを選ぶのみで、ゲームとしてはかなりシンプルだと言えますね。

試合のシーンではキャラクターがちょこまか動きながらサッカーをする模様が映しだされます。
レッドカードやロスタイムがない簡略化されたもので、指示も「通常」「ロングパス重視」「ドリブル重視」の3つしか出せません。
しかしサイドからドリブルで突破したりセンタリングをあげたりなど、これはこれで見ているだけでも楽しめます。

試合や練習によって選手の経験値が貯まっていき、一定量貯まるとレベルアップして能力が上がります。
さらに「研究ポイント」も得られ、これを消費して地域活動スポンサーとの交渉選手の特別練習などが行えます。
研究ポイントはクラブの施設を選手が利用することでも得られます。

地域活動はファンや知名度を上げるためのものですが、繰り返し実行することでランクが上がり、「握手会」のランクが上がれば新スポンサーが登場し、「周辺整備」なら新施設が登場、「青空サッカー教室」なら新しい選手をスカウト出来るなど、活動ごとに異なる効果が現れます
スポンサーと契約すれば試合の収入を増やすことが出来ます。

資金は主に施設建設と、新しい選手との契約に使います。
初期のチームメンバーはイマイチな選手が多いので、どんどん優秀な選手と契約してスタメンを入れ替えていかなければ、強いチームには勝てません。
選手には「平凡」や「代表クラス」、「ストライカー」や「ファンタジスタ」などの特徴があり、できるだけ優秀な選手を加えていきたいところですが、優秀な選手は契約金も給料も高く、さらにクラブの人気が低いうちは交渉を何度も繰り返さなければなりません。
また将来性があってもレベルが低い選手は即戦力にし辛く、場合によっては「平凡」でもレベルが高い即戦力の選手と契約した方が良いこともあります。

サッカークラブ物語

サッカークラブ物語

今作は試合シーンが長めなので、やや進行が遅いのですが、そのぶんゲームの終了も早く、8年目の3月末で終わります。
他のカイロソフトのゲームは 12 年や 15 年で終わる物が多いのですが、クリアまでにかかる時間は今までとあまり変わりません。

破産するようなことはまずなく、試合をしているだけでも徐々にチームは強くなっていくので、誰でも簡単に遊べるゲームですが、期限内に「全国リーグ」や「ワールドリーグ」で優勝しようと思ったら相応の計画性が必要になります。
この辺りのカイロソフトらしいゲームバランスは今回も健在ですね。
期限内に達成するのは困難な、さらに上位のカップ戦や特別試合なども存在し、やり込み要素も用意されています。
なお、今回は選手の能力や施設のレベルなどをそっくりそのまま2周目以降に引き継げるので、1周目と2周目以降の難易度差が今まで以上に大きい印象です。


十分面白いゲームなのですが、サッカークラブ運営シミュレーションとしては、やはり選手のケガやレッドカードによる試合出場停止、ロスタイムや PK などの演出も欲しかったかなぁ、と言う気もしてしまいますね。
選手もモデルがいる人が若干いますが、ほとんどがオリジナル。 でも、もうちょっとモデルが解る選手がいた方が楽しめた気がします。
あまり複雑にすると今度はカイロソフトらしくない重すぎる内容になってしまいますが、かなりシンプルなシステムと言えるので、もうちょっとサッカーらしい部分を加えても良かった気はします。

あと、今回はカイロソフトのゲームには珍しく、現時点(2012/1/7)でバグが多いです
練習コートを拡張しても森のままだったりとか、試合中のカメラワークがおかしくなるとか、2週目の開始時に見えない施設があるとか、試合が出現せず2週目のゲームが進められないとか、おかしい部分が目に付きます
特に2周目が進められない事があるバグは問題ですね・・・ アップデートで修正されるとは思いますが・・・ 

サッカークラブ物語

価格は 450 円。 カイロソフトのアプリはこれが定価のようですね。
今回も時間を忘れてやり続けてしまう面白さがあり、カイロ系の経営シミュレーションゲームが嫌いでなければ、十分にオススメできるアプリです。

「サッカーシミュレーション」ではなく、あくまでサッカーをテーマにしたカイロソフトのゲームアプリ、という感じでしょうか。
ある意味「割り切っている」と言えるこの作り方が、カイロソフトらしいと言えるでしょう。

サッカークラブ物語 (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

このゲームの一番のポイントは「どの選手を雇うか」「どの選手を育てるか」だと思います。
と言う訳で、まだ暫定版ですが、調べている範囲の選手の能力データを一覧表にしましたので、以下のページを参考にして頂ければと思います。
重要なのは各選手の Lv1 の時の能力(基礎能力)であり、これが成長力にも上限値にも関わっています。

サッカークラブ物語 選手データ

試合では3つの指示が出せますが、ドリブル重視の場合はスピードが大切で(追いつかれるようでは突破できない)、ロングパス重視の場合は FW のボディが大切になる(センタリングをあげても FW がコケてると繋がらない)ようです。
選手の能力に合わせて設定するのが良さそうですが、基本的には「通常」で構わない気も。

あと、どんなポジションでもボディが重要だと思います。 潰されてたら勝てません。
よってボディが低い選手はやや使い辛い印象です。
キーパーは特徴「自由人」が、並のキーパーより優れてたりするので注目です。

クラブの施設は、まずはハートと電球(閃き)の研究ポイントを得られる施設を重視しましょう。
あと試合の「グッズ販売」の収益にグッズショップが影響する模様です。

リーグ戦については、「地域リーグ」と「全国リーグ」の難易度差が大きいです。 しかも全国リーグは11戦もあるので、戦力が十分でないのに無理して挑むと苦戦が続く上に時間が勿体ないです。
「地域リーグ」が終わったら地域活動の「観戦ツアー」を実施して新しいカップ戦を登場させ、そのカップ戦を戦いながら全国で通用するレベルまでチームを強化していきましょう。