背中にネジが付いた騎士がノンストップで走り続け、数々の障害物をジャンプや攻撃でかわしていく、3D で描かれた背景が美しいダッシュ系のゲームが登場しています。
ねじ巻きナイト」です。

ゲーム内容を一言で言うと、「止まらずに走り続けるスーパーマリオ」と言った感じでしょうか。
止まれないので常に素早い反応が必要で、難易度は高いのですが、序盤のうちは遊びやすいステージ構成になっています。
奥行きが感じられる美しい町並みや港、森などの背景は一見の価値があり、シンプルながら見栄えのするゲームですね。

ちゃんとデザイン化された「ねじ巻きナイト」と書かれたタイトル画面や、非常に自然な日本語のメッセージが表示されるため、国産のゲームかと思いがちですが、開発したのはアメリカ・シリコンバレーの小規模な開発スタジオです。
日本市場を重視している様子が伺えるのは、日本人としてはありがたいですね。
ちなみに Android 版も公開されています。

ねじ巻きナイト

ゲームは非常にシンプル。 主人公が勝手に右に走り続けるので、上矢印のジャンプボタンで穴や障害物を飛び越えていきます。
敵がいる場合は剣ボタンで剣を振って倒します。
ボタンは見た目は小さいですが、プレイしていて押し辛さを感じたことはないので、判定はかなり大きく取られているようで、操作性は良好ですね。

ステージの進行に合わせて、低い場所をくぐり抜けられる転がりボタンや、落下してくる岩や炎を防ぐための盾ボタン、さらには二段ジャンプや壁ジャンプなどの操作が増えていくのですが、これらは徐々に追加されていく形であるため、いきなり多くのアクションを要求されることはありません。
ただ、中盤以降は出来る事が多くなり、それを素早く使い分けていかなければならないので、瞬間判断力が試される内容になります。

ゴールまで辿り着けばステージクリア。 落下したり障害物や敵に当たってミスすると最初からです。
また主人公にはネジが付いていて、途中に落ちている「ねじ巻き」を拾うことで補充されるのですが、ねじ巻きを取れなかったりしてネジが尽きてもミスとなります。

ステージ中にあるコインを取ったり、ステージをクリアする事でお金が貯まっていきます。
これを使って装備を購入する事ができ、装備によって「1度だけ落下物を防げる」「ネジが1度補充される」などの効果を得ることができます。

ねじ巻きナイト

ねじ巻きナイト

解りやすい内容と美しいグラフィック、遊びやすいゲーム性で、なかなか楽しめるゲームなのですが・・・
実は、遊びやすいのは最初だけ。
ゲーム中盤からは難易度がどんどん上がっていき、非常にシビアなタイミングと、素早いボタンの使い分けが要求されます。

12 ステージで構成されている4つのワールドがあるのですが、2つ目のワールドからはかなり難しく、覚えておかないと回避できないようなトラップの配置も多くなります。
一瞬の判断ミスが命取りになり、しかもミスったら毎回ステージの最初からやり直しになります。
ステージの長さも増していくため、もう中盤からは「覚えゲー」「マゾゲー」の世界になっていきますね。
何度もリトライを繰り返しながらステージを攻略していく「パターンゲーム」に近く、プレイしながらマップの構成を意識的に記憶していくことが必要です。

各ステージに隠し面に進むための「カード」が隠されているのですが、これも非常にシビアなジャンプが要求される場所や、もの凄く取り辛い場所・解り辛い場所に配置されている事が多く、しかも取れてもクリアしないとやり直しになるので、あまりにもマゾ過ぎて集める気になれません

※隠し面に進むための条件はカードを集める事ではなく、「各ブックの12ステージすべてでAランク以上」が条件のようです。 よって隠し面に行くのにカードは必須という訳ではないそうです。

さらに強化装備についても、普通にプレイしたのでは購入は困難です。
と言うのも、前のステージに戻ってコインを稼いでくるのが難しく、例えばコインを 60 枚取ってクリアしたステージを再度プレイし、2度目は 70 枚取ってクリアしたとしても、コインは 70 枚ではなく、差分の 10 枚しか増えないからです。
つまりコインの入手量がキッチリ決められていて、課金しないと装備を揃えられないシステムになっています。
このようなシステムのため、クリア困難なステージを装備で何とかする、みたいなことは(課金しないと)できません。 ここは思わず「セコい」と感じてしまいますね・・・


ただ、やっていて思うのは・・・ ファミコン時代のゲームや、その頃のアーケードゲームには、このぐらいの難易度のアクションゲームは多かったという事。
例えば当時の「悪魔城ドラキュラ」や「ロックマン」なんかは、このぐらいのリプレイ前提のゲームバランスだった気がします。
それを少しずつ攻略していくのを楽しんでいた訳で、もしその頃にこのゲームがあったら、むしろ簡単に感じたかもしれません。

私的にこのゲームにはレトロゲームっぽい雰囲気を感じていて、メーカーのサイトやアプリの説明文にも「面白いしかけとシンプルさと挑戦的な内容の複合」「ナメるとヤケドする」「骨のあるアクションゲーム」と書かれており、この難易度は狙って作られたもののようです。
かなり辛い難易度に感じている自分は、すっかり「ぬるゲーマー」になってしまったという事でしょうか・・・

以下は Youtube で公開されている公式のゲームトレーラーです。



価格は 170 円。 iPhone / iPad 双方に対応しているユニバーサルアプリです。

※現在は本体無料になっている模様です。

「絶対オススメ!」と思う程ではないのですが、悪くないゲームである事は確かです。
キャラクターの動きやグラフィックなどの全体的な完成度は高いので、後は中盤からの難易度やゲーム性をどう感じるかですね。

ファミコン時代のアクションゲームや、昔の洋ゲーのアクションを、現代風&モバイル型にアレンジした内容だと言えます。
ちょっと人を選ぶゲームだと思いますが、ハードルを1つ1つ越えていくのを楽しめる方には、お勧め出来るゲームだと思います。

ねじ巻きナイト (iTunes が起動します)