可愛いんだか気持ち悪いんだかよく解らないゼリー状の生物が、不思議でユニークな雰囲気のモノトーンの惑星(?)で、妙にクセになるちょっと変わった BGM をバックに戦いを繰り広げるという、独特な世界観のタワーディフェンスが登場しています。
Jelly Defense」です。

先に総評を言ってしまいますと、難易度は高めですが、最近試したタワーディフェンスの中では一番良いですね
奇妙なキャラクターデザインには好き嫌いがあると思いますが、グラフィックの綺麗さや練り込まれたバランス、ボーカル付きの BGM など、かなり作り込まれた作品です。

開発はポーランドのメーカーで、Sky ForceCan Knockdown など、それなりに有名なアプリを開発しているモバイルゲームの老舗メーカーです。
ちなみに Android 版も公開されています。

Jelly Defense

タワーディフェンスのタイプとしては、敵の通り道が決まっている「ルート固定型」になります。
ただ、このゲームは他のタワーディフェンスとは異なる特徴が多くあります。

まず一番大きいのは、タワーと敵に赤色と青色の2種類があり、赤い敵は赤いタワーでないと青い敵は青いタワーでないと倒せないこと。
赤と青の混合タワーもありますが、あまり強くないノーマルなタワーで、効果的に敵を倒すには2色のタワーを使い分ける必要があります。

タワーを設置できるポイントは決められていて、好きな場所に配置出来る訳ではありません。 ただ、ほとんどのステージで設置場所は多めに用意されています。
また、道幅が広かったり狭かったり一定でないのも特徴で、射程が短いタワーだと道の端まで攻撃が届かないこともあります。
敵の進入口や移動ルートが複数あるステージも多く、これらが相まって一筋縄ではいかないゲームになっていますね。

タワーの数は全部で8種類。 しかし多くのステージで最初に使えるタワーは3つだけ。
では残りの5つはどうするのかと言うと、脳と木が合わさったようなユニットを選択し、ゲーム中に「研究」を行うことで使えるようになります。
研究にも資金が必要なので、どのタイミングでどのタワーを使えるようにするかも重要なポイントになります。

マップ内には 10 個のクリスタルが置かれている広場があり、このクリスタルを敵に全部持ち去られるとゲームオーバーになるのですが、広場と出口までの距離が遠いステージもあります。
この場合、クリスタルを持ち去られても、画面外に逃げられる前に撃退すればクリスタルを奪還できます

敵を倒した時に出るお金はタップで拾うことができ、逆に言うとちゃんと回収しないと資金が増えません
ステージによっては崖や池があり、その近くで敵を倒すとお金がそこに落ちてしまう事があるので、場所によっては素早い回収が必要です。
なお、奪還したクリスタルも回収することで広場に戻す事が出来ます。

Jelly Defense
※ステージの最後にはボスが登場する。 ボスが赤い場合、もう青いタワーは不要なので売ってお金に変えてしまおう。
タワーのアップグレードや売却は少し「押しっぱなし」にする必要がある。 操作にややクセがあるので注意。
タワーは敵を一定数倒してもアップグレードするが、それを待つ余裕はあまりない。
左下に見えている緑色の木+脳みそ(?)でタワーの研究をする。 結構時間がかかるので判断はお早めに。


Jelly Defense
※キャラクターデザインはなんだか独特。 キモカワイイと言うか何というか・・・ BGM も独特です。
タワーは「ノーマル」「赤の範囲攻撃」「青の長射程」が基本ユニット。 他のタワーは研究しないと使えないが、どれもクセがあってうまく使うのは難しい。
「二点間ビーム」は射程内に2つ設置しないと発動しないので注意。 電撃とレーザーは強いけど、コストが高い。


Jelly Defense
※敵を倒すとたまにパネルを落とす。 これを使うと強力なスペシャルアタックが発動!
ステージによってはこれをうまく活用しないとクリア困難。 使いどころを考えよう。
特に全タワーをアップグレードするパネルをいつ使うかは攻略のポイント。 雷雲と竜巻は本体を傾けて操作します。


丁寧に作られたゲームでデザインもハイセンス、欠点というものは特にないのですが、やや気になるのは難易度でしょうか。
前述したように「赤と青のタワーを使い分ける必要がある」「敵の移動ルートが複数ある」などの特徴のため難易度が高く、タワーディフェンスに慣れていない人だとちょっと厳しいと思います。
iTunes のレビューにも「難しい!」という意見が見られますね。

特に赤い敵は赤いタワーで、青い敵は青いタワーでしか倒せないと言うことは、敵が出てくる順番を事前に知っておかないと有効な対処が出来ない場合がある訳で、後半ステージになると初見でのクリアは困難になってきます。

まあ、このぐらいの歯応えがあった方がタワーディフェンスに慣れている人でも楽しめると思いますし、各ステージとも綿密なバランス取りがされている印象はあります。
でも他のタワーディフェンスをやったことがない方には、ちょっとオススメし辛いのも確かですね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 250 円。 iPhone / iPad 両対応のユニバーサルアプリで、値段以上のクオリティーはあると思います。
ここ最近、コレと言ったタワーディフェンスに出会っていなかったのですが、このゲームは秀作と言えます。
キモいキャラクターもやっているうちにかわいく見えてくる・・・ かも?

成長要素のようなものはありませんが、後半ステージのクリアや、各ステージのパーフェクトクリアはかなり難しいので、難易度から来るやり込み性はあります。
見た目も内容も一風変わっているので、相応の新鮮さもありますね。

タワーディフェンスが好きな方なら抑えておくべきアプリでしょう。

Jelly Defense (iTunes が起動します)